山崎選手は、今年より新設されたMAスーパーフェザー級王者。しばしば「和製ベニー・ユキーデ」と称されることから分かるように、そのキャリアは長く、実に45戦を数える。変則的な動きから多用なパンチを駆使し、対戦相手を翻弄する老獪さと、5ラウンドにわたってペースを守り続けるスタミナも持ち合わせている。対戦相手にすれば、実に「いやらしい」選手だといえる。 その山崎選手と対戦する金沢選手も、すでにキャリア10年を数えるベテラン選手である。確かに、全日本ライト級の中堅ランカーとしてその名を知られてはいたが、正直なところ、輝いて見える試合は少なかった。しかし去る7月、長年に亘り日本のキック界を牽引してきた立嶋選手を飛びヒザ蹴りでKO葬。一躍時の人となった。 前試合を落としている山崎選手と、立嶋選手を葬り勢いに乗る金沢選手。山崎選手は金沢選手の光を消すことが出来るか。あるいは、金沢選手が立嶋を破った勢いを持続するか、そのあたりが楽しみである。
和製ユキーデ山崎後ろ回し蹴り
試合はジャッジがスプリットながら、金沢選手が制した。 金沢選手は終始落ち着いて、山崎選手の不規則な動きに対応していたが、組み合った状態から特に手やヒザを出すわけでもなく、少しおとなしい印象だった。首相撲での勝負を避け、ミドルレンジでの闘いを望んでいたのだろうか。 一方の山崎選手も、クリンチに入り、そのまま投げ飛ばすという場面が多く、やや積極性に欠けるとの見方も出来よう。いつも通りといえば、いつも通りだが、手数も少なく、これで判定勝ちを狙うというのは少し難しかったのではないか。 両団体のトップクラスの対戦ながら、今一つ焦点のぼやけた試合となった感は否めない。金沢選手の判定勝利は順当と思うが、対抗戦らしい激しい試合を期待していたファンには少しばかり消化不良の試合となったのではないだろうか。 文 片岡
一方の山崎選手も、クリンチに入り、そのまま投げ飛ばすという場面が多く、やや積極性に欠けるとの見方も出来よう。いつも通りといえば、いつも通りだが、手数も少なく、これで判定勝ちを狙うというのは少し難しかったのではないか。
両団体のトップクラスの対戦ながら、今一つ焦点のぼやけた試合となった感は否めない。金沢選手の判定勝利は順当と思うが、対抗戦らしい激しい試合を期待していたファンには少しばかり消化不良の試合となったのではないだろうか。 文 片岡