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 [第11試合 日・豪国際戦 71kg契約5回戦]
伊藤隆 vs ジョン・ウェイン
本軽重量級のトップを走る伊藤隆、団体内に敵無しの彼がムラッド・サリ以来の大物外国人との試合を組まれた。相手はWMTC世界ウェルター級4位にして、1時ルンピニーでもランキングされていたジョン・ウェイン。初来日ではJ−NETWORKのエース小比類巻貴之を圧倒、大差の判定で下している。
 この一戦は伊藤が世界に通用するか否かが試される一戦となる。

 ジョン・ウェイン選手の入場スタイルは、トレードマークのウエスタンハットにガンベルト。そしてトランクスにはキスマークがたくさん付いていて、どうもこの日セコンドについたセンティアンノーイ選手のトランクスらしい。

 一方の伊藤選手はいつもの黒いガウンを羽織っている。前のラビット・土屋戦が壮絶な試合だったため、その余韻を残しておりこの試合への期待もいやがおうに盛り上がる。

 試合前ウェイン選手はワイクーを披露したが、最後に弓を伊藤選手に放つポーズをする。しかし伊藤選手もその前に仁王立ちになり、弓を受け止める仕草。何度かそのやり取りが有った後、ウェイン選手は弓からバズーカー砲に持ち替えて伊藤選手を狙うなど、良い緊張感が漂い始める。

ガンベルトをさげてのワイクー、そしてバスーカ砲の構え




ラウンド1 藤選手は前蹴りで距離を取りながら、右ミドル、ロー。ウェイン選手は単発だが右ミドル・右ストレートを放つ。あまり肘膝を使わない伊藤選手。組んでもさほど動きはなくお互いに探り合う程度。

序盤の探り合い

ラウンド2 のラウンドでは先手を取っていた伊藤選手だが、ウェイン選手の攻撃に合わせ、ロー・肘を使い始める。ウェイン選手の攻撃は重いものの、圧力を感じるほどではない。 そうこうするうちに、ウェイン選手の右ストレートをパーリングしてすぐ返した伊藤選手の左の肘が、ウェイン選手の頭をカット。すぐドクターチェックを受けるが、ストップ。伊藤選手の勝利。

ドクターチェックを受けるジョン


誰も予想しなかった呆気ない幕切れ。いや、肘での決着自体はは予想出来無くはなかったが・・・、しかし試合展開は探り合いの域を出ない内に終わってしまった。ジョン・ウェインの攻撃は何れも単発で、前回見せたパンチの連打も、そこからローへ繋ぐコンビネーションも影を潜めたままだった。首相撲でも恐らく伊藤の肘を警戒していたのであろう、ガッチリ両腕で伊藤の体を押さえ込み動きを封じて膠着。
 直前の土屋対関が大変な盛り上がりを見せただけに、余計内容的には物足りなく感じた。だが伊藤はこれで世界への第一歩を踏み出した、自身も試合後「あれでランカーなら自分にも」と意欲を見せていた。今回は結果をもってよしとして良いと思う。
 又、試合後両者は共にリング上から再戦を希望するアピールをした。

文 ジャズ大名&渡辺

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