鈴木選手は、前全日本ウェルター級王者。その全日本時代には、ローとパンチの破壊力には定評があるものの、やや生真面目なファイトスタイルのために、惜しい星を落とすこともあった。しかし、K−U旗揚げ戦では、人気者メルチョー・メノー選手をアグレッシブな左ローで粉砕。さらに、階級を一つ下げ、スーパーライト級を主戦場とすることで、従来の破壊力に加え、動きの軽さも手に入れ、現在勢いに乗っている選手であるといえる。 その対戦相手のチャナペック選手については、82戦65勝12敗5分けという戦績の他、元ラジャダムナンスタジアム・Jrバンタム級10位という肩書が知られている。今までウェルターでやってきた鈴木相手に、元々はJrバンタム級の選手というのは、いささかミスマッチではないか、という声も聞こえるが・・・。 とにかく、タイ人は、肩書や戦績だけでは想像が付かないのが常。鈴木選手が、今までの勢いを維持することが出来るか。その頑張りに期待したい。
やはり、タイ人は闘ってみないと分からない。 チャナペック選手は、初回こそ様子を見ていたが、2ラウンドから積極的に右ミドルを放ち、ほとんどカットしない鈴木選手のボディを崩し始めた。鈴木選手も左ローを必至に返し、むしろ終盤あたりにはにはそれが奏効して勝負を決めるのではないかとも思わせたが、全く退かないチャナペック選手のペースを崩すには至らなかった。 蹴りの多くを右足でこなしたチャナペック選手だが、分かっていてももらってしまうのはやはり巧い。鈴木選手の体を開かせて打ち込む右ミドルもさすが。 鈴木選手は、従来のウェルター級からスーパーライト級に落とした分、動きも軽くなったということを聞いていたので、この試合を期待していたのだが。試合時の鈴木選手の腹筋の浮き具合からは、まさかボディで落ちるとは思わなかった。結果的には、あれだけもらえば仕方ないとは思うが・・・。 メノー選手を破ってK−Uのエース候補に名乗りを上げ、一気に台頭するかと思われた鈴木選手だが、残念ながらつまずいてしまった。その潜在能力は高く評価されているものの、今一つコンスタントに力を発揮しきれないところが、ファンとしては歯がゆいところ。次の試合こそ、仕切り直しとして新しい鈴木選手を見たいと思う。 文 片岡
メノー選手を破ってK−Uのエース候補に名乗りを上げ、一気に台頭するかと思われた鈴木選手だが、残念ながらつまずいてしまった。その潜在能力は高く評価されているものの、今一つコンスタントに力を発揮しきれないところが、ファンとしては歯がゆいところ。次の試合こそ、仕切り直しとして新しい鈴木選手を見たいと思う。 文 片岡