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 [第7試合 日・タイ国際戦64kg契約5回戦]
鈴木達也 vs チャナペック・ガッティンディ
木選手は、前全日本ウェルター級王者。その全日本時代には、ローとパンチの破壊力には定評があるものの、やや生真面目なファイトスタイルのために、惜しい星を落とすこともあった。しかし、K−U旗揚げ戦では、人気者メルチョー・メノー選手をアグレッシブな左ローで粉砕。さらに、階級を一つ下げ、スーパーライト級を主戦場とすることで、従来の破壊力に加え、動きの軽さも手に入れ、現在勢いに乗っている選手であるといえる。
 その対戦相手のチャナペック選手については、82戦65勝12敗5分けという戦績の他、元ラジャダムナンスタジアム・Jrバンタム級10位という肩書が知られている。今までウェルターでやってきた鈴木相手に、元々はJrバンタム級の選手というのは、いささかミスマッチではないか、という声も聞こえるが・・・。
 とにかく、タイ人は、肩書や戦績だけでは想像が付かないのが常。鈴木選手が、今までの勢いを維持することが出来るか。その頑張りに期待したい。



ラウンド1 ャナペック選手が軽く前蹴りを出すと、鈴木選手が左ローを出す。見合いから鈴木選手が左ローを重ね、そこからストレートへとつなぐ。鈴木選手が右フックを打つと、チャナペック選手がローを合わせ、さらにローからハイのコンビを見せる。鈴木選手は右ロングフック、左ロー、を多用。チャナペック選手は、右ローを合わせるが、深追いしない。
ラウンド2 木選手の左ローから。チャナペック選手は速い右ミドルを蹴りかえす。さらに、右ミドル、右ロー、左ハイと続ける。鈴木選手は時折左ストレートを合わせる。ゆっくりしたリズムから右ミドルを放つチャナペック選手は、距離を詰めて首を取るとヒジを振る。組み倒して再開すると、またチャナペック選手の右ミドル。鈴木選手もフックからローを返すが、チャナペック選手はコンスタントに右ミドル、右ロー、右ハイを繰り出す。


チャナペックの膝とミドルが鈴木を襲う

ラウンド3 ぐり合いから、鈴木選手が前蹴り。すぐ、チャナペック選手が右ミドルを返す。鈴木選手が左ローを2発続けると、チャナペック選手は飛びヒザ蹴りを見せ、右ロー、右ストレートと返す。チャナペック選手は右ロー、テンカオ、右ミドルと攻め手を休めない。鈴木選手も左ローをよく返すが、その度に、チャナペック選手もハイ、ミドル、ロー、テンカオと返すのでペースを取り戻せない。そしてチャナペック選手は、ボディストレートを打ち込み、ヒジを二振り。さらにヒザを突き上げ、頭を下げさせてヒジ。右ミドルには左ローを返されるも、最後にボディストレート。


鈴木はパンチとローで反撃

ラウンド4 ャナペック選手が、ボディを狙ってパンチ、ミドルを続ける。鈴木選手も左ローを返すが、チャナペック選手も右ロー。続けて右ミドルの連打、左フックと鈴木選手を休ませない。鈴木選手が左ローを出すと、前蹴りで突き放し、右ロー。鈴木選手をロープに追い詰め、右ヒザを突き刺し、体が折れたところに右ミドル。崩れる鈴木選手にヒジを落としてダウンを奪う。
 かろうじて立ち上がった鈴木選手だが、チャナペック選手は一気に詰めると体を沈めて左右のボディフックで再びダウンを奪うとそのままKO。


ボディー攻めで遂に鈴木KO負


はり、タイ人は闘ってみないと分からない。
 チャナペック選手は、初回こそ様子を見ていたが、2ラウンドから積極的に右ミドルを放ち、ほとんどカットしない鈴木選手のボディを崩し始めた。鈴木選手も左ローを必至に返し、むしろ終盤あたりにはにはそれが奏効して勝負を決めるのではないかとも思わせたが、全く退かないチャナペック選手のペースを崩すには至らなかった。
 蹴りの多くを右足でこなしたチャナペック選手だが、分かっていてももらってしまうのはやはり巧い。鈴木選手の体を開かせて打ち込む右ミドルもさすが。
 鈴木選手は、従来のウェルター級からスーパーライト級に落とした分、動きも軽くなったということを聞いていたので、この試合を期待していたのだが。試合時の鈴木選手の腹筋の浮き具合からは、まさかボディで落ちるとは思わなかった。結果的には、あれだけもらえば仕方ないとは思うが・・・。

 メノー選手を破ってK−Uのエース候補に名乗りを上げ、一気に台頭するかと思われた鈴木選手だが、残念ながらつまずいてしまった。その潜在能力は高く評価されているものの、今一つコンスタントに力を発揮しきれないところが、ファンとしては歯がゆいところ。次の試合こそ、仕切り直しとして新しい鈴木選手を見たいと思う。

文 片岡


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