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 [第6試合 日・タイ国際戦55kg契約5回戦]
水井聡 vs ニチャウ・ペッサマイ
井選手(K−Uバンタム級1位)はK−Uでの初試合となる。前試合は、全日本時代の3月興行にて、中嶋選手(富士魅)から3ノックダウンを奪ってKO勝利を上げている。全日本時代はあまり脚光を浴びる機会はなかったが、パンチとローキックには光るものを持つ。新天地に移っての第一線はいきなりの国際戦。水井選手にかかる期待は大きいといえる。
 その水井選手の相手は、ニチャウ選手。成績は45戦35勝10分け。特に肩書となるべき成績は上げられていないが、ムエタイで45戦も闘いながら、いまだ無敗という事実は看過できないだろう。そして、彼を有名にしたのは、ニカウさんに似ているということもさることながら、何といっても日本にも馴染みのソムデートM16選手を判定で破っていること。
 はたして、水井選手はニチャウ選手に初の黒星を付けることが出来るだろうか。

赤い化粧に薔薇(カーネーション?)の花、一寸異様な光景だ



ラウンド1 チャウ選手は、頬には赤いほっぺたメイク。モンコンには、赤いバラがテーピングで付けられている(トレードマークとなっているらしい)。なかなかお茶目なキャラクターだ。
  水井選手が、ローから前蹴り、さらにロー。ニチャウ選手はミドルからすぐに組みつく。水井選手が突き放すと、ローからワンツー、右ミドルに繋げる。ニチャウ選手は距離を詰めて首相撲に持ち込み、ヒザを回す。コーナーを背負って前蹴りで距離をとろうとする水井選手。しかし、間合いを詰めて首相撲から右ヒザを回し続けるニチャウ選手。すでに水井選手の脇腹は真っ赤に。距離が空いても、ニチャウ選手はミドル、右ハイ、右ハイと積極的に攻める。
ラウンド2 チャウ選手の左ジャブに、水井選手は左ローからストレートを合わせる。ニチャウ選手は左ハイを放ち、首を取るとすぐ右ヒザを突き上げる。距離をとりたい水井選手は左ミドルを続けるが、ニチャウ選手も左ミドルを返し、再び首相撲で右ヒザを回す。後手後手に回る水井選手に対し、右ハイ、左ミドル、そして首相撲から右ヒザを脇腹に打ちつけるなど、打ちたい放題。この回、終了間際に水井選手の左眉のあたりが切れ、インターバール中にドクターチェックが行われた。


ニチャウの猛攻

ラウンド3 井選手が左ミドルから首を取られて横ヒジを打ちつける。ミドルの打ち合いから、水井選手はワンツー、ニチャウ選手は左ハイで水井選手の頭を揺らす。そこからラッシュを掛けた水井選手が、コーナーに追い詰めて左ストレート、ヒザ蹴り、右ミドル、傷口を狙ったパンチと畳み込むと、水井選手の傷が広がって、ここでストップ。

 

確かにニカウさんに似ている


回からニチャウ選手の巧さが光り、完全に水井選手を封じ込んでしまった。水井選手が首相撲に難があると見るや、しつこく首相撲に持ち込んでは的確に右ヒザを打ちつけ、ガードを下げると、そこにハイ、ミドルを散らし、中間距離でも水井選手を制していた。
 ニチャウ選手は、あまりスピードを感じさせなかったが、いやらしいタイミングで執拗に攻め込むあたりの狡猾さはさすが。残念ながら、今の水井選手にはそれに対抗する術はなかったようだ。
 数日前に行われた土屋ジョーVSラビット関の試合は、日本のバンタム戦線を震わせる好試合だった。それだけに、今後K−Uバンタム級の王者候補としての期待がかかる水井選手には、今日の試合を糧に今少し経験を積んでバンタム級のトップ戦線に名乗り出て欲しい。

文 片岡

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