RIZIN 2.22 浜松アリーナ:朝倉未来、2R KO勝ちし次は4.19 横アリで朴光哲戦。バンタム級戦線はビクター・ヘンリー、井上直樹、金太郎が勝利
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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RIZIN.21
2020年2月22日(土)静岡・浜松アリーナ
レポート:井原芳徳 写真:(C) RIZIN FF
第10試合 MMA 肘有り 68kg契約 5分3R
○朝倉未来(トライフォース赤坂/元THE OUTSIDER 65-70kg級・60-65kg級王者)
×ダニエル・サラス[Daniel Salas](メキシコ/ボーンブレイカーズ・チーム)
2R 2’34” KO (左ハイキック→グラウンドパンチ)
静岡で初開催された今回にRIZINは、隣の愛知県の豊橋出身の朝倉未来がメインイベンターを務めた。朝倉兄弟の兄・未来は大晦日のRIZIN.20でのベラトールとの対抗戦でのジョン・マカパに判定勝ち。公開練習では、いつものサウスポーとは違い、オーソドックスで構えてのミット打ちを披露し、「これから世界の強豪と戦うために、右も練習しています」と明かしていた。
対するサラスはTapologyのデータによるとMMA戦績23戦16勝6敗1分。1988年6月8日生まれの31歳。07年にプロデビュー後、11年まで12連勝し、以降14年まで4連敗したが、最近は2連勝中だ。15年にはUFCのトライアウト番組TUFのメキシコ版に参加し、1試合したが判定負けしている。ライト級の選手のため、フェザー級の未来は体格で劣るが、問題にしなかった。
1R、未来はサウスポーからの左ミドルを当て、サラスは伸びのあるジャブを振るう。サラスは時折スイッチするがオーソドックス主体だ。中盤、未来の右ボディと左ストレートの連打が当たり、サラスは少しふらつく。サラスもパンチを随所で返すが、終盤、未来の途中で軌道の変わる左ハイがクリーンヒット。サラスは足をつかんで組み付くが、右まぶたをカットし出血する。
2R開始前にサラスのドクターチェックが入る。試合が再開し、変わらずスタンドの攻防が続く。中盤、サラスがサウスポーにスイッチした際、未来は右ボディを当てる。サラスはオーソドックスに戻すが、未来は右のローのフェイントから飛んで、二段蹴りの形で左ミドルをクリーンヒットし、少しサラスをうずくまらせる。すると未来は左ハイを再びクリーンヒット。サラスがダウンし、未来がパウンドをまとめて失神させたところでレフェリーがストップした。
未来は「初めての浜松大会、どうでしたか?相手強かったんで、KOできて良かったです。怪我も無いんで、4月(19日)も出ようかな。じゃあ皆さん横浜アリーナで会いましょう」とアピールした。すると朴光哲(KRAZY BEE/元ONE&修斗環太平洋ライト級王者)がリングインし、未来に向かって「誰の挑戦でも受けると言っていたので、立候補してもいいですか」と対戦を要求した。
続けてRIZINの榊原信行CEOもリングに上がり「未来、やる?」と尋ねると、未来は「別にいいですけど」と承諾した。朴は「矢地(祐介)君も負けているし、KRAZY BEEとは因縁があります」「今、未来君は純粋に一ファイターとして勢いがあって稼いでいます。朴光哲の進退を賭けて戦います。負けたらやめます」と宣言。最後に一言求められると「しっかり練習しとけよクソガキ」と挑発したが、未来はクールな表情を崩さなかった。
朴は静岡出身で現在42歳。修斗で01年にデビューし、HERO’SとDREAMにも出場した。12年からはONEに参戦し、初戦で王座を獲得したが、13年4月の2戦目で青木真也に敗れ王座陥落した。その後もONEを主戦場としてきたが、17年12月・昨年1月・8月と、3試合連続で1Rで敗れている。
◆未来
思った以上に強かったです。「噛ませ」と言われていましたけど、結構強い選手と思っていて、油断せず準備していたんですけど、映像で見るよりも腕が長くて、届かないと思ったパンチも当たってちょっと焦りました。サウスポーの時のジャブが見にくかったです。
(公開練習では右を試していました)右を練習してきたので、オーソドックスでやろうと思っていたんですけど、思った以上にアゴを引いていて、右のパンチだと頭に当たるなという。4月も出ないといけないのにこれを殴ったら折れるなと思って、左でやりました。対面して左だとアゴを狙える感じがしました。
(1Rにいいパンチが入っても深追いしなかったのは?)もっとテイクダウン狙いで来ると思って、追撃しなかったんですけど、意外と打撃戦に持って来ましたね。僕のテイクダウンディフェンスを警戒していたのだと思います。
(勝利を確信したのは?)二段蹴りでボディが効いたところでハイキックが入るなって確信がありました。
(二段蹴りは空手時代から?)初めて使いました。とっさに思い浮かんだんで。
(公開練習で2RでのKOが理想と話していました)狙ったんですよね、嘘ですけど(笑)。理想通り行って良かったです。
(最後はレフェリーが止める前に攻撃を止めたのは?)伸びていたので。レフェリーよりも俺の判断が早かっただけじゃないですか?選手の規定を守らないと。
(地元に近い浜松で戦った感想)応援も多くて、勝ちよりも魅せる戦いをしたいというのが大きかったです。
(今後の展望)4月、あんまり気が乗らないことをやることになっちゃったんですけど、相手よりも花粉という強敵がいるので、ちょっとハンデぐらいの選手で休憩させてもらって、4月の次の開催がいつかわからないですけど、次は強い奴とやりたいですね。
(朴の印象は?)全く知らなくて。矢地君のセコンドという印象で、おじさんが何で上がって来たのかなって思ったんですけど。試合後に「ONEのチャンピオンだった人だよ」と聞いて。まだ試合は見ていなくて、まあまあ強いのかなと思っているんですけど、試合を見て判断します。
(最後にガキと言われました)まあガキですね。あの人からしたら。まあいいんじゃないですか。
(髪型を編み込みにしたのは?)大晦日はアップをしていた時に髪が邪魔だと思って、とっさに縛りました。寝技になっていれば取れていたと思うので、今回から編み込みにしました。
(この後、何をしたい?)酒を飲みたいかなって感じですけど、4月もあるのであんまり飲めないですね。もうちょっと格闘技を頑張ろうと思います。
第9試合 MMA 肘有り 61kg契約(バンタム級相当) 5分3R
○ビクター・ヘンリー(米国/UWF USA/DEEPバンタム級王者)
×金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA/元SRCフェザー級王者)
2R 0’45” TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)
ヘンリーは昨年8月の名古屋大会でトレント・ガーダムに一本勝ちして以来2戦目のRIZIN。元SRCフェザー級王者の金原はRIZIN初戦。両者はグラップリング大会のQUINTETで18年6月に戦い、金原がアキレス腱固め一本勝ちしている。
1R、スタンドでのお見合いが続き、ヘンリーが右ロー、金原が左ジャブを時折当てる。3分過ぎ、金原が片足タックルで倒して上になる。ヘンリーは下から足を動かしオモプラッタ等を狙うが、金原は防御し、パスガードに成功すると、すぐバックを奪い、裸絞めを狙い続ける。
2R、挽回したいヘンリーは序盤からコーナーに詰め、パンチを積極的に振る。金原が組もうとすると、ヘンリーは突き放し、左ミドルを当ててからの右ストレートを金原のアゴにクリーンヒット。ダウンした金原にパウンドをまとめたところでレフェリーがストップした。
ヘンリーは「金原選手は私の昔からのヒーローです。戦えて良かったです。RIZINに参戦して2連勝です。タイトルマッチを組んでください」と、マネル・ケイプが頂点に立つバンタム級王座挑戦を熱望した。金原は試合後のインタビューで、この試合を最後に引退する意向を表明している。
第8試合 MMA 120kg契約(ヘビー級相当) 5分3R
○ロッキー・マルティネス(グアム/スパイク22/DEEPメガトン級(体重無差別)王者)
×関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術)
1R 4’04” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、関根がロープ、コーナーに押し込んで倒そうとする状態を繰り返すが、マルティネスは耐え、いずれも和田レフェリーから膠着ブレイクがかかる。中盤、マルティネスは組ませないようにパンチをコツコツと当てダメージを与える。関根は右ローを一発当てると、その後も繰り返し放つが、マルティネスはタイミングを合わせて右フックを当ててダウンさせる。マルティネスがパウンドを当て続け、サッカーボールキックも絡めて追い詰め、最後は関根が動けなくなったところでレフェリーがストップした。
第7試合 MMA 79kg契約 5分3R
○マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)
×ファルコ・ネト[Falco Neto](ポルトガル/クレバー・チーム)
1R 1’27” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
ソウザ兄弟の兄・マルコスと戦うファルコ・ネトは、マネル・ケイプのトレーナーで、これまでのケイプの試合にもセコンドについていた。1985年4月2日生まれの34歳で、TaplologyのデータではMMA戦績21戦11勝10敗。
1R、しばらくお見合いの後、パンチが交錯すると、マルコスの右のフックが当たり、ネトがふらつく。ネトは組んで上になるが、マルコスはすぐさまリバーサルに成功して上になると、勢い良くパウンドを当て続ける。ネトは一度脱出したが、再びマルコスが右フックを当ててダウンさせると、最後はパウンドの連打をまとめたところでレフェリーがストップした。
第6試合 MMA 肘有り 61kg契約(バンタム級相当) 5分3R
○金太郎(パンクラス大阪稲垣組/パンクラス・バンタム級3位)
×加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM/3POUND/修斗バンタム級環太平洋10位)
1R 4’21” 裸絞め
両者RIZIN初参戦。金太郎はレスリングシューズを着用している。1R、金太郎が左右のフックを振りながらコーナーに詰め、タックルで倒しトップをキープする。しばらく膠着し、中盤、金太郎がパウンドをまとめるが、すぐ膠着状態に戻る。終盤、加藤が下から三角を仕掛けるが、金太郎は外して動くと、素早くバックを取り、裸絞めを極めて加藤を失神させた。
マイクを持った金太郎は「(地元の)大阪大会があるみたいなんで、バンタム級が盛り上がっているし、もっとビッグネームを戦わせてください。みんなが見たい試合をします」とアピールした。
この試合の後、昨年のライト級GP優勝者のトフィック・ムサエフと、バンタム級王者のマネル・ケイプがリングインし、ファンに挨拶した。ムサエフは「日本が大好きです。日本のファンは素晴らしいです。RIZINの関係者にも感謝しています。これからも頑張ります。RIZINナンバーワン」とアピールした。ケイプは「今日は仲間のネトが試合をするのはうれしいです。日本に来ると家に帰って来た気分です。今後はバンタム級王座を防衛しますが、新しい挑戦もしたいです。フェザー級の試合やキックルールの試合をするかもしれません」と話した。
第5試合 柔術エキシビジョン イリミネーションマッチ 10分
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)
×チーム中井(登場順:木村由菜、重水浩次、エジソン篭原、品川祐、中井祐樹)
8’04” 5人抜き
地元静岡在住のブラジリアン柔術の強豪・ホベルトが、5選手と順番に戦う「柔術エキシビジョン イリミネーションマッチ」が行われた。「柔術の楽しさ・素晴らしさを伝えるため」にRIZINが組んだ企画で、エキシではあるが、10分以内にサトシがチーム中井の5人全員から一本を取れば勝ち、チーム中井の誰かがサトシから一本を取るか、もしくは1人でも残ればサトシの負けとなる。消極的な試合運びには警告および失格が与えられる。
チーム中井の先鋒は中学1年生の木村。開始すぐからサトシに飛びついいて引き込むが、サトシは余裕を持って対処し、バックから裸絞めを極めた。
続くは左手に麻痺を持つ紫帯の重水。足の取り合いとなるが、サトシが動いてバックを取ってから右腕を腕十字で極めると、重水は足でマットを叩いてギブアップを意思表明した。
続くはサトシと同じ日系ブラジル人でアジアスポーツ柔術連盟の会長の篭原。体格は劣るが、同じ黒帯のため、サトシの動きにも比較的対応する。しかしサトシは難なく襟絞めを極めて勝利した。
4人目はお笑いタレントで白帯の品川。サトシは途中で側転も絡める余裕の動きで、最後はマウントから三角を極めた。
最後は日本柔術界の先駆者で、日本ブラジリアン柔術連盟会長の中井。サトシが膝十字を極めかけるが、中井は対処する。しかしその後もサトシが主導権を維持し、三角絞めを極めつつ、アームロックとの複合技に持ち込むと、最後は中井がタップした。
サトシは「ごめんね。みんな総合見たいね。でも柔術、誰でもできる。パラリンピスト、有名人、レジェンド」と柔術の長所をアピール。続けて「10月試合負けた。RIZINベルト日本に無いの私悲しい。でもまだ私あきらめない。また強くなる。絶対RIZINのベルト日本に戻る」と、王座奪取を宣言した。
第4試合 MMA 肘有り 61kg契約(バンタム級相当) 5分3R
×トレント・ガーダム(オーストラリア/タイガームエタイ&MMA)
○井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)
判定0-3 (松宮=井上/新美=井上/大藪=井上)
DEEPとUFCに出場し、現在は佐々木憂流迦らとニューヨークで練習する井上がRIZINに初参戦した。井上も朝倉兄弟と同じ豊橋出身だ。ガーダムは昨年8月の名古屋大会でRIZINに初参戦し、ビクター・ヘンリーに3Rに一本負けしたが、2Rまで接戦を繰り広げた。
1R、ガーダムがサウスポー、井上がオーソドックスに構え、打撃戦が続く。お互い少しずつパンチを当てるようになると、揃って鼻血を出すように。終盤、井上がテイクダウンを奪い、バックに回ろうとするが、ガーダムは脱出し、逆にバックを取ろうとし、一進一退の攻防を繰り広げる。最後はスタンドに戻った後、ガーダムがタックルで倒して終える。
2Rもスタンドの攻防が続くが、中盤、井上が倒してバックを取ることに成功する。井上は裸絞めを極めかけるが、ガーダムは防御する。それでも井上はバックをキープし主導権を維持する。
3R、スタンドの攻防が続き、ガーダムは前に出て左ボディ、右ストレートを随所で当てる。井上は手数が減ってしまう。終盤、お互いテイクダウンを奪うが、決め手は無く終える。記者採点は2Rにフィニッシュに近づいた井上。ジャッジも3者とも井上につけたが、スコア上よりも苦しい試合となった井上は険しい表情のままだった。
第3試合 MMA 肘有り 66kg契約(フェザー級相当) 5分3R
○ヴガール・ケラモフ[Vugar Kyaramov](アゼルバイジャン/オリオン・ファイトクラブ)
×カイル・アグオン(グアム/スパイク22/パンクラス・フェザー級2位)
判定3-0 (大藪=ケラモフ/新美=ケラモフ/松宮=ケラモフ)
ケラモフは昨年のRIZINライト級GP優勝者のトフィック・ムサエフのトレーニングパートナー。92年2月20日生まれの28歳で戦績17戦14勝3敗。Tapologyのデータによると4年間10連勝中で、昨年11月のベラトール・イスラエル大会で1R KO勝ちしている。
対するアグオンはRIZIN初参戦。パンクラスで活躍し、昨年10月にISAOのフェザー級王座に挑戦し判定2-1で惜敗している。グアムでの山本美憂のトレーナーとしても知られる。ケラモフ対アグオンの勝者が今後の朝倉未来の対戦相手に浮上する可能性は十分あるだろう。
1R、サウスポーのアグオンに、ケラモフが右フックを序盤から当てて、少しひるませる。ケラモフはすぐ組み付き、抱え上げて倒すと、鉄槌を連打して追い詰める。アグオンは脱出してスタンドに戻すと、お見合いが続くが、ケラモフは時折重みのある右ミドル、ストレートを当て、優位を維持する。
2R、アグオンは立った状態からグラウンドに引き込むと、すぐさま三角絞めを仕掛けるが、ケラモフはもがいて外す。スタンドに戻るが、目立つ攻防は無く終わる。
3R、アグオンはタックルを仕掛けグラウンドに持ち込もうとするが、ケラモフは防御を続ける。残り1分、離れるが、お互い攻撃は乏しいまま終える。記者採点はケラモフ。ジャッジ3者も序盤に攻め込んだケラモフを支持した。
※キックルールは肘無し、つかんだ状態での攻撃は1回のみ可能
第2試合 キック 120kg契約 3分3R
○実方宏介(真樹ジムAICHI/Bigbangヘビー級王者)
×酒井リョウ(レンジャージム)
1R 1’28” KO (右フック)
第1試合 キック 57kg契約 3分3R
○竹内賢一(TenCloverGym世田谷)
×直也(VERSUS)
判定3-0 (30-27/30-26/30-26)
オープニングファイト第3試合 キック 60kg契約 3分3R
○ヘンリー・セハス(ボリビア/ブラジリアン・タイ/HEATキックルール・ライト級王者)
×SEIDO(Lara-Tokyo/RISEスーパーフェザー級(60kg)9位)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
オープニングファイト第2試合 キック 70kg契約 3分3R
○憂也(魁塾/DEEP☆KICK -65kg王者)
×康輝(キング・ムエ)
1R 2’30” KO (パンチ連打)
オープニングファイト第1試合 キック 59kg契約 3分3R
△戸塚昌司(C’rush)
△大澤匡弘(STRIKEs GYM)
判定1-0 (30-29/29-29/30-30)