ムエタイ 10.11 ルンピニー:武湧会の14歳・渡邊愼一、初のルンピニーで2R勝利
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格闘技医学会
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スック・ギャットペット
2019年10月11日(金) タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
記事提供:早田寛 (Photo & Text by Hiroshi Soda)
第5試合 100ポンド契約
○渡邊愼一[シンイチ・エクシンディコンジム](武湧会)
×ペットソンセン・ペットジャルンウィット(タイ)
2R TKO
渡邊愼一(14歳:武湧会)が、ウォーワンチャイプロモーションより、ルンピニースタジアム、スックギャットペットに参戦した。渡邊は、日本国内でアマチュア50戦の戦績があり4つの国内タイトルを奪取。現地でのムエタイにも関心があり、12歳に初のタイ遠征を経て、今回がタイ5戦目でルンピニー初参戦となる。これまでのタイ遠征では日本人離れしたテクニックの数々でタイ選手から勝利してきたが、そんな実績がタイ関係者らの目に留まり、今回のルンピニー参戦への運びとなった。
対戦相手のペットソンセンは、マハーサラカム県出身の14歳、40戦35勝の戦績がある。初回、ペットソンセンは、ローとパンチで距離を詰めてきた。渡邊は落ち着いて距離を取りミドルキックを返すが、ペットソンセンは執念深くローとパンチで斬りこんでくる。早いラウンドで渡邊を潰しにかかったのだろう。だが渡邊も距離を取りローとミドルを返す。渡邊陣営はペットソンセンの弱点を見抜いたのか「ボディを打ってみろ」と指示が出ると、渡邊はタイミングよく強烈な右ボディブローを決める。一瞬ペットソンセンはハッとした表情を見せたが、渡邊のパンチの強打を知り、ここからパンチで撃ち合う事を避けたようだ。
2ラウンドに入り、渡邊は長いリーチを生かし、前蹴りからのローキック、ミドル、そしてパンチへとつなぐ。ペットソンセンもローを返してきた。渡邊のローとペットソンセンのローが交差する中、渡邊の角度の良いローキックが4~5発ヒットすると、ペットソンセンは足をかばい始めた。渡邊陣営も「ローを蹴りこめ」と指示を出し、渡邊も容赦なくローキックを連射すると、ペットソンセンは足から崩れ落ちた。足が完全に効き、うなだれるペットソンセンにレフリーは続行不可能とみて試合をストップ。渡邊愼一は、ローキックで2R TKO勝利を決めた。
ペットソンセンは初回から自信満々で渡邊を倒す気できたが、逆に渡邊のガードの硬さや的確なローキックに捕まっていった結果だ。渡邊はこの大舞台でセコンドの指示通り動けたことや、的確に一点の的に技(ローキック)を集中できた事など、このルンピニー初勝利で、得られた経験も大きかったと思う。
渡邊から勝利の声が届いている。「今回、初めてルンピニースタジアムに出場させていただき、勝つことができました。応援していていただき、ありがとうございました。」