K-1 KRUSH 8.31 後楽園ホール:鈴木勇人、死闘制し初防衛。敗れた左右田泰臣は引退表明。K-Jee、盟友RUIをKOしクルーザー級王者に
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K-1 KRUSH FIGHT.104
2019年8月31日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/王者)
×左右田泰臣(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/挑戦者、元RISE王者)
4R 判定3-0 (梅木10-9/西村10-9/豊永10-9)
3R 判定0-0 (梅木29-29/西村29-29/豊永29-29)
※鈴木が初防衛
鈴木は1月の第7代王座決定戦で松下大紀を2R KOし、王者となって以来初の防衛戦。左右田は17年8月の中澤純戦以来2度目のKRUSH王座挑戦だ。
1R、鈴木はサウスポーに構え、セコンドの久保優太のアドバイスを聞きながら、右ロー、左ミドルを何発も当て続けて、左右田を完封する。
2R、左右田は手を突き出しながら距離を縮め、ボディに左右のパンチを当てるように。鈴木は時折顔をしかめ、ミドルが減る。左右田は顔面へのパンチも織り交ぜ優位に試合を運ぶ。
3Rも左右田がボディと顔面へのパンチを当て続けて優位を維持する。だが中盤から鈴木は左ミドルを捨て、距離を詰め、頭をつけてのパンチと膝の打ち合いに持ち込み、両者一歩も譲らぬまま終える。
ジャッジは3者とも29-29で延長へ。3R後半同様、両者とも頭をつけてパンチを打ち合う。だが中盤から、鈴木が左右田の肩に両手を添えながら、つかまないギリギリの状態で、左膝をヒットする場面も増やす。パンチと交互に当て、終盤には右フックのクリーンヒットも増やす。左右田も抵抗してパンチを返し、激しい打ち合いで場内は大歓声に包まれ終了。攻撃数で上回った鈴木がマスト判定で支持され判定勝ちし、初防衛に成功した。
鈴木は「左右田選手に挑戦する気持ちが強くて、何も言うことを考えていませんでした。今まで戦った選手と根性が違いました。顔がボコボコです。これからも精進して強くなって、もっと大きいベルトを取りに行きます」とアピールした。
大会後のインタビューで左右田は「試合が終わるまで言わないつもりでしたけど、鈴木選手はたまたま行きつけの銭湯が一緒だったり、かわいがっている後輩でした。僕がトレーナーをやっていたボクシングジムにも来てミットを持ったりしていたんで、だからこそスッキリした気持ちです」と明かした。マスクを脱いで退場し、インタビューでも着けなかった理由を尋ねると「もう終わりっすね。だから最後みんなに挨拶しようと、そんな感じです」と、引退を表明。続けて「応援してくれたみなさんありがとうございました。K-1 JAPAN GROUPでの5年、凄く楽しめて、今回も最高の思いで臨みました。色んなことがありましたけど中身の濃い10年(の選手生活)だったと思います。これからもK-1 JAPAN GROUPを楽しんでもらえたらと思います」とメッセージを残した。
鈴木は「想定通りでした。削り合いになったら気持ちとスタミナでは負けない自信がありました」と試合の感想を語り、左右田については「一緒の銭湯に行ったり、アドバイスをくれたり、凄くいい人で尊敬していました。けどそういう人も蹴落とすのが格闘技だと思うんで」と複雑な心境を明かしつつ「左右田さんの遺志も継いでK-1のベルトを取りに行きます」と宣言した。
第8試合 初代K-1 KRUSH FIGHTクルーザー級(90kg)王座決定トーナメント決勝戦 3分3R(延長1R)
○K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/RISE RISING ROOKIES CUP 2013ミドル級(70kg)優勝)
×RUI(K-1ジム蒲田チームキングス/RIS RISING ROOKIES CUP 2014ミドル級(70kg)優勝)
2R 1’43” KO (右ストレート)
※K-Jeeが王者に
初代クルーザー級王座決定トーナメントは8選手参加で1月からスタートし、5月大会に準決勝が行われ、K-Jeeは杉本仁を、RUIは植村真弥を下し決勝に進んだ。両者とも福岡のリアルディール出身で10年来の仲で、先輩のK-Jeeが意地を見せる。
1R、サウスポーで長身のRUIが右手を出して距離を作り、左ミドル、左テンカオを当て、若干優位だったが、K-Jeeも右のインローを返し、終盤には右フックの連打からの右ハイでRUIをぐらつかせ挽回する。
2RもRUIが左ミドル、左テンカオを効かせ、先手を取る。苦しそうな表情を見せたK-Jeeだったが、下がりながらも右ストレートを当てると、RUIがひるみ、右のパンチを連続で当ててダウンを奪う。RUIのダメージは大きく、K-Jeeが再び右ストレートを連打しダウンを奪うと、ロープの外にはみ出て倒れたRUIを見て、豊永レフェリーがストップした。
悲願のベルトを巻いたK-JeeはRUI、朝久泰央、SATORU成合とこの日出場した九州勢の名前を挙げ「福岡が盛り上がっています。来年K-1福岡大会やりましょう」とアピール。さらに先日のK-1大阪大会でK-1 WORLD GP王者のジナ・カリミアンをKOした愛鷹亮の名を出し「愛鷹選手とは1勝1敗なので、決着戦もいいと思います」と話した。
負けたRUIは「兄貴と慕っているK-Jee選手と戦えて良かったですけど悔しいです。でもK-Jeeさん、相変わらずマイクが下手なので、やり返したいです」と話していた。
第7試合 女子52kg契約 3分3R(延長1R)
○ヨセフィン・ノットソン(スウェーデン/オールスターズ・トレーニングセンター/IFMA世界女子フライ級王者)
×壽美[ことみ](NEXT LEVEL渋谷)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)
ノットソンは3月のK-1 WORLD GPさいたま大会でのKANAとの再戦で完勝しリベンジに成功し、KRUSH初登場。壽美はKRUSH・KHAOSで3戦3勝し、4月にはフランスの試合でも勝利しているが、ノットソンの壁は高かった。
1R、開始すぐ、サウスポーの壽美をノットソンが右の前蹴り一発で吹き飛ばすと、パンチ、ミドル、ロー、膝等をノットソンが矢継ぎ早に当て続けて主導権を維持。終盤には右のスーパーマンパンチでぐらつかせる。2Rもその展開は変わらず、中盤には左ハイでダウン気味に倒す場面も。3Rも左ハイ、右のパンチ等を当て続け優位を維持し完勝した。
マイクを持ったノットソンは「KANA選手も言うように、K-1の女子トーナメントを開催してください。世界中の選手が集まった中で私がチャンピオンになりたいです」と話した。
第6試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元K-1 KRUSH FIGHTバンタム級(53kg)王者)
×林 勇汰(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/FSG)
判定3-0 (西村30-28/山崎30-29/太田30-28)
金子は3月のさいたま大会での玖村修平との死闘を制したが、右手の骨折により6月のK-1 WORLD GP両国大会での同級世界最強決定トーナメントは辞退していた。林はトーナメントのリザーブファイトで小倉尚也にKO勝ちしている。
1R、金子は素早く右に回り込んで、左ミドル、右膝等の蹴りを随所で当てる。林は崩れず、時折ローを返すが、あまり攻撃が出せない。
2Rも金子が左ミドルを主体にしつつ、終盤には右前蹴り、右膝蹴り、右ハイ等も当て、優位をキープする。
3Rも金子が左ミドル、左膝、左右のハイ、バックスピンキック、右ストレート等を当て続け主導権。なかなか明確なヒットにつながらず、林を崩せなかったが、手数差で判定勝ちした。
第5試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○朝久泰央(朝久道場)
×横山朋哉(リーブルロア)
判定3-0 (太田30-29/山崎30-29/三浦30-29)
1R、ゴングが鳴ると、横山がサウスポーから飛び込んでの左フックを当て、その後も同じ技で積極的に攻めて先手を取る。だが朝久は大きなダメージを負わずに耐えると次第に左ミドル、右ローのヒットを増やして挽回する。
2R、朝久が右のボディ狙いの前蹴りを効かせると、以降はサウスポーにもスイッチしつつ、ミドル、前蹴りを多く当てて主導権を維持する。3Rは少し横山も攻撃が増えたものの、終盤は朝久が連打をまとめ終了。2Rにポイントを取った朝久が判定勝ちした。
第4試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○瑠久(K-1 GYM横浜infinity)
×松岡翔大(ISHITSUNA MMA)
2R 2’46” KO (右フック)
1R、長身のサウスポー・松岡が左ミドルを効かせ、終盤、コーナーに下がらせての左テンカオを効かせ、パンチと膝のラッシュでダウンを奪う。
だが2R、瑠久が松岡のパンチのカウンターで右フックを効かせるようになると、少しずつパンチのヒットが増え、終盤、連打の中で左フックをクリーンヒットしダウンを奪取。ダメージの大きい松岡から最後は右フックでダウンを奪ったところで豊永レフェリーがストップした。
マイクを持った瑠久は「11月24日横浜アリーナ、生粋の横浜っ子の俺が出ないと盛り上がらないんで。中村プロデューサー、俺、下克上するんで」とアピールした。
第3試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○佐野天馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbang王者)
×森坂 陸(エスジム)
判定3-0 (30-28/30-29/30-28)
佐野が左ジャブを駆使し、1R終盤から少しずつ攻撃の数を増やし、3Rには右ロー、左ボディを効かせて度々森坂の動きを止め、手数多く攻め判定勝ちした。森坂は連勝が4で止まった。
第2試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×優谷(ウィラサクレック・フェアテックス西川口)
○SATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)
2R 0’42” TKO
※優谷が計量950gオーバーで減点1、ファイトマネー20%減額、優谷は10オンス・成合は8オンスのグローブハンデ
1R、優谷が伸びのある右ストレートを効かせ、中盤からは左ミドルを駆使したが、終盤、左ミドルのカウンターで成合が右フックを合わせ、ダウンを奪う。2R、成合の右膝がローブローとなり、試合が中断。優谷のダメージが大きく、規定により5分経過しても回復が見込めずドクターストップがかかった。
多くのキックやMMAの試合では、ここまでの内容で採点が行われるが、ルールに基づき、記録上はSATORUのTKO勝ちとなっている。
第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2017 -65kg優勝)
○中島千博(POWER OF DREAM/極真会館2017全日本軽重量級(90kg)優勝)
3R 0’32” KO (右上段後ろ回し蹴り)
中島は5月のKRUSHでキックデビューし、安田学登に右ハイで2R KO勝ち。今回はライト級から階級を下げての試合となる。
1R、中島が左ミドル、左ボディを効かせつつ、右ストレート、左右のハイを当て優勢。だが佐野も耐え、右ロー、右ストレートを随所で当て、中島にダメージを与える。
2R、中島が右ロー、左ボディを効かせてから、中盤に右フックでダウンを奪う。3Rも序盤から右フックでダウンを奪うと、ダメージの大きい佐野に右上段後ろ回し蹴りをクリーンヒットし、豪快にKO勝ちした。
プレリミナリーファイト第3試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
○璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)
×晃弘(K-1 GYM横浜infinity)
判定3-0 (30-27/30-28/29-28)
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R
△内田 晶(チーム・タイガーホーク/拳聖空手)
△吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
判定0-1 (29-30/29-29/29-29)
プレリミナリーファイト第1試合 ウェルター級(67.5kg) 3分3R
×清水卓馬(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)
○寧仁太・アリ[Ayinta Ali](K-1ジム総本部チームペガサス/第25回K-1アマチュアAクラス -70kg優勝)
3R 1’04” TKO (ドクターストップ:左まぶたのカット)