ONE Championship 5.3 ジャカルタ:健太、接戦制しONE初勝利。高橋遼伍は1R TKO勝ち。岡見勇信、逆転TKO負け。山田哲也は判定負け
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ONE Championship「ONE: FOR HONOR」
2019年5月3日(金)インドネシア・ジャカルタ:イストラ・セナヤン
レポート:井原芳徳 photos by ONE Championship
第5試合 ムエタイ バンタム級(65.8kg) 3分3R
○健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
×デイヴィダス・ダニーラ(リトアニア)
判定2-1
健太は3月8日のミャンマー大会でONEに初参戦し、タイの強豪・ペットモラコットの相手を務めるが判定負け。ダニーラは昨年11月のONEで鈴木博昭と対戦し、鈴木に判定負けした選手だ。
Japanese warrior Kenta Yamada earns a hard-fought split decision win against ultra-tough Deividas Danyla in ONE Super Series Muay Thai! #WeAreONE #ForHonor #Jakarta #MartialArts pic.twitter.com/XlG6UwVYiu
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月3日
両者オープンフィンガーグローブ着用。1R、ダニーラはサウスポーに構え、プレッシャーをかけ、積極的に左ミドル、左ストレートを当てる。健太は下がりながらも右ローを随所で当てるが、中盤過ぎ、ダニーラの右アッパーをもらって少しひるんでしまう。
2Rも押され気味の健太だが、中盤に右ミドルと左ジャブの連打を当てると、パンチを増やすように。首相撲になれば膝も当てる。ダニーラはスイッチを駆使しながら、随所でパンチを当て、はっきりした差はつけさせない。
3R、健太は首相撲で膝を当て、接近戦でパンチを振るう。ダニーラは若干劣勢ではあるが、パンチを返し、ミドルも当て、接戦の状態を維持する。
記者採点は1Rに健太をひるませたダニーラ。2Rと3Rは健太がやや手数で優勢だったため、判定は悩んだが、はっきり効かせる攻撃がダニーラより乏しかったと感じた。やはりジャッジは割れたが、2者が中盤から巻き返した健太を支持。健太がONE白星をもぎ取り、ONEでの戦績を1勝1敗とした。
第14試合 メインイベント ONEスーパーシリーズ・ムエタイ・フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ 3分5R
×サムエー・ガイヤーンハーンダオ(タイ/王者)
○ジョナサン・ハガティー[Jonathan Haggerty](英国/挑戦者)
判定0-3
※ハガティーが王者に
Fifth-round knockdown for "The General!" WHAT. A. BATTLE! #WeAreONE #ForHonor #Jakarta #MartialArts pic.twitter.com/XXLaeX0NIW
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月3日
オープンフィンガーグローブ着用のムエタイ。1R、サウスポーのサムエーが左のローとミドルを的確にヒットする。リーチで勝るハガティーも左のジャブと前蹴りを駆使しつつ、右ストレートを返す。さすがにサムエーよりは劣るとはいえ、ハガティーもムエタイの高いスキルを印象づける。
2R、サムエーがムエタイの定石通りにこのラウンドからギヤを上げ、蹴り数を増やしつつ、左肘でもハガティーを脅かす。だがハガティーも接近戦で左フックを振り回すと、サムエーは少しひるんでしまう。サムエーは鼻柱から出血し、ドクターチェックを受ける。
3R、手応えを得た様子のハガティーは右肘を当てるなどしてやや優位に試合を運び、終盤にはサムエーの左ボディストレートの直後、右ストレートを当ててダウンを奪う。
4R、サムエーは逆転を狙い、さらにギアを上げ、左肘、左膝、左ボディを執拗に当て続けると、ハガティーは防戦一方に。
5Rもサムエーが攻め続け、ハガティーが下がる展開が続くが、ハガティーが右のテンカオを胸元に当てて意識を下に向けさせた直後、右ストレートを当ててダウンを奪って流れを変える。サムエーの左ローで、ハガティーは足を引きずるようになり、最後までわからない展開を作るが、ハガティーはうまく前蹴りとステップでかわし続け、逃げ切ることに成功する。
記者採点は2度ダウンを奪ったハガティー。ジャッジ3者も同様で、ハガティーが下馬評を覆して王座奪取を果たした。
第13試合 コ・メインイベント MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
×岡見勇信(EXFIGHT)
○キャムラン・アバソフ[Kiamrian Abbasov](キルギス)
2R 1’10” TKO (レフェリーストップ:右フック→グラウンドパンチ)
UFCで活躍した岡見は2月にONEとの契約が発表され、今回がONE初戦だ。対するアバゾフはレスリング、ボクシングをベースとする25歳。約8年前から地元のMMA大会に出場し、Tapologyのデータでは20勝4敗。昨年からONEに上がり、初戦はルイス・サントスに判定負けしたが、12月の2戦目ではAgilan Thaniに1R裸絞めで一本勝ちしている。
試合場はリング。1R、岡見がサウスポーに構え、右ジャブ、左ミドルを当てる。アバソフはフェイントを細かくかけながら右ストレート、右ハイを返す。中盤、岡見が胴タックルを仕掛け、脇を差すと、足を掛けてテイクダウンに成功し、すぐさまマウントポジションを奪うことに成功する。アバソフはブリッジでマウントをほどきガードポジションに戻す。岡見はじっくりと隙をうかがいハーフガードへ移行してポジションをキープし、最後は立って終える。
2R、アバソフが1R序盤同様に細かくフェイントをかけ、右のインローを当てる。岡見は距離を詰めると右フックを放つが、アバソフはかわし、突き放してからすぐ右フックを放つと、岡見のアゴにクリーンヒットし、岡見は真後ろに倒れる。アバゾフはチャンスを逃さず、上になってパウンドを素早く連打していると、オリヴィエ・コスト・レフェリーがストップした。
Kiamrian Abbasov spoils Yushin Okami’s ONE debut with a POWERFUL ground and pound finish at 1:10 of Round 2! #WeAreONE #ForHonor #Jakarta #MartialArts pic.twitter.com/229ru0kWR6
— ONE Championship (@ONEChampionship) 2019年5月3日
岡見は前回12月のUFCのアレクセイ・クンチェンコ(ロシア)同様、右のフックをもらって負けるパターンに。新天地・ONEでベルトを目指し、初戦でコ・メインイベント(セミファイナル)に抜擢されたが、いきなりつまづいてしまった。
第12試合 MMA 71.4kg契約 5分3R
×山田哲也(タイガームエタイ/Y&K MMAアカデミー)
○マラット・ガフロフ(ロシア/元フェザー級(70.3kg)王者)
判定0-3
昨年の山田は前半に3試合行い、初戦は敗れたが、そのあとはエリック・ケリー、ハファエル・ヌネスに2連勝。約10カ月ぶりの試合で、ナラントンガラグ、横田一則にも勝っている強豪ガフロフとの試練の一番を迎える。ガフロフは昨年9月に松島こよみにKO負けして以来の試合となる。
1R、サウスポーの山田に対し、ガフロフが10秒過ぎに右の大振りのフックから胴タックルを仕掛け、抱え上げてテイクダウンに成功する。山田は下から足を登らせてようとするが、ガフロフは密着して防御しつつ、時折腰を上げて空間を作ってパウンドを当てる展開を繰り返す。山田はガフロフのパワーに押されっぱなしだ。
2R、ガフロフは執拗にタックルを繰り返す。山田は飛び膝蹴りを当てるなどして抵抗していたが、1分足らずで倒されてしまう。1R同様にガフロフがトップをキープしてパウンドを時折当てる。終盤、山田がギロチンを狙って首を抱えたが、極まる前に外されてしまう。
3Rも30秒足らずでガフロフがタックルで倒して上になる。3分過ぎ、膠着ブレイクがかかり、山田がタックルを切って頭に膝を当てるが、ガフロフは耐えて倒して、トップポジションに戻し、キープして終了する。記者採点はガフロフ。ジャッジ3者も同じでガフロフの勝利に終わった。
第7試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○高橋遼伍(KRAZY BEE/元修斗環太平洋フェザー級王者)
×キアヌ・スッバ[Keanu Subba](マレーシア)
1R 1’46” TKO (レフェリーストップ:左足の負傷)
高橋はONE初参戦。17年10月の修斗での青井人戦で判定勝ちし、連勝を6に伸ばしていたが、怪我の療養で長期欠場し、それ以来の試合となる。3月から本格的な練習を再開していた。初戦の相手・スッバはONEに15年から上がりONEでは6戦2敗、2連勝の好戦績を残している選手のため、高橋にとっては初戦から存在感をアピールするチャンスとなる。
1R、開始すぐから高橋は得意の右ローを当てるが、長身のスッバはローに合わせて高橋の顔面にパンチを当てる。スッバは早くも時折オーソドックスからサウスポーにスイッチするようになり、高橋のローが効いているようだ。
するとフィニッシュが突如訪れる。スッバがサウスポーから左インローを放ち、高橋が左足を上げてカットすると、スッバは足を痛め、顔をしかめて真後ろに倒れる。高橋がすぐさまパウンドラッシュすると、レフェリーがストップした。ONEの場合、怪我をした選手を映さないため、状態がよくわからないが、スッバはスネを骨折した模様だ。
アクシデントの要素も無いとは言えない決着ではあるが、高橋が右ローを効かせたことでスッバが構えを切り替え、高橋がローをカットして骨折という事態を呼び込んだため、高橋の技術の勝利と言って構わないだろう。