NJKF 2.25 後楽園ホール:タネヨシホ、能登龍也との決着戦で完勝。小川翔、肘の応酬制し初防衛
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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NJKF 2018 1st
2018年2月25日(日) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第11試合 トリプルメイン3 WBCムエタイ日本統一フライ級王座決定戦 3分5R
×能登龍也(VALLELY/WBCムエタイ日本1位、NJKF王者)
○タネヨシホ(直心会/WBCムエタイ日本2位、INNOVAION 1位)
判定0-3 (櫻井47-50/中山47-50/神谷47-50)
両者は昨年10月のKNOCK OUT後楽園大会で対戦し、3R判定ドローに終わっている。その後、18歳の新鋭・タネは12月のDEEP☆KICK大阪大会で滉大相手にプロ初黒星を喫すると共に、同団体の53kg級のベルトを失う。能登も12月のKNOCK OUT両国国技館大会で石井一成にリベンジを許す。タネはNJKFのインタビューで「負けて初めて、悪かった部分をちゃんと見た」と話していたが、今回は敗戦を経ての成長の成果を発揮することに。
リングサイド席ではKNOCK OUTの小野寺力プロデューサーも見守る中、再戦のゴング。1R、能登が開始すぐから右のロー、スーパーマンパンチで積極的に攻め、タネは下がり続ける状況が続くが、まだ決定打はもらっていない。
2Rも能登が右ロー、左ボディを当てるが、タネも軸足刈りを決めたり、初対決時同様に蹴り足をすくって倒したりしながら、左ストレートや左ミドルも当て、少しずつ能登のリズムを崩しにかかる。
3R、能登は右ロー、左ミドル、左ボディ等を当て続けるが、ここでもタネは決定打を与えず。少しずつ膝、パンチのヒットを増やし、終盤には左ミドル等を連打し好印象を残す。ジャッジの中間集計は28-30/29-30/29-30で3者ともタネを支持している。
4R、タネが引き続き左ミドルを連打し、前蹴りも当て、時折崩しも狙い、終盤には肘もヒット。能登は大崩れはしないものの、攻撃が減って印象が悪い。
5R、タネは左肘、膝を当ててから崩しを決めたり、バック肘も放ち攻勢ムードを維持。能登のパンチをかわし続け、終盤には左ミドルを連打。最後は圧倒する形で判定勝ちしベルトを巻いた。
タネは「勝てると思っていなかったのでうれしいです」とはにかみながら笑顔を浮かべ、大阪から来た応援団に「これからも応援お願いします」と呼びかけた。
第10試合 トリプルメイン2 WBCムエタイ日本統一ライト級タイトルマッチ 3分5R
○小川 翔(OISHI GYM/王者)
×NAOKI(立川KBA/WBCムエタイ日本1位、NJKF王者)
判定3-0 (櫻井49-46/竹村50-47/神谷49-47)
※小川が初防衛
小川は16年11月に階勇弥との王座決定戦で勝利。NAOKIはその階を7月に破りNJKF新王者となり、小川に挑戦することになった。小川はNJKFのインタビューで、昨年4月に就任したタイ人トレーナーが「自分には合っている感じ」「前に前に出て倒しに行けっていうスタイル」と明かしていたが、防衛戦はその通りの内容に。NAOKIは王座獲得以降、タイ人相手に2連敗を喫しており、「憂さは今回晴らします」と意気込んでおり、気迫あふれるファイトを繰り広げる。
1R、序盤から首相撲での膝合戦があったが、中盤以降は離れ、小川がオーソドックス、NAOKIがサウスポーに構え、ミドル、ロー、肘の応酬。まだ差はほとんど無い。
2Rに入ると、小川が右のテンカオ、右の肘のヒットを増やす。NAOKIもタイミングを合わせて右フックを当てるが、肘で左まぶたを切られ、血だるまになり、2度ドクターチェックが入る。小川は勢いづき、右肘を放ち続け攻勢を印象付ける。
3Rも小川が右肘を放ち続けていると、NAOKIも肘を合わせて、お互い肘の応酬となり、小川も額を切られる。両者少し血を出すが、時間が経つと止まる。激しい肘の応酬が続くが、小川は右のテンカオも随所で突き刺して好印象を残す。ジャッジの中間集計は30-29/30-28/29-28で3者とも小川を支持する。
4Rに入ると肘の攻防は収まり、小川が膝とボディフックを駆使し、NAOKIもパンチを当てる。小川が少し手数が多く、NAOKIはなかなか打開を図れない。
5R、開始すぐにNAOKIはパンチと肘のラッシュで先手を取ろうとするが、小川も肘で応戦し、前に出ようとするNAOKIに右ミドルとインローも当て続け、トータルで差を印象付ける。最後は右インローでスリップさせて試合終了。小川が激戦を制し、初防衛に成功したが、NAOKIのガッツも光る好勝負だった。
小川は「新しいタイ人がうちのジムに入って、熱心に教えて下さってこうなったのと、名古屋からたくさんの人に応援してもらい、この勝利が生まれたと思います。NAOKI選手も強くで頑丈でした。せっかく防衛できたので、インターナショナル王座にチャンレンジさせてください」と話した。
第9試合 トリプルメイン1 WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R
×白神武央(拳之会/王者)
○YETI達朗(キングジム/WBCムエタイ日本1位、NJKF王者)
判定0-2 (櫻井49-49/中山48-49/神谷48-49)
※YETIが王者に
両者は15年5月の初対決では引き分けたが、16年2月の再戦では白神が2R KO勝ちしている。
1R、パンチの打ち合いと首相撲が繰り返され、まだお互い目立った攻撃が無い状態。2R、サウスポーの白神が前に出て、右ストレートや左肘のヒットが少し目立ち始め優勢に。3Rも白神は左肘を多用するが、YETIも膝やミドルを返し、少し挽回する。ジャッジ1名は中間集計で30-29で白神を支持し、残り2名は29-29としている。
4Rも基本的には同じような構図ながら、終盤に白神の左の縦肘でYETIが右眉のあたりを少しカットする。だが5RはYETIが最後の力を振り絞り、随所で左右のフック、右ミドルを当てて好印象を残し終了。結局、この最後の攻めが決め手となり、YETIが僅差の判定勝ちでベルトを奪取した。
第8試合 セミファイナル 58kg契約 3分3R
×新人(E.S.G/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者)
○岩城悠介(PCK連闘会/聖域統一60kg級王者)
1R 2’34” TKO (パンチ連打)
新人は昨年2月、半田一覇を破ってNJKFフェザー級王者となり2階級制覇を果たし、11月には駿太を下しWBCムエタイ日本王座も獲得し、昨年度のNJKFの努力賞を獲得した。対する岩城は宮城で所属先のPCK連闘会が開催している「聖域(サンクチュアリ)」の王者だ。
1R、開始すぐから岩城が前に詰め、パンチラッシュで先手。相手の情報がほとんど無い状態で臨んだ新人は不意打ちを食らった様子で、少しずつもらううちにダメージを負い、岩城が右フックでダウンを奪う。さらに岩城は前に出続け、左ボディも効かせた後、右アッパーと左ストレートの連打を叩き込み、新人が前のめりで倒れたところでレフェリーがストップした。
番狂わせを起こした岩城は「相手はWBCムエタイ日本王者なので、格上という気持ちで戦えたので、KOにつなげられたと思います。聖域、盛り上がっているので、見に来れたら見に来てください」とアピールした。
第7試合 WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級挑戦者決定戦 3分3R
○波賀宙也(立川KBA/WBCムエタイ日本1位)
×前田浩喜(CORE/WBCムエタイ日本2位、NJKF王者)
判定3-0 (竹村30-28/中山30-27/宮本30-27)
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)の持つ王座への挑戦者争い。1R、両者サウスポーに構え、波賀が前に出て、左ローを随所でうまく当てていたが、次第に前田の左ロー、ミドルも当たるように。まだ差はあまりない。
2R、波賀が左ローを当て続けた後、途中から首相撲に持ち込む展開が増え、膝を当て続け主導権。前田も膝を返すが、ヒット数が乏しい。ジャッジ1名は20-20、2名は20-19で波賀を評価する。
すると3R開始間もなく、波賀がまたも首相撲で捕まえると、今度は左肘を連打してダウンを奪取。前田は反撃を狙ってパンチとミドルの手数を上げるが、波賀が首相撲とミドルで攻撃を寸断し続け終了。持ち前のムエタイスキルを活かし完勝した。波賀は「減量がキツくて動きが悪かったんですけど、次、タイトルマッチ頑張ります」と勝利者インタビューで話した。
第6試合 3分3R
×大田拓真(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本バンタム級1位、NJKF 1位)
○ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(タイ)
判定0-3 (宮本28-29/竹村29-30/桜井29-30)
大田はINNOVAION同級王者の岩浪悠弥と戦う予定だったが、岩浪の負傷欠場で、ダウサヤーム・ウォーワンチャイ(1996年11月5日生まれ、53戦42勝11敗)との試合に変更となった。
1R、ダウサヤームはロープを背負う時間が長いが、時折放つ右ローは鋭く、右フック、右肘もヒット。大田は左右のボディブローから顔面にパンチをつなぐ。まだ両者の手数差は小さいが、大田は左まぶたが腫れ、鼻血を出している。
2Rもお互い慎重だが、ダウサヤームが時折鋭い右ミドルや膝を叩き込み、大田に攻め入る隙を与えないように。ミドルをもらった大田の脇の辺りが赤くなる。中間集計でジャッジ1名は19-19、2名は19-20でダウサヤームを支持している。
3R、大田は逆転を狙ってパンチの手数を当て、ボディから顔面につなげてダウサヤームを嫌がらせるが、ダウサヤームも随所でミドルを返し、組めば鋭い膝を突き刺し、終盤にかけて好印象を残し、大田に点差を埋めさせず判定勝ちした。
第5試合 NJKFスーパーライト級挑戦者決定トーナメント一回戦 3分3R
○真吾YAMATO(大和ジム/NJKF 2位)
×嶋田裕介(Bombo Freely/NJKF 3位)
1R 2’32” TKO (3ダウン:右ストレート)
第4試合 60kg契約 3分3R
×TAaaaCHAN(PCK連闘会/WBCムエタイ日本スーパーフェザー級5位)
○梅沢武彦(東京町田金子ジム/NJKFスーパーフェザー級7位)
判定0-2 (中山29-29/竹村29-30/神谷29-30)
第3試合 バンタム級 3分3R
×日下滉大(OGUNI GYM/NJKF 2位)
○俊YAMATO(大和ジム/NJKF 3位)
判定0-3 (28-29/28-30/28-30)
第2試合 スーパーバンタム級 3分3R
○久保田雄太(新興ムエタイジム/NJKF 3位)
×永井健太朗(Kick Box)
判定3-0 (30-28/30-28/30-27)
第1試合 スーパーライト級 3分3R
×村中克至(ブリザードジム/NJKFライト級1位)
○野津良太(E.S.G/NJKFスーパーライト級9位)
判定1-2 (29-30/30-29/29-30)