INNOVATION 5.13 ディファ有明:フェザー級王座戦で激突 櫻木崇浩「KOICHIさんの思いを胸に刻みリングに上がる」、浅川大立「いつだってこの試合が最後と肚を括って倒しに行く」
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INNOVATION「Champions Carnival 2018」(5月13日(日)ディファ有明)のメインイベント、INNOVATIONフェザー級タイトルマッチで対戦する“闘ふ神主”櫻木崇浩(武勇会/王者)と浅川大立(ダイケンスリーツリー/1位)の両者のインタビューがINNOVATIONから届いた。
第9試合 メインイベント INNOVATIONフェザー級タイトルマッチ 3分5R
“闘ふ神主”櫻木崇浩(武勇会/同級王者)
浅川大立(ダイケンスリーツリー/同級1位)
“闘ふ神主”櫻木崇浩インタビュー
昨年12月17日の“闘ふ神主”櫻木崇浩×安本晴翔は、半年前まスーパーフライ級だった天才児が3階級上の王者と対戦するという業界内外の注目を集めた試合は、櫻木が判定惜敗するも、その後も続く安本が無敗の快進撃を見るだに“闘ふ神主”の実力は、確かなもであると確認できたといえる。そこから約半年を置いての復帰戦は、虎の子のチャンピオンシップ防衛戦となった。挑戦者は、昨夏、辛酸を舐めさせられた強打者、浅川大立。INNOVATION屈指の好カード。この夏までに閉館となるディファ有明最終興行メインイベントに臨む王者に話を聞いた——。
――櫻木選手も幾度となく闘った“キックボクシングの聖地”であるディファ有明の閉館が決まり、そのINNOVATION最終興行でメインのタイトルマッチ、感慨深いのでは?
はい、ディファは、憧れの舞台でしたからね。
――憧れ?
コウイチさん(※1)の試合を始めて見たのがディファでした。眩しいくらいカッコ良くって、そんなディファでメインですから、それはもう。
――先日、不慮の交通事故で急逝した日本ヘビー級の名王者、KOICHI選手の訃報には、驚き、悲しみ、まだ冷めやらぬところですが、櫻木選手とご関係は?
四国は高松から大学の為に上京して、空手道からキックボクシングに転向したのがTHE SPIRIT GYM、後のバンゲリングベイ・スピリットで、ジムはコウイチさんが管理するAEファクトリー(現・バンゲリングベイ駒沢)でした。施設の整った立派なジムなのですが、当時は、そこで練習する選手も少なく、二人で駒沢公園をランニングして、ミットを持ち合うのが日課で……それにしても急な話過ぎて、コウイチさんがもういないだなんて、まだ実感が湧かないくらいで。
――まさに「負けられない理由」ですね。
はい、コウイチさんへの想いは、しっかりと胸に刻んでリングに上がります!
――話題となった安本戦から約半年、これまでどう過ごされていましたか?
あの試合後は、本当にヘコんで大変でした。INNOVATIONフェザー級のベルトも返上しようかと思い藤岡会長(武勇会会長、藤岡勇人)に相談したのですが「しっかり防衛して再戦を目指そう」と言っていただいて、今では、前向きに鍛錬の毎日です。
――強固なディフェンスと老獪なテクニックが持ち味の櫻木選手ですが、リニューアルされた部分もある?
「相手の良さを殺す」防御型の特徴はそのままに、これまであえて見過ごしてきた細かな穴を埋める作業ができました。
――“闘ふ神主”スタイルに磨きがかかった?
僕は、どんな強い相手にも辛勝か惜敗。「写真判定ファイター」なんて言うと自虐的過ぎるかもしれませんが、「負けない戦い方」には自信があります。しかし、それではジャッジの微妙な見解の相違で勝敗が分かれてしまうので、自分のペースを保って明確に勝つバージョンアップをしてきました。
――実力に定評がある反面、マニアックな試合展開になるきらいも見られます。
そうですね、トリッキーで大技を連発する八神剣太(※2)選手相手でも派手さを打ち消して接戦してみせますから(笑)。
――そこを曲げることはない?
僕の特性で「勝つ」ことを至上にするとそうなってしまっただけで、観客を沸かせることをないがしろにしているわけではないんです。ただ、その勝ちにこだわるプロセスを見極めていただければ味わい深い試合ではないかとも思いますし、バージョンアップすることで、極上テイストに仕上げることもできるんじゃないかなと。しかも相手があの浅川選手ですから。
――“あの”と言われますと?
日本屈指の激闘派ですよね。この前(今年3月25日)の翔貴戦は、激闘過ぎ(※3)て、いい意味で馬鹿げた内容でした。彼は、誰とやってもイケイケが変わらない。ならば、そこに一度は破れている僕がどう闘うか?
――昨年8月19日、フェザー級の櫻木選手がスーパーフェザー級トップランカーだった浅川選手と階級を上げての一戦は、激闘となりました。
これまで色んなチャンピオンクラスの人たちと戦ってきましたが、実は、あの試合が過去最大のダメージを負いました。大怪我ではないですが、1ヵ月は引きずるほどで、ディフェンスマスターを目指す自分的には、ショックな内容。筋骨太い浅川選手がまさか階級を下げてくるとは思っていなかったので、この再戦は僥倖です。自分も認める強敵相手にリベンジを果たせれば、自身の成長がハッキリと確かめられますから。
――改めて浅川選手の特徴を分析してください。
とにかくタフです。攻撃に迷いがない。どんな相手でも倒しに行く姿勢がブレないし、相打ちを厭わない心の強さが最大の武器でしょう。
――まさに強敵の印象?
ですね。しかし、「心の強さ」は、僕の特徴でもありますから、そこのせめぎあいで負けるわけにはいきません。「護る強さ」と「攻める強さ」の対決ではないかなと。「盾と矛」どちらが強いか見極めていただければなと。
――「盾と矛」とは、なるほど。この試合の先は?
ここでしっかりとベルトを護って、次は、WBC日本フェザー級タイトルを狙いたいです。そして、そんな王道路線を歩む自分にKNOCK OUTさんが声をかけてくれれば最高です。
――橋本道場(町田光、宮元啓介、安本晴翔)や山口道場(山口裕人、山口侑馬、鈴木真彦)を中心にINNOVATION勢がKNOCK OUTで大暴れしているだけに夢ではないでしょう。
倒しに行くことを第一義にしないから一見向かないようですけどね(笑)。
――そこで自分を落とさなくても。
いや、ですが、KNOCK OUTでは“プロフェッショナルシスト”健太(※4)選手が活躍されているじゃないですか。ディフェンス偏向型のテクニシャンということでは、恐縮ながら同系列だと思うんですよ。彼がトップにいることでKNOCK OUTの深みが増しているんじゃないかなと。なら、僭越ながら僕も続いてと。
――強烈なキャラクターを打ち出してパフォーマンスでもファンを楽しませる健太選手とリアル神主キャラ(※5)を自ら押し出す櫻木選手、セルフプロデュースできるセンスも共通しているかもしれません。
はい、「雅にリングを舞い、最強の盾をもって相手を屠る」“闘ふ神主”の神事(試合)をお楽しみに!
※1 コウイチさん 本名、渡邉浩一(ワタナベ・コウイチ)は、KOICHI、またはコウイチ・ペタスのリングネームを持ちK-1などで活躍。キックボクシング日本ヘビー級の第一人者としてWPMF日本ヘビー級王者、M-1ヘビー級王者となった渡邉浩一が2018年4月7日、東京都渋谷区の路上でバイク運転中、交通事故に遭い37歳の若さで急逝した。
※2 八神剣太 ヤガミ・ケンタ。数々のフェイントやトリッキーな動きから繰り出す大技が特徴的なJ-NETWORKフェザー級、REBELS-MUAYTHAIフェザー級、WPMF日本フェザー級の三冠王。櫻木とは、2017年4月16日に対戦し、判定勝利している。
※3 激闘過ぎ 2018年3月25日、INNOVATIONの大森ゴールドジム興行メイン、浅川大立×翔貴は、幾度ものダウンの応酬となる大激戦となった。この試合は、YouTubeにて無料公開されている。
※4 健太 ケンタ。NJKFの看板選手を長く務めるスーパーテクニシャン。“プロフェッショナルシスト”という独特なキャラクターを自ら打ち出し、国内外でファンを楽しませる。WBCムエタイ日本ウェルター級王者、初代Krush-70kg王者、NJKFスーパーウェルター級王者、NJKFウェルター級王者など数々のタイトルを獲得し、佐藤嘉洋を破るなど実力派の側面でもトップファイター。
※5 リアル神主キャラ 櫻木は、香川県高松市の廣田八幡神社に生まれ育ち、國學院大学神道文化学部神道文化学科を卒業し、明階(めいかい/神主の高階位)を得て、実家で宮司(ぐうじ/神社の長)の父の下、禰宜(ねぎ/宮司をサポートする役割)を務める正真正銘の神主である。
リングネーム:“闘ふ神主” 櫻木 崇浩
フリガナ:“タタカウカンヌシ” サクラギ タカヒロ
所属:武勇会/JAPAN KICKBOXING INNOVATION
生年月日:1986年5月24日(31歳)
出身地:香川県高松市
身長:164cm
戦型:オーソドックス
デビュー年月日:2010年12月19日
戦績:24戦12勝(1KO)9敗3分
ステータス:INNOVATIONフェザー級王者、WBCムエタイ日本フェザー級3位
ブログ:https://ameblo.jp/takahiro0524/
Facebook:https://www.facebook.com/shrinefighter
Twitter:https://twitter.com/shrinefighter
“漢氣の拳”浅川大立インタビュー
問答無用の打ち合い上等! 「お見合いばかりのポイントゲームでしょっぱーくギリ勝ちするくらいなら、派手にドカンと盛り上げて華々しく散った負けの方がずっといい」と言ってのける通り、生粋のファイターである浅川の試合にブレはない。その結晶が前回(2018年3月25日)の翔貴戦。幾度となくダウンを奪い合い、最後は、きっちりKOしてのけた。その勢いのままに臨むタイトルマッチ。昨年8月19日、ノンタイトル戦で判定勝利を収めているだけに挑戦者ながら戦況は有利と言っていいだろう。だがしかし、浅川は、そんな外野の声など聞こえども我関せず「いつも通り俺の試合をするだけ」と嘯く——。
――前回の翔貴戦は、6度ものダウンの応酬となるINNOVATION史上屈指の大激闘となり、結果、第5ラウンドKO勝利。激闘派の浅川選手としても出色の試合となりました。
それまで町田戦(※1)が代表作と言ってきたのですが、ここで入れ替わりましたね(笑)。
――改めて試合を振り返ってください。
久しぶりに俺のやりたいような試合ができたなと。翔貴選手が真正面から打ちあってくれたので気持ちよく闘うことができました。
――「久しぶり」と言われますと、他の試合でそうはいかなかった?
名前は出しませんが、クリンチで逃げ回る奴もいたし、勝負だから仕方ありませんけど、俺とは価値観が違うなって。
――価値観とは?
「俺のやりたいようにやる」ってことです。勝つことのみが大切なら翔貴戦で2ラウンド、先に2回ダウンさせているから、そこから無理はしないでガード固めて安全圏でポイントアウトしながら、無理なく倒せればいいかなーくらいの気持ちでやった方が確実なんでしょう。それは俺にはできないし、やりたくもない。俺流でいったから翔貴選手のバック肘で倒されて危うく負けるところだったけど、そこで倒し切って応援に来てくれた仲間たちが大喜びしてくれた時の満足感、「勝ちゃいい人」には味わえないでしょ!
――”漢(おとこ)”浅川大立、面目躍如といったところですね。しかしながら、次のタイトルマッチ、対する王者、櫻木選手は、防御型であることを公言し「リスクのあるKOよりも確実な判定勝利」を狙うことを隠さずないテクニシャンです。
前回は、倒せなかったので、今回はKOします! 俺は、あの頃から数倍強くなっているから確実に!
――数倍も? どの部分が強化されましたか?
すべてにおいて! 日々進化する36歳です!(笑)
――楽勝宣言?
向こうも強くなっているでしょうし、タフな相手なので楽勝とはいかないでしょう。
――再戦だけに前回とは別に作戦を立てる?
いつも通りです。正面からぶっ倒しにいくだけです。
――前回は、フェザー級(57.15kg)の櫻木選手がスーパーフェザー級(58.97kg)に上げての対戦でしたが、今回は、フェザー級タイトルマッチにつき、櫻木選手のホーム階級に浅川選手が下げて来る形です。
翔貴戦がフェザー級の初試合でしたけど、まあ、ああやって倒して勝てたんで大丈夫でしょう? それよりチャンピオンの方が苦しそうじゃないですか?
――確かにボディービルダーにもなれそうな櫻木選手の減量は、水抜きなど相当過酷そうな様子がSNSなどからも伝わってきます。浅川選手も筋骨隆々の堂々たる体躯ですが問題はない?
俺の身長やリーチだとスーパーフェザー級だと小さいので、今回、いい機会です。これまでは仕事が忙しくてなかなか減量と折り合いがつかなかったけど、ようやくそちらも落ち着いてきたので、むしろ楽しみだなと。
――今夏、“キックボクシングの聖地”であるディファ有明の閉館が決まり、今回のINNOVATION最終興行となりました。
ディファは、もう10年以上前のプロデビュー戦の会場ですし、雰囲気もあって、何度も上がっているリングなので寂しいですね。
――しかもメインイベントとなりました。
そうっすねー、けど……俺は何も変わらないんですよ。いつだって「この試合が最後」と肚を括って倒しに行く。今回で4度目のタイトルマッチ。過去3回は、ベルトを巻けてない。それでも応援に来てくれる皆の為にも絶対に獲りたい……でも、そんな気持ちはあってもやっぱり芯は変わらない。ディファの最後、メインベント、タイトルマッチ……究極、何も関係ない。これがアマだろうがプロだろうが、観客がいようがいまいが、リングの上は、男と男の1対1。向かい合って、よーいドンで倒しあい。俺にとっては、それだけなんです。
――侠気に溢れた、まさに浅川節です。
そんな俺の試合を見てくれて、楽しんでもらえれば、こんなに嬉しいことはない。この試合の先なんて考えてません。そんな俺の覚悟を見に来てください!
※1 町田戦 2016年6月5日、INNOVATIONスーパーフェザー級王者、“居合パンチャー”町田光に挑戦した浅川は、圧倒的不利の下馬評を覆すクロスファイトを繰り広げ、マジョリティデシジョン(判定0-2)で惜敗するも大いに株を上げた。
リングネーム:浅川 大立
フリガナ:アサカワ・ヒロタツ
所属:ダイケンスリーツリー
生年月日:1981年10月15日
出身地:山梨県甲府市
身長:172cm
戦型:オーソドックス
戦績:22戦13勝(6KO)9敗
ステータス:INNOVATIONフェザー級1位、WBCムエタイ日本スーパーフェザー級6位
対戦カード
第9試合 メインイベント INNOVATIONフェザー級タイトルマッチ 3分5R
闘ふ神主 櫻木崇浩(武勇会/同級王者)
浅川大立(ダイケンスリーツリー/同級1位)
第8試合 セミファイナル INNOVATIONウェルター級タイトルマッチ 3分5R
門田哲博(武勇会/同級王者)
太聖(岡山ジム/同級3位)
第7試合 日本vsタイ国際戦 61.5kg契約 3分3R
櫻井健(習志野ジム/ライト級1位)
キヨソンセン・FLYSKYGYM(FLYSKYGYM)
※棚橋賢二郎(拳心館/NKBライト級1位)選手は、怪我の為、キヨソンセンに変更となりました。
第6試合 ジム対抗戦 55kg契約 3分3R
若月勇磨(マイウェイスピリッツ/バンタム級3位)
和斗(井上道場/バンタム級6位)
第5試合 ジム対抗戦 59kg契約 3分3R
アトム山田(武勇会/フェザー級5位)
児島真人(DANGER/スーパーフェザー級4位)
第4試合 ジム対抗戦 ウェルター級 3分3R
番長兇侍(習志野ジム/ウェルター級6位)
雅喜(Reborn経堂)
第3試合 INNOVATION VS NJKF 団体対抗戦 60㎏契約 3分3R
JOKER(花澤ジム/スーパーフェザー級8位)
梅沢武彦(東京町田金子ジム/NJKFスーパーフェザー級5位)
第2試合 ジム対抗戦 55kg契約 3分3R
ギャラクシー黒川(武勇会/フェザー級10位)
稔乃晟(マイウェイスピリッツ/バンタム級10位)
第1試合 ジム対抗戦 ライト級 3分3R
増田侑也(マイウェイジム)
海登(光ジム)
概要
大会名 Champions Carnival 2018
日時 2018年5月13日(日) 15:45開場 16:00開始予定
チケット料金 SRS ¥12000 RS ¥10000 S ¥7000 A ¥5000 ※当日券500円増し
※当日アマチュア出場小中学生はプロ観戦チケット自由席を2000円で購入可
チケット販売所 チケットぴあ、参加各ジム、各選手 チケット発売中
お問い合わせ INNOVATION興行本部 043-247-0112 http://kick-innovation.com