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藤井惠、引退戦は無念の負傷判定負け:10.5 大田区体

  • VTJ
  • 更新・2013-10-08 (Tue)12:45
VTJ 3rd
2013年10月5日(土) 東京・大田区総合体育館
 2004年のプロデビューから9年間女子のMMAのトップを走り続けた藤井惠が引退試合。昨年5月の米国でのベラトールで判定で敗れた相手・ジェシカ・アギラーを最後の相手に迎えたが、1Rの偶然のサミングで藤井が右まぶたを負傷。2R終了まで試合を続けたが無念のドクターストップとなった。宇野薫は6月のVTJ 2ndで高谷裕之をKOしたダニエル・ロメロの猛攻をしのぎ一本勝ち。所英男は元UFCファイターのウィル・カンプザーノに判定1-2で惜敗した。
  レポート:井原芳徳  写真:久保与志


第9試合 メインイベント 女子115ポンド(52.2kg)契約 5分3R
×藤井 惠(AACC/51.9kg)
○ジェシカ・アギラー(米国/アメリカン・トップチーム/51.8kg)
2R 終了時 負傷判定0-2 (豊永18-20 [1R 9-10/2R 9-10] /磯野18-20 [1R 9-10/2R 9-10] /中井19-19 [1R 10-9/2R 9-10])
※当初発表の裁定は「2R 終了時 TKO」だったが、試合停止の理由が「偶発的な反則行為による負傷」のため、負傷判定に裁定を変更した。

 3歳から柔道を習った藤井は、国士舘大学時代に全日本学生選手権52kg級3年連続ベスト8等の実績を残し、卒業後に始めたサンボでは全日本選手権を8連覇。2004年8月5日のスマックガールの松本裕美戦でプロMMAデビューし、チョークスリーパーで勝利した。その後、国内外で22勝全勝の快進撃を続け、これまでの戦績は28戦26勝(1KO/19一本)2敗だが、2敗はいずれも外国人選手相手で、その一つがアギラーに奪われたものだ。藤井は最後の試合の相手にアギラーを指名。アギラーも快諾し、今回の試合が組まれた。

 1R、藤井がサウスポー、アギラーがオーソドックスに構え、アギラーが左右に細かく肩を振ってプレッシャーをかける状態。藤井の高速タックルはアギラーが切る。その後、打撃の攻防で距離が詰まり、アギラーが手を前に突き出した際、指が藤井の右目に入ってしまう。ドクターチェック後に再開したが、再びサミングに。レフェリーの説明によると、右目尻が切れ、目が見えない状態だという。引退戦とはいえ、本来ならドクターストップが妥当なところだが、藤井の回復を待つことに。いずれのサミングも偶発性のものと判断され、減点とはならない。10分近くのインターバルの後に再開すると、両者ジャブでのお見合い状態が続き、決定打の無いまま1Rを終える。



 2Rに入ると、藤井の手数も上がるが、アギラーのプレッシャーがじわじわと強まる。藤井は右目の負傷の影響で距離感がつかみにくいせいあってか、金網を背中にする時間が長くなる。アギラーの右を主体としたストレートのヒットが増え、藤井の頭がのけぞり、足が止まってしまう場面も。藤井の右目の腫れが次第にひどくなる。アギラーは右インローも随所で絡めて攻撃を散らし、優勢をキープ。このラウンドはアギラーがポイントを取る。
 そして3R開始前、藤井にこの試合3度目のドクターチェックが入る。するとリングドクターは「右目の結膜を痛め、眼球運動が止まっていて、目が見えていません。これ以上続けさせることはできません」と説明。有効打では無い負傷が原因だが、アギラーの勝利という扱いとなった。(※大会3日後に負傷判定でアギラーの勝利に裁定変更)



 勝利者インタビューでアギラーは「申し訳ありませんでした。正直、勝利を受け取っていいのかわかりません。藤井選手、戦ってくれてありがとうございました」と話すと、観客も藤井も暖かい拍手。その後、両選手はケージの中で抱き合った。

 藤井は引退式で「最後まで戦うことができず、遠くからもたくさん来てくださった方には申し訳なく思っています。今日が現役生活最後で、厳しいこともたくさんあったんですけど、そんな中でも前に出れたのはファンの皆さんや関係者の皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。両親のおかげでここまで頑張ってくれました。今日で引退しますが、これからも格闘技で成長させてもらったことを少しでも伝えていき、この世界に関わっていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします」と、負傷を感じさせないさわやかな口調で話し、観客から鳴り止まない拍手を浴びた。




第8試合 145ポンド(65.8kg)契約 5分3R
○宇野 薫(UNO DOJO/元修斗ウェルター級(70kg)王者、ライト級(65kg)環太平洋7位/65.8kg)
×ダニエル・ロメロ(米国/チーム・アルファメール/65.8kg)
2R 2'25" 一本 (ネックロック)
※公式記録の当初発表はアームロックだったが、ネックロックに変更

 6月のVTJ 2ndで高谷裕之をKOし大きなインパクトを残したロメロが、開始早々パンチラッシュで宇野を追い詰め、上になればパウンドや鉄槌も連打。スタンドに戻れば右の膝蹴りを宇野の顔面に当てる。だが宇野はクリーンヒットを逃れて耐え続けると、少し勢いの落ちてきたロメロから距離を取って、サウスポーからの左のインローを効かせる。右ジャブ、左ハイも絡め、タックルからテイクダウンに成功。いったん立たれた後、再び行ったタックルは潰されて下になったが、突き放して猪木アリ状態に持込みスタンドに戻す。1R終了間際にも足を掛けてテイクダウンに成功する。



 序盤の攻勢を考えれば1Rはロメロがポイントを取るラウンドだったものの、1R後半から宇野がつかんだ流れは変わらず。宇野の左のインローは十分効き目を発揮していたようで、2R序盤に左のインローを連打すると、ロメロの足が止まる。宇野はこのチャンスを逃さず、パンチの連打でロメロを金網まで下がらせると、足をつかんでテイクダウンに成功。サイドポジションを奪うと、パウンドを落としてマウントに移行し、横三角絞めをガッチリと極めタップを奪うと、会場は大きく湧き上がった。公式記録上はネックロックが決まり手となっている。



 勝利者インタビューで宇野は「最初びっくりしましたけど、応援の声のおかげで戦えました。自分は今年38歳、格闘技生活18年目を迎えます。応援してくださるみんなに感謝しています。僕の中で目標は3回目、UFCに上がることです。この挑戦を終えるまでや辞められないです。皆さん応援よろしくお願いします」とアピール。観客は大きな拍手を送った。宇野はMVP賞の賞金100万円も獲得している。


第7試合 126ポンド(57.1kg)契約 5分3R
×所 英男(リバーサル武蔵小杉 所プラス/DREAMバンタム級(61kg)日本トーナメント優勝/56.9kg)
○ウィル・カンプザーノ [Will Campuzano](メキシコ/モウラーMMA/レガシーFCフライ級(56.7kg)王者/57.1kg)
判定1-2 (礒野28-29 [1R 10-9/2R 9-10/3R 9-10] /豊永29-28 [1R 10-9/2R 10-9/3R 9-10] /中井28-29 [1R 10-9/2R 9-10/3R 9-10] )

 昨年12月のVTJ 1stの佐藤ルミナ戦はバンタム級の135ポンド(61.2kg)契約、6月のVTJ 2ndのテイラー・マコーストン戦では130ポンド(59.0kg)契約で試合した所が、今回はフライ級の125ポンド(56.8kg)より1ポンドだけ重い体重での試合。前日計量ではゲッソリとした表情を見せていたが、試合ではそれを感じさせない動きを見せる。
 相手のカンプザーノもWECとUFCではバンタム級で戦い、WECで3戦1勝2敗、UFCで2戦2敗。UFCではニック・ペイス、クリス・カリアソに敗れた。連敗しUFCから契約を解除されたが、その後はテキサスやミズーリのローカル大会で4連勝(2KO/1一本)と好調。地元テキサスのレガシーFCでフライ級王座を獲得し、今年4月には初防衛を果たしている。通算MMA戦績は16戦12勝(6KO/3一本)4敗。26歳と伸び盛りで、UFC再挑戦を目標の一つとしていることは確実で、同じ目標を持つ所にとって好敵手といえそうだ。



 1R、所が2度目のタックルでテイクダウンに成功。カンプザーノに立たれる展開が続くが、その後も2度タックルでカンプザーノを倒す。だがカンプザーノも長い腕を活かし、下から所の顔にパンチや肘を放ち、所にその先の攻めを許さない。VTJの場合、ラウンドごとの採点方式が米国のUFC等と同じで、僅差でもどちらかにポイントを割り振るが、1Rは解釈の難しいラウンドとなる。
 2Rは所が左フックを放ったタイミングでカンプザーノがタックルでテイクダウンを決めたが、所は下から足や腕の関節技を狙って脱出し上に。サイドからマウントを狙いつつ、三角を仕掛け、失敗した後も足関を狙ったりと、所らしいリスキーながらも積極的な攻めで会場を沸かせる。



 だが3R、所が不用意にローを放ったタイミングでカンプザーノのパンチがヒット。所が後退すると、カンプザーノが右ストレート、左ハイ等のラッシュで所を追い詰める。カンプザーノはマウントを奪ってチャンスとなるが、所は脱出して逆にマウントに。しばらくその体勢で休んだ後、バックマウントを奪うと、カンプザーノに返されてしまったが、下からのタックルですぐ上に。しかしカンプザーノは下から右肘をヒット。終盤、所は足関を再三仕掛けるが、極まりきらず試合終了。このラウンドはカンプザーノが打撃で好印象を残す。
 裁定はジャッジに委ねられたが、採点が割れ、カンプザーノに軍配。観客からは不満の声が飛んだ。なお、ラウンドごとのスコアカードは当日は不明だったが、大会3日後の発表によると、2Rの採点が割れ、カンプザーノが2票を獲得していた。


第6試合 145ポンド(65.8kg)契約 5分3R
×リオン武(シューティングジム横浜/元修斗ライト級(65kg)世界王者/65.8kg)
○矢地祐介(KRAZY BEE/修斗ライト級(65kg)環太平洋王者、世界1位/65.7kg)
判定0-3 (礒野28-29 [1R 9-10/2R 10-9/3R 9-10] /中井28-29 [1R 9-10/2R 10-9/3R 9-10] /芹沢28-30 [1R 9-10/2R 10-10/3R 9-10] )



 1R、長身の矢地がサウスポーに構え、細かく出入りしながら右回りで動きつつ、右手を上下に振り、攻撃の機会を伺う。時折左のインローやストレートを放つが慎重で、接近戦でリオンも右のフックを当てるが、クリーンヒットにはならない。甲乙のつけにくいラウンドだが、手数差で矢地か。
 2Rはリオンが中盤に2度テイクダウンを奪うが、矢地はすぐ立ち上がりスタンドに戻し、中盤以降はリオンをケージ際に詰めて左右のパンチを連打して印象を良くする。3Rはリオンが相手を掴まない足払いで2度テイクダウンを奪って、少し疲れてきた矢地の打撃を封じてポイントを奪い返すが、一本またはKOにつなぐ攻めには持ち込めず、判定負けに終わった。


第5試合 138ポンド(63.0kg)契約 5分3R
○佐々木憂流迦(和術慧舟會駿河道場/修斗フェザー級(60kg)環太平洋王者、世界1位/62.9kg)
×パク・グンド(韓国/グレイシーバッハコリア/62.2kg)
1R 1'36" 一本 (チョークスリーパー)



 大会直前に急遽出場の発表された佐々木が圧倒的な強さを見せる試合に。グンドの右インローのタイミングで組み付くと、足を払ってテイクダウン。すぐマウント、バックマウントと移行すると、チョークを極めタップを奪った。
 試合後のマイクで佐々木は「チャンピオン、海外に行っちゃったんですけど、世界戦やりたいです」とアピール。佐々木が修斗ライト級からフェザー級に転向して追いかけた世界王者・堀口恭司がUFCと契約してしまったが、佐々木は次なる目標を掲げた。なお、第6試合終了後の休憩明け、堀口がケージ内に姿を見せ、10月19日(現地時間)のUFCデビュー戦をファンに報告。「そんなに甘くないと思うけど、強い思いで戦います。日本は強いんだぞというのを見せます」と決意表明した。



第4試合 155ポンド(70.3kg)契約 5分3R
○小谷直之(ロデオスタイル/ZSTライト級(70kg)王者/70.3kg)
×星野大介(総合格闘技津田沼道場/70.3kg)
1R 3'57" 一本 (腕ひしぎ十字固め)



 小谷が開始早々の胴タックルでテイクダウンを奪うと、ケージ際のスペースも活かしつつ一方的に攻める展開。サイドキープした後、トップから正確に右のパウンドを落とし、ハーフガードで固めた後、アームバーを仕掛けながらバックに回りこむ。チョークを狙った後、休まずマウントに移行してパウンドを落とすと、最後は腕十字をガッチリと極めてタップを奪った。
 試合後マイクを持った小谷は「ZSTライト級チャンピオンの小谷です。自分はチャンピオンなんで、次の機会があったらチャンピオンクラスとやらせてください」とアピールした


第3試合 135ポンド(61.2kg)契約 5分3R
×手塚基伸(総合格闘技道場コブラ会/パンクラス・バンタム級1位/60.7kg)
○根津優太(和術慧舟會東京道場/修斗フェザー級(60kg)環太平洋8位/61.0kg)
判定0-3 (中井28-29 [1R 10-9/2R 9-10/3R 9-10] /礒野27-30 [1R 9-10/2R 9-10/3R 9-10] /豊永27-30 [1R 9-10/2R 9-10/3R 9-10] )



 手塚はサウスポーに構え左ミドル、根津はオーソドックスに構え右ローを当てる幕開け。手塚はタックルを切られ続けるが、1R終盤にテイクダウンに成功。だが根津は立ち上がって右ミドルをお返し。1Rは接戦となる。
 2Rは中盤に手塚のタックルを潰して根津が上になるが、すぐ手塚も立ち上がる。1R同様スタンド主体の展開で、手塚が左ストレート、フック、根津が右ミドル、テンカオをヒット。根津は右ミドルを連打で当てる場面もあり、ブロックされたが右ハイも絡め、全般の印象を良くする。
 3Rもほぼ同様で、中盤に手塚がタックルで倒すが、すぐ根津は立ち上がる。このラウンドも終盤にかけ、根津が右ミドルの連打や右テンカオで好印象を残す。どのラウンドも接戦だったが、マスト採点でつけるなら根津となるラウンドが続き、昨年UFCで2戦した手塚から根津が価値ある勝利をもぎ取った。


第2試合 145ポンド(65.8kg)契約 5分3R
○西浦“ウィッキー”聡生(STGY/65.6kg)
×大澤茂樹(フリー/65.7kg)
判定2-1 (芹沢28-29 [1R 9-10/2R 9-10/3R 10-9] /中井29-28 [1R 9-10/2R 10-9/3R 10-9] /礒野29-28 [1R 10-9/2R 9-10/3R 10-9] )

1R、両者サウスポーに構え、スタンドでウィッキーは蹴り、大澤はパンチ主体の攻防。静かなお見合い状態が続き、残り10秒に大澤がタックルでテイクダウンを奪う。2Rも同様だが、大澤がパンチとタックルを狙う積極性で若干優勢か。3R、大澤が開始早々胴タックルでテイクダウンを奪うが、ウィッキーは脱出。スタンドの攻防で両者フックを放つ場面が増え、ヒット数でウィッキーが若干上回る。最後は大澤がタックルから豪快に抱え上げてテイクダウンを奪い試合終了。いずれのラウンドも互いに手数の乏しい接戦で、判定のつけにくい試合となり、採点も割れたが、打撃が評価された西浦の勝利となった。


第1試合 165ポンド(74.8kg)契約 5分3R
×宇良健吾(イングラム/元ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト/74.3kg)
○松本光史(マスタージャパン/修斗ウェルター級(70kg)環太平洋9位/74.8kg)
判定0-3 (芹沢28-30 [1R 9-10/2R 9-10/3R 10-10] /礒野28-29 [1R 9-10/2R 9-10/3R 10-9] /中井28-29 [1R 9-10/2R 9-10/3R 10-9] )

 1Rから松本がタックルでのテイクダウンを重ね、首を抱えてコントロールしたり、ハーフやサイドからパウンドを落としたりと優勢。2Rも同様だったが、なかなか先の展開に持ち込めず。3Rは宇良もパンチでチャンスを作ったが、松本がタックルで執拗にテイクダウンを狙い続け、2Rまでの得点を守りきり勝利した。


オープニングファイト第3試合 115ポンド(52.2kg)契約 3分3R
○澤田龍人(AACC/52.2kg)
×HIRO(SAI-GYM/51.8kg)
判定3-0 (鈴木29-28 [1R 10-9/2R 9-10/3R 10-9] /磯野30-27 [1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9] /中井30-27 [1R 10-9/2R 10-9/3R 10-9] )


オープニングファイト第2試合 125ポンド(56.8kg)契約 3分3R
×梶川 卓(スカーフィスト/56.6kg)
○伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/56.5kg)
1R 1'35" 一本 (腕ひしぎ十字固め)


オープニングファイト第1試合 141ポンド(64.0kg)契約 3分3R
○林 太陽(CAVE/63.9kg)
×倉金祐二(パラエストラ松戸/当日計量)
2R 2'18" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)



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