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岡見・五味・憂流迦、1Rで散る。夜叉坊・K太郎・朱里・安西・阿部は白星:9.23 さいたま

  • UFC
  • 更新・2017-09-24 (Sun)11:18
UFC Fight Night 117 : Saint Preux vs. Okami
2017年9月23日(土/祝) さいたまスーパーアリーナ
 2年ぶりとなるUFC日本大会のメインでは、マウリシオ・ショーグンの代役として、岡見勇信が8日前のオファーで緊急参戦したが、オヴィンス・サン・プルーの得意技のヴォン・フルー・チョーク(変形肩固め)で、わずか110秒で一本負け。ベテランの五味隆典は今回も1R TKO負けで、フライ級で期待の佐々木憂流迦も同級5位のジュシー・フォルミーガに1Rで敗れてしまったが、石原夜叉坊、中村K太郎、近藤朱里、安西信昌、阿部大治は勝利をもぎ取った。
  レポート&インタビュー時写真:井原芳徳  選手コメント協力:UFC日本広報
  Photo (in Octagon) by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images
  中継:フジテレビ(関東)25:45~26:45、DAZNFOXスポーツ&エンターテイメントAbemaTV


[メインカード]

第10試合 メインイベント ライトヘビー級(206ポンド) 5分5R
〇オヴィンス・サン・プルー(米国/7位/206ポンド)
×岡見勇信(フリー/元ミドル級6位/203.5ポンド)
1R 1'50" ヴォン・フルー・チョーク

 15年9月27日以来2年ぶりとなるUFC日本大会。当初、サン・プルーはメインイベントで元王者で5位のマウリシオ・“ショーグン”・フアと戦う予定だったが、ショーグンが負傷欠場。大会8日前の15日に岡見に緊急オファーがかかった。
 岡見は06年からUFCに参戦し、11年8月に日本人としては初となるUFCのタイトルマッチを経験し、アンデウソン・シウバに敗れた。その後1敗を経て3連勝したが、13年9月のホナウド・“ジャカレイ”・ソウザ戦でTKO負けした試合を最後に、ミドル級6位ながらもUFCとの契約が終了。その後はPFL(旧WSOF)、DEEP、パンクラスで7戦し現在4連勝中で、今回4年振りのUFC復帰となる。UFC戦績は13勝5敗。
 岡見はここ5試合、UFC時代のミドル級から1階級下のウェルター級で試合をしていたが、今回は2階級上がって17kg近く差のあるライトヘビー級。体格、コンディション面で大きく不利だが、以前からUFC復帰を念願していた岡見にとって千載一遇のチャンス。20日の会見でも「もちろん普通の感覚からするとバカげた挑戦ですけど、日本大会でもありますし、色んなことがあってできた縁だと思うので、格闘技の神様が『挑戦しろ』と言っているんだと思ったので、受けました」と出場に至った心境を明かしていた。



 1R、岡見は開始すぐから足元にタックルを仕掛け、サン・プルーは潰して上に。しばらく首を抱え、外してからハーフガードで押さえこむ。岡見は下から首を抱えるが、サンプルーは両腕で岡見の肩を抱え込み、サイドに動くと、肩固めの形で締め上げる。14年3月のニキータ・クリロフ戦、そして前回の4月のマルコス・ホジェリオ・デ・リマ戦で極めたのと同じ「ヴォン・フルー・チョーク」で、岡見は意識を失いレフェリーがストップ。サン・プルーは無傷で完勝。岡見は悔しさを通り越した様子で、うっすらと笑顔を浮かべて首をかしげ、サン・プルーの勝ち名乗りを聞いていた。サン・プルーは一本勝ち賞にあたるパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(5万ドル=約550万円)をUFCから獲得した。

 なお、入場者数は8,571人との公式発表だった。席はある程度埋まっていたが、場内は4面のうち幅の狭い2面の座席の後ろ半分が暗幕で覆われており、13年の14,682人、14年の12,395人、15年の10,137人よりもさらに減少した。UFCの広報担当者は「2018年の日程はまだだが、日本大会は確実に候補になる」と話したが、カードの充実、広報戦略等の練り直しは必須となるだろう。

◆サン・プルー「岡見があの体勢に持ってくると思わなかったからビックリしたよ。あの体勢からならヴォン・フルー・チョークがかけられるのは分かっていたからね。俺の頭の後ろに手を持ってきたから、そこからチョークをかけてタップを待っていた。岡見と対戦するにあたって作戦の変更はしなかった。全力で試合に臨むことだけを考えていたよ。一歩一歩、タイトル戦に向けて勝ち進んでいくだけだ」



◆岡見「(ヴォン・フルー・チョークについて)警戒していて、入られた時は狙っている感じがわかって、力を使わせるつもりが、落ちてましたね(苦笑)
(体格差は?)オクタゴンに入った時にデカいなと思って、組んで力は感じなかったんですけど、圧力は感じましたね。
(最初のタックルは?)相手のスイッチも想定内だったんですけど、半歩足りなかったですね。ハーフから仕掛けたかったんですけど、そこまでは想定内でした。
(オクタゴンに久々に入った感慨は?)4年ぶりですかね。ずっと目標にしていたので、うれしい気持ちもあったんですけど、OSP(=サン・プルーの愛称)と戦うことしか考えていなくて、感慨にひたる気持ちは起きなかったです。
(今後の階級は?)元のウェルター級で勝負したいです。僕もそんなに時間が残されているとは思わないので、今回負けた経験を次につなげて、ウェルターのトップどころと(やりたいです)。アジアを盛り上げられるよう、アジア人との勝負も面白いと思います」


第9試合 女子ストロー級(116ポンド) 5分3R
×クラウディア・ガデーリャ(ブラジル/1位/115ポンド)
〇ジェシカ・アンドラージ(ブラジル/4位/116ポンド)
判定0-3 (25-30/26-30/27-30)

 パンクラス同級王者の近藤朱里が今回UFCに初参戦するが、同じ階級でUFC王座挑戦経験もある世界トップクラスのブラジル人女子同士の戦いが日本で実現した。
 ガデーリャは名門ノヴァ・ウニオン出身で柔術黒帯。08年にMMAデビューし、13年7月にはインヴィクタFCで浜崎朱加に3R TKO勝ち。11戦無敗の状態で14年からUFCに参戦し4勝2敗で、2敗はいずれも王者・ヨアンナ・イェンジェイチック戦での判定負けでのもの。昨年7月のヨアンナとの王座戦は敗れたが2Rまでポイントを先取した。その後はブラジルで11月にコートニー・ケイシー、6月に当時2位のカロリーナ・コバルケビッチに2連勝し、上位をキープしている。
 対するアンドラージは11年にMMAデビューし、ブラジルの大会を主戦場に実績を積んだ後、13年からUFCに参戦し、UFC戦績7勝4敗。昨年6月から3連勝後、今年5月のUFC 211ダラス大会でヨアンナに挑戦したが、5R共ポイントを奪われ完敗に終わっている。



 アンドラージはブラジルでも人気のある「ドラゴンボールZ」の主題歌で入場。観客を驚かせる。1R、アンドラージが圧力をかけ右フックをヒット。ガデーリャが右ストレートを連打すれば、頭を振ってかわす。だがガデーリャは右の後に左を振って当てたり、打ち合いで右アッパーを絡めたりしていると、普通の右ストレートも当たるように。アンドラージはバッティングで頭から出血するが、肩でかついでから叩きつけるように豪快にテイクダウンを奪う。立ち際にガデーリャもギロチンを狙うが失敗して下に。アンドラージはハーフガードから左のパウンドを連打し主導権を握る。終盤の攻勢でアンドラージがポイントを取る。
 2R、開始すぐ、ガデーリャが右フックを当ててタックルを仕掛けて一瞬倒すが、アンドラージはすぐにすり抜けてタックルを仕掛け、金網に押し込む。離れると再びガデーリャがタックルを仕掛けるが、アンドラージは潰して上に。立ち上がり際にも右ストレートを当ててガデーリャを苦しめる。ガデーリャは左目尻をカットし出血する。するとアンドラージは圧力を上げてパンチを連打。ガデーリャは金網を背にしてアンドラージのパンチをもらい続ける。終盤にもアンドラージはタックルを仕掛けるが、ガデーリャはギロチンで捕獲し絞め上げる。アンドラージは終了のホーンで救われる。最後は危なかったが、ダメージ差でアンドラージがポイントを取る。
 3R、アンドラージは前に圧力をかけ、2Rの失敗をもろともせず、股の下から抱え上げてテイクダウンを奪取。ハーフ、トップポジションを維持し、パウンドをボディと顔面に当て続ける。3分過ぎにはサイドポジションとなり、最後は立たれても金網に押し込んでパンチと肘を連打。ガデーリャは血だるまになり防戦一方。最後もアンドラージが倒して上から鉄槌を当てて終了。アンドラージは金網によじ登って大喜びする。10-8でも不思議ではない内容だ。
 各ラウンドの10-8、10-9の差の付け方がジャッジによってバラツキがあったが、3Rとも取ったアンドラージの完勝に。内容面でも、お互いのトータルスキルが存分に出され、激しさも伴い、外国人対決ながらも今大会で日本のファンの心を一番つかむ好ファイトとなった。この試合がファイト・オブ・ザ・ナイト(ベストバウト賞:5万ドル)を獲得したのも文句無しだろう。



◆アンドラージ「ブラジルの中にいても強くなれることを証明できて良かったです。全ラウンドでテイクダウンを取ることを心掛けました。これでランキング1位になるので、あとはチャンピオンと戦うだけです。(ドラゴンボールZのテーマで入場したことについて)ブラジルでは毎日放送していて、学校が終わると走って帰って見ていました。日本に来れることになって、子供の頃を思い出しました。常に戦い続けることを思い起こさせてくれるストーリーなので、入場曲に選びました」


第8試合 ライト級(156ポンド) 5分3R
×五味隆典(東林間ラスカルジム/156ポンド)※久我山ラスカルジムから所属名変更
〇キム・“マエストロ”・ドンヒョン(韓国/156ポンド)
1R 1'30" TKO (レフェリーストップ:右ストレート→グラウンドパンチ)

 五味は6月のシンガポール大会でジョン・タックに72秒チョークで一本負けして以来の試合。14年9月のさいたま大会でマイルス・ジュリー相手にキャリア初のKO負けを喫してから4連敗で、いずれも1Rで負けている。今回がUFCとの契約の最後の試合で、何度も試合をしたこの会場で有終の美を飾りたいところだったが、今回も厳しい結果となる。
 ドンヒョンは28歳、身長180cm。08年からUFCに上がり続けているウェルター級のドンヒョンとは同姓同名で、ウェルター級の選手は「スタンガン」、五味と戦うライト級のドンヒョンは「マエストロ(芸術家)」との愛称で区別されている。「マエストロ」はDEEPでは岩瀬茂俊と渡辺良知、VTJでは14年10月に弘中邦佳に敗れているが、韓国の大会では勝利を重ね、韓国のTOP FCの王者となり、15年11月からUFCに上がりUFC 1勝2敗の成績を残している。試合は昨年12月にブレンダン・オライリーに判定勝ちして以来となる。

 1R、五味がサウスポー主体で時折スイッチしながら圧力をかけるが、マエストロが右ミドルを当てると、一瞬五味は体を少しひねって痛そう様子を見せる。そして五味がサウスポーで詰めて来たところで、マエストロは低いガードからノーモーションの右ストレートをヒット。五味がダウンすると、鉄槌を畳みかけレフェリーストップ。日本のファンの五味の復活をほのかに期待する雰囲気をあっさりと打ち破り、場内は静まり返った。

◆五味「プレッシャーはそれほどなかったんですが、パンチがすごかったです。相手の若さが勝ったような気がします。ちょっと止めるのが早かったかなと思わなくもないですが、今日は早い傾向にあったので、すぐに攻撃に転じられなかったので仕方がないですね。日本で最後にやれてよかったです。プロとしてのレベル、UFCのレベルではなくなっているのかなと。これからは今日、一緒に出場した若い子たちに協力していくべきなのかもしれないと思っています。彼らに、日本にベルトを持って帰ってきてもらえるように協力していきたいですね」



第7試合 ライトヘビー級(206ポンド) 5分3R
〇グーカン・サキ(オランダ/205ポンド)
×ルイス・エンリケ・ダ・シウバ [Luiz Henrique da Silva](ブラジル/206ポンド)
1R 4'45" KO (左フック)

 K-1、GLORYで活躍したサキはUFCと契約し、MMA本格転向初戦となる。1R開始すぐから前に詰めて来るシウバに対し、サキはパンチやハイを当て続け、左ハイでダウンを奪う。それでもシウバはタックルで押し込んでくるが、金網を背にしてサキは突き放し、前に出て左フック、右ストレートを何発もヒットし、シウバを苦しめる。シウバに押し込まれた際も、ムエタイ式の崩しで逆に倒す場面も。
 だがサキも少し攻め疲れを見せ、シウバが首相撲からの膝を当てて反撃すると、終盤にはサキを金網にまで詰めて左ミドルを当てる。しかしサキはシウバのガードが甘くなったところで左フックを放つと、クリーンヒットしシウバはダウン。シウバが大の字になって倒れ、すぐさまレフェリーがストップした。
 見事KO勝ちしたサキは「2年半格闘技から離れたが、キックの経験を活かしてこれからも戦いたい」とアピールした。サキはパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(5万ドル)をUFCから獲得した。


第6試合 フェザー級(146ポンド) 5分3R
〇石原“夜叉坊”暉仁(チーム・アルファメール・ジャパン/145ポンド)
×ロランド・ディ [Rolando Dy](フィリピン/145ポンド)
判定3-0 (28-27/28-27/29-27)

 石原は7月のラスベガス大会でライト級王座に2度挑戦経験のある38歳のベテラン・グレイ・メイナードと対戦したが、メイナードに再三テイクダウンを許し判定負け。UFCで2連続KO勝ち後、アルテム・ロボフ、メイナードに2連敗し、世界の壁にぶち当たっている。
 対するディはフィリピン出身の26歳。昨年までグアムのPXCを主戦場とし、パンクラスにも参戦しているカイル・アグオンに2連敗しているが、昨年4月に松島こよみを23秒でKOしている。UFCには6月のシンガポール大会で初参戦し、アレックス・カサレスに2R TKO負けしている。MMA戦績15戦8勝(2KO/2一本)5敗1分1無効試合。

 1R、石原がサウスポーに構えて圧力をかけて、ディに右ハイを空振りさせた後、左フックを当ててダウンを奪取。そのまま金網際で上になり、立たれてもすぐタックルで倒す。石原はハーフガードをキープしながら、パウンドをコツコツとヒット。終盤はトップになって膠着し終了。ポイントを先取する。インターバルに入ると、観客を煽り、余裕ぶりを見せる。ジャッジは3者とも10-8とつける。
 2Rも石原が圧力をかけ、左ミドル、フック、ストレートを当ててぺース。序盤にはディの膝がローブローになり中断する場面も。終盤には石原が左インローを連打。ディも右フック、右ミドルを当てるが、全般に下がる時間が長く、手数も乏しい。だがジャッジは3者ともディにつける。。
 3R、序盤から両者パンチを打ち合った後、石原がタックル。ディの膝が胸に当たるが、石原はそのまま押し込む。1分過ぎ、ディの右膝がローブローとなり一時中断。再開後、石原が左ミドル、インローを当てていたが、またもディの右ローがローブローとなり中断。場内はブーイングに包まれる。ディには減点1が宣告される。再開後、石原はタックルでテイクダウンを奪取しトップに。しばらくしてスタンドに戻り、お互い蹴りを少し打って終了する。石原優勢かとも思えたが、ジャッジは2者がディにつける。

 結局、2Rと3Rにディが巻き上げ、ローブローの減点差での勝利となった石原は「日本最高です。自分のホームです。フィニッシュにつなげたかったですけど、集中しきれなかったです。次つなげられたので、楽しみにしてください。2連敗して、日本で仕切り直しできたんで、ここから頑張ります。生き残ります。ありがとう」と喜びを語った。

◆石原「2連敗していたので、この試合はどうしても勝ちたかったんです。日本でファンが応援してくれたおかげで勝てたと思います。相手の打撃は問題なく受けられました。でも相手は本当にタフなファイターでした。股間に当たったキックはわざとじゃないのは分かっているんで。今後はこの試合に向けてトレーニングしてきた技などを、もう一度コーチである中村優作と相談しながら仕上げていきます」


第5試合 フライ級(126ポンド) 5分3R
〇ジュシー・フォルミーガ(ブラジル/5位/126ポンド)
×佐々木憂流迦(フリー/125.5ポンド)
1R 4'30" チョークスリーパー

 フォルミーガはUFC 5勝4敗で、3月のブラジル大会でレイ・ボーグに判定負け。憂流迦は6月のシンガポール大会でジャスティン・スコギンズに一本勝ちした後、スコギンズが過去に下したことのある現在3位のボーグとの対戦を希望していた。ボーグは王者・デメトリアス・ジョンソンへの挑戦を控えており、憂流迦にとってフォルミーガ戦は上位勢との力量を比べる絶好の機会となったが、厳しい現実を突きつけられることに。

 1R、長身の憂流迦がサウスポーに構えて中央からプレッシャーをかけつつ、左ミドル、インロー、テンカオ、組んでの膝をヒット。だがテンカオを放つと蹴り足をつかんでフォルミーガが右フックを当て、危険なムードを漂わせる。
 3分ごろ、フォルミーガが胴タックルを仕掛けテイクダウンに成功。ハーフガードで両脇を差して固めると、憂流迦の逃げようとする動きに合わせてバックマウントへ。チョークを極め、30秒ほどかけてじっくり首元にねじ込むと、憂流迦はタップした。
 憂流迦は半年前からニューヨークに移り住み、これまで弱点だった打撃スキルを強化し、その成果は見られたものの、憂流迦が本来得意とする寝技の展開で、名門ノヴァウニオン出身で柔術黒帯のフォルミーガがスキルの差を発揮して快勝した。

 フォルミーガは「日本で勝つために来ました。日本でまた戦いたいです。タイトルマッチがしたいです」とアピールした。フォルミーガはUFC参戦前に修斗南米大陸バンタム級(現在のフライ級)王座を獲得した実績があり、日本への愛着があるようだ。


[プレリム]

第4試合 ウェルター級(171ポンド) 5分3R
〇中村K太郎(K太郎道場/170ポンド)
×アレックス・モロノ [Alex Morono](米国/170ポンド)
判定2-1 (29-28/28-29/29-28)

 K太郎は昨年10月のエリゼウ・ザレスキー・ドス・サントス戦で判定負けし、網膜剥離の手術を経て約1年ぶりの試合。2年前に大逆転の一本勝ちをした縁起のいい会場で再スタートを切る。
 モロノは地元テキサスが拠点のレガシーFCの元ウェルター級王者。昨年1月からUFCに参戦し2勝1無効試合。初戦のカイル・ノーク戦では判定2-1で勝利し、次のジェームス・ムンタスリ戦も判定勝ちしたが、今年2月のニコ・プライス戦では2R KO負けしている(試合後、プライスにマリファナの陽性反応が判明し無効試合に変わった)。ちなみにK太郎も昨年6月にノークと戦いチョークで一本勝ちしている。

 1R、モロノが中央から圧力をかけ続け、中盤には右フックを首元に叩き込むが、サウスポーからK太郎は三日月蹴りを当て、しばらくモロノを後退させる。終盤はモロノも持ち直し、時折細かくパンチを当てる。有効打ではK太郎だったが、手数の少なさがジャッジに影響しそうだ。
 2RもK太郎は同じように左ミドル主体で応戦。左ストレートもタイミングをうまくズラしながら当てる。モロノも右フックを当てるが、K太郎は頭を振って急所はズラす。終盤には左ミドルを2連打。ジャッジは難しいラウンドに。
 3R、K太郎は1分足らずでタックルを仕掛け、テイクダウンに成功。モロノは首を抱えたが難なくK太郎は外す。30秒ほどでスタンドに戻ると、K太郎は左ハイを放つ。K太郎は頭から出血する。3分過ぎには再びテイクダウンに成功するが、すぐスタンドに戻る。K太郎は2Rまでと違って前に出て左ストレートをヒット。モロノも右眼尻から出血する。このラウンドはK太郎が取る。

 予想通り判定が難しくなった影響で割れたが、3Rを確実に取ったK太郎に軍配。勝ち名乗りを受けた後、笑顔を浮かべKポーズでアピールした。プレリム中継終了2分前だったため、オクタゴンの中での勝利者インタビューは無かった。

◆K太郎「ケガ明けで久々だったので、アグレッシブにいけなかった部分もあったと思います。本当はフィニッシュしたかったです。ボクシングの練習をしっかりやってきたのが勝利の秘けつだったかもしれません。何回かパンチを食らいましたが、全体的には練習の成果を生かせた試合だったと思います。次の試合では確実にフィニッシュを狙います」


第3試合 女子ストロー級(116ポンド) 5分3R
〇近藤朱里(ボスジム/パンクラス王者/116ポンド)※朱里 改め
×ジョン・チャンミ [Jeon Chan-Mi](韓国/116ポンド)
判定2-1 (28-29/30-27/30-27)

 プロレスラーとして活躍し、Krushでもタイトル獲得経験もある朱里は、昨年からUFCを目指してMMAに転向。今年5月、ジェシカ・アンドラージに5年前に勝ったキンバリー・ノヴァスを下しパンクラス王座を獲得。MMA 5戦目で念願のUFC初参戦につながった。対するチャンミはMMA 5勝1敗の19歳でUFC 2戦目。6月に2ポンドオーバーのJ.J.アルドリッチに判定負けしている。

 1R、スタンドで互いにパンチ主体で攻め、リーチの長いチャンミのパンチが朱里の顔面を捉える場面もあったが、次第に朱里が圧力をかけて前に出るようになると、パンチのヒットを増やす。お互い前蹴りや膝蹴りも出し、大差は無いものの、若干ヒット数では朱里が上か。両者ともインターバルに雄たけびをあげ己を鼓舞する。
 2Rも朱里が圧力をかけ、お互いパンチを交錯させるが、ヒットでは朱里が少し上。前蹴りや膝も絡めて積極的に攻め、チャンミは圧力に押されて少し半身で逃げる場面も。
 3Rも基本的に同様の展開。朱里が圧力をかけ、パンチを振るい、ミドルやローも絡める。クリーンヒットというほどの攻撃は乏しいものの、細かく当て続けて好印象だ。チャンミもタックルは狙わず、打撃で応戦を続けるが、打開できない。朱里は残り30秒にバックスピンキックをボディにヒット。右ローでもぐらつかせ、優勢のまま試合を終える。
 なぜかEvan Fieldジャッジのみチャンミに1Rと3Rをつけて支持したが、2者は順当に朱里を支持。UFC初戦を制した。放送時間の都合か、K太郎同様に朱里も勝利者インタビューは無かった。

◆朱里「UFCと契約して最初の勝利を手にすることができて良かったです。王者になるための最初の一歩が踏み出せたことがうれしいです。いつも練習してくださっているコーチ陣や応援してくれている人たちのおかげで勝利できました。相手の映像をたくさん見ていたので、落ち着いて戦えたと思います。今日、日本人選手3人目の白星がつかめてうれしいですし、いい形でUFC Japanの代表になれたかなと思います。今後の目標はUFC王者になること。頂点に向かって1試合、1試合、勝利していくだけです」


第2試合 ウェルター級(171ポンド) 5分3R
〇安西信昌(TEAM CLIMB/171ポンド)
×ルーク・ジュモー [Luke Jumeau](ニュージーランド/170ポンド)
判定3-0 (29-28/29-28/30-27)

 元パンクラス・ミドル級王者の安西は、15年9月の埼玉大会でロジャー・ザパタに3R TKO勝ちし、2戦目でUFC白星をあげて以来の試合。その後、怪我をし、昨年9月のブラジル大会で1年ぶりの試合が組まれたが、その試合も怪我で欠場し、今回は2年ぶりの試合となる。
 対するジュモーは6月の地元ニュージーランド大会でUFCデビューし、ドミニク・スティールに判定勝ち。MMA戦績は12勝3敗。年齢は29歳。

 1R、ジュモーが中央に立ち圧力をかける時間が続くが、安西が中盤、胸元に左のパンチを叩き込んでからの右フックでジュモーを少しひるませチャンス。そこから押し込み、離れ際には肘も当てる。その後、お互いヒット数の少ないスタンドの攻防が続くが、安西がポイントを取る。
 2R、序盤から安西が左ストレート、ミドルを当て先手。中盤、少し疲れて来たジュモーをタックルで倒して上になる。残り30秒、サイドポジションに回りかけたところでスタンドに戻され、ジュモーのパンチを少しもらうが、ピンチにはならず終了。このラウンドも安西が取る。
 3R、お互い疲れが見えてくるが、ジュモーの振りの大きいパンチをかわし、安西が度々タックルを仕掛け、積極性を示す。終盤、金網際でジュモーが押し込みながら右アッパーをヒット。終了のホーンが鳴ると、すぐジュモーは両手を上げてアピールするが、安西は背中を丸めたままだ。判定は難しいラウンドで、最後のジュモーのアピールは効いたか?ジュモーを2者が支持する。

 だが安西はこれまで2Rにポイントを取っており、逃げ切る形で判定勝ち。勝利が告げられると雄たけびをあげ、勝者インタビューでも2年ぶりの試合での勝利の感想を聞かれて「グッド・フィーリング!」と叫び、「アニマル」の愛称通りの野性味をアピールした。

◆安西「2年ぶりの試合だったこともあり、復活戦で負けたくなかったんです。復活して負けたら普通の人になっちゃうので。ここで勝って自分がまだ戦えることを証明して、この2年間の努力が無駄じゃなかったことを見せたいと思っていました。しっかり辛抱強く戦えたと思います。最初、第1ラウンドの頭から相手のパンチは見えていたので、あとは自分の試合をすることを心がけていました。2ラウンドでもテイクダウンが奪えたので良かったです。フィニッシュできたら良かったんですけど。次は1試合、1試合勝っていくことが目標になってくると思います」


第1試合 ウェルター級(171ポンド) 5分3R
〇阿部大治(HMC/パンクラス王者/171ポンド)
×イム・ヒュンギュ [Lim Hyun-Gyu](韓国/170.5ポンド)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)

 阿部は09年に柔道インターハイ90kg級優勝の実績があり、キックボクシングに転向後、デビュー3年の14年8月、J-NETWORKライトヘビー級(79.38kg)初代王座を獲得した。MMAに転向し、15年のデビュー戦は怪我で不戦敗となったが、昨年4月から4連勝。7月2日のパンクラスで三浦広光をKOしパンクラス・ウェルター級王座を獲得し、「9月、UFC JAPAN出たいです」とアピールすると、3週間後に早くもUFC初戦が決まった。
 対するヒュンギュは14年9月のUFCさいたま大会で元パンクラス・ウェルター級王者の佐藤豪則にわずか78秒でTKO勝ちしている選手だ。

 1R、スタンドのパンチ主体の攻防で、お互いヒット数は少ないが、序盤はヒョンギュのヒットが少し目立つ。だが終盤になると、阿部の左右も当たりだし、連打をまとめる場面も。全般で見ると僅差だが、若干阿部が優勢でポイントを取る。
 2R、阿部が前に出た際、ヒョンギュが左手を前に出すと、阿部の右目に入り、回復のため1分ほど休憩が与えられる。再開後、慎重な探り合いの中で、阿部は ローをコツコツヒット。終盤に差し掛かり、ヒョンギュの右ストレートで一瞬阿部の腰が落ちる。このラウンドはヒョンギュがポイントを取る。
 3Rもスタンドで接戦が続くが、阿部は細かくパンチを当て続け、粘り強くチャンスをうかがうと、残り30秒、ヒョンギュが右フックを空振りした直後に、右フックでヒョンギュをダウンさせることに成功。ヒョンギュは鼻血を出してダメージが大きい。阿部はヒョンギュに立たれてもすぐに組み倒して、上になって試合を終える。

 阿部は「UFCに迎え入れてくれてありがとうございます。こんな朝(9時台の)早くから僕のために応援ありがとうございます。蹴りで前足を潰したかったんですが、距離が遠く、最後まで見る感じになりました。カウンターのパンチは結構練習していました」と勝利者インタビューで語った。

◆阿部「相手が最初から打撃で向かってくるのは分かっていました。自分の距離ではなく相手の距離で戦ってしまった場面もあったので、今後はそこが課題になると思います。カウンターをずっと狙っていたので、第3ラウンドでカウンターが決まったのは良かったです。」

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