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青木、米デビュー戦は大ブーイングの中完敗

Strikeforce
2010年4月17日(土/現地時間) 米国テネシー州ナッシュビル・ソメットセンター
「60億分の1をDREAMに取り戻す」と宣言してアメリカに乗り込んだ青木真也だったが、メレンデスの徹底したヒット&アウェーに大苦戦。18度トライしたタックルのテイクダウン成功数は0で、繰り返される猪木アリ状態に観客は大ブーイング。全ラウンドの点を取られ、結果も内容も完敗に終わった。
  レポート:井原芳徳


第9試合 ストライクフォース世界ライト級タイトルマッチ 5分5R
○ギルバート・メレンデス(米国/ジェイク・シールズ・ファイティングチーム/王者)
×青木真也(日本/パラエストラ東京/挑戦者・DREAM同級王者)
判定3-0 (50-45/50-45/50-45)
※メレンデスが初防衛

 青木は日本での試合同様、ウルフルズの「バカサバイバー」で入場。ルール上、ロングスパッツは認められないため、一般的なトランクス姿だ。1R、メレンデスがリング中央でジャブを突き、サウスポーに構えた青木は時計回りで距離を取る。青木の左ミドルをメレンデスがつかんで倒すが、メレンデスはグラウンドに付き合わず青木はすぐ立ち上がる。ケージの中を回りつづける青木に対し、1分半あたりからブーイングが起き始める。距離を詰めたメレンデスを青木が左の手で払うと、指がメレンデスの右目に入るアクシデントがあり、30秒ほど試合が中断する。

 再開直後、青木がタックルから引き込みに移行し、メレンデスの腕をつかむが、メレンデスは落ち着いて対処。青木を金網に運んで押し込み、関節技を極められにくい体勢に。青木が金網を背中にして立ち上がると、メレンデスも一緒に立ち上がる。離れると再び青木がタックルに行くが、今度は突き放されて猪木アリ状態に。メレンデスは一気に飛び込んでパウンドラッシュ。パウンドを嫌った青木は金網を背中にして立ち上がる。ここからメレンデスがパンチで青木を金網に詰める場面が増える。だが深追いはせず、青木が首相撲からグラウンドに持ち込もうとすると、メレンデスはすぐさま突き放して離れて戦う。

 1Rを見ただけでも、メレンデスはよく青木を研究しているのがわかる。ヒット&アウェーを徹底し、青木が関節技を狙おうとすれば、逆に金網に押し込む等して空間を潰す。遠距離・近距離、どちらもメレンデスが支配。1Rの展開が以降も繰り替えされ、青木と陣営は最後まで打開できなかった。

 2R、引き込んだ青木がメレンデスの右手をつかむが、すぐさまメレンデスは振りほどくと、伸びのあるパウンドを的確に当て、青木が鼻血を出す。メレンデスが立ち上がりブレイクがかかると、スタンドの攻防、グラウンドの攻防が続き、メレンデスがヒット&アウェーでパンチを当てて優勢をキープする。

 3Rも同様の展開。猪木アリ状態になるたびに場内はブーイング。関節技を封じられる青木は焦りの表情。メレンデスは残り1分に一気にパウンド。終盤にもパンチを当て、印象を良くする。ここまでメレンデスが全ラウンドのポイントを獲得。インターバル中、セコンドの北岡悟が青木を叱咤激励するが、青木は呆然とした様子だ。

 4Rに入ると青木のタックルのモーションがさらに大きくなり、軽々とメレンデスも対処。離れ際にボディに膝を当てる場面も。終盤、いったん立ち上がったメレンデスがパウンドを3連発して青木の動きが止まりかけるが、なぜかマリオ・ヤマザキ・レフェリーがブレイク。メレンデスはレフェリーストップと勘違いして手を上げる。青木はレフェリーの判断ミスに救われ、場内はブーイングに包まれる。終盤にもメレンデスはパウンドを落とし、このラウンドもメレンデスのラウンドに。
 
 5Rも流れは全く変わらなかった。猪木アリ状態がたびたび繰り返され、飽きた観客からはブーイングすらほとんど起こらない状態に。どんどん時間が無くなり、追い詰められる青木。残り20秒、逆転負けが無いと確信した様子のメレンデスは、パンチで前へ前へ。終了のホーンが鳴ると同時にメレンデスは大喜び。読み上げられた判定は3者とも50-45。全ラウンドのポイントをメレンデスが取ったことになり、青木も拍手でメレンデスの完勝を認めた。

 試合後のインタビューでメレンデスは「青木に対しては攻撃的になりすぎると危険だ。慎重にならざるをえなかった」という内容の発言で、単調な試合内容について観客に釈明した。判定が読み上げられる前、テレビ画面には試合中に出された攻撃に関するデータが表示されたが、タックル回数と成功数の欄が、メレンデスが「0/0」に対し青木は「0/18」。この試合展開を象徴するデータといえよう。

 青木はメレンデス戦発表時の記者会見で、「初めてのケージだけど、ケージの試合を見ているオタク度で僕にかなう奴はいないので、圧倒できると思う。僕の技術体系の中ではそんなに違いは無い。常に世界を見てるし、DREAMの場合は5本ロープで足が外に出ないから、ケージの壁に近いので、そんなに差がない」と話していたが、それを実証することができなかった。もちろんメレンデスは世界のトップクラスのファイターで、彼だからこそ青木に対処できたとも言えるが、当然これから青木と戦う選手は、この戦法を参考にすることは明らかだ。

笹原プロデューサーと青木。カード発表会見にて
 「60億分の1をDREAMに取り戻す」と宣言してアメリカに乗り込んだ青木。「0/18」の壁を越えることができなかったが、裏を返せば、青木が「1/18」で1度でも上になっていれば、違う展開になっていた可能性もある。「1」を得るため、あるいは1を2、3に増やすため、今の戦法の精度をより高めるか? あるいはケージに適応した新たな戦略を練るか? 早稲田大卒の柔道エリートで、日本格闘技界きっての理論派で、これまでの総合のセオリーを次々革新してきた青木が、このゼロを糧に、どういった次なる技術革新を遂げるかが楽しみだ。

 なお、大会の模様は全米3大ネットワーク局の一つであるCBSで土曜夜のゴールデンタイムで放映され、日本でもニコニコ動画を通じて約23000人が同時視聴した。


第10試合 ストライクフォース世界ミドル級タイトルマッチ 5分5R
○ジェイク・シールズ(王者)
×ダン・ヘンダーソン(挑戦者)
判定3-0 (49-46/49-45/48-45)
※シールズが初防衛

第8試合 ストライクフォース世界ライトヘビー級タイトルマッチ 5分5R
×ゲガール・ムサシ(王者)
○モハメド・ラワル [キング・モー](挑戦者)
判定0-3 (45-49/45-49/45-49)
※ラワルが新王者に

第7試合 ミドル級 5分3R
○ジェイソン・“メイヘム”・ミラー
×ティム・スタウト
1R 3'09" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

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