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佐々木憂流迦、11秒KO勝ち。“怪物”堀口恭司狩りに前進:7.27 後楽園

プロフェッショナル修斗公式戦 2013年第3戦
2013年7月27日(土) 後楽園ホール
 佐々木憂流迦(うるか)は修斗環太平洋フェザー級(60kg)王座初防衛戦で山本賢治をわずか11秒でKO。試合後は「次に修斗のリングに上がるときは世界戦だと思ってますんで、今日限りでベルトは返上します。怪物を倒せるのは天狗しかいないんで、ご期待下さい」と、世界王者・堀口恭司への挑戦を熱望した。世界バンタム級(56kg)王者決定戦・神酒龍一 vs. 飛猿☆No.2は5Rの死闘もドロー。新王者は保留となった。
  レポート&写真:井原芳徳


第10試合 メインイベント 修斗世界バンタム級(56kg)チャンピオン決定戦 5分5R
△神酒龍一(CAVE/世界2位/55.7kg)
△飛猿☆No.2(リバーサルジム川口リディプス/世界3位、インフィニティトーナメント2012優勝/55.9kg)※ジム名変更
判定1-1 (田中50-46/横山47-48/鈴木47-47)
※王座はコミッション預かりに

 神酒は2010年5月に前王者・漆谷康宏に敗れて以来の王座挑戦。一時は3連敗を喫したが、CAVE移籍後は粗さが取れ、昨年3月から4連勝と好調だ。飛猿は昨年のインフィニティトーナメントで優勝し、続く4月の大阪では2位の渡辺健太郎を1R KO。デビューから5年、12戦目で王座初挑戦だ。
 1R、飛猿が神酒の蹴り足をすくって、タックルから豪快に抱え上げてテイクダウンに成功。学生時代は器械体操部だったというが、レスリング部出身と思われそうなテイクダウン能力だ。ハーフガードからギロチンを狙う。しばらく上をキープし、バックマウントを狙おうとすると脱出を許しスタンドに戻ったが、1R目は主導権を握る時間の長いラウンドだった。筆者採点は9-10で飛猿。



 2Rはお互いにテイクダウンを許さない攻防が続く中、飛猿の左のローが2度ローブローとなり、その都度神酒の休息時間が設けられ、お互い攻撃が寸断されたまま終了。筆者採点は10-10。3Rにも飛猿の左ローがローブローとなり、ついに鈴木レフェリーは減点1を宣告する。再開後、失点を取り返したい飛猿はタックルからまたも抱え上げテイクダウンに成功。上からギロチンを仕掛け、ずれた後もマウント、バックマウントでチャンスを作る。だが終盤、神酒が脱出すると、右ストレートとボディへの左膝蹴りで反撃。飛猿は苦しい様子を見せ、鼻血を出す。筆者採点はイーブンで、減点分を引いて10-9だが、見る場所によっては採点が両者に割れても不思議では無い。

 両者未体験の4Rに突入すると、飛猿のタックルを神酒がしのぎ、打撃戦でお互いパンチを当て一進一退。だが終盤、飛猿がタックルでテイクダウンを決めると、バックからチョークを仕掛けチャンス。キャッチサインは出ず、最終的に神酒はトップポジションに収まったが、飛猿が優位のラウンドとなる。筆者採点は9-10で飛猿。



 試合は最終ラウンドにもつれ込み、飛猿がタックルで先にテイクダウンに成功するが、すぐに神酒は脱出。左のハイキックをクリーンヒットし飛猿をぐらつかせる。その後はスタンドでのゲームが続き、神酒は左の膝蹴りや右フック、飛猿は左の前蹴りや左ストレートを当て、一進一退の攻防となるが、有効打で神酒が取り返す内容に。筆者採点は10-9で神酒で、合計は48-48でドローだった。



 裁定はジャッジに委ねられ、三者三様のドロー。両者とも悔しげな表情を浮かべた。5Rもあり、シーソーゲームのラウンドもあったため、割れる可能性はあったが、田中サブレフェリーだけ50-46と、他の二人よりも極端に差がついた。10-9と10-10を分けるラインに大きな違いがあったり、グラウンドでの主導権を他のレフェリーよりも重視しない傾向があるのなら、何を重視して選手やセコンドが試合運びをしていけばいいか、判断が難しくなる。特に5R戦う世界タイトルマッチでは今回のように差が開く可能性が高まり、選手もそれだけ消耗する戦いだということを、審判団にはより一層認識して欲しい。

◆神酒「なんとも言えないんですけど、悔しいの一言ですね。まあ、甘かないぞ、ことですね。勝っても負けても変わんないんでね、また強くなるため練習するだけなんで。またしっかり練習して、絶対(世界王座を)獲りたいですね。取るまで辞められないですね。
(グラウンドで攻め込まれる場面を振り返って)やっぱ、組技強いなって部分はありますけど、簡単に取られすぎたんで。打撃は距離感もある程度作れたんですけど、相手が力とかでガチャガチャしちゃうところで明確に差がつけられなかったんで、やっぱりホントに、甘かないな、って感じですね。なめてたわけじゃないんですけど、これが今の俺の実力だな、ってことで、自分の弱さに向き合って、強くなりなさい、ってことですね。自分は試合たくさんやって強くなってきた人間なんで、もっとたくさん試合して練習して強くなって、それだけですね。前向いて、堂々と、格闘技やります」

◆飛猿「結果は結果なんで、受け止めるしかないですね。悔しいです。(チョークの手ごたえは?)ガッチリ入ってて、極まると思ったんですけど。キャッチが入んなくて焦った感じですね。自分では入ってる気持ちだったんですけど、レフェリーから見て入ってないのかなと思うと焦る部分というか、もっと見せなきゃという部分があって。
(ローブローについて)狙ったわけじゃないですけど申し訳ないですね。あれで減点でベルト取れなかったってのもあるんで。(自身のダメージは?)ハイキックとパンチが効きましたね。倒れてはないけどポイント取られるな、っていう。
(終了時点で勝ち誇っていましたが、判定では行ける自信があった?)そうですね。五分という気持ちもあって、アピールもあったんですけど、1ポイント差で勝ったかな?って。まあ、何言っても変わらないんで、結果を受け止めるしか無いですね。
(また世界タイトルを狙いたい?)今はそれ狙う以外は無いですからね。またやるしかないですね。少し休んで、気持ち作って、また頑張ろうと思います。これが実力っす。これ以上は無いっす。これが取れなかったってことは実力不足っていうか、相手も強かったってことですね」


第9試合 セミファイナル 修斗環太平洋フェザー級(60kg)チャンピオンシップ 5分3R
○佐々木憂流迦(和術慧舟會駿河道場/王者、世界1位/59.9kg)
×山本賢治(修斗GYM東京/環太平洋3位、世界10位、インフィニティトーナメント2012優勝/ 60.0kg)
1R 0'11" KO (左ストレート)
※佐々木が初防衛。試合後、世界王座挑戦を希望し、王座返上を表明

 憂流迦は1月に徹肌ィ郎との環太平洋王者決定戦で勝利し、今回が初防衛戦。対する山本は昨年、中堅選手の育成目的で開催されたインフィニティトーナメントで優勝し、今年3月には元パンクラス王者・井上学選手に勝利と好調だ。だが、さらに上にいる世界王者・堀口恭司を見据えている憂流迦は大会前のインタビューではフィジカルトレーニングの成果を明かし、「練習でも『おお…今の俺って強ぇ』みたいな」「今回は圧倒できるんじゃないか」「僕の方がリーチもある」等とコメント。試合はまさにその通りの展開となる。




 サウスポーに構えた憂流迦は、開始すぐから右のジャブをヒット。10センチ以上の身長差も影響し、まだ距離感のつかめない様子の山本に対し、続けて左ストレートをクリーンヒットし、山本をダウンさせる。山本はこれ一発で意識を失い、憂流迦が上からパウンドを落とすと、すぐさま鈴木レフェリーがストップ。わずか11秒で試合が終わり、憂流迦はコーナーに登って大喜び。会場はこの日最大の歓声に包まれた。

 憂流迦は「もう、俺、世界の頂きに達したいんですけど、次に修斗のリングに上がるときは世界戦だと思ってますんで、今日限りでベルトは返上します。怪物を倒せるのは天狗しかいないんで、ご期待下さい」とマイクアピールし、堀口への挑戦を熱望。ベルトを外し、その場で鈴木レフェリーに返上した。



◆憂流迦「あのパターンは結構得意なんで。今まで打撃にそこまで自信が持てなくて、試合で出せなかった部分があったんで。今回すげえ気持ちが落ち着いてて、一発行ったろうと思って、行ったら当たりました。前蹴りのフェイントと飛び膝のフェイントを一緒に織り交ぜたのと、ジャブでフェイントしたら、当たるなと思ったんですよね。たぶんジャブ打ってくるなと思ったんで、思いっきり左振りぬいてやろうと思って。超気持ち良かったっすね。たまんねえな。毎回あれを感じてたんですね、恭司君は(笑)
(返上は考えてました?)考えてました。次上がるときは世界戦しかやりたくないんで。(これ以上ないアピールになりましたが)そうですねぇ、まあ(堀口は)来てないでしょうけどね、ハハハ、腹立つわぁ~。
(赤い天狗色のTシャツの応援団がたくさんいました)後援会もできて、周りが凄くサポートしてくれて、そういうのも含めて、気持ちが落ち着いてたんでしょうね。
(芹沢健一会長の目にも涙が浮かんでいました)泣いてる、と思って、俺も泣いちゃいそうで。ただの防衛戦なのに。マンツーマンでずっと練習してもらって、その成果が出たって実感してくれて涙流してくれたのかもしれないですね。KOした時よりもうれしかったかもしれないです(笑)」


第8試合 ライト級(65kg) 5分3R
×中村好史(マッハ道場/世界8位、環太平洋4位/64.9kg)
○土屋大喜(roots/元環太平洋王者/64.9kg)
判定0-3 (28-30/27-30/28-29)

 土屋は膝の負傷明けで2年ぶりの試合。その場で走るような足に重心をかけない独特のステップから、左の前蹴りやインローを中村にコツコツと叩き込む。終盤、土屋が組みつこうとしたタイミングで右ストレートをヒット。1Rはまずまずの出だしだ。
 2R序盤、組んで来る中村のバッティングの影響で頭頂部をカットしドクターチェックを受けるが、その後の動きに影響は無く、右アッパーを叩き込み中村をダウンさせる。その後もスタンドの打撃で優勢。このラウンドのポイントを取る。
 3R、中村が必死でタックルからテイクダウンを奪おうとするが、ロープの外に出てしまいストップドントムーブでリング内に移動させ再開。すると土屋が中村を潰す形となり上になる。しばらくしてスタンドに戻ると、今度は土屋がタックルでテイクダウンを奪う。中村はギロチンを仕掛けるが極まりは浅い。その後もスタンドで土屋が飛び膝蹴りを当てたり、タックルでテイクダウンを重ねるなどして優勢をキープ。見事判定勝ちを果たした。
 勝利者インタビューで土屋は「修斗、面白いです。試合最高。ただいま」と笑顔で復帰の喜びを語ったが、左肩を脱臼し、タオルで腕を吊るしており、試合中にレフェリーに気づかれていればドクターストップ確実な状況だった。




第7試合 バンタム級(56kg) 5分3R
○渡辺健太郎(直心会格闘技道場/世界4位/ 55.6kg)
×清水清隆(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、スーパーフライ級キングオブパンクラシスト/56.0kg)
判定2-1 (菅野30-28/田中29-30/鈴木29-28)

 清水は修斗参戦以降、マモル、BJ、越智に敗れ、勝利はKODO戦のみと負け越していたが、昨年TRIBEへ移籍後は菅原戦、北原戦と連勝している。タイトル挑戦目指し大事な試合だが、いきなり苦しい展開に。1R、右ローのカウンターで渡辺の左フックをもらいダウン。パウンドラッシュでレフェリーストップ寸前まで追い込まれる。だがなんとかクロスガードで耐え抜くと、スタンドに戻して右フックを当て、ダウンを奪い返しパウンドラッシュで反撃する。追い詰めた度合では渡辺が上だったが、この清水の反撃で五分に戻ったと見るのが妥当なところだろう。



 2Rはスタンドのお見合いの状態が長く続く中、時折渡辺が右ストレートを的確に当て、若干優位な印象を残す。終盤、右ストレートで清水がひるんだが、タックルで防御に行き、渡辺に切られる。だが離れ際に左ハイをクリーンヒット。渡辺は効いた様子をごまかすように自分の胸元を叩いて「来い」とアピール。このラウンドも途中まで渡辺、終盤は清水が巻き返す、五分と思える内容だった。
 3Rは渡辺が構えを時折スイッチさせるが、これまでのラウンドのようにはパンチが当たらなくなってくる。逆に清水は右、左のフックを随所で的確に当て優勢。すぐに立たれてしまったがタックルからのテイクダウンも決める。終盤には飛び膝も当て、打撃で優位に立ち続ける。



 試合は時間切れとなり、判定結果は割れて、渡辺の勝利に。1R、2Rを、途中まで優位だった渡辺を2者が評価した形で、後半の清水の反撃は重視されなかった。


第6試合 ウェルター級(70kg) 5分3R
×下石康太(MMA修斗GYM BLOWS/環太平洋3位/69.4kg)
○中村K太郎(和術慧舟會K太郎道場/元ミドル級環太平洋王者/69.9kg)
2R 0'37" 一本 (チョークスリーパー)

 K太郎はUFC参戦時以来約5年ぶりに70kgに落としての試合。1Rは慎重ながらも、サウスポーからの右のジャブとフックを的確に当て、下石をコーナーに押し込み、動きは悪くない。2R開始早々、下石が前に出てパンチの連打を放ってくるが、K太郎はかわしつつ右フックをクリーンヒットしダウンさせ、バックマウントを奪って得意のチョークを極めタップを奪った。




第5試合 インフィニティトーナメント2013ウェルター級(70kg)1回戦 5分2R
○大尊伸光(総合格闘技津田沼道場/69.9kg)
×ジャイアン貴裕(パラエストラ松戸/69.5kg)
判定3-0 (20-17/20-18/20-17)



 試合前のレフェリーからのルールについての注意時、ジャイアンの横には昨年のフライ級新人王の内藤のび太の姿。大尊はジャイアンではなくのび太を睨み付け、観客を楽しませる。
 1R、序盤から大尊がパンチでジャイアンを苦しめ、タックルも切り続け優勢。だが終盤、タックルを切って体を反転させて逃げようとしたところでバックを取られ、チョークを極められそうになってしまう。
 2R、両者バテてしまいなかなか手の出ない展開が続いたが、終盤に上になった大尊がジャイアンのボディに膝を当てた後、サイドを奪ってマット・ヒューズポジションで身動きを取れなくし、パウンドを連打しレフェリーストップ寸前まで追い込む。
 終盤にはアナコンダチョークに失敗して下になり、ジャイアンのパウンドを浴びるが、耐え切り試合終了。シーソーゲームではあったが、ジャッジは大差をつけ大尊に軍配が上がった。


第4試合 インフィニティトーナメント2013ウェルター級(70kg)1回戦 5分2R
○西岡攻児(マスタージャパン/環太平洋9位/70.0kg)
×鈴木淑徳(パラエストラ松戸/69.8kg)
判定3-0 (20-18/20-18/20-18)

 西岡はインフィニティトーナメント出場者ではただ一人のランカーで、修斗での試合数も12試合と最多で勝ち越している優勝候補。1Rも2Rも、開始早々一発目のタックルで西岡がテイクダウンを奪い、1Rはサイドまで行き、2Rはバックまで行き、鈴木を圧倒する。チョークを狙い続けるが極められず、残り1分を切ったところで腕十字に移行するがこれも極まらず。圧勝ではあったが、実績差を考えれば一本を取ってほしい試合だった。


第3試合 インフィニティトーナメント2013ウェルター級(70kg)1回戦 5分2R
○藤巻 優(パラエストラ小岩/69.6kg)
×高橋圭典(マッハ道場/69.8kg)
1R 4'42" KO (右ストレート→グラウンドパンチ)

 藤巻が右のパンチを効かせて序盤から優勢。高橋はもらいながらもタックルで倒し上になるが、藤巻はコーナーを背中にしながら脱出を続け、最後は右ストレートをもらって腰から崩れた高橋にパウンドを連打して試合を終わらせた。


第2試合 フライ級(52kg) 5分2R
○ATCHアナーキー(パラエストラ東京/世界9位/51.6kg)
×鍋島 潤(和術慧舟會東京道場/51.8kg)
判定2-0 (20-19/20-18/20-18)


オープニングファイト(第1試合) 2013年度新人王決定トーナメントライト級(65kg)1回戦5分2R
×ゴタンダ(ジャクソン道場/64.1kg)
○田中洋輔(秋本道場JungleJunction/64.6kg)
判定0-3 (17-20/17-20/17-20)


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