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島本雄二、入来建武との再延長制し世界大会制覇:10.31-11.1 東京体育館

全世界空手道連盟 新極真会「第11回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」
2015年10月31日(土)・11月1日(日) 東京体育館
 164選手がエントリーし、2日間に渡り争われた男子の世界選手権は、昨年の全日本大会と同じ島本雄二と入来建武による決勝となり、再延長の接戦を島本が制し、入来に返り討ちし優勝した。女子はハンガリーのチェンゲ・ジェペシに優勝を譲ったものの、16歳の南原朱里が準優勝と大健闘した。
  レポート&写真:井原芳徳 (中継:BS-TBS 11/23(月/祝)14:00-15:54 JSPORTS 3 11/28(土)15:55-18:55)


男子



 4年に一度の体重無差別トーナメント。世界90カ国・地域、164選手がエントリーし、2日間に渡り争われ、初日の最終戦の3回戦では日本の期待の星、加藤大喜(愛知山本/2015JFKO軽重量級優勝)、山本和也(東京東/2014&2015JFKO重量級優勝)が再延長の末に敗退する波乱が起こる。
 2日目の2試合目となる5回戦では前田勝汰(和歌山/2015JFKO軽重量級準優勝)が優勝候補・ゼッケン1番のヴァレリー・ディミトロフ(ブルガリア/2009&2013ワールドカップ重量級優勝、2007世界3位)を再延長の末3-0で撃破し、ルーカス・クビリウス(リトアニア/2013ワールドカップ重量級準優勝)は落合光星(和歌山/2013全日本優勝、2015JFKO重量級準優勝)を延長戦で突きの連打で追い詰めてからの胴回し回転蹴りで技有り(ダウン)を奪い勝利し、混沌とした情勢となる。

(※5回戦以降の試合時間は本戦3分、延長2分、再延長2分。それでも決着がつかない場合は体重が10kg軽い方が勝利、試割数が多い方が勝利。それでも差が無い場合は最終延長2分で必ず裁定を下す)


◆準々決勝

Aブロック
○前田勝汰(和歌山/2015JFKO軽重量級準優勝)
×エドガー・セシンスキー(リトアニア)
本戦4-0

 本命ディミトロフを下し勢いに乗る前田兄弟の弟・勝汰が、細かく左右に動きてセシンスキーの前進をいなしつつ、左右のストレート、左ボディを着実に当て続け完勝した。


Bブロック
×島本一二三(広島/2014全日本準優勝、2013ワールドカップ中量級3位)
○入来建武(東京城南川崎/2014全日本準優勝)
本戦0-5

 全日本で史上初の10代でのファイナリストとなった20歳の新鋭・入来が、ローを効かせつつ、左右のストレートを連打。島本兄弟の兄・一二三を撃破した。


Cブロック
○ルーカス・クビリウス(リトアニア/2013ワールドカップ重量級準優勝)
×ナザール・ナシロフ(ロシア/2014ロシア優勝)
再延長3-2 延長2-1 本戦0-1

 互いにパンチ主体の接戦が続くが、ナシロフのつかみが多く、本戦、延長、再延長とも1度ずつ注意を受ける。再延長はクビリウスもつかんで注意1を受けるが、若干手数で上回り、消耗戦を制した。ナシロフは技能賞を獲得している


Dブロック
×マシエ・マズール(ポーランド/2015ヨーロッパ重量級準優勝)
○島本雄二(広島/2012&2014全日本優勝、2013ワールドカップ重量級3位、2011世界7位)
延長0-5 本戦0-1

 ゼッケン・ラストナンバーをつけ、ディミトロフに次ぐ有力候補と期待される島本。初戦の二回戦から五回戦までいずれも本戦で勝負をつける順調な勝ち上がりで、準々決勝こそ延長にもつれ込んだが、本戦から左右のインローをしっかり効かせつつ、パンチを終盤連打する安定した試合運び。延長戦ではマズールの前蹴りがローブローとなり注意が入ったことも幸いしたが、胸への突きの連打で攻撃でもしっかり印象を残し、準決勝に駒を進めた。


◆ベスト4戦

準決勝
×前田勝汰(和歌山/2015JFKO軽重量級準優勝)
○入来建武(東京城南川崎/2014全日本準優勝)
本戦0-3

 小柄ながらも準決勝まで残った前田だが、やや足を引きずるような様子で、入来は容赦なくローを連打。前田がスイッチすれば逆の足に蹴りを集中し、前田を圧倒した。


準決勝
×ルーカス・クビリウス(リトアニア/2013ワールドカップ重量級準優勝)
○島本雄二(広島/2012&2014全日本優勝、2013ワールドカップ重量級3位、2011世界7位)
本戦0-5

 島本が序盤から左の突きを胸元に連打すれば、クビリウスは顔をのけぞらせ嫌そうな表情を浮かべる。苦し紛れでローキックのまま足をかけてコカし、注意される場面も。島本は最後まで胸に突きを連打し続けクビリウスを圧倒。日本人同士の決勝を実現させ、本戦終了と同時にガッツポーズで喜んだ。



3位決定戦
×前田勝汰(和歌山/2015JFKO軽重量級準優勝)
○ルーカス・クビリウス(リトアニア/2013ワールドカップ重量級準優勝)
本戦0-3

 前田が序盤から突きを連打し、クビリウスは準決勝の島本戦と同じように反撃できないかのような雰囲気だったが、残り1分を切ると急にスイッチが入ったように前進しパンチラッシュで前田を場外まで下がらせるほどに。かろうじてベスト3入りを果たした。前田は4位に終わったが大躍進が評価され大会の敢闘賞を獲得している。


決勝
×入来建武(東京城南川崎/2014全日本準優勝)
○島本雄二(広島/2012&2014全日本優勝、2013ワールドカップ重量級3位、2011世界7位)
再延長2-3 延長1-2 本戦0-0

 世界大会決勝は1年前の全日本決勝の再現に。ダメージが溜まり、やや足を引きずり気味の入来に対し、島本が左のローを連打し先手。前蹴りや突きも絡めて、じわじわと入来を追い詰めるが、入来も左のローを少しずつ返すと巻き返し、残り1分の足を止めての打ち合いではほぼ互角の展開とし、延長に突入する。
 すると今度は島本よりも入来の左のローのほうが多い状態に。だが島本はぐらつかず、中盤以降は突きの攻防でやや手数が上回り挽回。審判の評価も割れ、再延長に突入する。
 すると島本は右のボディと胸元への突きを連打した後、右ハイの奇襲。これが入来の顔面をかすめ、島本が好印象を残すことに。中盤には島本が左ボディも連打して入来を下がらせるが、入来も終盤は突きの応酬で追い上げを見せる。ジャッジは割れたものの、再延長途中まで優位に試合を運び、終盤も危ない場面を作らなかった島本が、主審を含めた3票を獲得。死闘を制し、悲願の世界一の座を獲得した。




◆島本
 結果的に日本人で決勝ができて良かったです。1年前より入来選手の心が強くなっている印象でした。1年前はいいのをもらうとひるむ感じでしたが、前に出て来たので、違うなと思いました。(手応えを感じたのは?)ボディに入った突きですね。(入来の最後のラッシュは?)計算内で、その中でしっかり突きを返そうと徹底しました。理想にはまだまだ程遠いので、もっと稽古します。ダメージは無く戦えたので、練習の成果は出せたと思います。
(一番苦しかったのは?)決勝ですね。入来選手は強かったです。準決勝はあとは僕が勝てば日本人同士の決勝になるので、気合を入れてやりました。初日に広島の僕ら3人が動けて、やってきたことが確信になって、やってきたことを出せば負けないと思って二日目はやりました。
 ここで慢心せず、一から練習をやって行って、結果的に4年後も優勝できたらいいと思います。その間のワールドカップもアウェーになるのですが勝ちます。

優勝・島本雄二
準優勝・入来建武
3位・ルーカス・クビリウス (ブライアン・ヤコブセンと共に24枚で試割り賞も獲得)
4位・前田勝汰(敢闘賞も獲得)
5位・島本一二三 試割り22枚
6位・ナザール・ナシロフ 試割り21枚 (技能賞も獲得)
7位・エドガー・セシンスキー 試割り14枚
8位・マシエ・マズール 試割り12枚


女子



 女子は43選手がエントリー。加藤小也香(愛知山本/2014全日本優勝、2015JFKO中量級優勝)が初日の2回戦敗退(1回戦はシード)。将口恵美(愛知山本/2011世界優勝、2015JFKO重量級準優勝)も2日目の最初の3回戦敗退。有力日本人が消える波乱が起こった。だが同じく3回戦で谷岡菜穂子(世田谷・杉並/2012全日本4位)が海外強豪のアンナ・ヴィシニャコワ(ロシア/2014ロシア優勝)を撃破。その谷岡も菊川結衣(芦原会館/2014&2015JFKO軽量級優勝)に準々決勝の延長戦で敗れ、熾烈な争いとなる。

(※準々決勝以降の試合時間は本戦2分、延長2分、再延長2分。それでも決着がつかない場合は体重が8kg軽い方が勝利。それでも差が無い場合は最終延長2分で必ず裁定を下す)


準決勝Aブロック
○チェンゲ・ジェペシ(ハンガリー/2013ワールドカップ重量級3位)
×佐藤弥沙希(和歌山/2007世界準優勝、2015JFKO重量級優勝)
再延長5-0 延長0-1 本戦0-1

 優勝候補・ゼッケン1番のジェペシに、準々決勝で木村敬代(武立会館/2014&2015JFKO軽重量級優勝)を本戦3-0で下した佐藤が立ち向かう。本戦こそ佐藤が右ミドル、右インローを効かせ若干優位だったが、明確な差がつけられず延長にもつれ込むと、距離を縮めて来たジェペシに佐藤がローを当てられなくなり、ジェペシが次第に回復。再延長になるとパンチの連打で猛反撃し佐藤を下した。


準決勝Bブロック
×菊川結衣(芦原会館/2014&2015JFKO軽量級優勝)
○南原朱里(福岡/2015JFKO中量級優勝)
再延長0-4 延長0-0 本戦0-0

 南原朱里(みなみはら・じゅり)は出場選手最年少の16歳。2回戦で前回2011世界4位のインガ・ミクスタイテ(リトアニア)を下し、加藤を2回戦で潰したルタ・ブラズィオナイテを準々決勝で下し、物怖じしないファイトで観客を驚かせた。菊川も17歳というフレッシュな顔合わせ。お互い若さあふれる突きとローの応酬で、なかなか差がつかない状態が続いたが、再延長戦で南原が僅差ながらも好印象を残し決勝に駒を進めた。


3位決定戦
○佐藤弥沙希(和歌山/2011世界準優勝、2015JFKO重量級優勝)
×菊川結衣(芦原会館/2014&2015JFKO軽量級優勝)
本戦5-0

 抜群の運動量で観客を驚かせ続けた菊川だったが、さすがに準決勝でエネルギーを使い果たした様子で、体格とキャリアで勝る佐藤が最初から突きの連打で菊川を圧倒し完勝した。菊川は4位に終わったが技能賞も獲得している。


決勝
○チェンゲ・ジェペシ(ハンガリー/2013ワールドカップ重量級3位)
×南原朱里(福岡/2015JFKO中量級優勝)
再延長5-0 延長2-0 本戦0-0

 体格で勝るジェペシが序盤から圧力をかけ突きを連打。南原が蹴り足をキャッチした後も、ほどいてハイに持ち込んだりと、巧さでも魅せる。南原は集中力が切れた様子で、ブレイクがかかる度に何度も相手に背中を向け自軍の方を向いて苦しそうな顔を浮かべる。つかみ等で注意も重なるが、大差がつかず再延長に突入しても、流れは変わらず。時折棒立ちになる南原にジェペシが突き、膝、ハイ等を当て続け判定勝ちし、初優勝を果たした。南原は敢闘賞も獲得した。



◆緑健児代表
 島本選手の優勝は彼一人でなく、日本選手団の伝統継承で、必ず王座を守るんだという思いでてきたと思います。女子はいい結果にはなりませんでしたが、男女共に頑張ったと思います。選手たちを誇りに思います。
 第10回(2011年)の世界チャンピオンの塚本徳臣選手の後、絶対王者がいない状態でしたが、島本選手が有言実行で自分がチャンピオンになるという強い思いで追い込んで優勝し、たいしたものだと思います。前回はユースだった世代、特に前田選手の大きい選手に立ち向かう姿はお客さんに勇気を与えてくれたと思います。これから4年間で強い若手が、日本に限らず世界から生まれると思います。
 島本選手は一回戦から安定していて、腰がしっかり落ちていて、いい選手はバランスが崩れないんですね。全日本の時より突きと蹴りがパワーアップしていました。今までは仕事を終わってから練習をしていましたが、今回は師範として空手一筋の生活をしています。厳しい稽古を乗り越えた人間が一番強いということを示し、優勝をあきらめない気持ちが伝わりました。
 女子は南原選手がまだ16歳で、ここまで短期間で強くなるんだなと思いました。もっと強くなると思います。

(左下写真は来賓で新極真会のテーマソングの作曲者でもある長渕剛さんと緑代表。右は第6回(1996年)と第10回(2011年)の世界大会優勝の塚本徳臣の演武)


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