Home > REPORTS > 戦極 > ホジャー・グレイシー、鮮烈日本デビュー。第二陣 5.18 有明

ホジャー・グレイシー、鮮烈日本デビュー。第二陣 5.18 有明

WVR "戦極 〜第二陣〜"
2008年5月18日(日) 東京・有明コロシアム

 ホジャー・グレイシーは開始すぐから近藤有己を倒すと、マウント、バックをあっさりと奪い、3分足らずでチョークで一本。日本デビュー戦を圧倒的な強さで制した。メインではジョシュ・バーネットがジェフ・モンソンに判定勝ち。北岡悟&光岡映二のライト級日本人は揃って一本勝ちで存在感を示した。
第7試合 無差別級 5分3R
×近藤有己(パンクラスism/パンクラス暫定ミドル級王者/87.4kg)
ホジャー・グレイシー(ブラジル/ホジャー・グレイシー柔術アカデミー/102.6kg)
1R 2'40" タップアウト (チョークスリーパー)

 戦極の目玉として注目されていたホジャー・グレイシーが、ついに日本に初登場する。ADCC、柔術世界選手権(ムンジアル)で優勝し、薄れつつあるグレイシーの強さを証明し続けている唯一無二の存在。総合格闘技の試合は、2006年の12月カナダのbodogFIGHTで行われたロン・ウォーターマン戦以来で、その時は、寝技のみの展開で1R腕ひしぎ十字固めで勝利している。



 今回の対戦相手となるのはストライカーの近藤。だが、一つ、下手をすれば二階級違う相手のため、ホジャーの顔見せ的な試合と思われても致し方ない。しかし、近藤は過去にジョシュ・バーネット相手に、敗れたものの観客が大いに沸く好試合を見せており、今回の試合も「近藤なら何かやってくれるのではないか」という期待感がある。絶対的に不利な状況でも、ファンは近藤がただの噛ませ犬になるとは思っていないはずだ。日本のファンはどちらに感情移入をしているのか…、非常に興味深い一戦だ。
 
 両者向かい合うと、わかっていたことだが体格差がくっきりと浮き彫りになる。ホジャーは近藤に打撃を出させることなく、素早い組み付きで距離を詰めるとサバ折りでテイクダウン。「包み込まれる、癒されるような感じがした」と、らしい表現でホジャーのグラウンドを振り返った近藤。並みの選手にはない感覚を感じていたようだ。




 そして、ホジャーは簡単にサイドにパスすると、近藤のブリッジに合わせてマウントへ。その後数発パウンドを打ち込むと、相手の動きに合わせチョークを極め試合を終わらせた。

 試合は、実にあっさりとした展開で終了。ホジャーが実に簡単に近藤を飲み込んでしまった。試合前に感じた近藤の不思議な期待感は崩壊し、結果、近藤が完全にホジャーの噛ませ犬となってしまった。だが、今回の試合でホジャーの強さがわかったかというと、階級差もあるため?マークが付く。

 今回は、ホジャーの強さの片鱗にかすった程度だろう。戦極のメインディッシュであるホジャーの全貌を引き出すことができるのはエースのジョシュ?それともホジャーに花束を贈呈した吉田?戦極がにわかに熱気を帯び始めてきた。



◆ホジャー「(相手の印象は?)近藤選手のイメージは、完璧ですばらしいということ。だから自分なりに戦略を立ててきました。それはグラウンドで勝つということです。今日は幸運にも自分の戦略で勝つことができました。
(近藤戦に向けて、どんなトレーニングをしてきた?)すべてオールラウンドにです。ロンドンでボクシングを鍛えました。自分の寝技は強いので、そこも重点的に。
(今後については?)MMAに関しては決まっていないので、どうなるかわかりません。(階級を上げてジョシュ選手と戦うとしたら?)ヘビー級に行ったら必ず相手になる人。是非戦いたいです。
(ジョシュが閉会式で披露した「戦極ポーズ」は一緒にやった?)観客を楽しませるために少しやりましたが、日本語がわからないため、はっきり言って意味わからなかったです(苦笑)。
(吉田戦については?)自分では決められません。オファーがあれば喜んで」

◆近藤「相手はすごく上手かったです。強いというより上手い。組んで押さえ込まれる感じとか。(最後は体重差で逃げられなかった?)それは関係ないです。腕を(首に)入れられて、だんだん意識が遠くなっていった感じですね。
(他のグラウンドが得意な選手と違った部分はあった?)柔らかかった。包み込まれるような、癒されるような感じでした。肌の質感も柔らかい。
(再戦については?)したいですね。でも資格がないので、一からやり直してがんばっていきたいです」


第8試合 ヘビー級 5分3R
ジョシュ・バーネット(米国/フリー/パンクラス無差別級王者)
×ジェフ・モンソン(米国/アメリカン・トップチーム)
判定3-0 (松本=バーネット/大橋=バーネット/小林=バーネット)

 長年の練習仲間同士の戦いということもあって、お互いに遠慮気味の静かな展開に。1Rは終始スタンドで、モンソンは右フック、ジョシュはテンカオを当てるが、単発止まりで打ち合いにはならない。



 2Rに入るとモンソンがタックルで上に。肩固めを狙いつつサイドポジションを奪うが、ジョシュはブリッジで脱出してリバースに成功する。だがジョシュはパスを狙うもキープができず、モンソンに脱出を許す。
 互いに決定的な攻めのないまま突入した3R、ジョシュが膝蹴りを当てると、モンソンは打撃を嫌うよに引き込み、ジョシュが上に。がぶりの状態から素早く動き、ヒールホールドを仕掛けるが、時間切れに。結局この3Rの攻勢が決め手となり、ジョシュの判定勝ちに終わった。


第6試合 ライトヘビー級 5分3R
×川村 亮(パンクラスism)
ケビン・ランデルマン(米国/ハンマーハウス)
判定0-3 (松本=ランデルマン/大橋=ランデルマン/小林=ランデルマン)

 感染症の療養明けのランデルマンは、試合直前の左肩の怪我も影響し、かつての猛獣ぶりがな薄れた消極的なファイトに。
 開始すぐ、パンチを振りながら組み付き、川村の背後からしがみつく。川村はパンクラシストお得意の、潜り込んでの足関を仕掛けるが、ランデルマンは防御する。
 スタンドに戻るとお見合い状態が続く。2Rになってもその状態が続き、川村は前に出てパンチを振り回すが、ランデルマンはバックステップを続ける。レフェリーに注意を促されると、ランデルマンはタックルを仕掛けるが、川村は防御。再びスタンドに戻ると、川村がハイキックに失敗してスリップ。ランデルマンはまたも背後から組み付くが、その先の攻めができない。
 3Rもスタンドと組み付きが繰り返されるが、互いに決定打に欠く。川村はパンチで前に出るが、ランデルマンは打撃につき合わない。
 判定はテイクダウンで上回ったランデルマンに軍配が上がったが、一部の観客からはブーイングが起こり、川村にも観客が暖かい拍手が送られていた。ランデルマンはマイクを持つと再戦を希望。川村も再戦に意欲を示した。

◆ランデルマン「実は、試合前に左肩を痛めてしまいました。試合で最初左を出した時、また痛めてしまいました。今は左手が挙がりません。今日、日本のMMAの時代が始まったと思っている。例えばグレイシーの登場…いつか戦えたらいいと思っている」

◆川村「ヒョウとインパラがやって、インパラがどうやったらヒョウに勝てるのか。真っ直ぐぶち当たれば勝てるんじゃないかと思いました。結局粉砕しましたけど。
(再戦をしたいと言っていたが?)次はもっといいものを見せられると思ったからです。ランデルマンは死にかけたりしているということもあり、人間力を感じましたね。(今後の目標は?)モンスターに勝てるインパラになることです」


第5試合 ヘビー級 5分3R
中尾“KISS”芳広(TEAM TACKLER)
×ビッグ・ジム・ヨーク(ニュージーランド/ファイブ・リングス・ドージョー)
2R 0'46" TKO (レフェリーストップ:スタンドパンチでダウン後)

 1Rはスタンドでのお見合いのまま攻防の少ない展開。互いに左フックを一発ずつ当てる程度に留まる。だが2R、中尾が序盤から、ヨークの右フックに合わせてタックル。ヨークはかろうじてテイクダウンを防ぐが、逃げるヨークを中尾が追いかけ、右フックをヒット。ヨークがダウンしたところでレフェリーが試合をストップした。
 マイクを持った中尾は「6.8、藤田選手と戦わせて下さい」とアピール。次回の戦極での藤田和之戦を希望したが、WVRの國保広報は「もう2、3試合クリアしてからがいい」と早期実現には消極的だった。

◆中尾「(1Rは様子見?)そうです。ロー、前蹴りでスタミナを奪う展開でした。2Rはパンチのカウンターでタックル、立ってきたところで右フック…作戦通りでしたね」

◆ヨーク「中尾はすばらしい選手。完全にやられました。もっと攻撃的に来ると思っていました。(早めに止められてしまったように感じられたが?)もっとやりたかったですが、目をやられてしまいました。今日の戦いが本来の自分だとは思ってほしくないです。次はもっとよい戦いができます。」


第4試合 ミドル級 5分3R
×佐々木有生(GRABAKA)
ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
3R 2'10" タップアウト (腕ひしぎ十字固め)

 1R、サンチアゴの右ハイをすくった佐々木は、そのまま倒してバックを奪い、チョークを狙いチャンス。2R前半はパウンド、踏みつけ、飛び膝を浴びるが、終盤の右フックをきっかけに、肩固め、腕十字でチャンスを作る。
 3Rも佐々木は序盤にサバ折りでテイクダウンに成功し、流れは悪くなかったが、パスガードに成功した直後、サンチアゴの下からの腕十字が見事極まりフィニッシュ。佐々木が戦極初戦でいきなりつまづくと共に、サンチアゴが佐々木の同門・三崎との対戦に大きく前進した。三崎も休憩明けのリング上での挨拶で、敵討ちを表明した。



◆サンチアゴ「皆様に一つ伝えなければいけないことがあります。自分は一ヶ月前、過去のUFCで骨折してしまった箇所を、スパーリング中に再び骨折してしまいました。右手です。だから、なるべく右手を使わずに戦いました。申し訳なかったです。でも、日本のファンは大好きなのでよかったです。
(腕十字については?)右手がダメだったので、フィニッシュはグラウンドだと予想していました。スタンドでの勝ちはないと思っていました。アグレッシブな戦いができなくて、すいませんでした」

◆佐々木「(試合を有利に進めていて、一瞬の隙を突かれてしまったが?)1、2Rは自分の中で負けているという意識が強くて、3Rいかなきゃと思っていました。気持ち焦っていましたね。十字については、パウンドを打ったところ手が引っかかって取られました。相手が上手かったのかなと。自分の試合は、総合格闘技らしさは見せられたかなと。3Rは生き急いでいるような感じがしましたが、それも自分の生き様なのかなと思いました」


第3試合 ライト級 5分3R
光岡映二(和術慧舟會RJW)
×イ・グァンヒ(韓国/Tuhon Jeongsim Gym)
1R 4'15" タップアウト (チョークスリーパー)

 光岡のセコンドには宇野薫の姿も。序盤、サウスポーの構えでジャブを打ち、様子を見る展開が続いたが、2度目のタックルでテイクダウンに成功すると、光岡の一方的なペースに。あっさりとバックを奪い、チョークを極め快勝した。
 試合後はマイクを持つと、「今すぐ五味選手とやりたいとは言わない。次とかその次とは言わないけど、いつかはたどり着きたい」とアピール。自己主張しつつも五味を気遣い謙虚な光岡のコメントに、リングサイドで見つめる五味隆典も笑顔を浮かべていた。



◆光岡「相手がどういうことをしてくるのか心配だったので、最初は様子見の作戦でした。最初のタックルは逃げられましたが、(勝てて)よかったです。
(五味選手に対戦をアピールしていたが?)名前出したほうがいいのかなと。でも、モニター見たら、五味選手嫌な顔してたみたいで(笑)。まあ、意識をしてくれればいいかなと。ファンのみなさんが『この二人の対戦は、そろそろいいだろう』と思ってくれた時に対戦すればいいと思う。今はまだまだですね。
(北岡選手と自分、どっちが先に五味選手と戦えばいいと思う?)北岡選手の方がおもしろいんじゃないですか。先にやってほしいです」

◆グァンヒ「相手との距離が自分の予想と違いました。作戦は距離を取って、打撃でダウンを奪うこと。でも緊張していたこともあり、自分のスタイルを出せませんでした」


第2試合 ウェルター級 5分3R
マイク・パイル(米国/エクストリーム・クートゥア)
×ダン・ホーンバックル(米国/マクビカー・マーシャルアーツ・アカデミー)
1R 4'52" タップアウト (三角絞め)
※計量オーバーでパイルに減点1

 序盤、テイクダウンに成功したパイルは、リバースされるものの、下から足を昇らせ、ホーンバックルを突き放す。スタンドに戻ると、右フックと左のテンカオを顔面に叩き込みチャンス。苦しいホーンバックルは、テイクダウンして難を逃れるが、安心した隙を突いてパイルが三角絞めを極め、ラウンド終了間際にタップを奪った。



◆パイル「(クートゥアから何かアドバイスはあった?)今回はスキル的にも精神的にも助けになってくれました。(今後については?)戦極には今後も参加していきたいと思っています。近いうちに必ず日本に来て戦います」

◆ホーンバックル「(戦極に参戦してみて?)とても楽しかったです。よい経験になりました。(今後の課題は?)また日本に戻ってきて、よい試合をすることです。三角絞めのディフェンスをもっと練習してきます」


第1試合 ライト級 5分3R
北岡 悟(パンクラスism)
×イアン・シャファー(オーストラリア/ファイブ・リングス・ドージョー)
1R 1'50" タップアウト (フロントチョークスリーパー)

 両者向かい合うと、シャファーはノーガードでゆらゆらとリングを回る。対する北岡は小刻みにステップを踏み、慎重に距離を確かめている様子だ。
 最初に仕掛けたのは北岡。両足タックルにいくもロープ際のため相手に切られるが、すぐさま投げでグラウンドに持ち込むと、同時にフロントチョークに捕まえる。回転して逃れようとするシャファーにしっかりと対応し、首を絞り上げ完勝した。



 北岡の大舞台初戦は、秒殺勝利により戦極ファンに大きなインパクトを残すことができた。北岡はマイクで「デビュー戦のようなつもりで戦いました」と話し、北岡の格闘技人生の第二章がようやくスタートしたということだろう。同時に対外国人相手による連勝をさらに一つ更新。「北岡は日本人選手より外国人選手相手の方が栄える」、そう思うのは筆者だけではないはず。戦極の舞台でも、変わらず世界の強豪と戦い続ける姿が見たい。北岡にはそれがピッタリだ。

◆北岡「自分の考えていた展開になりました。目の傷は組もうとした時にパンチもらった傷です。でも、そういう覚悟があったからこそ自分の流れでできたのだと思います。
(戦極のリングについては?)アツイだけじゃなく、温かさも感じました。迎え入れてくれた感じですね。
(70kgという階級については?)まだ一試合目なのでわかりません。減量がきつかったですが、それで貪欲になれました。
(今後については?)今日は第一試合だったですが、徐々に上がっていきたいです。
(戦い相手は?)正直、希望はないです。主催者が用意してくれた人で。誰かに挑戦するとかはないですね。敵は自分自身だと思っています」

◆シャファー「1Rは打撃で、2Rはグラウンドでいこうという作戦でした。相手のギロチンを警戒していましたが、一回目は逃げられましたが、二回目につかまってしまいました」

  • レポート:本庄功志(北岡戦、ホジャー戦)、井原芳徳(その他の試合)
  • 写真:井原芳徳

Home > REPORTS > 戦極 > ホジャー・グレイシー、鮮烈日本デビュー。第二陣 5.18 有明

 - PR - Martial World presents Gym Village
Gym Village でジムを探そう!
Gym Village おすすめジム

格闘技医学会
有楽町線・副都心線直通 東武東上線「朝霞」南口 徒歩1分
強くなるを、医学する。現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!

さらに詳しく

おすすめジム欄へのジム広告掲載について