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不動心、円熟期へ。近藤、暫定ミドル級王座防衛

PANCRASE 2010 PASSION TOUR
2010年2月7日(日) 東京・ディファ有明
「今日はたまたま勝てた」「自分はこんなもんだと思う」「20代の頃のような熱いものは今は明らかに無い」 試合後、ネガティブな言葉を連発した近藤有己だが、等身大の今の自分を活かす術を身につけ、「不動心」を円熟させているように思えた。
  レポート&写真:井原芳徳


第11試合 メインイベント ミドル級暫定キング・オブ・パンクラス・タイトルマッチ 5分3R
○近藤有己(パンクラスism/暫定王者)
×佐藤豪則(Laughter 7/1位)
判定3-0 (大藪30-28/小菅30-29/和田30-28)
※近藤が防衛

 1R開始数十秒、両者サウスポーに構え、佐藤が左フックで飛び込むと、近藤のカウンターの右フックが炸裂。前のめりでダウンした佐藤は、タックルで組み付いて難を逃れる。前日計量で佐藤は、師匠の桜庭和志から「近藤選手は当てるのがうまいから気をつけろ」と言われたことを明かしていたが、いきなりその通りの展開となる。

 佐藤は片足タックルで近藤をロープかコーナーに押し込み、体力を回復させながらテイクダウンを狙うが、近藤は『柳に風』といった感じでしのぎ続け、3分経過時に逆に佐藤を潰して上に。有効な攻めは乏しかったが、主導権を維持したまま1Rを終える。

 2R、最初の佐藤のタックルをかわした近藤は、スタンドの攻防で右フックと右アッパーをもらい、若干不利な展開に。近藤も「2Rみたいな打ち合いで持って行かれたらマズかった」と振り返る場面だが、1Rのダウンのトラウマがあったのか?佐藤がタックルに来てくれたことが幸いし、これも潰して上になると、パウンドを落として主導権をキープする。

 3Rも佐藤はパンチを当ててからタックルを狙うが、近藤は潰して上に。佐藤はブリッジで脱出を試みるが、近藤は上をキープし続ける。腰を上げると佐藤の蹴り上げを不用意にもらってしまう場面もあったが、結局終了間際まで上のポジションをキープ。近藤が佐藤に1ポイントも与えず、暫定王座の初防衛に成功した。試合後、ismの後輩で同級の正王者の金井一朗がリングインし、ガッチリと握手しエールを交換。4月29日のディファ大会での王座統一戦が決まっており、近藤は「金井と一生懸命最高の試合がしたい」と宣言した。

 インタビュースペースで近藤は「今日はジャンケンでたまたま僕がパーで向こうがグーになった感じ」「ああいう若い選手に追い抜かれると思っていた。今日はたまたま勝てた」と話し、相手の作戦ミスで勝てたことを強調した。しかしその後の言葉を聞いていると、勝利を呼び寄せた最大の要因は、近藤自身の意識の変化ではないかとも思えてくる。

 近藤は前日計量後に「調子は80%ぐらい。100%だと逆にいいことにならないんじゃないか。大きすぎないほうがいい」と話していた。この日の試合後も「調子が戻ってきた感じがあるか?」という質問に「自分はこんなもんだと思う」とサラッと答え、「自分の戦闘力が下がる時があっても、前なら『とにかく上げよう』という気持ちが働いたけど、今は下がるのを受け入れつつ、その状態で納得できる動きをして、自分が心地よくあれば何よりと思うようになった」「20代の頃のような熱いものは今は明らかに無いんで。けど今の自分もそれはそれで居心地がいい。誤解を生むかもしれないですけど」「今日は怪我が無く、次も試合ができることが何よりもうれしいですね。すいません、なんか爺さんみたいで」と笑顔で話した。

 近藤のキャッチフレーズといえば「不動心」だが、34歳の今と、このフレーズの使われだした10年近く前とでは、近藤の中でのこのフレーズの解釈は違ったものとなっているように思えた。不動心、円熟期へ。金井との王座統一戦でもその持ち味が発揮されるのか注目したい。


第10試合 セミファイナル フライ級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3R
×砂辺光久(TEAM reversaL/王者)
○清水清隆(SKアブソリュート/1位)
判定0-2 (千葉28-29/松宮29-29/和田28-29)
※清水が第2代王者に

 フライ級のタイトルマッチは、1Rに王者が先手を取る点では近藤×佐藤と同じだったが、2R以降は正反対の流れとなる。

 1R30秒、リーチで勝る砂辺が左ジャブで清水をダウンさせると、そのまま上に。そこから攻めきれず、スタンドに戻ると今度は清水にタックルで倒されて下になるが、残り20秒に下から仕掛けた腕十字が極まりかけ、そのまま終了のゴング。1Rのポイントを砂辺が先取する。

 しかし清水は「フラッシュダウンを取られた時は腰が抜けてヤバいと思ったけど、1Rが終わった時、竹内(出)さんからゲキを飛ばしてもらった」といい、接近戦で右フックを当てて優勢。砂辺の大振りのフックに合わせてタックルでテイクダウンに成功し、パスガードのプレッシャーをかける。砂辺に脱出を許してからも、スタンドに戻ってからは清水が右フックや左ジャブを的確に当てて主導権。ラウンド終了後、口から出血しながらコーナーに戻る砂辺の表情は、焦りの色が濃い。

 3Rも主導権を握ったのは清水だった。「自分の動きは全然足らないけど、竹内さんの作戦がハマってくれた」といい、グラウンドでもスタンドでも砂辺にプレッシャーをかけ続ける。逆に砂辺はほとんど攻撃が出せないまま終了のゴングを聞く。判定が読み上げられた後、王座を失い茫然自失のままリング上に立ち尽くす砂辺と、同僚らに胴上げされる清水のコントラストが印象的だった。



「まだ信じられない。感動というより、応援してくれた人への感謝が強い。たまたま勝てた。ドローと思った」という清水。「まだチャンピオンと胸を張れない。先輩の王者の竹内さんや和田(拓也)さんにしごいてもらって、安定した力を出せるよう精進する。チャンピオンだからと構えず、積極的に試合がしたい」と今後について語った。砂辺も同様の姿勢で積極的に防衛戦を重ねており、結果的に今回は王座を失ったものの、より強くなって再び這い上がることだろう。この日は2位の廣瀬勲と3位の石井拓麻もハイレベルな好勝負を繰り広げており、層が厚くなりつつあるフライ級戦線から目が離せない。


第9試合 バンタム級 5分3R
○川原誠也(パンクラスP's LAB横浜/1位)
×赤井太志朗(ノヴァ・ウニオン・ジャパン/2位)
判定3-0 (千葉30-28/小菅30-28/和田29-28)



 「明日は新しくなった自分を見せたい」と計量で語っていた川原。スタンドではフックが度々空回りしたり、赤井の首相撲に対処できなかったりと、まだ荒い部分はあったものの、重みのある右ミドルや、倒されてからのリバーサルの動きなどで、発言どおりに成長を示す。特にグラウンドでの動きの良さは出稽古先のKRAZY BEEの山本篤を彷彿とさせる。一階級上から落としてきた赤井も、ベテランらしい多彩なテクニックを駆使して一進一退の攻防を繰り広げるが、粘り勝ちしたのは川原。パウンドやサッカーボールキックで着実に赤井にダメージを与え、王座につながる勝利をもぎ取った。


第8試合 ミドル級 5分3R
×KEI山宮(GRABAKA/3位)
○久松勇二(和術慧舟會 TIGER PLACE/4位)
判定0-2 (大藪29-30/小菅29-30/松宮30-30)

 山宮はいつものようにリングを大きく使って回り続ける。久松はミドルキックを時折当てるが、なかなか違う展開に持ち込めない。3R、序盤から久松が前に出て距離を潰し、パンチを当てて先手。中盤には右ハイをクリーンヒットさせる等、積極性で上回り、判定でベテラン対決を制した。


第7試合 ライト級 5分2R
×伊藤崇文(パンクラスism)
○山田哲也(しんわトータルコンバット/チームZST)
2R 2'23" KO (顔面の蹴り上げ)

 37歳の伊藤と、19歳の山田の、異例の年齢差対決は、山田の若さが爆発する内容に。序盤からオンブ状態でのチョーク狙いで伊藤を脅かし、1R終了間際には腕十字を極めかけ優勢。伊藤も2R序盤から片足タックルでテイクダウンに成功するが、下からの攻めなら山田が得意とするところ。腕十字やギロチンを狙ってプレッシャーをかける。フィニッシュが圧巻だった。伊藤が腰を浮かして再びガードに入ろうとすると、山田は寝転んだまま跳ね上がって伊藤の顎を蹴り上げノックアウト。パンクラス初戦で大きなインパクトを残した。


第6試合 フェザー級 5分2R
○鹿又智成(パラエストラ八王子/4位)
×内山重行(GRABAKA/09年ネオブラッドトーナメント同級優勝)
判定2-0 (大藪20-20/松宮20-19/千葉20-19)

 2R途中まで、グラウンドで互いに決め手に欠ける展開が続いたが、鹿又がラバーガードでプレッシャーをかけて脱出すると、すぐさまタックルで上に。いったん立ち上がるとサッカーボールキックからのパウンドラッシュで内山を痛めつけ、判定勝ちをものにした。これで鹿又はアライ戦に続き2連勝。


第5試合 ライト級 5分2R
○ISAO(坂口道場 一族/5位・09年ネオブラッドトーナメントMVP&同級優勝)
×AB(和術慧舟會 駿河道場)
1R 1'00" KO (グラウンドパンチ)

 昨年10月の初対決では、ABの開始早々の膝蹴りがローブローとなり、ドクターストップがかかりISAOの反則勝ち。決着戦はISAOが坂口道場の選手らしい爆発力を発揮する。コーナーでの差し合いから倒されそうになったISAOだが、反転して上になると、ABをマットに叩きつけ、すぐさまパウンドをアゴに正確に連打しノックアウトした。


第4試合 フライ級 5分3R
○廣瀬 勲(ストライプル/2位)
×石井拓麻(ALLIANCE/3位)
3R 1'34" ギブアップ (チョークスリーパー)



 1R、先に上になったのは廣瀬だが、首投げのような形で豪快に石井がリバースすると、すぐさまバックを奪ってチョークを狙い続ける。膠着ブレイクがかかった後も、廣瀬がタックルで上になるが、これもリバース。2Rも同様の流れで石井がチョークを狙い、終盤には腕十字でもチャンスを作るなど、優位に試合を運ぶ。だが3R、廣瀬は序盤からパンチの連打で石井をコーナーに詰めると、タックルで防御しようとした石井を潰してすぐさまバックへ。そしてお返しとばかりにチョークを極めてタップアウト。ドラマチックな試合内容は、最近のパンクラス・フライ級の充実ぶりを象徴するようだった。

第3試合 ミドル級 5分2R
×大堀竜二(TRIAL)
○キム・フン(韓国/パンクラスコリア/Team Tackle)
1R 3'36" ギブアップ (腕ひしぎ十字固め)

 開始まもなく、コーナーでの差し合いでキム・フンの膝がローブローとなり一時中断。そのダメージの影響もあってか、大堀は攻め込まれ、最後は腕十字を極められギブアップした。


第2試合 ウェルター級 5分2R
○渡辺大介(パンクラスism)
×窪田幸生(坂口道場 一族)
判定2-0 (小菅20-19/大藪20-20/和田20-19)

 元同門対決は終始スタンドの殴り合いに。大介は1Rから左頬をカットして大出血し、試合の激しさを際立たせる。大差は無かったものの、パンチの的確さで大介で若干上回り、1年10ヶ月ぶりの試合を白星で飾った。


第1試合 ウェルター級キング・オブ・パンクラス次期挑戦者決定戦 5分3R
×鈴木槙吾(ALLIANCE/1位)
○宇良健吾(Team ura-ken/4位)
1R 1'43" KO (右フック)

 宇良がボディーストレートやローキックも絡めつつ、鈴木の顔面にパンチを当てて序盤から主導権。右ストレートのクリーンヒットで鈴木を後ずさりさせると、最後はパンチの連打で棒立ちにさせながらノックアウト。4.29ディファ大会での和田拓也とのタイトルマッチの権利を文句なしの形で勝ち取った。マイクを持つと「前回しょっぱい試合をしたので、よりわかりやすい形で終わらせることができて良かった」と喜んだ。

 この試合終了直後、同じウェルター級のストラッサー起一(コブラ会&フリースタイルアカデミー)が突如リングイン。宇良の後にマイクを持つと「今の試合を見させてもらったけど、僕やったら正直勝てる。僕も1年前に鈴木選手に一本勝ちしている。3月の大阪大会で僕が勝ち、宇良選手もタイトルマッチで勝ってもらいたい。僕は格闘技はスポーツじゃなく戦争と思っているので、ランカー全員と戦争して勝ちたい」とアピールした。

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