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大和哲也、WBC世界前哨戦でKO勝ち。国崇、宮元啓介との死闘制す:7.21 後楽園

NJKF 2014 5th
2014年7月21日(月/祝) 後楽園ホール
 大和哲也はタイの17歳の地方王者に途中まで苦戦するも、3Rからの猛ラッシュでTKO勝ち。WBCムエタイ世界王座挑戦に向け経験値を上げる良い機会となった。スーパーバンタム級では国崇×宮元啓介、フライ級ではTOMONORI×ニモの好カードが組まれ、いずれもベテランの国崇とTOMONORIが接戦を制した。
  レポート&写真:井原芳徳


第9試合 メインイベント 64kg契約 3分5R
○大和哲也(大和ジム/WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーライト級王者/64.0kg)
×ファイパー・シップンミー(タイ/タイ・ブリーラム県王者/63.3kg)
3R 3'00" TKO (レフェリーストップ:右ローキックでダウン後)

 2月に野杁正明との激闘を制してWBCムエタイのインター王座を防衛し、今回は同世界王座挑戦に向けての「前哨戦」という位置づけ。試合前のインタビューでは「観ている人たちに『世界戦が楽しみだな』って言ってもらえるような勝ち方をしなきゃいけないと思っています」と話していた。今回の相手のファイパーは17歳、戦績85戦70勝13敗2分。パンチと肘を振るってアグレシッブに行くファイタータイプで、ボクシングも強い選手だという。



 1R、ファイパーはその評価通り、1R開始すぐからアグレッシブに左のミドル、ハイ、左右のローをて数多くヒット。哲也の右ローをもらうとうっすらと笑みを浮かべるが、すぐさま蹴りの連打を再開し、哲也に付け入る隙を与えない。タイの地方の王者ながら、首都バンコクのルンピニーやラジャダムナンのランカーとも遜色の無い実力の持ち主だとわかる。
 2Rもファイパーは左ジャブ、左の前蹴りで絶妙に距離を保ちながら、左ミドルを何発もヒット。哲也は終盤に左ジャブから右ハイのコンビネーション。なかなかうまい攻撃に見えたが、ファイパーはしっかりブロックし、終了間際に右ハイをお返し。最後まで好印象を残す。



 劣勢の哲也だったが、3Rは開始すぐから右のローを連打。ファイパーが左足を上げてその都度カットしようとしても、相手に反撃の隙を与えず、お構いなしに右ローを連打し続けると、何発かは正確に急所を捉え、次第にファイパーの足が腫れてバランスが悪くなる。すると哲也はプレッシャーを強め、左手でファイパーの頭を押した後、不意打ちとなる右アッパーをクリーンヒットしダウンを奪取。ファイパーはしばらく意識を失うが、10カウントギリギリで立ち上がりポーズを取る。するとファイパーは必死で肘やハイをお返ししてくるが、哲也はしっかりと耐えきると、ラウンド終了間際、左ボディを効かせた後に右ローキックを強打し2ダウン目を奪取。ファイパーは立ち上がったが、ファイティングポーズを取らなかったことから櫻井レフェリーがKOを宣告した。



◆哲也「最初見過ぎちゃいましたね。ミドルもらっちゃいましたけど見えてましたし、しっかり倒せたんで自信になりました。前哨戦にしては強い選手を連れてきてもらえて、崩すところ崩せたし、そういう意味では大きいですね。でも気持ちが前に行き過ぎちゃって。自分を抑えきれず、技術的なものを試合で出し切れない部分があるので、気持ちをコントロールできれば、世界タイトルももっと現実味があるものになると思います。もっと自分の技術を出せる自信があるんで、世界戦を期待してください」


第8試合 WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○国崇(拳之会/王者/55.3kg)
×宮元啓介(橋本道場/挑戦者、同日本王者/55.3kg)
判定2-1 (櫻井50-49/小林48-49/竹村49-48)
※国崇が2度目の防衛

 国崇は昨年2月にラジャダムナン、今年3月にルンピニーのタイトルに挑んだがいずれも黒星。6月1日のNJKF大阪大会での再起戦ではタイ人選手を1RでKOした。日本人との試合は2010年10月のBRAVE COREで一刀に判定負けして以来だ。
 宮元は2012年に日下部竜也に勝利してWBCムエタイ日本王座を獲得。昨年9月にはNJKF王者の波賀宙也を相手にドロー防衛を果たしている。その前後に炎出丸、志朗を相手に黒星を喫し、ムエタイルールでは苦闘が続いているが、試合ごとに進化を遂げており、4月20日のINNOVATION新宿大会ではNJKFバンタム級王者の白井周作に5R判定勝ちしている。
 試合前のインタビューで国崇は「宮元選手は21歳ですか。負けれないでしょ(笑)」「34歳、まだまだ頑張れるっていうところを若手のいい選手にぶつけたい」とコメント。宮元も「インターナショナル王座も欲しかったし、国崇選手も尊敬する選手で前からやりたかったので、練習も追い込んで、自信もモチベーションもいつも以上にかなりヤバい状態です」と気合十分だ。



 1Rから宮元はその気持ちを示すかのように手数多く攻める。左ジャブで距離を取りつつ、右ロー、左右のミドル、右ストレート等をヒット。試合後に国崇に話を聞くと、やはり最近戦っていたタイ人と違い、待たずにどんどん攻撃してくる日本流のスタイルに戸惑ったといい、やや慎重な出だしに。だが、時折放つ右ローや左ボディの当たりは鋭い。2Rに入るとお互い手数が上がり、バリエーション豊富なパターンでパンチと蹴りを交換する。
 2R終盤あたりから、宮元は首相撲からの膝蹴りを多用。3Rははっきりと膝の比重の高い展開となる。国崇は手数では押されるが、組んで突き放して少しでもスペースができると肘を縦横無尽に当て、スリリングな展開を作り上げる。



 4Rも膝主体だが、宮元は国崇のお株を奪うような左ボディも当て、右ハイキックでも国崇を脅かす。だが国崇も相手の顔を押した状態から突き上げるようにして肘を連打し、終盤には重みのある左ボディをヒット。きちんと攻撃を返していく。
 最終ラウンドになると、さすがに両者とも疲れた表情を浮かべるが、手数はなかなか落ちない。組んでの攻防で宮元が膝を当てれば、国崇は隙間を縫って肘をお返し。距離ができて宮元がローを放てば、負けじと国崇もローをお返し。出せる技を全て使い切る総力戦となる。終盤に差し掛かると、若い宮元が左右のミドルを連打し手数で好印象を残そうとし、結局お互いほとんど崩れることの無いまま試合終了。ノンストップのハイレベルな攻防に、場内は応援している選手の垣根を超えて暖かい拍手に包まれる。



 判定は割れ、国崇が2票を獲得し勝利。手数で上回るラウンドの多かった宮元に1ポイントも入らない採点には首を傾げざるをえないが、手数から先のダメージを与えて崩していく攻撃が乏しかったのは確か。そこはこれからの課題とはなりそうだが、1年前の炎出丸戦での大苦戦が嘘のように首相撲への対処能力が向上しており、21歳と若いだけあり、一個一個の欠点を埋めていく進化のスピードは凄まじい。34歳の国崇も新進気鋭の選手を相手にまだまだ衰えぬ強さを見せ健在ぶりを発揮。インター王座を防衛したことで、大和哲也同様世界タイトル挑戦に大きく前進した。今後の展開がまだまだ楽しみだ。


第7試合 WBCムエタイ日本フライ級王座決定戦 3分5R
○TOMONORI(OGUNI GYM/元NJKF王者、元WBCムエタイ日本バンタム級王者/50.7kg)
×ニモ(キングジム/NJKF王者/50.8kg)
4R TKO (ドクターストップ:鼻の負傷)
※TOMONORIが新王者に

 TOMONORIは昨年12月に加藤竜二とWBCムエタイ・インターナショナル・フライ級暫定王座決定戦を争うも2R KO負け。今回は再起を図り、4月にNJKFフライ級王者となったばかりのニモとWBCムエタイ日本王座を争う。
 1Rはニモが細かく出入りするフェイントを駆使しながら右ローと左ミドルを積極的にヒット。2Rには肘打ちでTOMONORIの右まぶたをカットする。傷は浅いものの、ニモ優勢の状況が続いていたが、終盤に差し掛かり、TOMONORIが得意とするオーバーハンドの右フックをクリーンヒット。ニモはクリンチでダウンを免れる。



 これで流れを変えたTOMONORIは、2R終盤にもオーバーハンドの右フックを当て、3Rには左フックでニモをぐらつかせる。だがニモも右の肘打ちでTOMONORIをぐらつかせ、左右のミドルを強打すれば一瞬TOMONORIの動きが止まる。だがTOMONORIも終盤に右フックをお返し。両者手数が上がり、スリリングな展開となる。



 さあこれから、というムードの中4Rを迎えたが、ニモが鼻血を出しており、異変を察知したレフェリーがドクターチェックを要請。すると鼻が折れていることが判明。レフェリーはTOMONORIのパンチによる有効打によるものと判断し、ドクターもストップ。やや唐突ながらも、TOMONORIが持ち前のパンチ力を活かした形で、NJKFフライ級世代交代を阻止すると共に、WBCムエタイ日本王座の2階級制覇を達成した。




第6試合 WBCムエタイ日本スーパーライト級王座決定戦 3分5R
○テヨン(キングジム/NJKF王者/63.3kg)
×TaCa(Triple-y/初代Krush-65kg級王座決定トーナメント準優勝/63.35kg)
4R TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる頬のカットとパンチによる鼻血)
※テヨンが新王者に

 テヨンは2月にNJKFのタイトルを獲得。その上のステップとしてWBCムエタイ日本タイトルも狙うが、そこに立ちはだかるのが山崎秀晃や山本優弥に勝った実績もあるTaCaだ。主戦場とするKrushでは認められない肘打ち、首相撲からの膝蹴りの使用にも意欲的で「『TaCaのムエタイも面白いな』っていう試合をしたい」と試合前のインタビューでは話していた。



 開始間もなく、TaCaが右フックでダウンを奪ったかに見えたが、プアナイ(ゲンナロン)レフェリーはダウンを取らず。するとテヨンが今度は右フックでダウンを取り返すが、レフェリーはこれもダウンを取らない。その後も両者何度か腰が落ちたり尻餅をついたりするが、レフェリーはなかなかダウンを取らず、場内は不満の声とどよめきに包まれる。2R終盤にもTaCaが右フックでテヨンをダウンさせたが、これもスリップ扱い。TaCaは両手を広げ不満をあらわにする。



 3Rも両者激しい打ち合いを繰り広げるが、テヨンはKrushルールでは使えない肘打ちを多用。右肘でTaCaの右まぶたを切り裂き、さらに鼻血も大量に出させ、ドクターチェックを受けさせる。これで勢いづいたテヨンは終盤に左フックをクリーンヒットしTaCaを倒すと、ようやくレフェリーもダウンと認める。



 以降も両者激しい打ち合いを繰り広げるが、TaCaの出血は激しくなるばかり。4Rに2度、累計で3度目のドクターチェックが入ったところでストップがかかった。TaCaが退場し花道で頭を下げると、観客からは暖かい拍手。両者ともダウンが適正に取られていれば、お互いの心理状態、試合展開は違ったものになった可能性がある。きっちり肘を当てて勝ったテヨンには全く罪は無いが、すっきりしない試合となってしまった。


第5試合 NJKFスーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○TOMOYUKI(センチャイムエタイジム/王者/69.1kg)
×KEN(OGUNI GYM/NJKF 3位/69.8kg)
5R TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)
※TOMOYUKIが初防衛

 6月8日の新宿大会の挑戦者決定戦でYETI達郎がKENに判定勝ちしたが、試合中に肋骨を骨折したことが後に判明しドクターストップがかかり、KENが繰り上げとなった。
 試合は1R、TOMOYUKIが右ローを連打しつつ、終盤にコーナーに詰めてのパンチ連打でスタンディングダウンを奪取。以降も肘も絡めつつパンチ主体で度々KENを追い詰め、4Rと5R、ロープかコーナーに詰めてのパンチ連打でスタンディングダウンを2回ずつ奪って、累計5度目のスタンディングダウンになったところで櫻井レフェリーがストップした。



第4試合 WBCムエタイ日本ウェルター級王座次期挑戦者決定戦 3分5R
○健太(E.S.G/NJKF王者/66.5kg)
×笹谷 淳(TANG TANG FIGHT CLUB/J-NETWORK 1位・同元王者/66.55kg)
判定3-0 (プアナイ50-48/竹村50-47/櫻井50-47)

 当初、健太の相手は大和侑也だったが、練習中に左足中指を骨折し欠場。代わりにエントリーした笹谷はREBELSの板倉直人、新日本の緑川創、そして現WBCムエタイ日本王者のT-98にも勝った実績がある。健太は1Rから首相撲からの膝、肘主体の攻め。3R以降は一方的に肘膝で攻め込み、4R終盤には笹谷の左まぶたが腫れ上がる。5Rも終盤に回転肘も絡めて肘を何発も当て圧倒し完勝した。
 試合後、9月21日の後楽園大会で健太の挑戦を受けることになったT-98がリングイン。両者とも必勝を誓った。さらに健太は「試合3週間前のオファーを受けてくれた笹谷選手の男気で今日は試合ができました。ありがとう」と敗れた笹谷に感謝の言葉を述べた。




第3試合 WBCムエタイ日本フェザー級王座決定トーナメント準決勝 3分3R
○笹羅 歩(笹羅ジム/NJKF王者/57.15kg)
×大樹(ARENA/NJKF 1位/57.15kg)
判定3-0 (30-28/30-28/30-28)

 笹羅は2月にNJKFのタイトルを獲得し、WBCムエタイも狙う戦いに。1Rからパンチ主体で攻め、2Rに入ると連打を決めて大樹を追い詰める場面が目立ち始める。3Rもその流れは変わらず、終盤には両手を広げて挑発しながら大樹とパンチの打ち合いを繰り広げ、観客を楽しませつつ、点差をつけて判定勝ちした。


第2試合 NJKFスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○鈴木翔也(OGUNI GYM/NJKF 1位/58.65kg)
×琢磨(東京町田金子ジム/NJKF 4位/58.95kg)
判定3-0 (30-28/30-27/30-27)

 前王者・大和大地が引退を表明しタイトルを返上したことを受け王座決定トーナメントがスタート。大地と王座を争った鈴木、フェザー級から転向した琢磨、大地の後輩の悠矢、昨年プロデビューし新人賞を獲得した北野克樹がエントリーした。鈴木は1Rから琢磨に鋭い右ローを的確に当てて優勢。右ローだけでなく、首相撲からの膝、肘でも琢磨を苦しめ完勝した。


第1試合 NJKFスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○悠矢(大和ジム/NJKF 3位/58.97kg)
×北野克樹(誠至会/NJKF 5位/58.55kg)
3R 2'31" TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)

 開始しばらく、北野のムチのようにしなる左ハイキックに手を焼いた悠矢だったが、右ローを数発当てると北野は失速。以降は悠矢がロー主体に攻めつつ左ボディも効かせ、3Rに多用し始めた右肘で北野を切り裂き快勝した。18歳の北野はプロ7戦目で初黒星を喫した。

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