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大和哲也、野杁正明との死闘制しWBCムエタイ・インター王座防衛:2.16 後楽園

NJKF 2014 1st
2014年2月16日(日) 後楽園ホール
 センチャイ、ジョムトーンら数多くのムエタイの強豪と戦ったことのある26歳の大和哲也に、純キックルールは1試合しか経験の無い20歳の野杁正明が挑戦。野杁が先に肘で哲也の額を切り裂く等、驚異的な適応力を見せつけたが、肘でダウンを奪った哲也が辛くも逃げ切り判定勝ち。早くも「2014年キック界ベストバウト」との声も出るほどの名勝負となった。
  レポート&写真:井原芳徳


第10試合 WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーライト級タイトルマッチ 3分5R
○大和哲也(大和ジム/王者、世界9位/62.95kg)
×野杁正明(OISHI GYM/挑戦者、世界18位、日本王者、Krush -67kg級王者/63.40kg)
判定3−0 (シーナ49-47/竹村50-47/松田49-48)
※大和が初防衛
※3R右肘打ちで野杁に1ダウン

 哲也はK-1 63kg級、野杁はK-1甲子園で優勝し、出身地は名古屋と、何かと共通点のある両者。だが、肘有り5Rの純キックルールは、哲也が2005年のデビュー当時から何十試合も行っているのに対し、野杁は昨年7月の高橋誠治とのWBCムエタイ日本タイトル戦の1試合のみ。その経験差が心配されたが、野杁は大方の予想を上回る適応力を見せる。
 試合前のワイクーを野杁はすぐ切り上げ、哲也はじっくり時間をかけて披露。その後、両者が最後の準備をコーナーでしている間、後楽園ホールは超満員とは思えないほどに静まり返る。全ての観客、関係者が、固唾を飲んで屈指の好カードのゴングを待つ。1Rはその静寂がそのまま続くような静かな立ち上がりだった。互いに細かくフェイントをかけ、右ロー、左ジャブをコツコツとヒット。大技は控え、出方を伺う様子だ。



 しかし2Rは一転、ジェットコースターのような展開に突入する。野杁が右の前蹴りを哲也の顔面に突き刺すと、哲也も負けじと左のボディフックをお返し。左右の肘も自在に連打して早くも勝負に出るが、野杁の大きく振った右の肘一発が、哲也の額を切り裂きドクターチェック。肘有り2戦目とは思えない野杁の肘の抜群の正確さと切れ味に観客はどよめく。



 試合再開後、哲也は己を鼓舞するかのように笑顔を浮かべて前に出ると、左ボディをクリーンヒット。野杁は一瞬動きが止まるが、すぐ回復するとロープを背中にしながら再び右の前蹴りを哲也の顔面に突き刺す。しかし哲也は前進を止めず、野杁の蹴り足をつかんで右肘をクリーンヒット。野杁がダウンすると、会場は悲鳴と歓声に包まれる。
 
 一転ピンチに陥った野杁だが、ここからの“怪物”ぶりが圧巻だった。2R残り時間、肘とパンチの応酬で激しく消耗した野杁だが、3Rに入ると回復し、序盤から右肘を連打して哲也を後退させ、飛び膝蹴りでも哲也を脅かす。だが哲也も中盤以降、膝蹴りと左ボディを効かせて反撃。簡単にポイントを許さない。4Rも序盤は野杁、中盤以降は哲也という展開。今度は哲也の肘が切れ味を発揮し、野杁は右まぶたを切りドクターチェックを受ける。その後も野杁は哲也を相手にパンチと肘の真っ向勝負を繰り広げるが、哲也の左肘で野杁は右まぶたを切られてしまう。



 5Rも哲也がパンチと肘を何発もヒット。初体験の5R目に突入した野杁だが、血だるまになりながらもなかなかひるまない。徐々に哲也の攻めの勢いが落ちてくると、今度は野杁がパンチ、肘、顔面蹴り、膝蹴りがじわじわと当たり出し反撃。哲也が苦しい表情を見せ、クリンチで休む場面も、結局最後は野杁の攻勢で終了。両者が全てを出し切った死闘を終えると、場内は勝敗関係無しとばかりに暖かい拍手で包まれた。
 採点の結果、3Rにダウンを奪った哲也の判定勝ち。涙を浮かべる野杁に哲也は歩み寄り、野杁に長く話しかけ激励した。哲也はこの初防衛により、アランチャイ・ギャットパタラパン [Aranchai Kiatpatarapan] の持つWBCムエタイ世界スーパーライト級暫定王座への挑戦権を獲得した。



◆哲也「予想以上でしたね、野杁正明。“怪物”ってのもわかりますね。まさか自分が斬られるとは。末恐ろしいです。ダウン取ったのは覚えてないんですよね。何でダウン取ったの?パンチ?え?肘?覚えてなくて。必死で。1Rはローが当たって効いてる感じがしてたんですけどね。巧かったなぁ。日本人とこんな試合するとは思わなかったですね。やりながらびっくりしました。本当に強いですね。
 急に決まった試合でしたけど、正明が体重を落としてきてくれて、その分懸けて来てる気持ちも伝わって来たし、そこで僕も世界と言ってる以上負けれないし。正直ね、ダウン取られてないけど膝も効いちゃったし、パンチも上手い。僕もいろんな強い奴とやってきたけど、持ってる強い選手は一発が強いんですよ。勝ち方を知ってるんですよね。正明は勝ちに行く術を知ってるんで、それが強味ですよね。



 この一勝は僕にとっても正明にとっても大きなものになるでしょうね。お互いに顔に傷を作って、傷を見る度に思い出すだろうし。またゆくゆく(戦う時が)あると思うけど、あの成長を見ると末恐ろしいですけど、その時はもっといい試合できるように。この一戦は大きいですよ。僕が世界取れたら言いますよ、『この一戦があったから世界が取れた』って。世界戦は絶対負けれないっすよ。これで負けたら、今後もっと上に行くであろう野杁正明のネームバリューに泥を塗ることになるんで。その気持ちは今まで勝った選手みんなに対してもあるけど、特に野杁正明に対しては、面識もあるしね。世界戦で勝って正明に『ありがとう』って言いたいですね。一言で言えるのは『怪物は恐ろしい』、それで締めといてください」

◆野杁「(涙を浮かべながら)みんないい試合だったって言ってくれるんですけど、負けたら意味無いですね。勝って世界取るって決めてたんで、今は悔しい気持ちだけですね」


第9試合 WBCムエタイ日本ウェルター級タイトルマッチ 3分5R
×大和侑也(大和ジム/王者/66.30kg)
○T-98(クロスポイント吉祥寺/挑戦者/66.55kg)
判定0-3 (多賀谷47-50/松田47-50/シーナ47-50)
※T-98が新王者に

 1R、互いにローを打ち合いつつ、侑也は左のボディフック、T-98は首相撲からの膝を駆使。まだ互角だったが、2Rに入るとT-98が首相撲からの崩しを決め、終盤には右ローと右ストレートの連打で侑也をぐらつかせ、じわじわと流れを引き寄せる。
 3Rに入るとT-98が右のストレートや右肘も当てつつ、首相撲からの膝蹴りを効かせると、侑也の動きが止まり、T-98が膝と肘のラッシュで侑也を追い詰め、完全に主導権を握る。4Rには侑也も起死回生の右肘でT-98の前頭部を切り裂き、ドクターチェックを受けさせるが、傷は浅く、以降はT-98が膝と右ローと右フックで侑也を圧倒。5Rは終始首相撲で侑也の反撃を封じ、文句なしの判定勝ちで王座奪取に成功した。




第8試合 WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王座挑戦者決定戦
×羅紗陀(キングジム/元王者/58.45kg)
○中嶋平八(誠至会/ISKAムエタイ世界王者/58.50kg)
1R 1'27" TKO (タオル投入:右ローキックを当てた際に右足を負傷)

 羅紗陀は昨年9月、2年ぶりの復帰戦で藤牧孝仁に肘打ちで1R TKO勝ち。今回も1R決着だったが正反対の内容となる。お互い蹴りの応酬から始まり、羅紗陀はスピードのある左ハイを放っていたが、右ローを中嶋にブロックされた際、右足を負傷。踏ん張りが効かなくなり、ロープに詰められて中嶋の右ローでスリップすると、異変に気づいたセコンドがタオルを投入。まさかのTKO負けとなってしまった。中嶋は4.13 後楽園大会で狂平(武勇会)の持つ王座に挑戦する。




第7試合 NJKFフェザー級王座決定戦 3分5R
○笹羅 歩(笹羅ジム/1位/56.90kg)
×琢磨(東京町田金子ジム/2位/56.85kg)
判定2-1 (谷本49-48/多賀谷48-49/プアナイ49-48)

 中嶋平八が返上した王座を巡る戦い。両者は2012年7月に戦い笹羅が5R判定勝ちしている。1Rはロー主体の攻防。2Rから互いにパンチの比重が上がり、ジャブの相打ちの場面が目立つように。3Rも同様だが、琢磨が右ストレートで笹羅をぐらつかせる場面を作り、3R終了時点の中間集計で29-30で1ポイント差をつける。4Rもパンチ主体だが、今度は笹羅のパンチのヒットが増え優勢に。5Rはパンチと肘の激しい応酬となり、場内は湧き上がる。琢磨は膝蹴りも駆使しており、ポイントをつけるなら琢磨かとも思えたが、ジャッジ2者が5Rも笹羅にポイントをつけ、笹羅の逆転勝ちに。初のタイトルを勝ち取った。


第6試合 NJKFスーパーライト級王座決定戦 3分5R
×須釜和成(拳粋会/1位/63.35kg)
○テヨン(キングジム/2位/63.00kg)
2R 1'01" KO (左右フック連打)

 高橋誠治が王座を返上し、挑戦者決定戦がそのまま新王座決定戦にシフト。1R、ロー主体の展開だが、テヨンがボディから顔面につながるパンチのコンビネーションを決める等、上下に散らす攻撃の上手さが光る。2R、須釜のローブローをもらい20秒ほど中断したが、テヨンは集中力を維持して前に出て、左フックをクリーンヒット。ダメ押しの膝蹴りでダウンを奪う。須釜は立ち上がったがダメージが大きく、テヨンが左右のフックをクリーンヒットしノックアウト。念願の初タイトルを獲得すると「よっしゃ!見たか!」と絶叫し大喜びした。




第5試合 58kg契約 3分3R
×阿羅斗(E.S.G/NJKFフェザー級5位/57.90kg)
○石原將伍(ビクトリージム/新日本キック日本フェザー級6位/57.45kg)
1R 2'25" KO (パンチ連打)

 開始しばらく、阿羅斗(あらと)が右のロー、首相撲からの右膝蹴りを当て、手数多く攻める展開だったが、組み際に石原が右フックを当てて阿羅斗をぐらつかせると、パンチラッシュから右アッパーをクリーンヒットしてダウンを奪取。阿羅斗は立ち上がるもダメージが大きく、石原が再びパンチの連打を当ててノックアウト。NJKFの観客を凍りつかせた。


第4試合 スーパーウェルター級 3分3R
×白神武央(拳之会/NJKF 3位/69.55kg)
○KEN(OGUNI GYM/NJKF 5位/69.50kg)
判定0-3 (28-29/27-29/28-30)
※1R右フックで白神に1ダウン

第3試合 スーパーライト級 3分3R
△宇都宮城(VERTEX/63.10kg)
△嶋田裕介(Bombo Freely/NJKFスーパーライト級9位/63.00kg)
判定1-0 (29-29/30-28/29-29)

第2試合 BONITA BOXEO(女子) バンタム級 2分3R
×三宅芳美(take1)
○和乃(新興ムエタイジム)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
※三宅は計量オーバーにより減点1からスタート

第1試合 58.5kg契約(肘無し) 3分3R
×HIROSHI(新興ムエタイジム/58.50kg)
○関根朝之(OGUNI GYM/58.40kg)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)

オープニングファイト第2試合 NJKFアマチュア65kg級王座決定戦 2分3R
×中里眞康(習志野ジム/64.80kg)
○篠原悠人(多田ジム/64.20kg)
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)

オープニングファイト第1試合 NJKFアマチュア60kg級王座決定戦 2分3R
×佐々木貴大(立川KBA/59.70kg)
○里美賢寛(多田ジム/59.60kg)
判定1−2 (28-29/30-29/28-29)

篠原悠人里美賢寛

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