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羅紗陀、改名効果?で奇跡の逆転。長渕対決は大盛況

  • Category: NJKF
  • update: 2010-01-27 (水) 10:30:00
  • by: BoutReview
熱風 零壱
2010年1月24日(日) 後楽園ホール
 スーパーフェザー級2冠王の羅紗陀(ラシャタ)は、タイの占い師の助言での改名効果か?前田尚紀に大苦戦するも5R残り15秒に右フックでダウンを奪いまさかの逆転勝利。長渕剛さんの入場曲が賭けられた一戦は意外な盛り上がりとなり、昔の長渕ドラマのような感動的な光景が最後に待っていた。 
  レポート&写真:井原芳徳


第9試合 60kg契約 3分5R
○羅紗陀 [ラシャタ] (キングジム/WBCムエタイルール日本&NJKFスーパーフェザー級王者)※赤十字竜 改め
×前田尚紀(藤原ジム/元全日本フェザー級王者)
判定3-0 (松田49-47/小林49-47/和田49-47)
※5R右フックで前田に1ダウン

 日本赤十字社からの抗議で、赤十字竜のリングネームの変更を余儀なくされ、新たにつけられた名前は「羅紗陀」。試合前のインタビューによると「新リングネームは、実は以前、タイの占い師から『本名をこれに変えなさい』と言われていた名前なんです」とのこと。ちなみに本名は向山竜一。改名初戦もトランクスには「竜」の文字が残る。試合はそんな占い師の予言が当たるかのように、終了間際にミラクルが待ち受けていた。
 1R、ローキックの打ち合いからスタートするが、次第に羅紗陀がパンチや肘やハイキック等も絡めたコンビネーションで手数を増やすように。左右のバリエーションも豊富で、テクニシャンぶりを印象づける。
 2R序盤、前田が攻撃直後に一瞬バランスを崩すと、羅紗陀はそのチャンスを逃すことなく右ストレートをクリーンヒット。豪快な右アッパー、左ボディ等のラッシュで前田を追い詰める。しかし経験で勝る前田は、しっかりブロックして猛攻をしのぐと、右ローと左ミドル主体の攻めでじわじわと羅紗陀の体力を奪う。



 3Rになると羅紗陀の勢いもすっかり衰え、前田が手数で優位。4Rも前田がローで羅紗陀の出足を止め、終了間際には強烈な右フックで羅紗陀をひるませる。羅紗陀は「ローのダメージよりもスタミナが今日は無かった」と振り返る。本人は口にしなかったが、父親でもある向山鉄也・キングジム会長は「2週間前にインフルエンザにかかり、1週間練習できなかった」という。
 5Rも前田が前へ前へと出て、パンチ、ミドル、前蹴り等で羅紗陀を痛めつける。藤原ジムで仕込まれた体力なら国内最高峰。観客からも前田を後押しするように「前田コール」が沸き起こり、まるでホームリングのようだ。



 しかし残り15秒、誰もが前田の判定勝ちと思った時の出来事だった。攻め一辺倒で前に出てくる前田のアゴに、後ずさりしながらも羅紗陀が右フックをクリーンヒット。前田は真後ろに倒れダウン。場内はまさかの大ドンデン返しにこの日一番の盛り上がりに。残り5秒、なんとか立ち上がった前田は、右ストレートを羅紗陀に叩き込むが、羅紗陀は仁王立ちのままにらみつけて試合終了。結局このダウンの2ポイントが試合を決める形となり、羅紗陀の判定勝ちとなった。



第8試合 59.5kg契約 3分5R
○心センチャイジム(センチャイムエタイジム/WBCムエタイルール日本フェザー級王者)
×岩井伸洋(OGUNI-GYM/NJKFスーパーフェザー級2位)
判定3-0 (和田50-46/山根50-45/小林49-46)
※4R右フックで岩井に1ダウン

 プロの格闘技選手にとって、入場テーマ曲は自身の闘志を高める上でも、ファンがその選手をイメージする上でも重要なものである。今回のこの試合に主催者がつけたテーマは「俺だけのナガブチ争奪マッチ」。心(しん)は『ひまわり』、岩井は『一匹の侍』と、長渕剛さんの曲で入場しているが、敗者は次回から長渕さんの曲が使えなくなるという異例の企画が立てられた。(概要と両選手の試合前の意気込みはこちらの記事を参照)
 キックの大会は観客によって目当ての選手が異なり、逆に関心の無い選手についての知識が全く無い場合も少なくない。両選手が入場する前にこのテーマが発表されると、そのことを知らなかった観客からはどよめきが起こる。そして二人がそれぞれの曲で入場すると、会場も通常の試合には無い独特の期待感に包まれる。その期待感には、ある種イロモノを見るような気分も多少含まれていただろう。しかしこれは実力十分の選手同士の戦い。長渕さんの曲そのものが持っている熱さも、二人の負けられない気持ちをより強め、名勝負を生み出す源となった。

 1Rはサウスポーに構えた岩井が左ストレートや左ミドルのヒット数で上回り、順調な滑り出し。しかし2R、心は重い右ミドルで岩井の体を度々くの字に曲げ、膝蹴りや右ストレートでも岩井を痛めつけ反撃。23歳の新鋭・心が、このまま順調に攻勢を維持し、キャリア9年の岩井から長年親しまれた『一匹の侍』を奪うかに思われた。
 しかし岩井は、セコンドから「次のラウンドが勝負だぞ」と声をかけられて3R開始のゴングを聞くと、左ミドルや左肘を手数多く当てて反撃。4Rも渾身の左ミドルをきっかけに、左アッパーの連打で心を後退させ、会場をヒートアップさせる。



 だが心もこのままでは終わらなかった。接近戦で膝を着実に返し、岩井の反撃を食い止めると、4R残り10秒、肘で岩井の頬をカット。ドクターチェックが終わり、試合再開するやいなや、再び肘を放つと、岩井が尻餅をつく。岩井陣営からは「スリップだ」との声も飛んだが、レフェリーはダウンを宣告。幸運の女神は心に微笑んだ。
 最終Rはこのダウンで勢いづいた心が、膝蹴りやパンチで攻め続けて優勢をキープ。しかし岩井も最後まで耐え、『侍』の魂を見せつける。終了と同時に、心のほうから岩井に抱きよる。昔の長渕さん主演ドラマを思い出させるような暖かい光景に、観客は拍手を送った。



 敗れた岩井はすぐにバックステージに下がったが、リングに残った心はマイクを持つと「僕は賭け事が大嫌いです。岩井さんといえばファンの人も『一匹の侍』を思い浮かべるだろうし、僕も岩井さんの『一匹の侍』が大好きです。今後も『一匹の侍』を使ってください」と岩井に呼びかけ、観客も同意の拍手と歓声を送った。敗れたものの、岩井のベストバウトとも言える試合内容で、この試合をきっかけに岩井と『一匹の侍』をセットで頭に焼き付けた観客も多かったはず。今後も『一匹の侍』で登場する岩井の姿を見続けたい。


第7試合 NJKF女子フェザー級初代王座決定戦 3分3R(延長2分1R)
○AZUMA(y-park/J-GIRLSバンタム級2位)
×成沢紀予(フォルティス渋谷/J-GIRLSフェザー級2位)
2R 0'30" KO (右ストレート)
※AZUMAが初代王者に



 NJKFの女子ルール(Aマッチ)は、肘無し、首相撲からの膝は一回までOK、2ノックダウン制が特徴。成沢にとっては得意の膝を使えるルールで、試合前に「やりやすい」と話していた。しかし試合が始まると、パンチが得意なAZUMAが右ストレート、右ボディ、さらには右ローや前蹴りも的確にヒットさせ、すぐさま距離を取る戦法で主導権をキープ。ラウンド終盤には偶然のバッティングで成沢は左眉の上をカットし、インターバル中は苦しそうな表情を見せる。
 2RもAZUMAが前蹴り等でペースを握ると、カウンターの右ストレートでダウンを奪取。成沢は立ち上がるもフラついており、レフェリーがKOを宣告。AZUMAが記念すべきNJKF女子チャンピオン第一号となった。なお、新ベルトはこの日に間に合わず、男子の旧ベルトが代理品として巻かれた。

第6試合 NJKFウェルター級王座決定トーナメント準決勝 3分5R
×為房厚志(二刃会/3位)
○大和侑也(大和ジム/5位)
判定1-2 (松田48-49/山根49-48/多賀谷48-49)

 弱冠19歳・昨年NJKFウェルター級新人王の侑也が、1〜2Rは伸びのある右の蹴りを上下に打ち分け、パンチのコンビネーションをたびたび決める等優勢。しかし3Rに入ると、為房得意のパンチも当たりだし、試合は均衡状態へ。終盤らRはお互いに疲れて攻撃が大振りになり、決め手に欠けたが、侑也が僅差で決勝への切符を手にした。3.7 新宿大会での上田龍之介×高橋誠治の勝者と王座を争う。


第5試合 ヘビー級 3分3R
×篤志(ブリザードジム/1位)
○中西裕一(フリー/元パンクラス&DEEPミドル級王者)
判定0-2 (多賀谷29-30/小林30-30/松田29-30)

 98.8kgの篤志に対し、中西は99.5kg。総合の試合より15kg以上増量している。試合は終始、距離を取って回りながら左ミドルや右ローをコツコツとヒット。安全運転でキック初戦を白星で飾ったものの、NJKFの観客の心をつかむことはできなかった。

第4試合 62kg契約 3分5R
×一輝(OGUNI-GYM/3位)
○田中秀和(橋本道場/MA日本5位)
判定0-3 (小林49-50/和田48-50/松田48-50)

第3試合 フェザー級 3分3R(延長1R)
×真二(OGUNI-GYM/4位)
○蓮見龍馬(y-park/5位)
判定0-3 (27-30/28-29/27-30)

第2試合 ライト級 3分3R(延長1R)
×畠山隼人(E.S.G/8位)
○ミシマ(格闘道場G-1/13位)
判定0-3 (27-29/26-29/27-29)

第1試合 60kg契約 3分3R
○勇鷹(インスパイヤード・モーション)
×楠本竜太郎(町田金子ジム)
1R 1'50" KO (3ダウン:右フック)

ファイティングロードPRESENTS NJKFアマチュア王座決定戦 70kg級 2分2R
○楠瀬 龍(OGUNI-GYM)
×足利也真登(紫志堂)
判定3-0 (20-19/20-18/20-19)
※楠瀬が王者に

ファイティングロードPRESENTS NJKFアマチュア王座決定戦 60kg級 2分2R
×星川大輝(Gwinds)
○松岡 力(截空道)
判定0-3 (19-20/18-20/19-20)
※松岡が王者に

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