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日本で初の純ラウェイ大会。“ミャンマーの英雄”が豪快KO勝利:10.27 後楽園

Lethwei GP in Japan 2016
2016年10月27日(木) 後楽園ホール
  レポート&写真:井原芳徳


 「ラウェイ」はタイの北隣の国・ミャンマーの伝統的な立ち技格闘技。古式ムエタイのように拳にバンデージのみを装着し、パンチ、キック、肘打ちだけでなく頭突き、投げ技、関節技も認められる。過去に寒川直喜、藤原あらしら日本のキックボクサーもミャンマーでラウェイの試合を経験し、日本でも06年のクシマズファイト今年5月のZONE等でラウェイの試合が組まれてきた。だが、ラウェイの試合だけ、なおかつミャンマーの競技組織「国家ラウェイ連盟(MTBF:Myanmar Traditional Boxing Federation)」が認可した大会はこれが初となる。
 主催したのはプロレスのZERO1の元運営会社であるファーストオンステージ(FOS)。FOSは今年2月にミャンマーの首都ヤンゴンで同国初のプロレス大会を開催。FOSの中村祥之代表(左下写真左端)はラウェイに魅せられ、ミャンマー人以外で初のラウェイのプロモーターライセンスを取得した。その後、ミャンマー公認のラウェイ統括組織「一般財団法人インターナショナル・ラウェイ・フェデレーション・ジャパン(ILFJ)」を設立。今大会には自民党の中山泰秀副幹事長、ミャンマーの在日大使、MTBFのテン・アウン会長(左下写真右2人目)が来場し、開会式ではテン会長からILFJの三井慶満代表理事(左下写真左2人目)に東アジアでのラウェイ大会開催の承認書が贈呈された。来年2月に都内で第2回大会を開催することも発表されている。



 今大会では5試合が行われ、うち9選手はミャンマー人で、それ以外の国の選手はオーストラリアの1選手のみ。MTBFから派遣されたレフェリーが試合を仕切り、試合中にはミャンマーの民族音楽の生演奏が鳴り、ミャンマー人のアナウンサーが選手の攻撃に合わせて「ハヤー!」という掛け声をあげて煽り、本場のような雰囲気に包まれる。
 一方、開場時や休憩時間にはルール説明のVTRが会場に流され、序盤の試合のインターバル中にも日本人のアナウンサーからルール説明が行われ、ルールを知らなくても楽しめる配慮がなされた。パンフレットも無料で配布され、見開き2ページでルールが掲載されていた。AbemaTVでの生中継もあったため、インターバル中には有効打のスローVTRも会場モニターに流され、随所に日本向けに配慮が行き届いていたのも印象的だった。


◆ラウェイルール概要
・3分5R、インターバル2分、判定なし(時間切れの場合は引き分け。ダウン数やダメージは無関係)
・グローブは装着せず、バンデージのみで試合を行う。
・肘打ち、頭突き、投げ、関節技が認められる。絞め技は8月のルール改定により反則
・故意ではなく流れの中で蹴りが金的に当たってしまった場合は有効打となり試合は続行される。
・1Rで3回ダウン、試合を通し合計4回のダウンでTKO。
・ダウン時の10カウントは1カウントあたり2秒で計測。7カウント以内に戦う意志を示せばダウンとならない。
・1~4Rの試合中、劣勢又は失神等が起こった場合選手又はセコンドがレフェリーに「タイム」を要請し「スペシャルタイム」(2分間)の休息が許される。試合中1度のみ行使できる。
・選手が流血した場合のレフェリーストップ、ドクターストップもある。
・試合前には「ヤイ」と呼ばれるダンスを踊り、試合後にも勝者が踊る。引き分けの場合は両者が踊る。


第5試合 メインイベント 80kg契約 3分5R(インターバル2分)
〇トゥン・トゥン・ミン [Tun Tun Min](ミャンマー/ラウェイMTBF認定80kg級世界王者/24歳:43勝1敗11分)
×アデム ・フェニックスジム [Adem Yimaz](オーストラリア/タイ・フェニックスジム/37歳:ムエタイ35勝(20KO)10敗2分)
5R 0'58" TKO (レフェリーストップ:右ストレートでダウン後)

 トゥンはラウェイの人気選手で、パンフレットでは「ミャンマーの英雄」というキャッチコピーがつけられている。7月の巌流島で初来日し、コンゴ人のMMA選手・ルクク・ダリのグラウンドパンチで敗れたが、ローキック、首相撲からの膝蹴りは鋭く、スキルの高さをうかがわせていた選手だ。総じてミャンマーのラウェイの選手はムエタイに近い技術を持っているが、ラウェイの試合となるとパンチ主体で、トゥンも長身のムエタイ選手・アデムに序盤からパンチを振り回して突っかかり、1Rから早速左フックでダウンを奪う。



 普通のキックの試合ならこれでKO負けで終わりそうな状況だが、倒れたアデムの陣営は、2分間のタイムを行使。両者コーナーに戻り、普通のラウンドインターバル同様にセコンドから回復処置を受ける。1Rの残り時間は30秒ほどで、アデムはトゥンのラッシュを耐えるが、2Rもパンチをもらい続けるうちに、左目尻から出血しドクターチェックを受け、苦しい状況が続く。



 だがアデムも少しずつパンチを返していると、トゥンも体力を消耗。パンチが手打ちになってくる。するとアデムは3R、パンチで反撃。4Rもボディ狙いの攻めでトゥンを下がらせる。ムエタイなら首相撲に行くところだが、この日のミャンマー人は全選手、劣勢になると下がりはするものの組むことは無かった。これまでの日本でのラウェイの試合に比べ、頭突きを使う場面が少なかったのも印象的だった。



 お互い消耗は激しく、このまま時間切れドローかというムードで迎えた5Rだったが、少し体力が戻った序盤、トゥンが勝負所を逃さなかった。アデムの蹴りをキャッチして右ストレートを当てると、これが効き目を発揮。後退したアデムに右ストレートを2連打すると、アデムは意識が飛び腰から崩れダウン。うつぶせになったまま動けなくなり、見たレフェリーはダウンカウント中にストップし、アデムのTKO勝ちとなった。試合後には勝ったトゥンに金メダル、負けたアデムにも銀メダルが贈呈され、観客からは退場するアデムに対しても健闘を称える拍手が巻き起こった。


第4試合 セミファイナル 70kg~75kg契約 3分5R(インターバル2分)
△トゥー・トゥー[Too Too](ミャンマー/ラウェイMTBF認定75kg級世界王者/26歳:31勝0敗11分)
△ソー・リン・ウー [Soe Lin Oo](ミャンマー/ラウェイMTBF認定69kg級世界王者/25歳:30勝1敗36分)
時間切れ



 過去2戦2分という両者が日本で3度目の対戦。トゥーが次第に優勢になり、ソーが右まぶたと頬を切られたが、5Rには打ち合いで巻き返す場面を作り会場を沸かせた。戦績のとおり、ラウェイは時間切れ引き分けが多く、引き分けの場合は両選手に金メダルが贈呈される。どんなに劣勢で試合を終えた選手でも、フルタイム戦い抜けば優勢の選手と同じように称えられるのも特色だ。


第3試合 67kg~69kg契約 3分5R(インターバル2分)
△タ・ティ・タプイン(ミャンマー/20歳:21勝4敗18分)
△ジェ・ジン・ピョー(ミャンマー/22歳:29勝5敗32分)
時間切れ



第2試合 63kg~67kg契約 3分5R(インターバル2分)
×ソウ・エ・レイ(ミャンマー/25歳:12勝2敗8分)
〇ソウ・トゥー・ゾウ(ミャンマー/24歳:18勝2敗10分)
2R KO (左ボディフック)

第1試合 ラウェイ甲子園 60kg契約 3分5R(インターバル2分)
△トゥン・ルイン・モー(ミャンマー/ラウェイMTBF認定60kg級世界王者/17歳:13勝0敗3分)
△ソウ・トゥー・アウン(ミャンマー/16歳:5勝1敗10分)
時間切れ




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