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神風萸暉美、オランダ人選手破り2本目のベルト獲得:12.2 熊本

神風塾「LEGEND 3」
2012年12月2日(日) 熊本・益城町総合体育館メインアリーナ
  レポート&写真:井田英登


第13試合 メインイベント キックルール ヘビー級 3分3R
△フランク・ムニョス(スペイン/ドージョー・チャクリキ)
△アレックス・ロバーツ(米国/空柔拳会館/R.I.S.E. G-BAZOOKA TOURNAMENT '06優勝、元パンクラス・スーパーヘビー級5位)
判定1-0 (30-30/30-30/30-29)

 アレックス・ロバーツはこの9月の「BIGBANG」で天田ヒロミと再戦。いいところなくK.O.負けを喫している。K-1でグラウベ、ティシェイラとで極真勢に敗れて以降、14勝無敗を誇り「巨神兵」「暴君龍」と恐れられた頃のような勢いが影を潜めている。復帰戦となる今回は、ドージョーチャクリキの若き新鋭を赤コーナーに迎えて、昨年ピーター・アーツの登場で湧いた、九州随一の大型格闘イベントLegend第3回目のトリを任される形となった。

 序盤、例によって動きの硬いロバーツは、アマチュアボクシングでスペインのオリンピック代表でもあったムニョスの出入りの早いパンチに、防戦一方を強いられる出だしとなった。早いジャブでロバーツのガードの間を割り、組んでも膝で腹を抉られる前にアッパーを突き上げるムニョス。前評判通り、アマチュアボクシング出身者らしいキレのいいパンチを見せる。

 前回の天田戦でもそうであったように、スロースターターのロバーツは早々に鼻血を流し、悪印象の展開。だが、天田と違い、ボディ打ちを重ねてこないムニョスには、そのままロバーツを追い込む武器がない。逆に組んでの膝、離れてのローでロバーツが2R以降じわじわとダメージを積み上げ、ムニョスの動きを止める。一方、2Rようやくエンジンがかかったロバーツは、飛び膝やスピンキックをボディに打ち込み、遅ればせの攻勢にでた。

 首相撲禁止のLEGENDルールでは、K-1同様組んでから一発の膝攻撃しか許されないが、レフェリーが割ってはいるのではなく、警告を発するのみ。執拗なケースには、イエローカードでの減点となるとの規定がある。ただこの日のレフェリーは、どちらが仕掛けたクリンチにも、両者警告という形で対処しており、スコアに反映しない形での注意を与える形が多かった。

 後半動きの鈍ったムニョスは、パンチ奮っては掛け逃げ的クリンチを繰り返しており、本来ならルール的にもイエローカードの対象となるような流れに見えたが、平レフェリーはこれを取らず、ここまでの試合同様、両者にイエロー提示。アグレッシブファイトを促すにとどまった。

 ロバーツは、両者イエローの裁定に一瞬不服そうな表情を見せていたが、相手のクリンチの際に膝を刺して有利に試合を展開したのは彼の側であり、クリンチが必ずしも彼の不利に働いたとも言い難い。自ら誘ったクリンチではないものの、“共犯”と解釈されても致し方ない。

 結局、両者ともに決定打のないまま3R終了。ドロー判定。残念ながら昨年のメイン(アーツx Mr.神風)のような派手な試合展開にはならず、2800人(主催者発表)の観衆に強いインパクトを残せないまま大会は終了した。

 来年は本日参戦選手も含めた、8人制のヘビー級もしくは無差別級のトーナメント開催構想があることを、大会後、川間浩暉代表(神風塾・Mr.神風)が明かしており、九州最大級の格闘イベントとしてさらなる野心を覗かせていた。


第12試合 MMAルール 68kg契約 5分2R
―カーロス・レモス(ブラジル/グレイシーバッハ/2002ムンジアル・黒帯プルーマ級世界王者)
―恭平(TEAM神風)
中止 (レモスの負傷)


第11試合 セミファイナル 初代LEGEND QUEENフェザー級王座決定戦 キックルール 3分3R
×ロクサーナ・ガール(オランダ/チーム・ブラザーズ)
○神風萸暉美 [かみかぜ・ゆきみ] (神風塾/ワンソンチャイワールドタイトル57kg級王者)
判定0-3 (28-29/27-29/27-29)
※神風が初代王者に

 神風塾熊本道場の生え抜きとして、神風莉央と共に女子キック路線の対外戦を受けて立つ立場の神風萸暉美だが、前2回のLegendではモニカや桜朋梨恵など同体重のトップクラスの選手との対戦が続き、ホームグラウンドでの白星が残せていない。今回は特にイベント名を冠したタイトルが掛かった一戦だけに、事前のプレッシャーも尋常ではなかっただろう。

 ロクサーナはオランダ人選手らしく、手数の多いコンビネーションで、序盤戦から神風を圧倒。出入り鼻先手のパンチを浴びて反応が遅れ、神風のパンチは空を切る。ただ、ロクサーナも、123とパンチを重ねてローを落とした後の詰めができない。攻めているのに自分から下がってしまい、攻勢の勢いのまま畳み込んでいけない。

 下がるロクサーナ、ミドルキックと大振りのフック、膝を繰り出し、逃げる相手を遮二無二追う神風。下がりながらもパンチを当てる展開で、ポイントは重ねるものの、ロクサーナは次第にスタミナをロス。足が止まり、次第にロープを背負う局面が増える。

 とはいえ、有効打の数では圧倒的に赤のロクサーナの有利は動かない状況。観客も9割方、ベルトのオランダ流出を覚悟したことだろう。ラウンドインターバルに師であるMr.神風からコーナーで発破をかけられる神風。「塾長の方がよっぽど相手より怖かった」という。内心、前門の虎、後門の狼の思いだったかもしれない。



 だが最終ラウンドに思いも寄らない展開が待っていた。塾長プレッシャーもあってか、神風はラウンド序盤から前に出続ける。クリンチで凌ごうとしたロクサーナ。もつれて膝を打ち合い、離れない両者にメイン同様、ダブルイエローの警告が出される。

 その後も、神風の攻勢は続き、ミドル、右ストレートと、立て続けに神風の攻撃がヒット。この試合初めて、潮目が変わる局面。真っ直ぐ下がるばかりのロクサーナは、顔面にパンチを浴びて顎が上がる。短兵急に畳み掛けられ、コーナーに詰められたところに、更に飛び膝が浴びせられる。「目が飛んだ」と見た北尻レフェリーは、スタンディングダウンを宣告。試合終了直前に訪れたビッグイニング。なんとか試合終了まで立ち続けたが、ロクサーナは鼻血を出し、試合当初の勢いは見られない状態でゴングを聞いた。

 判定3-0で勝利が告げられた瞬間、リング中央で飛び上がって歓喜した神風。ホームグラウンドであるLegend初勝利、そして戴冠。地元のファンの歓声を浴びながらの勝利者インタビューで、「この試合が決まってから、子供の面倒をちゃんと見てあげられなくて、胸が痛かった」とママさんファイターの苦悩を口にした。出産後のダイエットにとキックを習い始めた二児の母は、キャリア二年半にして2本目のベルトを手に入れた。




第10試合 LEGEND 63kgトーナメント決勝戦 キックルール 3分3R(延長1R)
×裟虎士(天下一道場/沖縄天下一ライト級1位)
○中村広輝(赤雲会/J-NETWORKスーパーライト級6位)
1R 2'21" KO (左フック)
※中村が優勝

 昨年開催のLegend2、8人参加のトーナメント一回戦で、中村はリアルディールの達晃に判定負け。本来ならこの準決勝参戦できない立場であったが、1年越しのトーナメントとなった今回、達晃は参戦をキャンセル。敗者復活の中村が浮上した。

 この日の一回戦、中村は顎を最低限守るだけのクラウチングガードのスタイルで、対戦相手のKEISUKEを少ない手数で威圧、一発の左フックでノックアウトするという脅威的な省エネスタイルで決勝に駒を進めた。

 実をいえば、これが数年前、東京でのイベントを経験するまでの中村本来の試合だった。居合抜きのような豪快なパンチ一発で試合を終わらせる秒殺スナイパーとして、沖縄では無敵を誇ってきていたのだ。だが、中央のキックスタイルを意識しすぎたのか、この数年前の中村は、高いガードで手数も出す器用な――逆にいえばどこにでもいるフツーのキックボクサーに成り下がっていたとも言える。

 昨年の一回戦敗退も、いわば“中央への過剰適合”で落とした星だったと言えるかもしれない。今回の参戦にあたって、彼の師事する赤雲会の指導者で古武道の達人でもある大宜味師範は、中村のフォームを以前の「一撃必殺」スタイルに戻すように指示。二週間ほどの調整で、完全に三年前のスタイルに戻したという。

 一方、逆にの山を上がってきた裟虎士は、出入りが激しく手数も多いスピーディーなキックボクシングスタイルを見せたが、若くスタミナ十分の花城可恭にフルラウンドを付き合わされた。スタンディングダウンこそ奪ったものの、逆に最終ラウンドは少しスタミナ切れの気配も見えたほどで、ワンデイトーナメントを戦うには決して有利な状態ではない。

 その両者のスタイルの違いが決勝では、見事に明暗をわけた。早いローとパンチで切り込んでくる裟虎士を相手に、中村は一回戦で見せた「豪腕」スタイルをそのまま踏襲。ローで足を止めた裟虎士に、渾身の左フックをぶちこむ。ただ、裟虎士はそれでは倒れず、また同じ展開で中村の重いプレッシャーを切り込み、刻もうとする。

 だが、「ちょっと倒すのに気持ちが行きすぎてて、肩に力が入りすぎてましたね」と試合後中村が微苦笑で語った通り、問題は裟虎士のスピードやタフさあるのではなく、中村の気負いにあったようだ。



 開始2分で、自分の力みに気づいた中村は、ロープに詰めた裟虎士に、再度「豪腕」フックをぶちこむ。いわゆるヘビー級のレバンナあたりが、力任せに振り回すのとは全く性質の違う、相手の急所を射抜くような早くしなやかな、それでいて破壊力抜群の「細腕バズーカ」が、ようやく裟虎士を捉えた。

 一瞬の踏み堪えたようにも見えたが、中村がフォローのローで足元を凪ぐと、糸のきれた操り人形のようにストンと腰が落ちて、ロープに背を預けてへたり込む裟虎士。目がもがくのに、手足が言うことを聞かないという自失状態でテンカウントを聞く羽目になった。

 中村は、30万円のトーナメント優勝賞金を、2試合合計5分に満たない試合時間で手にしたことになる。見事に復活した「ミスター30万円」が、このスタイルで中央のキック界に再上陸したとき、どこまで剛腕ぶりを貫けるか、少し見てみたい気持ちになった。


第9試合 キックルール ヘビー級 3分3R
×HIROYA(ワイルドシーサー/沖縄天下一ヘビー級1位)
○楠ジャイロ(ブラジル/志村道場)
1R 2'59" TKO (3ダウン:ボディへのパンチ)


第8試合 キックルール 女子53.5kg契約 3分3R
○NANA☆SE(KING EXCEED/J-GIRLSバンタム級8位)
×神風莉央(神風塾熊本/SB日本女子バンタム級4位)
判定2-0 (30-28/30-30/29-27)


第7試合 MMAルール 75kg契約 5分2R
○阪本洋平(T-BLOOD)
×Diego(ブラジル/グレイシーバッハ姫路)
1R 1'09" KO (右フック→グラウンドパンチ)


第6試合 MMAルール 65.8kg契約 5分2R
○TAG(和術慧舟会G.S.P)
×岩山祐一(琉球BLOODS)
判定2-0


第5試合 LEGEND 63kgトーナメント準決勝2 キックルール 3分3R(延長1R)
○中村広輝(赤雲会/J-NETWORKスーパーライト級6位)
×KEISUKE(S-cute/武人杯軽量級優勝)
1R 2'27" KO (左フック)

第4試合 LEGEND 63kgトーナメント準決勝1 キックルール 3分3R(延長1R)
○裟虎士(天下一道場/沖縄天下一ライト級1位)
×花城可恭(神風塾沖縄/沖縄天下一ライト級3位)
判定2-0 (29-28/28-28/29-28)


第3試合 キックルール 70kg契約 3分2R
○K-Jee(リアルディール)
×テツヒロ (神風塾熊本)
2R 1'48" KO

第2試合 キックルール 70kg契約 3分2R
○曽根修平(武湧会)
×丈一朗(神風塾熊本)
判定3-0 (20-19/20-19/20-18)

第1試合 キックルール 58kg契約 3分2R
△シンヤ(神風塾熊本)
△判田大卓(MSJキックボクシング)
判定1-1 (19-20/20-20/20-19)

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