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ブルガリアのダミヤノフが世界大会優勝。日本勢はベスト4に残れず:11.20-22 東京体育館

極真会館(館長/松井章圭)「第11回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」
2015年11月20日(金)~22日(日) 東京体育館
 4年に1度の世界大会は前回優勝国ロシア勢が猛威を振るったが、決勝に残ったのは揃ってベスト4初進出のブルガリアとフランスの選手。前回5位の30歳・ザハリ・ダミヤノフが安定した組手で見事優勝を果たした。日本勢は20歳の上田幹雄が6位、エースの荒田昇毅が8位と苦戦した。
  レポート&写真:井原芳徳


 192選手が3日間に渡って争う4年に1度の無差別級トーナメント。03年は現日本代表監督の木山仁が制したが、07年はエヴェルトン・テイシェイラ(ブラジル)、11年はタリエル・ニコラシヴィリ(ロシア)が優勝し、日本勢にとっては厳しい戦いが続いている。今回は初日に1回戦、2日目に2回戦と3回戦が行われ、3日目は4回戦から決勝までの5試合が行われた。

主な試合


準々決勝(各ブロック決勝)


Aブロック
×荒田昇毅(千葉県中央支部/2014全日本大会準優勝、2011世界大会ベスト16)
○キリル・コチュネフ(ロシア/2014全日本大会8位)
体重判定103.8kg-86.3kg 再延長0-1 延長0-1 本戦0-1

 日本のエース・荒田は5回戦のルスラン・アフメドフ(ロシア)戦が再延長に及ぶ激闘となり激しく消耗。コチュネフは5回戦で髙橋佑汰(東京城北支部/2014全日本大会7位)を撃破している。準々決勝、荒田は右インローを連打するが、コチュネフも左ローをお返しして挽回すると、本戦後半は左の膝を連打して攻勢に。本戦3分では決着がつかず延長、再延長(各2分)とも両者接近戦での突きの激しい打ち合いを繰り広げ、どちらも崩れない接戦のまま終わり、体重判定へ。10kg以上重い荒田が規定により惜しくも負けとなってしまった。




Bブロック
×上田幹雄(横浜北支部/2014全日本大会6位)
○ジマ・ベルコジャ(フランス/2015オールアメリカン4位、2015ヨーロッパ重量級3位)
本戦一本

 有力候補の鎌田翔平(東京城西支部/2014全日本大会4位)は3回戦敗退。残る日本人の期待の星・20歳の上田は5回戦のイリヤ・カルペンコ(ロシア/2014全日本大会5位、2011世界大会8位)戦が試割り判定までもつれ込み、22枚でわずか1枚差で残るという、まさに薄氷を踏むような戦いを潜り抜けて来た。
 だがやはりその死闘の代償は大きく、上田はベルコジャ戦の本戦開始まもなく、右ローを蹴った直後、ベルコジャの左ローを右膝の裏にもらうと、そのまま右足を伸ばしたまま倒れ込みんで立ち上がれなくなり試合終了。上田は担架で運ばれ、日本勢がここで全滅となった。




Cブロック
○ザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア/2015ヨーロッパ重量級準優勝、2011世界大会5位)
×イヴァン・メゼンツェフ(ロシア/2015オールアメリカン5位)
本戦4-0

 ダミヤノフは4回戦で小沼隆一(下総支部/2015全日本ウェイト制軽量級準優勝)、5回戦で森善十朗(東京城西支部/2014全日本大会3位)に勝利。メゼンツェフは5回戦で澤村勇太(総本部/2015全日本ウェイト制中量級優勝)に勝利。日本の有力者が次々消え、東欧勢だけが残る。準々決勝では体格で勝るダミヤノフが左右の重みのあるローを自在に連打して主導権を握り、左ミドルや左ハイも絡めてメゼンツェフを圧倒した。


Dブロック
×アショット・ザリヤン(ロシア)
○ダルメン・サドヴォカソフ(ロシア/2014全日本大会優勝、2007世界大会4位)
延長5-0 本戦0-0

 Dブロックは昨年の全日本を制したサドヴォカソフを筆頭としたロシア勢の活躍が光るブロックに。4回戦で安島喬平(茨城県常総支部/2013全日本大会優勝)、南原健太(東京城北支部/2015全日本ウェイト制重量級3位)が消え、5回戦の段階でロシア勢だけが残る事態に。
 ザリヤンは安島を破った選手。デビッド・シャルコシャン(ロシア/2015ロシア重量級優勝)はゴデルジ・カパナーゼ(ロシア/2013世界ウェイト制重量級準優勝、2011世界大会3位)に4回戦で敗れ、そのカパナーゼは5回戦で再延長の末にサドヴォカソフに敗れ、ロシア勢の壮絶な潰しあいが繰り広げられる。準々決勝は本戦では大差がないまま終わったが、延長でサドヴォカソフがロー主体で安定した攻めを見せ勝利した。


ベスト4戦


準決勝
×キリル・コチュネフ(ロシア/2014全日本大会8位)
○ジマ・ベルコジャ(フランス/2015オールアメリカン4位、2015ヨーロッパ重量級3位)
本戦0-5

 中盤あたりからベルコジャが右インローからの右の顔面狙いの膝蹴り、左奥ローからの左の顔面膝といった連打を決め、好印象を残し勝利した。

準決勝
○ザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア/2015ヨーロッパ重量級準優勝、2011世界大会5位)
×ダルメン・サドヴォカソフ(ロシア/2014全日本大会優勝、2007世界大会4位)
本戦一本

 小沼、森も破ったダミヤノフが、左右のロー、顔面への膝をリズミカルに当て、離れたタイミングで相手の虚を突くような右ハイをこめかみにかすめるようにヒットしノックアウト。最強国ロシア勢の決勝進出をベルコジャと共に阻止した。



3位決定戦
×キリル・コチュネフ(ロシア/2014全日本大会8位)
○ダルメン・サドヴォカソフ(ロシア/2014全日本大会優勝、2007世界大会4位)
本戦0-5

 序盤こそコチュネフが顔面狙いの膝を度々放っていたが、中盤から次第にサドヴォカソフの左ローのヒットが増え、サドヴォカソフが勝利した。


決勝
×ジマ・ベルコジャ(フランス/2015オールアメリカン4位、2015ヨーロッパ重量級3位)
○ザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア/2015ヨーロッパ重量級準優勝、2011世界大会5位)
本戦0-5



 決勝はフランス、ブルガリアのダークホース同士の争いに。前に出るベルコジャに対し、ダミヤノフが回って距離を取りながら着実にローを返しつつ、時折右ハイも放ってベルコジャを脅かす。ベルコジャもローで応戦して中盤まで持ちこたえたが、次第に攻撃が出なくなり、終盤はダミヤノフが突きとベルコジャの右足狙いのローと膝を連打し圧倒。準決勝の一本勝ちの勢いのまま、決勝でもはっきり手数で差をつけ、ブルガリアに初の優勝をもたらした。ダミヤノフは2007年世界大会がベスト16、2011年が5位で、3度目の出場で優勝を果たした。



入賞者


優勝 :ザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア/2015ヨーロッパ重量級準優勝、2011世界大会5位)
準優勝:ジマ・ベルコジャ(フランス/2015オールアメリカン4位、2015ヨーロッパ重量級3位)
3位 :ダルメン・サドヴォカソフ(ロシア/2014全日本大会優勝、2007世界大会4位)
4位 :キリル・コチュネフ(ロシア/2014全日本大会8位)
5位 :アショット・ザリヤン(ロシア)
6位 :上田幹雄(横浜北支部/2014全日本大会6位)
7位 :イヴァン・メゼンツェフ(ロシア/2015オールアメリカン5位)
8位 :荒田昇毅(千葉県中央支部/2014全日本大会準優勝、2011世界大会ベスト16)

敢闘賞:アショット・ザリヤン(ロシア)
技能賞:高橋佑汰(東京城北/2014全日本大会7位)
試割賞:デビッド・シャルコシャン(ロシア/2015ロシア重量級優勝)25枚
若獅子賞:南原健太(東京城北支部/2015全日本ウェイト制重量級3位)

インタビュー


◆ダミヤノフ(写真中央)
(今の気持ちは?)今は高揚した気持ちで、どういう気持ちなのかもわからないぐらいです。
(優勝に向けどういう準備をしてきましたか?)特別変わった準備はせず、今までのような稽古をしてきましたが、今まで以上に思い入れがあり、経験がこれまでと違ったと思います。
(ロシア勢の強さについて)前回大会でロシア人に負けましたので、今回は全ての試合でとにかく全力を尽くすつもりでした。
(戦い方で今回工夫はありましたか?)得意なローや突きだけでなく、膝蹴りやハイキックを使うよう心掛けました。
(準決勝のサドヴォカソフ戦でのハイキックでの勝利について)うれしかったです。早く試合を終えたことで、決勝に体力を温存できました。師匠には「1試合が終わった時にその試合を振り返る必要は無く、すぐ次に気持ちを切り替えろ」といつも言われており、自然とそういう気持ちになりました。
(4年後の世界大会は?)今はまだ何も考えられません。
(前回優勝のタリエルのように百人組手はやってみたい?)ぜひ挑戦してみたいです。素晴らしい経験になると思います。

◆松井館長
 凄くいい決勝になりましたね。3日目の始まる時点で32名中、日本は9名、ロシアは18名、残る5名は他の国の選手が残り、日本対ロシアという雰囲気でしたが、決勝はフランス対ブルカリアになり、フランスではテロがあったばっかりでしたけど、天の采配でいい大会になりました。(大山倍達)総裁が亡くなって20年の節目の大会で、前例のない決勝となり、もちろん日本が負けたことは大いに反省すべきですけど、全体を俯瞰した時に理想的な結末になったと思いますね
(日本勢について)心・技・体が足らないということですよね。みんな良く頑張り、不運な選手もおり、一定の評価はしますけど、仮にあのまま優勝してしまってチャンピオンと思われても困りますよ。色んな意味でクオリティの高いものにしてもらわないと。
(日本の若手について)南原君は17歳でまだ粗削りですけど可能性がありますね。上田君もまだ20歳で可能性はありますけど、上位に行って一本負けするような選手は技量が足りないんですよ。いくら決勝に残っても、最後まで戦えないといけない。その点ではロシア勢もダメだったんですよ。
(ダミヤノフの優勝の要因は?)強引に前に行かなくなりましたね。経験豊富でベテランですから、体力的なところ(衰え)も受け入れ、技術的に一工夫した跡が見えました。(大相撲の)白鵬がよく言うような「後の先(ごのせん)」で、ザハリは相手の攻撃を受けながら攻撃を返していて、そうすることが一番合理的で、スタミナが温存できて無駄が無い。元々は剣道の言葉ですけど、受けたら即座に返し、そのうち相手が入る前に入れるようになるのが、機先を制することなんですよ。みんなとにかく上から潰してしまいたいから、攻撃的に行きがちですけど、そのうちそういう組手しかできなくなるんです。
(ダミヤノフは百人組手にも前向きでした)本当ですか?じゃあウェルカムですよ。
(大会全体の盛り上がりについて)予想に反して多くの方が集まっていただき、少しずつファンを取り戻しつつあると思いました。海外のお客さんが多いことも加味しないといけませんけど、これまでの活動の成果が出てきたかな。全日本空手道連盟の演武も画期的でしたし、本来はもっと前からこのような交流はあるべき姿だったんでしょうね。競技として180度違いますけど、いい所を取り合って、情報を共有することが大事だと思います。空手が五輪の競技に認定されれば、願わくば東京五輪に一人でも(極真会館から)出せるよう、環境整備をしたいです。もちろん極真空手を変質させるつもりではなく、いいものを取り入れるという気持ちです。昔からムエタイ、K-1、MMAと勝負して、色んなところから栄養を幹に戻して来たので、これからもあることです。

全日本空手道連盟の演武全日本空手道連盟の演武

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