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難聴キックボクサー 郷州征宜、悲願の王座獲得。西京春馬、小澤海斗を返り討ち:10.1 後楽園

Krush.81
2017年10月1日(日) 後楽園ホール
 郷州征宜は-60kg王者・安保璃紅から3R左ストレートでダウンを奪い判定勝ち。難聴のハンデを持ち、RISE・REBELSでもあと一歩で王座に手が届かなかった郷州が、31歳・29戦目で悲願の初王座を獲得した。西京春馬は6月に一度勝った-58kg王者・小澤海斗から左フックでダウンを奪い連勝しベルトを奪取した。
  レポート&写真:井原芳徳



第8試合 ダブルメインイベント2 Krush -58kgタイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×小澤海斗(K-1ジムEBISU小比類巻道場/王者/58.0kg)※3度目の防衛戦
〇西京春馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/挑戦者、K-1甲子園2015 -55kg優勝/58.0kg)
判定0-3 (勝本28-29/朝武28-29/三浦27-30)
※西京が新王者に

 小澤は3月のユン・チー戦以来3度目の防衛戦。西京兄弟の兄・春馬とは6月のK-1で対戦し、春馬が1Rにパンチでダウンを奪い判定勝ちした。その直後から小澤がKrush王座を賭けての再戦を熱望し、3か月半間隔での再戦が実現した。
 小澤は7月のカード発表会見で「正直、前回モチベーションが上がらなかったんですけど、今回はモチベーションの塊です」と語り、外食も酒もストップ。9月12日の公開練習では「毎日相手の映像を見て、弱点を探して色んなことを考えている。これだけ相手の試合映像を見たのは初かもしれない」と明かしていた。
 対する春馬も7月の会見では前回の試合内容について「勝ちに徹し過ぎました」と語り、「話が来るだろうなって思っていた」とも話し、再戦は想定内だったことを明かしていた。9月5日の公開練習では「今回は見せ場も作っていきたいですね。理想は2R後半ぐらいで倒したいです」と話し、完全決着に意欲的だ。



 1R、両者サウスポーに構え、左ローを互いに強打して少しぐらつかせる場面はあるが、その後も当たり続けることはなく、慎重にチャンスを探り合うような状態が大半の時間を占める。春馬は前後にステップしつつ、右フックからの左ストレートを放つが、まだ当たりは浅い。
 2Rも似たような構図で、どちらも慎重ではあるが、小澤の左ローの頻度がアップ。春馬が蹴りを放った直後に左ローを当てる場面も目立つように。春馬はスピードを活かしつつも、なかなか決定打が出せずにいたが、終盤、打ち合いの展開で脱力したような状態で振った左フックが当たり、小澤はダウン。小澤はダメージは小さいが、一転ピンチに。



 3R、小澤は胴回し蹴りの奇襲を仕掛けるが、空振りとなり、大技に頼って焦りを隠せない様子。前に出るが、春馬は左回りでステップしつつ、随所でパンチを的確に叩き込む。小澤は前に出てクリンチになると、膝を連打するが、当たりは浅く流れは変わらず時間切れ。春馬が逃げ切るような形で判定勝ちし、19歳で初のベルトを巻いた。



 春馬は「高校卒業してから、みんな大学に行って、心配されましたけど、Krushのベルトが巻けて良かったです。ここがゴールじゃなくここからがスタートなので、世界一を目指します」とアピールした。敗れた小澤はバックステージで「何も言えないです。結果が全てなんで。また頑張りますとしか言えないです」と悔しさをにじませながら話した。(下の写真は弟の西京佑馬と記念撮影する春馬)




第7試合 ダブルメインイベント1 Krush -60kgタイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×安保璃紅(TRY HARD GYM/王者/60.0kg)※初の防衛戦
〇郷州征宜 [まさのぶ](K-1ジム総本部チームペガサス/挑戦者/60.0kg)
判定1-2 (豊永27-29/勝本29-28/三浦28-29)
※郷州が新王者に

 4月の王座決定トーナメント準決勝では安保は郷州に判定勝ち。安保は5月での王座決定戦でレオナ・ペタスに判定勝ちし、プロ8戦全勝・19歳でベルトを巻いた。
 郷州は欠員が出た挑戦者決定トーナメント(8人出場)に準決勝から参加し、8月6日の決勝で大沢文也を撃破。その3日後の会見で早速この王座戦が発表された。
 郷州は14年1月のRISE(小宮山工介戦)、15年7月のREBELS(町田光戦)で王者に挑んだがいずれも判定負け。15年10月のRISEスーパーフェザー級王座決定トーナメント準決勝では、後に王者になる当時20歳の野辺広大に判定2-0で惜敗。ベルトに近い位置に居続けながら、各団体のエース級に敗れ続ける状況はKrushでも変わらない。



 今回の王座戦の発表会見で郷州は「今回のために今まで取れなかったと言えるような試合をお見せします。私は耳は聞こえません。聞こえなくてもベルトを取れると証明したい。おこがましいですが、同じ境遇の子供たちに夢や希望を与えたい」と、自分のハンディキャップについても言及し、今回に賭ける思いをアピールしていた。



 1R、郷州はいつものように圧力をかけて前に出るが、安保は回って距離を取り、右ロー、左ストレートをうまく当て続け優勢。だが終盤になって来ると、郷州が詰めた際に右ストレートを当てるようになり、少し安保の頭がのけぞる場面も。応援団も多く、一発が入ると沸き方が大きい。



 2Rも郷州が圧力をかけるが、安保は右ローを連打。少しバランスを崩す場面もあったが、郷州は圧力を絶やさず、終盤に打ち合いに持ち込むと右アッパーを炸裂し、安保を下がらせる。若干郷州が好印象だ。



 3Rも圧力をかける郷州に対し、安保は右ロー、左ミドルを連打。特に左ミドルは大きな炸裂音で、会場はどよめくが、郷州は表情を変えず、圧力をかけ続け、勝利への執念を見せつける。その間にも随所でパンチを当て、終盤、安保が左のテンカオを放ったタイミングで、左ストレートを合わせてダウンを奪取。これで差をつけて試合が終わると、郷州は勝ちを悟った様子でコーナーに上って大喜びする。



 勝本ジャッジのみ3Rの安保のダウンを評価せず、10-9に点数を戻し、2Rまで安保が攻勢とみなし安保を支持したものの、残り2者は順当に郷州を支持し、郷州が判定勝ち。耳が聞こえない郷州はセコンドの方を向いて勝利を確認すると、膝から崩れ落ちて喜び、涙を流した。



 ベルトを巻いた郷州は「聞こえない子供たちのために、手話通訳さんお願いします」と話し、手話通訳をリングに上げると、「Krushチャンピオンの郷州です。耳が聞こえないのにチャンピオンになった選手は自分が初めてです。聞こえない子供たちも招待したんですけど、見ててくれたかな?僕は小さい時、聞こえないからどうせ無理と考えたことも多かったんですけど、聞こえない子供たちに自分の姿を見せ、チャンピオンになれる、1番になれると証明できて本当に良かったです」「聞こえない子供たちも一生懸命夢に向かってくれたら私もうれしいです」「来年の3月(K-1)さいたまスーパーアリーナでさらに成長した自分を見せたいです」とアピール。最後は「チャンピオンになったらしたかった」という、妻のまりもさんをリングに上げてのお姫様抱っこで観客を和ませた。ちなみにまりもさんも同じ聴覚障害を持っている。




第6試合 -70kg Fight 3分3R(延長1R)
×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER/70.0kg)
〇小西拓槙(クロスポイント吉祥寺/ISKAオリエンタルルール・インターコンチネンタル・スーパーウェルター級王者/69.7kg)
判定0-3 (25-30/25-30/25-30)

 小西は09年にKrushでデビューしたが、11年1月に計量失敗し、以降はREBELSを主戦場に活躍。4月のREBELSでKrush側が送り込んだ小鉄に判定勝ちし、K-1参戦を熱望していた。神保は小鉄の後輩にあたり、2月と6月のK-1のプレリミナリーでKO勝ちし、今勢いのある21歳の新鋭だ。
 小西はKrushの会見等でおなじみのテーマ曲で入場。久々のKrush登場への気合の入りぶりを示す。1R、両者サウスポーに構え、小西が左右のローをうまく当てていたが、次第に神保の右ジャブのヒットが増える。少し小西は苦しい状況となったが、終盤に打ち合いに差し込むと、次第に小西の連打が炸裂し、神保はゴング寸前にダウンを喫する。



 2R、足にもダメージが溜まっている神保は、オーソドックス主体になり、小西はローを連打しつつ、度々左ストレートでのけぞらせ、中盤に左ストレートの連打でスタンディングダウンを奪う。その後も神保をパンチで追い詰める。
 3R、小西も攻め疲れが見え始め、ガードを下げて「どうした」と何度もつぶやいて神保を挑発し接近戦で打ち合うが、ヒット数は低下。時折神保のパンチをもらうものの、威力は低く、小西は優勢を維持し終了。KOはできなかったが、Krush -70kg上位進出に向けひとまずのアピールはできた試合だった。試合後はかつて全日本キック、パンクラス、UFCで活躍したモーリス・スミス氏が勝利者トロフィーを贈呈した。





第5試合 -60kg Fight 3分3R(延長1R)
×闘士(池袋BLUE DOG GYM/59.7kg)
〇横山 巧(リーブルロア/60.0kg)
判定0-3 (水谷26-30/伊藤26-30/勝本25-30)

 闘士は5月の王座挑戦者決定トーナメントで郷州に負けて以来の試合。「リングに上がれない感覚になるぐらい落ち込みました」というが、今回から再浮上したいところ。横山も同トーナメントで大沢文也に敗れ、プロ7戦目で初黒星を喫して以来の試合。前日会見では「前回は気持ちの面で負けていたので、前回よりキツい練習をして、フィジカルを鍛え直しました。キャリアのある選手をぶっ飛ばして、チャッチャと引退させたいです」と話していた。



 1R、横山が上体を振りつつ圧力をかけ、右ストレート、右ロー、右ハイ、左前蹴り等を多く当てるが、闘士も打ち合いで右フックを当て、まだ大差はつけさせない。2Rに入ると、横山はパンチと蹴りを随所で当ててはいるが、闘士は打ち合いで左フックを度々炸裂させ、ヒット数では少し負けるもののインパクトは残している。両者鼻血を出し、少しずつ苦しくなる展開だ。
 3Rもお互い時折パンチを交錯させ、特に横山は鼻血の量が多く苦しい展開。残り1分を切り、闘士がスリップした直後にパンチを振るい、豊永レフェリーが注意。少し両者休む時間ができると、両者ともラストスパートの殴り合いに突入したが、命中したのは横山の右フックで、闘士がダウン。その後も打ち合いとなり、若干スリップ気味ではあるがまたも闘士がダウンして、残り時間は少なく終了。採点を見ると横山は2Rまでにポイントを取って差をつけていたが、残り1分で差を広げ、はっきりした形で勝利をもぎ取った。


第4試合 -60kg Fight 3分3R(延長1R)
×明戸仁志(K-1ジムAOMORI小比類巻道場/60.0kg)
〇山本直樹(優弥道場/60.0kg)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)

 明戸は島野浩太朗、郷州、渡辺武、横山に敗れKrush・K-1で4連敗中。山本優弥の弟・直樹は去年2連敗したが、今年に入り3連勝し、兄を彷彿とさせる素質を開花させつつある。
 1R、直樹はガードを上げ下げしたり前後の出入りでうまくフェイントを仕掛けつつ、左のインローを連打して効かせると、中盤以降は左ボディ、左ミドルを効かせ、明戸を後退させる。2Rも同様で、直樹が左ミドル、左右のロー等を当て続け明戸を圧倒。3Rも直樹が明戸をロープ、コーナーに詰め、何発も左ミドル、膝をヒット。明戸の脇腹は真っ赤に腫れあがるが、最後まで耐えて試合終了。ダウンは奪えなかったが、直樹の完勝に終わった。



第3試合 -55kg Fight 3分3R(延長1R)
〇大岩翔大(チームYMC栃木/55.0kg)
×亀本勇翔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/55.0kg)
判定3-0 (豊永30-29/伊藤30-29/水谷30-29)

 亀本は昨年4月の-53kg王座決定トーナメント準決勝の計量失敗で1年間のKrush出場停止処分が科され、その間はビッグバンで活躍。6月には元Krush -55kg王者の堀尾竜司に判定勝ちし、晴れてホームリングに戻ってきた。
 対する大岩は7月のKHAOSのファイトマネー総取りトーナメント「Money in the KHAOS」優勝者。第6試合の小西ら含め、友好関係にある他団体や、K-1 JAPANグループの他の大会の話題とうまく連関するのも今のKrushの面白さの一因と言えよう。

 1R、両者サウスポーに構え、右ジャブを突きながら左ストレート、ローを当てるが、まだ大差の無い状態。2Rに入ると、接近戦での打ち合いや、亀本の左のテンカオのタイミングで、大岩が左フックをクリーンヒットする場面が目立つようになり攻勢。終盤には亀本が一瞬ひるむ場面も。3R、大岩は少し勢いが落ち、亀本も右の顔面狙いの前蹴りを当てる等して挽回したが、最後まで大岩を捕えきれず、2Rにポイントを取った大岩の判定勝ちとなった。


第2試合 -55kg Fight 3分3R(延長1R)
〇森坂 陸(エスジム/55.0kg)
×小倉尚也(スクランブル渋谷/54.8kg)
判定2-0 (勝本30-29/豊永30-30/賀数29-28)

 両者は昨年10月の蹴拳で肘無し・首相撲制限ありのK-1に近いルールで対戦し引き分けている。揃って今年7月のMoney in the KHAOSに参戦し、森坂が江川優生を破ってトーナメント決勝進出を果たしたのに対し、小倉は1回戦で大岩に敗れている。
 1R、ロー主体の攻防で、終盤に小倉が左ボディを絡めて手数を上げるが、まだ大差は無い状態。2Rも蹴り主体の展開で、両者とも少しずつ足元のバランスが悪くなる。3Rも削り合いが続き、大差は無いものの、森坂は前蹴りも多用しつつパンチも随所でうまく当て、小倉に鼻血を出させて若干好印象を残し、判定勝ちにつなげた。


第1試合 -58kg Fight 3分3R(延長1R)
〇江川優生(POWER OF DREAM/58.0kg)
×鍋島好一朗(NPO JEFA/57.7kg)
1R 1'02" KO (左フック)

 江川は6月のMoney in the KHAOS一回戦で森坂陸相手にプロ8戦目で初黒星を喫して以来の試合。前回は減量苦の影響で力を発揮できず、今回から階級アップした。会見では「フィジカルトレーニングを取り入れた。58kgに上げても倒せるところを見せたい」と話していた。試合ではその成果と持ち前のボクシングスキルをいきなり発揮。1R、右フックを空振りした後、左ボディと左のショートフックの2連打で鍋島をマットに沈めた。結果的に今大会唯一のKO勝ちとなった。


プレリミナリーファイト第2試合 -55kg Fight 3分3R
×石塚宏人(ドージョー☆シャカリキ/55.0kg)
〇林 勇汰(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/55.0kg)
判定0-3 (27-30/28-30/27-30)
※1R石塚に左ストレートで1ダウン

プレリミナリーファイト第1試合 -70kg Fight 3分3R
〇海斗(ポゴナ・クラブジム/69.7kg)
×雄人(優弥道場/70.0kg)
判定2-0 (30-29/29-29/30-29)

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