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山本真弘がGP制覇。石川、狂拳をKOも負傷リタイア

Krushライト級グランプリ2009 〜決勝戦 Final Round〜
2009年11月2日(月) 東京・後楽園ホール
 石川直生は飛び膝で竹内裕二をKOし準決勝を突破するが、“狂拳”で左まぶたを切り裂かれドクターストップ。リザーバーの久保優太が決勝で山本真弘を追い詰めるが、3R終了30秒前に真弘がダウンを奪い逆転優勝。最後まで衝撃決着続出のライト級GPだった。
  レポート:井原芳徳  写真:久保与志

[Krushライト級GP] (60kg契約)

久保のハイが炸裂
第3試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○久保優太(アンリミテッドジム/元NJKFフェザー級王者・元WPMO世界スーパーフェザー級王者)
×水落洋祐(はまっこムエタイジム/元全日本フェザー級4位)
判定2-0 (勝本29-28/豊永28-28/和田29-28)

 1R、久保が開始すぐから左右のストレートと左ハイをヒット。終盤にはボディパンチの連打でダウンを奪う。楽勝ムードが漂ったが、水落が1Rからコツコツと当てつづけた右ローが、2Rに入ると効き目を発揮。久保はクリンチを多用し、久保坂レフェリーから警告される。3Rはローだけでなく、終盤に右ミドルの連打や右ストレートを浴びたが、久保も右のパンチや左の蹴りを随所でヒット。ギリギリの失点で1Rのダウン分のポイントを守りきった。


竹内とにらみあう石川
第4試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○石川直生(青春塾/元全日本スーパーフェザー級王者)
ד狂拳”竹内裕二(菅原道場/WMAF世界&MA日本スーパーフェザー級王者)
2R 2'27" KO (左飛び膝蹴り)

 竹内は7月のROUND.1で大高と梶原を異名通りの狂拳で粉砕。石川は8月のROUND.2でTURBΦと水落を続けて右ハイで撃沈。互いの必殺技が今回の二人の対決でも鍵となり、相乗効果で一層ドラマチックな結末を呼び込むことになる。
 1Rは互いに距離を取る慎重な試合運び。石川はローとミドルを放つが、竹内は蹴り足をつかんでパンチを振るい、時折ローもをお返しする。2Rに入ると石川が左ミドルや右前蹴りを当てつつ、左の飛び膝で襲いかかる場面も。竹内は時折不気味な笑みを浮かべる。
 少しずつ石川ペースになりつつあるように見えたが、竹内が左ジャブで石川を下がらせると、ロープに詰めてのパンチの連打で一気に形勢を逆転。石川は回って逃げるが、再びロープに詰められて右フックを浴び、万事休すかと思われた。ところが石川はそこから必殺の右ハイを放つと、これは空振りしてしまったが、かわした竹内のアゴに、すぐさま左の飛び膝蹴りを一撃。水落戦のフィニッシュと同じコンビネーションで狂拳を見事マットに沈めた。

石川のまぶたを切り裂いた竹内の右竹内KOの直後

 その瞬間、場内は割れんばかりの歓声と悲鳴に包まれるが、歓声も次第にどよめきと悲鳴に変化する。石川の左まぶたがパックリと割れ大出血している。大の字で倒れたままの竹内を尻目に、石川は喜んだのもつかの間、マットを叩いて悔しさを露にする。セコンドがすぐさまタオルを左目に巻くが、すぐにそれも赤く染まる。

ファンに謝る石川
 真弘×元気の準決勝が終わり、休憩時間に突入すると、バックステージでは既にリザーブマッチ勝者の久保優太がウォーミングアップを開始していた。休憩明け、寺田俊明リングドクターがリングインし、石川のまぶたの傷が筋膜にまで達し、試合続行不可能だと説明。宮田充Krush実行委員長は、竹内がKO負けのため、久保が決勝進出と悲痛な表情で発表する。すると場内モニターには、竹内がKO負けする直前の様子が映し出され、後ずさりする石川の左まぶたを竹内が右ストレートで切り裂いたのがはっきり確認できると、観客からは驚きの声が起こる。この男、ただでは死なない。石川の運命を狂わせた、竹内の拳の恐ろしさを印象づけた。
 次の前田×上松の終了後、傷の手術を終えた石川がリングイン。ファンに欠場を詫び、「後2ヶ月、自分の力で大晦日への扉をこじ開けようと思います」と話し、Dynamite!!参戦への夢をあきらめていないことを明らかにした。


真弘が元気を封じる
第5試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○山本真弘(藤原ジム/元全日本フェザー級王者)
×山本元気(DTS GYM/元全日本スーパーフェザー級1位)
4R 判定3-0 (和田10-9/梅木10-9/野口10-9)
3R 判定0-0 (和田30-30/梅木30-30/野口30-30)

 過去の両者の対戦成績は真弘の1勝1敗。「今回はいかに合理的に決勝に進むか」と話していた元気だったが、天敵・真弘の巧さに今回も封じ込められてしまった。
 サウスポーに構えた真弘が、スピードのあるフェイントを駆使しながら右に回り、左のインローや左フックをヒット。左ミドルも度々放つが、元気は必ず右のミドルをお返しし、簡単に主導権を握らせない。3R終盤、元気が距離を詰め、顔面からボディへのパンチの連打を度々決め、真弘の手数が落ちる。流れが傾いたかに見えたが、真弘は残り10秒の拍子木の音を聞くと、ラストスパートで左右のフックを連続ヒットし猛反撃。土壇場で五分に戻し、延長戦へと突入する。
 延長ラウンドも先手を取ったのは元気だった。右ミドルで流れをつかみ、ボディ打ちで真弘を苦しめる。真弘は左まぶたをまばたきする場面が増える。しかし残り1分を切ると左ミドルを皮切りに、左フックと左ハイキックを立て続けにヒット。打たれ強い元気はびくともしなかったが、終盤の手数差がものを言い、真弘に軍配が上がった。


第8試合 決勝 3分3R(延長2R)
○山本真弘(藤原ジム/元全日本フェザー級王者)
×久保優太(アンリミテッドジム/元NJKFフェザー級王者・元WPMO世界スーパーフェザー級王者)
判定3-0 (朝武29-28/豊永29-28/和田29-28)

 新極真会の全日本ジュニア王者で、竹内に敗れるまでキックでは対日本人29戦無敗を記録していた26歳の真弘。テコンドーで世界大会出場経験もあり、NJKF時代はデビュー以来17連勝の記録を打ち立てた22歳の久保。石川の負傷というアクシデントが、かつての全日本キックとNJKFの若き天才同士の対決という黄金カードを生み出し、試合もそれにふさわしいスリリングな内容となった。
 両者ともサウスポーの構え。先手を取ったのは意外にも久保のほうだった。決め手は8センチの身長差。久保は一回戦の水落戦でのローキックのダメージがあったが、適度に距離を保つと右ジャブや右ハイをヒット。コンビネーションで左フックも当て、2Rには左の飛び膝で真弘をスリップさせる場面も。2Rは久保がポイントを取る。
 後が無い真弘だったが、久保も判定狙いの勝負を嫌ったことが幸いし、3R終盤に見事な逆転劇を繰り広げる。ラウンド序盤から積極的にパンチを振るい、打ち合いとクリンチを繰り返す両者。準決勝の消耗も相まって、表情も険しくなってくるが、残り1分を切ると真弘の右が連続ヒット。コーナーに追い詰めると、左フックで逆転のダウンを奪う。

ダウンを奪った左フック久保ダウン

 結局これが決め手となり、真弘に軍配。05年のIKUSA GP、07年のKICK RETURNに続き、最後に勝利の女神が微笑んだのは真弘だった。優勝賞金500万円を獲得し、試合後のマイクでは「まだまだこんなんじゃ60kgは卒業できないけど、次は62kgで新日本キックの石井宏樹選手とやりたいです。どこでもやりますんで、よろしくお願いします」とアピールした。

優勝の真弘
 昨年TOUITSUの62kgトーナメントを制した石井は、対日本人に区切りを打ち、タイのラジャダムナンの王座奪取を現役最終目標に据えているため、簡単に実現するとは思えないが、真弘が3度めのトーナメント優勝で発言権を強めたのは確か。一方、K-1本大会での60kg戦線はボクシング元日本王者の渡辺一久が主役となりつつある。この日のリングサイドでは谷川貞治FEG代表も真弘の優勝風景を見守っていた。魔裟斗・武蔵引退後の2010年代のK-1の、世間へのアピールを考える上で、真弘の今回の優勝を谷川氏がどう評価し、活かしていくか、今後の動向が楽しみだ。

◆真弘「元気戦が一番のヤマだと思っていた。それで勝って、いきなり久保選手がポッと出てきて、決勝の1・2Rは気が抜けたような状態になったけど、3Rは行くしかないと。(久保対策は?)全く見たことが無かったので、周りの人にどんな選手か聞いたら、『長身のサウスポーだ』って。それから対策を考えて、ぶっつけ本番でやりました。(試合後のアピールについて)本当は圧勝して『60kgは卒業』と言いたかった。あとはワガママで石井選手とやりたい。キックルールでもK-1ルールでもいい。60kgでも減量がキツくなってきたので、62kgぐらいがちょうどいい」

◆久保「(NJKF時代の最後の試合から)1年と5ヶ月、休んでいる間にずっと、真弘選手や元気選手に勝てるような選手になるために激しい練習を積んできて、いきなりチャンスが来たけど負けてしまった(涙を流す)。真弘選手対策は試合が決まってから立てた。最後の3R、昔の自分なら判定に逃げていたけど、今回は打ち合って向かって行きたかった。まだ甘かったけど、成長するいいきっかけになると思う」

◆石川「試合は俺が勝ったけど、実際は引き分けです。狂拳とは真剣で斬り合って、俺もザックリと切られたけど、向こうは倒れた。そんな気がする。最後の10秒ほどで流れが止まっていたら、ドクターストップになっていた。こんなに楽しかった試合は(07年1月の)ワンロップ戦以来。たまんないっすねぇ、狂拳。またやりたい。あいつはもっと世間にフューチャーされていい存在だと思う。
(竹内対策について)今回準決勝に残った他の3人は、僕の攻撃の当たる距離が全員一緒で、その対策がバッチリはまった。今日で膝蹴りの絶対的な距離感をつかむことができた。肘有りだと違うけど、これからのK-1での試合は打ち合わないこのスタイルになると思う。
(まぶたの傷について)最初は『1Rでもいいからやらせてくれ』とドクターに言ったけど、真弘と消化不良の戦いになるようなら意味がない。でも大晦日はあきらめない。帰り際の谷川さんの腕をつかんでお願いしたら『ナイスファイト』とだけ言われて逃げきられたんですけど(苦笑)。大晦日の舞台、K-1 60kgというか、キックボクシング対ボクシングの構図で、華のある試合を見せられるのは僕しかいないと思っています(※渡辺一久との対戦を希望した)」

◆宮田充Krush実行委員長「(真弘の石井戦アピールについて)谷川さんは『K-1でやろうよ〜』って乗り気でした。谷川さんと伊原さん(新日本キック代表)で話し合ってもらいたい。(石川のDynamite!!参戦について)今回の勝ちっぷりは良かったけど、優勝できなかったので、僕から谷川さんにお願いしますとは言えない。『石川よ、キックボクサーならこの無念を返すのは1月4日(の後楽園ホール大会)でしょ?』と言いたい。1月4日もKrushです。上半期のスケジュールも発表しましたが、僕がやるイベントは基本はKrushです」

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