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梅野源治「KO≠正義」の判定勝ち。那須川天心、元ボクシング世界王者をボディでKO:2.12 大田

KNOCK OUT Vol.1
2017年2月12日(日) 東京・大田区総合体育館
 大晦日のRIZINで知名度がアップした那須川天心は、井岡一翔にも勝ったことのある元プロボクシングIBF世界王者のアムナットを左ボディでKO。メインでは梅野源治がスペイン人の元WPMF世界王者に判定勝ち。「KO=正義じゃなく、判定でもいい試合があって、それをみなさんに訴えられるような試合をしていきます」とアピールした。
  レポート:井原芳徳  写真:久保与志


第7試合 メインイベント 61.5kg契約 3分5R
〇梅野源治(PHOENIX/ラジャダムナン認定ライト級王者、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者/61.5kg)
×ワンマリオ・ゲオサムリット(スペイン/元WPMF世界ライト級王者/61.1kg)
判定3-0 (北尻49-47/大村50-47/岡林50-45)



 小野寺力RIKIX代表プロデュースのキック大会「NO KICK, NO LIFE」が昨年12月のTDCホール大会から、大手ゲームメーカーのブシロードの支援を得て「KNOCK OUT」にリニューアル。精鋭による6試合のみだったが、いずれも中身の濃い試合となり好評で、順調なスタートを切った。年をまたぎ、TOKYO MXでの金曜夜11時からのレギュラー番組も始まり、「Vol.1」と題された今大会からが本格的なスタート。NO KICK~時代のホーム会場だった大田区総合体育館に戻り、7試合が用意された。

 メインを務めるのは12月大会に続き梅野源治。10月にムエタイで2大王座の1つであるラジャダムナンスタジアム認定王座を獲得し、その前の連戦でも怪我が重なり、12月のシリモンコン戦は完勝したものの本調子ではなかったが、今回は怪我も治り調整もバッチリだ。今回の相手のワンマリオはタイに10年住み120戦のキャリアがあり、昨年はタイの人気テレビマッチである「MAXムエタイ」で6勝3分無敗。梅野は「パンチとローと左肘で組み立てる選手ですね。あんまりミドルは蹴らない」「1R・2Rはどう行くかチェックして、3Rにはガンガン行きます」とプランを語っていた。

 1R、序盤から梅野が両手のフェイントから右フックを当てると、ワンマリオを下がらせ、左ロー、ミドルを当てて早速主導権を握る。右ボディで一瞬動きを止め、右フック、右の縦肘でもワンマリオを脅かす。最後までプレッシャーをかけ続け、ワンマリオを圧倒する。
 2Rも梅野ペース。序盤には左ミドルとローの連打でワンマリオをぐらつかせる場面も。ワンマリオは時折ボディにパンチを当てるが単発止まりで、梅野がミドルや前蹴りを当て続けて主導権を維持する。



 3Rも梅野が左ミドル、ローを当て続け攻勢。試合前のコメント通り、3Rから手数を上げ、肘も多用し、ワンマリオは右まぶたから出血しドクターチェックが入る。その後も梅野は右肘を連打し終盤にはぐらつかせる場面も。アゴを突き出してから左ミドルを当てる等、梅野特有の挑発でも観客を楽しませる。
 4Rも梅野が左ミドル主体ながら、首相撲の展開が増える。お互い膝を出そうとするが、大成レフェリーはすぐブレイクをかけてしまい、観客からも不満の声が飛ぶ。梅野はストップされそうになるタイミングで崩しを決めており、攻撃のバリエーションを封じられ少しイラついているようにも見える。終盤、ワンマリオが右フックを当てて少し梅野をぐらつかせるが、梅野は時間いっぱいまで凌ぐ。
 5Rも梅野が左ミドルを当て続け、首相撲に何度もなるがレフェリーが早めのブレイクを繰り返す。ワンマリオは必死にパンチを振るうが、最後まで流れを変えられず試合終了。梅野は倒せなかったものの、明確な差をつけ完勝した。3者とも梅野を支持したが、ジャッジの基準もそれぞれで、ムエタイ寄りの岡林ジャッジは5Rとも梅野につけたが、シュートボクシングがメインの北尻・大村ジャッジはワンマリオのパンチも評価した採点だった。

 試合後、マイクを渡された梅野は「本当はKOで倒したかったんですけど、KOが必ずしもいいわけじゃなく、テクニックとか、そういうのも見てほしくて。KOイコール正義じゃなく、もちろんKOを狙いますけど、判定でもいい試合があって、それを少しでもみなさんに訴えられるような試合をしていきます」とアピール。大会名に対するアンチテーゼではあるものの、自身のポリシーを貫いた上で強さや競技の魅力を伝えようとする梅野に、観客からも暖かい拍手が巻き起こった。


第6試合 セミファイナル 56.5kg契約 3分5R
〇那須川天心(TARGET/ISKAオリエンタル世界&RISEバンタム級(-55kg)王者/56.5kg)
×アムナット・ルエンロン [Amnat Ruenroeng](タイ/ボクシング元IBF世界フライ級王者、元ルンピニー認定フライ級王者/56.5kg)
4R 2'39" KO (左ボディフック)

 那須川は12月のKNOCK OUTで、タイの2大王座のうちの1つ、ルンピニースタジアムの王者であるワンチャローンに顔面へのバックスピンキック一撃で1R KO勝ち。その後は年末のRIZINでMMAに初挑戦し2連戦し、初戦はTKO勝ち、2戦目は一本勝ちと、大きなインパクトを残し、一般の知名度も急上昇した。

 今回の相手・アムナットは14年のプロボクシングIBFの防衛戦で井岡一翔に勝利し、プロ唯一の黒星をつけたこともある37歳のベテラン。元々はムエタイの選手で、タイの2大王座のうちの1つ、ルンピニースタジアムのタイトルを獲得している。強盗等の犯罪で15年の懲役を受けて04年に服役中にボクシングを始め、アマのタイ選手権で優勝したことにより特赦を受け釈放された。07年の世界選手権で銅メダルを獲得し、12年にプロに転向し、14年にタイのボクシング史上最高齢となる34歳で世界王座を獲得。昨年5月に6度目の防衛に失敗し、プロ18戦目で初黒星を喫すると、ムエタイに復帰。12月にタイの人気ムエタイ大会「タイファイト」に出場しヨーロッパの選手に判定勝ちしている。那須川は「井岡選手との試合も普通に見ていて強いと思っていました」といい、「パンチでもちろん倒そうと思います。見ているファンもその方が面白いと思います」と1月6日の会見で話していた。



 1R、那須川がサウスポーに構えてプレッシャーをかけ、アムナットはロープを背負い続ける展開。那須川は左ボディ、ロー、ミドルをコツコツと当て続け、左ストレートでアムナットをのけぞらせる場面も。だがアムナットは冷静な様子で、終盤には右肘を那須川の額に叩き込んで観客を驚かせる。
 2R、那須川は肘をもらった影響か?プレッシャーをかける側だが少し圧力が落ち、アムナットはロープを背負う時間は無くなる、時折クリンチとなるがすぐブレイク。那須川は左ローを強打するが連打とはならない。終盤、グラップラー刃牙のポーズでアムナットを威嚇する場面も。



 3Rも那須川が圧力をかけるが、アムナットも目が良く、フェイントを見切り、なかなか那須川は攻撃を出せず、ミドルもローも単発止まり。クリンチで隙間を縫うようにアムナットが右肘を放つ場面もあり、やはり肘打ちに関しては昔取った杵柄が残っているようだ。
 4Rも同様に那須川が時折左ミドルを当てるが単発止まり。このままズルズルと行かねない状況ではあったが、終盤に差し掛かり、膝を効かせた後、頭を左右に振りながら距離を縮めて左ボディを叩き込むことに成功。これで手応えを得た那須川は、再び同じように頭を振って距離を詰めると、もう一度左ボディ。するとアムナットは膝から崩れ落ちダウン。ロープにもたれたまま立ち上がれず、那須川のKO勝ちとなった。



 那須川はこれでキック戦績18戦18勝(14KO)。MMAを含めれば記念すべきプロ20勝目に。マイクを持つと「アムナット選手、凄くうまくて、思ったより距離が遠く、変な試合になったと思うんですけど、試合前に言ってた通り、パンチで倒すことができてうれしいです。自信にもなりました。アムナット選手がいたからこそこういう試合ができたと思います。ありがとうございます」と話し、「応援してくれる皆さんありがとうございます。自分一人じゃなく、皆さんのおかげでこういう結果が出せていると思います。今年も突っ走って、誰も行ったところが無い所まで行き、格闘技界を盛り上げます」と、18歳とは思えないほど謙虚かつ堂々とアピールした。


第5試合 63kg契約 3分5R
×町田 光(橋本道場/WPMF世界スーパーフェザー級王者、REBELS 60kg級王者/63.0kg)
〇山口侑馬(山口道場/INNOVATIONライト級王者、DEEP☆KICK 60kg級王者/62.6kg)
3R 1'00" TKO (タオル投入:右肘打ちでダウン後)

 町田はMMA選手のDJ.taikiと対戦予定だったが、DJが鼻を骨折し欠場。急きょ山口兄弟の弟・侑馬との一戦に変更となった。1R開始すぐ、侑馬が町田の代名詞ともいえる居合ポーズを見せ挑発。町田も時折居合ポーズを織り交ぜつつ、左ジャブでリズムを作りながら、右ロー等を時折ヒット。侑馬も左ボディ、左フックを随所で当て、ほぼ五分に渡り合っている。
 2R、パンチの打ち合いとなり、侑馬が右肘を絡めると、町田は左まぶたを切られドクターチェック。再開後はクリンチとパンチの打ち合いが繰り返され、ほぼ均衡状態。町田の出血は止まっているが、ジャッジの判断が気になるところだ。
 そして3R、町田が左インローをリズム良く当てていたが、左フックを当てた後、さらに突っ込んだところで侑馬の左フックと右の縦肘が連続で炸裂し町田はダウン。町田は左頬もカットし、目の周りも腫れ上がり、ダメージが大きいと見たセコンドの橋本敏彦会長がタオルを投入。侑馬が急きょ訪れたチャンスをものにした。




第4試合 59.5kg契約 3分5R
△森井洋介(ゴールデングローブ/全日本スーパーフェザー級王者/59.5kg)
△村田裕俊(八王子FSG/NKBフェザー級王者/59.3kg)
判定1-1 (大成49-48/小川48-49/岡林48-48)

 1R、森井が長身のサウスポー・村田にジャブのフェイントをかけながら右のインロー、奥足狙いのローを的確にヒット。接近戦では左フックも叩き込む。村田も次第にタイミングをつかみ、左のミドル、ローを返すようになり、まだ五分だ。
 2Rもローの応酬。だが次第に村田の右ローのヒットも増え、森井の蹴りが減る。森井が少しだけバランスを崩す場面もあった。



 3Rも蹴り主体の展開。村田はロープを背負いながら右ジャブを振ってからの左ミドル、ローをコツコツ当て続ける。森井もヒット数は劣るものの、右ローを正確に当て続け、左ボディ等のパンチも絡めて村田を削る。
 ここまで大差の無いラウンドが続き4Rへ。森井は差をつけようとすべく、最初からコーナーに村田を詰めて右ローを連打。村田は左肘を放って来るが、森井は右肘で応戦し、村田は額を切られドクターチェックを受ける。再開後、村田も左のローを効かせて森井を下がらせるが、森井は右アッパーでぐらつかせ、パンチ連打で村田を後退させ、ポイントを取る。



 だが5R、村田が序盤からローを当てつつ、左ストレートを効かせ森井を苦しめ、胴廻し蹴りをアゴに当てて森井をぐらつかせチャンス。森井も必死に右のアッパーやフックを返すが、手数で劣る。両者フラフラになりながらも最後まで打ち合い、場内大歓声の中試合終了する。



 判定は三者三様のドロー。KNOCK OUTの大会名通りの決着では無かったが、激闘で両者とも観客の心をつかみ、今大会のベストバウトと挙げる人も多いだろう。とりわけ村田はキックファンに広く名前を知らしめる試合となり、今後のKNOCK OUT継続参戦が期待できそうだ。


第3試合 67kg契約 3分5R
×引藤伸哉(ONE'S GOAL/WPMF日本&WMC日本ウェルター級王者/66.8kg)
〇健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者/66.9kg)
5R 1'50" TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる顔面のカット)

 1R、長身のサウスポー・引藤に対し、健太が左ジャブを突いてプレッシャーをかけながら、右ローを的確に当て続け、終盤には右フックを強打してぐらつかせ、優位に試合を運ぶ。
 2Rも健太がジャブと右ロー主体で圧力をかけ続ける。引藤は時折ぐらつくが、左の膝を返す場面もあり、終盤、引藤が左膝で距離を詰めてから左肘を振るい、健太を脅かす場面も。
 3Rも引藤が左肘を振るってくるが、健太も右肘で応戦するように。すると引藤は左まぶたをカット。距離が縮まり、終盤には健太が右フックで引藤をぐらつかせポイント差を広げる。
 4Rも健太は右肘を多用。近づけば首相撲から膝を連打し、引藤を苦しめる。終盤には再び右肘を当てドクターチェックが入る。引藤は左右のまぶたを切られた状態だ。



 5Rは健太が序盤から右肘を連打し猛ラッシュ。バックハンドブローも絡めて引藤を圧倒し、額も切り裂き再びドクターチェックが入る。再開したが、間もなくしてまたもドクターチェックが入るとようやくストップ。健太が格の違いを見せつけて完勝した。


第2試合 55.5kg契約 3分5R
〇小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/REBELS 52.5kg級王者/55.5kg)
×波賀宙也(立川KBA/WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者/55.5kg)
2R 1'13" TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる右まぶたのカット)

 1R、両者サウスポーに構え、小笠原が積極的に左ローを放つが、波賀は左の肘打ちで応戦。すると小笠原も左肘をお返しすると、右まぶたを切り裂くことに成功し、ドクターチェックが入る。小笠原が優勢なラウンドに。
 2Rも小笠原が左のローを順調に当て、少し波賀のバランスが悪くなってくる。波賀の出血を見た北尻レフェリーがドクターチェックを要請すると、ドクターはしばらく止血した後にストップを宣告した。



第1試合 64kg契約 3分5R
〇不可思(クロスポイント大泉/RISEライト級(63kg)王者/64.0kg)
×山口裕人(山口道場/WBCムエタイ日本統一スーパーライト級王者/63.7kg)
3R 1'50" TKO (レフェリーストップ:右ストレート)

 1R、不可思は距離を取り、右ロー、左ミドル、左ジャブをうまく当て続け主導権。山口兄弟の兄・裕人が左ストレートを当てて下がらせてから打ち合いとなるが、不可思が右ストレートを当ててダウンを奪取。その後も右ストレートでダウン気味にスリップさせ、裕人を苦しめる。
 2Rは不可思が左ジャブで距離を作りつつ、右ロー、右ボディ、右ストレート、右テンカオ、左前蹴り等を寸断なく当て続け主導権。時折に裕人もパンチを当てるが、空振りが多く、なかなか打開できない。



 3Rも不可思が右ローを主体にしつつペースを維持。左のテンカオでアゴを突き上げ、パンチの打ち合いになっても冷静に裕人のパンチをかわし、相手のガードが甘くなると、不意打ちの右ハイでダウンを奪う。裕人は立ち上がるが朦朧とした表情。足元もおぼつかないが、大成レフェリーが続行すると、最後は不可思が右ストレートで2ダウン目を奪ったところでようやくレフェリーがストップ。不可思の完勝に終わった。

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