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セーム・シュルト、初の16人1DAYトーナメントで優勝:12.31 埼玉

GSI presents DREAM.18 & GLORY 4 〜大晦日 SPECIAL 2012〜
2012年12月31日(月) さいたまスーパーアリーナ
 16人参加で初めて行われたGLORY GRAND SLAM Heavyweight(ヘビー級トーナメント)は、セミー・シュルト、レミー・ボンヤスキー、ピーター・アーツ、グーカン・サキ、エロール・ジマーマン、ダニエル・ギタらK-1でもお馴染みだったファイターが多数参戦したが、シュルトが盤石の強さを発揮し優勝。賞金40万ドルを獲得した。
  レポート&写真:井原芳徳  ※第1部・DREAMの記事はこちら


GLORY GRAND SLAM Heavyweight(ヘビー級トーナメント)



第1試合 一回戦(1) 2分3R
○セミー・シュルト(オランダ/ゴールデン・グローリー/132kg)※セーム・シュルトから表記変更
×ブライス・ギドン [Brice Guidon](フランス/メジロジム/102.2kg)
2R TKO (2ダウン:左フック)

 2012年に旗揚げしたGLORYは、K-1ワールドGPの代替的な位置づけで、「GRAND SLAM」を今回初めて実施。K-1との大きな違いは16人トーナメントという点だ。優勝するための試合数が1つ増えるため、一回戦と準々決勝は1Rの時間を2分に短縮。一回戦~準決勝は、3Rのうち最初の2Rのポイントを取れば勝利できるという、事実上の2R制が採用された。ジャッジの数も3人から5人に増加し、運営の短縮のため、選手も同時入場となった。



 K-1ワールドGPを4度制したシュルトは、もちろんこのトーナメントでも優勝候補。初戦の相手・ギドンとはは3月のモスクワでのUNITED GLORY 15で対戦し、シュルトが判定勝ちしている。開始すぐからギドンは積極的にパンチを放ち、短期決戦ルールを意識した戦いを繰り広げるが、シュルトは落ち着いてかわして、左の膝蹴りをフックのような軌道でギドンのアゴに叩き込み、着実にダメージを与える。そして2Rに入ると、左フックで2ダウンを重ねて奪い、好スタートを切った。


第2試合 一回戦(2) 2分3R
×セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア/ゴールデン・グローリー/120.2kg)
○リコ・ベホーベン(オランダ/フルキック/スーパープロ/115.8kg)
2R 判定3-0

 ガードを下げながらパンチを振るうハリトーノフに対し、23歳の新鋭・ベホーベンは左ミドル、左ハイを的確にヒット。憧れているというピーター・アーツを彷彿とさせる蹴りのシャープさで、1Rはジャッジ5人から10-9で評価される。2Rも膝蹴り、左右のハイでハリトーノフを圧倒し、このラウンドのポイントも奪って判定勝ちした。
 だが、1Rも2Rも終了後のポイントは会場モニターに表示されるだけで、アナウンサーが英語ですらも読み上げなかったため、なぜベホーベンが勝ったのかが今一つ観客に伝わり切らず、この状態が最後の試合まで続くこととなった。世界200か国以上での放送を意識してか、英語主体の進行だったが、FEG時代のK-1の丁寧なアナウンスに慣れた一般層にも新ブランドのGLORYをアピールしていくなら、今後日本語を増やすなどの改善も必須だろう。


第3試合 一回戦(3) 2分3R
○グーカン・サキ(オランダ/マイクスジム/103.4kg)
×羅王丸(TARGET/104.2kg)
1R TKO (2ダウン:左ハイキック)

 開始すぐからサキが左ボディフック、左フック、右ハイというコンビネーションを決めて主導権を握ると、左ボディと左フックの連打でダウンを奪取。羅王丸は立ち上がるもフラフラで、パンチの連打からの左ハイキックで2ダウン目を喫し、初戦敗退となった。
 だが、GLORYの本拠地・オランダからやってきたレフェリーは、2ダウン後も羅王丸を立たせてファイティングポーズを取らせようとし、その後に2ノックダウンシステムであることに気づき、「Oh! 2 Down」と声をあげ、K-1で2ノックダウンシステムに慣れている観客から笑われてしまう一幕もあった。


第4試合 一回戦(4) 2分3R
○アンダーソン・“ブラドック”・シウバ(ブラジル/コンバットスポーツ/110.2kg)
×イゴール・ユルコビッチ [Igor Jurkovic](クロアチア/キング・ポレッチ/ゴールデン・グローリー/99.8kg)
1R TKO (2ダウン:右フック)

 1R、ローキックの打ち合いがしばらく続いたが、ブラドックが左フックでダウンを奪うと、その後も右フックでダウンを重ね快勝。サキ×羅王丸とは違うレフェリーだったが、このレフェリーも2ダウン目の後に、ユルコビッチを立たせてカウントを数えていた。


第5試合 一回戦(5) 2分3R
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/ボンヤスキー・アカデミー/ボスジム/104kg)
×フィリップ・ヴェルリンデン [Filip Verlinden](ベルギー/ゴールデン・グローリー・ブレーダ/ブルスジム/93.1kg)
3R 判定2-1

 ボンヤスキーは10月のブラドック戦で3年ぶりに復帰し延長戦の末判定勝ち。久々のトーナメントでもシュルトの対抗馬として期待されたが、動きに精彩を欠く。1Rはヴェルリンデンの右ローや飛び膝の手数に押され、ポイントを奪われる。2Rに入るとようやくパンチ、膝、右ミドルの手数が上がってポイントを取り返したが、3Rも接戦。手数が若干上回り、判定2-1でかろうじて初戦を突破した。


第6試合 一回戦(6) 2分3R
×エロール・ジマーマン(スリナム/ゴールデン・グローリー/108kg)
○ジャマール・ベン・サディック [Jamal Ben Saddik](モロッコ/ゴールデン・グローリー/128.8kg)
判定

 サディックはシュルトに次ぐ身長205センチの巨漢。1R終盤のパンチの打ち合いで、右フックでダウンを先取する。2Rも激しい打ち合いとなり、右フックでダウンを奪取。ジマーマンをコーナーに詰めて仕留めようとしたが、ジマーマンが打ち合いで左フックをお返しするとサディックは後退。ジマーマンが前進し、パンチの連打から左フックを再びクリーンヒットしてダウンを奪い返し、会場はこの日最高の盛り上がりとなる。このまま2Rが終わり、3R目に入りそうなムードだったが、勝利宣告されたのはサディック。ジマーマンは両手を広げて不満を示し、観客もジマーマンに拍手を送っていた。


第7試合 一回戦(7) 2分3R
×ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ/105kg)
○ムラッド・ボウジディ(チュニジア/チーム・アーツ/97.5kg)
1R 終了時 棄権 (右拳の負傷)

 43歳の大ベテラン・アーツは弟子のボウジディと一回戦で当たったが、容赦なく左右のミドルを当て先手を取る。だが次第にボウジディも負けじと左右のミドルをお返しするように。師弟対決と思えぬ激しい攻防が繰り広げられたが、1R終了時にアーツが右拳を負傷していたことが発覚。アーツはグローブを外して棄権の意志を示した。試合後のインタビューでアーツは、2年前から拳を痛めていたことを明かした。




第8試合 一回戦(8) 2分3R
○ダニエル・ギタ(ルーマニア/カマクラジム/108kg)
×ジョナタ・ディニス [Jhonata Diniz](ブラジル/ゴールデン・グローリー/ハマースジム/104.8kg)
判定

 1R、ギタがパンチとミドルをバランス良く放ち、手数で上回りポイントを奪取。だが2Rはディニスも前に出てパンチを当てるようになり、ポイントを五分に持ち込む。3Rに突入すると、お互いほぼ互角の打ち合いを繰り広げていたが、終盤に来てギタの左ボディフックとミドルが効き目を発揮し、ディニスが後退。ギタがポイントを奪い返し準々決勝に駒を進めた。


第9試合 準々決勝(1) 2分3R
○セミー・シュルト(オランダ/ゴールデン・グローリー/132kg)
×リコ・ベホーベン(オランダ/フルキック/スーパープロ/115.8kg)
判定

 1R、巨漢のシュルトを警戒し、ベホーベンが細かくステップを刻んでパンチを随所でヒット。シュルトも左フックを当てるがまだ慎重で、ジャッジのポイントも3者がシュルト、2者がベホーベンと分かれる。2Rも慎重なシュルトだったが、一発一発の重みが他の選手と格違いのため、少しずつ当たるだけでもベホーベンは消耗。次第にシュルトの左フック、膝蹴りのヒットが目立つようになり、終わってみればシュルトの完勝という試合だった。


第10試合 準々決勝(2) 2分3R
○グーカン・サキ(オランダ/マイクスジム/103.4kg)
×アンダーソン・“ブラドック”・シウバ(ブラジル/コンバットスポーツ/110.2kg)
1R KO (左フック)

 開始すぐから素早くパンチが交錯し、サキが左フックでブラドックをぐらつかせると、カウンターの左フックでダウンを奪取。ブラドックは立ち上がったものの足元がフラフラで、レフェリーがストップした。


第11試合 準々決勝(3) 2分3R
×レミー・ボンヤスキー(オランダ/ボンヤスキー・アカデミー/ボスジム/104kg)
○ジャマール・ベン・サディック [Jamal Ben Saddik](モロッコ/ゴールデン・グローリー/128.8kg)
判定

 一回戦から不調だったボンヤスキー。準々決勝はリングイン時から目から覇気が感じられない。サディックは右ハイ、ロー、ストレートを落ち着いてヒット。クリーンヒットではなくても、ボンヤスキーはサディックの攻撃をもらって度々スリップし、結局反撃の糸口をつかめないまま判定負けを喫した。試合後のボンヤスキーは「自分にがっかりしている。2試合目のほうががっかりだが、1試合目から集中力が無かった」と反省していた。


第12試合 準々決勝(4) 2分3R
×ムラッド・ボウジディ(オランダ/チーム・アーツ/97.5kg)
○ダニエル・ギタ(ルーマニア/カマクラジム/108kg)
2R TKO (レフェリーストップ:右肘の負傷)

 1Rは両者ミドルとパンチをほぼ互角に打ち合い、3者がギタ、2者がボウジディにポイントをつけるラウンドに。2Rも同様だったが、パンチの打ち合いで右フックを放ったボウジディが突如脱臼しレフェリーストップ。ギタにとってはラッキーな形で勝利が転がり込んだ。


第14試合 準決勝(1) 3分3R
○セミー・シュルト(オランダ/ゴールデン・グローリー/132kg)
×グーカン・サキ(オランダ/マイクスジム/103.4kg)
判定



 1R、シュルトが左ミドル主体で手数でやや上回り攻勢。ポイントを奪う。2Rも膝蹴りでサキを苦しめるが、サキも左右のフックを随所でクリーンヒットし、シュルトをぐらつかせる場面も。2R終了後、判定が読み上げられた際、レフェリーが誤ってサキのほうの手を上げてしまったことも相まって、シュルトに勝利が告げられると、場内はブーイングに包まれ、コーナーに上ってアピールするサキに拍手が送られた。



第15試合 準決勝(2) 3分3R
×ジャマール・ベン・サディック [Jamal Ben Saddik](モロッコ/ゴールデン・グローリー/128.8kg)
○ダニエル・ギタ(ルーマニア/カマクラジム/108kg)
1R KO (左ミドルキック)



 開始すぐのギタの左ミドルが、三日月蹴りのような形でサディックのレバーにクリーンヒット。サディックは後ろを向いて戦意喪失し、ギタが余力を残した状態でシュルトとの決勝に駒を進めた。


第18試合 決勝 3分3R(最大延長2R)
○セミー・シュルト(オランダ/ゴールデン・グローリー/132kg)
×ダニエル・ギタ(ルーマニア/カマクラジム/108kg)
1R KO (左ハイキック)
※シュルトが優勝。優勝賞金40万ドルを獲得。

 トーナメントのシステムは変われど、トップクラスの二人が順当に残った決勝。特にギタのほうは準々決勝が相手の負傷、準決勝は秒殺勝利と、余力が比較的ある形で勝ちあがれたが、シュルトの壁は高かった。飛び込んでパンチを当てるものの、シュルトはひるまず左ハイ、膝をお返し。そして左ハイをギタのブロックの上から当てたが、ギタはダウン。ギタは立ち上がったが、レフェリーは続行不能と判断しストップを宣告した。
 だがストップ宣告で両手を振るような大きなジェスチャーをしなかったため、本部席にも観客にもはっきりと伝わらず、しばらく場内が騒然とする。シュルトの勝利がアナウンスされたが、煮え切らない終わり方に観客からはブーイングが飛んだ。





GLORYキックルール・ワンマッチ


第17試合 70kg級 3分3R
×長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)
○ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ/ゴールデン・グローリー)
判定

 会見で「一言で言うと“変態”でしょうね」とコスプレ入場の内容を予告していた長島は、90年代の少年ジャンプの漫画「究極!!変態仮面」の主人公のコスプレで登場。だが今回のGLORYは同時入場のため専用のBGMも無し。ダンサーもつけず踊りも無く長島が普通に花道を歩いてきたため、今一つ盛り上がりに欠ける。



 ゴングが鳴ると、23歳の新鋭・ロスマレンがさっそく抜群の破壊力を発揮。右ローの連打で長島がバランスを崩したところでレフェリーがダウンを宣告する。2Rもパンチの連打を浴びるなど長島は劣勢。3Rには長島も左ボディを当ててロスマレンの動きを止める場面もあったが、ロスマレンのローをもらうとスリップを繰り返して攻撃が寸断され、完敗に終わった。試合後のマイクでロスマレンは「次はMMAで長島と戦いたい」とアピール。試合後のインタビューでも、2013年からMMAに進出することを明かした。


第16試合 53kg級 3分3R
○江幡 睦(伊原道場/新日本キック日本フライ級王者)
×キム・サンチェ(韓国/韓国格闘技連盟フェザー級王者、KBCバンタム級王者、大韓ムエタイ協会フライ級王者)
判定

 江幡は双子の弟・塁と共に新日本キックの軽量級をけん引する21歳。対する23歳のサンチェも韓国で3本のベルトを取っているだけあり、パンチと蹴りのコンビネーションが冴えわたる。1Rはほぼ互角だったが、2Rに入ると江幡のパンチから左右のミドルにつなぐコンビネーションが次第に目立つように。3Rはサンチェを手数で圧倒。肘・膝の規制のあるルールでも強さを存分に発揮した。


第13試合 85kg級 3分3R
×松本哉朗(藤本ジム/新日本キック日本ヘビー級王者)
○ジェイソン・ウィルニス [Jason Wilnis](ブラジル/ザ・コロシアム/IT'S SHOWTIME世界85kg王者)
判定

 85kg級のアピールのためGLORYに乗り込んだ松本だったが、世界の壁を感じる結果に。パンチと蹴りのコンビネーションでの応酬ではほぼ互角に渡り合うが、いくら攻撃を決めても22歳の新鋭・ウィルニスは崩れない。2R終盤あたりからじわじわと松本の手数も減り出し、3Rについに右フックでダウンを喫してしまい、その後も反撃に持ち込めず判定負けとなった。


ヘビー級 3分3R
○ジェロム・レ・バンナ(フランス/ドージョー・チャクリキ)
×KOICHI(バンゲリングベイ・スピリット/WPMF日本&M-1ヘビー級王者)※コウイチ・ペタス 改め
3R KO (右フック)



 第1部・DREAMのラストの川尻達也 vs. 小見川道大の余韻も冷めやらぬ中で行われたこの試合。GLORYのキックルールは採用しているが、この試合の後に休憩が設けられ、第2部のGRAND SLAMへ突入という、不思議なポジションだった。
 試合は1Rからバンナがプレッシャーをかけ、サウスポーからの左ミドルを何発もヒットし主導権。KOICHIも右ミドルを随所でお返しするが、バンナの圧力は止まらない。3Rに入ると、KOICHIは意を決したようにしてパンチの打ち合いに応じるようになるが、バンナはカウンターの右フックをクリーンヒットし一撃でKOICHIをノックアウト。12月26日に40代に突入したが、衰えぬ破壊力を印象付けた。

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