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青木・小見川・高谷が快勝。石井慧、課題残る日本初白星

DREAM.16
2010年9月25日(土) 愛知・日本ガイシホール
 ライト級王者の青木真也は柔術家のアウレリオに完勝。フェザー級の高谷、小見川、宮田も磐石の強さを発揮した。緊急参戦で注目を集めた石井慧だったが、準備不足も災いし、判定勝利を果たすも課題の目立つ試合内容となった。
  レポート&写真:井原芳徳


第10試合 DREAMライトヘビー級王座決定戦 1R10分・2R5分
○ゲガール・ムサシ(オランダ/チーム・ムサシ)
×水野竜也(フリー)
1R 6'10" チョークスリーパー
※ムサシが初代王者に

 水野は開始すぐからパンチで前に出て、バックハンドブローの奇襲を仕掛けるなど、先手必勝を狙っている様子。だがムサシが右ストレートを放ちながら水野をコーナーに押し込むと、テイクダウンに成功。プレッシャーをかけながらパウンドを的確にヒットさせる。水野も下から腕十字やアームロックを狙うが、ムサシは難なく対処。じわじわとダメージを与えると、バックを奪ってチョークを狙う。いったん返されて下になったものの、それも数秒ほど。すぐにもう一度上になると、ハーフガードから一気にバックをとってチョークを極めてタップアウト。寝技でも進化を見せ、ミドル級との二階級制覇をやすやすと達成した。



◆ムサシ「今日はベルトを取れたが、まだ二つ目標がある。まずは防衛して、2,3年経ったらヘビー級に移行し、何度か防衛したら30歳ぐらいに引退したい。アメリカでも自分の力を証明したいので、ストライクフォースのライトヘビー級のベルトを取りたい」

◆水野「結果はボコボコにされたけど、背中は見えたと思う。世界のトップレベルの選手を肌で感じ、いい経験になった。それを踏まえてもう一回作り直したい。今回はいきなりタイトルマッチという感じがあったので、本当の意味での地力をつけたい」


第9試合 ミドル級 1R10分・2R5分
×桜庭和志(Laughter 7)
○ジェイソン・“メイヘム”・ミラー(米国/チーム・メイヘム・ミラー)
1R 2'09" 肩固め



 開始しばらくはスタンドの攻防。桜庭は大振りながらも左フックを当て、ミラーもスピードのある膝やミドルで応戦する。桜庭はタックルでテイクダウンに失敗すると、足関を狙いに行くが、ミラーに潰され、背後からパウンドを浴びてしまう。そして桜庭の動きが落ちたとみるや、速攻で肩固めを仕掛けタップを奪った。


第8試合 ライト級 1R10分・2R5分
○青木真也(パラエストラ東京/DREAMライト級王者)
×マーカス・アウレリオ(ブラジル/エリート・ミックスド・ファイターズ)
判定3-0 (大橋=青木/礒野=青木/小路=青木)

 1R、青木は左ミドルで慎重に様子をうかがった後、コーナーにアウレリオを詰めてテイクダウン。だが柔術家のアウレリオは下から足を利かせて脱出し、青木をコーナーに押し込む。それでも青木は差し返して再び上になると、そのままマウントポジションに。だがアウレリオの胴体の乗るのではなく、少し後ろの両腿に足を四の字で巻きつけるような独特の形で上をキープし、鉄槌やパウンドを落とす。アウレリオとのリーチ差があるため、ちょうどパウンドの当てやすい距離だ。
 動きが単調になり、島田レフェリーが「アクション」コールをかけると、青木はセコンドの指示にも従って肩固めを狙うことで動きを作り、いったんサイドポジションに戻す。再び“四の字マウント”になるが、こう着状態になりブレイク。レフェリーはアウレリオにイエローカードを出す。



 だがスタンドで再開後、青木のタックルを切ったアウレリオが、すぐさま青木のバックに回り込みチョークを狙う。無理とみるやすぐさま腕十字に移行。両腕のクラッチをキープする青木は必死の形相だが、動き自体は冷静。じっくり危険な状態を脱して上になり、腕十字をほどく。最後はハーフガードの状態で1R終了のゴングを聞く。
 2Rも青木が序盤から四の字マウントを奪い、肩固めでプレッシャーをかけつつ、パウンドでアウレリオを圧倒。アウレリオは顔面血まみれの状態で終了のゴングを聞く。グラップラー相手に完勝だったものの、青木はコーナーに上ってガッツポーズをしただけで、マイク無しですぐさま退場した。

◆青木「組み技で勝負したけど、安全運転でしたね。塩分濃度の濃い試合でしたけど、内容的には僕の良さが出て、圧倒できたと思います。
(マウントが四の字のような形になったことについて)狙ってはいなかったけど、あの状態で相手の体力を削って削ってと思って。マウントばかり目が行くと思うけど、何度かパスガードもしたからね。
(マイクアピール無しで退場したのは?)つまんないから帰れって言われたから。ま、打撃で勝負したらつまんないって言われるし、組技で圧倒してもつまんないと言われるし、難しいね。
(紹介VTRで子供が生まれると発表していたが、いつ頃?)3月ぐらいかな。俺、オヤジになるんだね。俺は俺で何も変わらないけど、モチベーションになる部分はあるので、これでまた強くなれると思います。
(次は大晦日?)いや、次は大晦日じゃないんですよ。次はDEEPの10周年大会に出たいです。僕が出ることに意味があると思うので。それに備えて、また今日帰って練習します」


第7試合 無差別級 1R10分・2R5分
×ミノワマン(フリー/88kg)
○石井 慧(アイダッシュ/107kg)
判定0-3 (ヒューム=石井/小林=石井/足立=石井)

 石井はアントニオ猪木のテーマ曲をBGMに、赤いタオルを首にかけて登場。試合は序盤から石井が再三コーナーにミノワを押し込んではテイクダウンを奪い、サイドやバックを奪うものの、その先の攻めが雑に終わる展開の繰り返しに。
 石井は上になるとアームロック、肩固めを仕掛けるが、簡単にミノワに防御される。鉄槌やパウンドも出すが、きっちりダメージは与えることができない。上四方、バック、サイドとポジションをあれこれと変えるが、攻めているというよりも、攻めあぐねているから別のポジションに行かざるをえないという印象だ。
 ミノワマンもポジショニングにこだわらない選手のため、簡単に石井に優位なポジションを与える。その流れで1R中盤には、パンクラス時代からのお得意の、前転してからの足関を仕掛ける。石井は辛うじて逃げたものの、最高のヤマ場は結局この場面に。



 石井が体格差も活かしながら全般に渡って攻勢をキープし、日本初勝利を果たしたものの、DREAMという、総合の各団体でのトップファイターが集う場ということもあって、総合の技術の未熟さが目立つ内容に終わった。試合後のマイクでは「なんとか判定で勝つことができて、また早く試合をやれることを願っています」と話したが、その言葉に元気はなかった。
 だが、急遽決まった試合だったため、コンディション調整不足、相手の研究不足となり、ただでさえ経験不足な石井にとって余計やりにくい試合だったはず。話題作りで振り回すことなく、次回は万全の状態で試合ができるよう、プロモーター側には配慮してもらいたいところだ


第6試合 64kg契約 1R10分・2R5分
○高谷裕之(高谷軍団)
×チェイス・ビービ(米国/HITスクワッド)
1R 1'45" KO (グラウンドパンチ)



 開始しばらく、ビービの変則のハイキック、離れ際の膝蹴りを防いだ高谷は、右のフェイントからの左のストレートをクリーンヒットさせ、ビービをダウンさせる。するとすぐさま高谷は、前回のハンセン戦同様、パウンドの連打を正確にビービの顔面にヒットさせて、あっさりと試合を終わらせた。
 マイクを持った高谷は「タイトルマッチから急に変わったけど、急なオファーを受けてくれたビービ選手に感謝します。あと、さっき誰かがフェザー級の中心は俺だと言ってたけど、中心は俺です」と、一度敗れている小見川への対抗意識をむき出しにした。


第5試合 65kg契約 1R10分・2R5分
○小見川道大(吉田道場)
×コール・エスコベド(米国/パシフィック・マーシャルアーツ)
1R 2'30" アームバー

 開始すぐ、至近距離のスピードのある膝蹴りを浴びそうになった小見川だが、すぐさま組み付くと足を掛けてテイクダウン。ハーフから肩固めのプレッシャーをかけながらマウントを奪い、そこからギロチンを仕掛ける。失敗して下になったものの、下からのアームバーを仕掛けると、2度目のトライでガッチリ極まりタップを奪った。



 マイクを持った小見川は「フェザー級の試合がいっぱい組まれたけど、世界のフェザー級の中心は俺だ!」とアピール。恒例の「くそったれ」フレーズはこの日は無かった。


第4試合 63kg契約 1R10分・2R5分
×所 英男(チームZST)
○ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/ヘルボーイ・ハンセンMMA)
1R 2'48" 三角絞め

 試合前の紹介VTRで、所は最近、高層マンションに引っ越したことが紹介される。しかし42(しに)階という不吉な階数のため、悪夢を予感させる煽り方で、そのムードが試合に伝染することに。
 開始すぐ、サウスポーのハンセンのローが、序盤から2連続でローブローに。ハンセンにイエローカード1が出されるが、与えられた2分の休憩時間を待たずに試合再開を希望した所は、ハンセンに押し込まれると、そのままマウントを奪われる。一瞬ハンセンのバランスが崩れ、所は足関を狙いにいくが、パウンドを浴びてしまい再び劣勢に。またもマウントになったハンセンは、そのまま三角を仕掛けて下になり、極めを深くする。所は腰を上げてふりほどくが、ハンセンがすぐにもう一度三角を仕掛けると、ついに所はタップ。得意の寝技で一本を取られる、まさに悪夢の結果に終わった。


第3試合 65kg契約 1R10分・2R5分
○宮田和幸(Brave)
×リオン武(シューティングジム横浜)
判定3-0 (礒野=宮田/大橋=宮田/足立=宮田)

 リオンが膝蹴りのプレッシャーをかけるように、両足を細かく動かすが、パンチで接近すると、宮田のタックルにつかまり一発でテイクダウンを許す。膠着ブレイクがかかったものの、宮田はサウスポーにスイッチして左ミドルを当てると、組み付いてバックに周り、ジャーマンスープレックスを2連続で決めて、バックマウントを奪う。宮田の豪快な攻めに場内は沸きあがる。



 宮田のチョークを防いで立ち上がったリオンだが、その後も劣勢は変わらず。宮田のパンチを浴び、タックルで再三倒される。さらにリオンの膝蹴りが2度ローブローになってしまい、イエローカード1をもらってしまう。判定は文句なしで宮田に軍配。K-1の渡辺一久戦を含め連勝を6に伸ばすとともに、リオンにとっては痛いDREAMデビュー戦となった。


第2試合 65kg契約 1R10分・2R5分
○石田光洋(T-BLOOD)
×西浦“ウィッキー”聡生(STGY)
判定2-1 (小林=石田/礒野=西浦/都鳥=石田)



 宮田同様、石田がリオンの後輩・ウィッキーをタックル地獄で攻めまくる。ウィッキーは完全に倒されて上をキープされることは無いが、防戦を強いられる。2Rもその状態は変わらなかったが、残り1分、タックルを一瞬躊躇した石田の顔面に、ウィッキーの右膝蹴りがクリーンヒット。石田は右頬を切り裂かれて出血し、マウスピースを吐き出し、パウンドの連打を浴びる。終了のゴングに救われたが、ダメージ差でジャッジ1者がウィッキーにつけるスプリットディシジョンによる勝利。DJ戦に続くフェザー級転向後2連勝ながら、ヒヤヒヤの内容だった。


第1試合 ヘビー級 1R10分・2R5分
○川口雄介(BLUE DOG GYM/DEEPメガトン級王者/115kg)
×ジェームス・トンプソン(イギリス/ロンドン・シュートファイターズ/132kg)
判定2-1 (小林=川口/小路=ドンプソン/都鳥=川口)

 1R、川口が最初から相手のお株を奪うパンチラッシュで先手。左右のフックで何度かトンプソンをぐらつかせるが、詰めが足りず、トンプソンのパンチと膝をもらううちに体力を消耗。1R終盤からタックルでトンプソンに倒される場面が増える。
 2Rは中盤以降、トンプソンのマウントパンチをずっと浴び続け、いつストップがかかっても不思議ではないぐらい。川口の敗色濃厚だったが、判定が告げられると両者驚きの表情を浮かべる。
 石田戦もそうだったが、試合全体を見てどちらが勝者かを判断しないといけない、DREAMルールの解釈の難しさがはっきり現れた試合だった。




◆笹原圭一DREAMイベントプロデューサーの大会総括

「格闘技はやっぱり難しい、思い通りにいかない、と感じた大会でした。水野選手、桜庭選手、青木選手、それぞれの局面で盛り上がりはあったけど、全体を通して見ると、桜庭コールや青木コールを発生し辛い、一体感を作りにくい展開になりましたね。
 フェザーは小見川選手と高谷選手が中心のポジション争いをしているのが明確になりました。青木選手は凄いですね。あのアウレリオ相手にあんな圧倒できてしまうのは凄いと思う。桜庭選手には色んな思いがあるんですけど、控室で話したら相当悔しがっていて、このミドル級へのこだわりをもちろん持っているので、また試合をやっていただきたいです。水野選手は残念でした。ムサシ選手は最後まで落ち着いて試合を作って完勝だったと思います。
 石井選手に関しては、凄く正直な気持ちになるんですけど、もう一回見たいって気持ちになりますね。技術的な荒さはもちろんありますけど、戦いに魅力を感じました。今は経験を積むことが大事。もう一度、やっぱり日本でやるのが一番いいと思うので、今度そういうお話ができたらと思います。イベントを作る側の人間からすると、日本のファンに成長物語を見せ、ファンが共感を覚えて、歓声を送るようになればいいと思う。ヘビー級でグラウンドであれだけ滑らかに動ける選手はなかなかいない。下手するとヒョードルよりもスピードがあって、あれは脅威だと思う。スタンドはまだ荒があるけど、グラウンドを磨いたらとんでもない存在になると思いますね」

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