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宇野・エディ・川尻がDREAMライト級GPベスト4に

FEG "HEIWA DREAM.3 ライト級グランプリ 2008 2nd ROUND"
2008年5月11日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ

 宇野薫はシード枠を批判した石田光洋を右アッパーで苦しめ、2Rにチョークを極め完勝。試合後は石田の盟友で、修斗時代に宇野と引き分けている川尻達也が、宇野に対戦を要求した。ヨアキム・ハンセン×エディ・アルバレスは互いが死力を尽くす名勝負に。エディがカリスマの地位を確立した。
第8試合 ライト級GP 二回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
×石田光洋(日本/T-BLOOD)
2R 1'39" チョークスリーパー

 石田は大晦日の「やれんのか!」のロゴの入ったジャンパーを着て入場。PRIDE対HERO'Sを強く意識したパフォーマンスで、ファンを喜ばせる。両者サウスポーの構えで、試合序盤はローで様子を伺う展開。そしてパンチの打ち合いに突入すると、宇野が「練習していた」という右アッパーを炸裂させ、石田は腰から崩れ落ちる。タックルで宇野の突進を食い止めるが、石田は多量の鼻血を出しドクターチェックを受ける。
 その後もパンチの打ち合いと石田のタックルを宇野が切るという展開の繰り返し。劣勢の続く石田だったが、1R終盤に4度目のタックルでテイクダウンに成功。サイドから腕を狙った際に脱出を許すが、再びタックルでテイクダウンすると、今度はサイド、バックと素早くポジションを移動し、チョークを狙う。だがこの展開の防御は昔から宇野が得意とするところ。最後は宇野が上になったところで1Rが終了する。




 インターバル中、宇野は慧舟會東京本部の守山竜介代表から「守りに入るな」と言われたという。さらに宇野は同じさいたまスーパーアリーナでハンセンに試合終了間際にKOされた試合を思い出し、「攻める気持ちで行こう」と思ったといい、その姿勢が2R開始からいきなり功を奏する結果に。
 宇野は1R同様、石田の前足に左ローをヒット。すると石田はまたもタックルを仕掛けてくる。切った宇野に対し、石田が1Rと同じようにバックを取ろうと動くが、それに素早く反応した宇野は、逆に石田のバックに周りこみ石田の首を捕らえる。宇野は両足で胴絞めすることなく、そのままチョークを極め石田がタップアウト。勝った宇野は川尻のコーナーを指差した後、コーナーポストに登ってガッツポーズ。石田との因縁もあいまってか、殺気を帯びた表情はしばらく消えず、久々に宇野の勝負への執念が爆発した試合だった。

第7試合 ライト級GP 二回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
×ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー)
○エディ・アルバレス(米国/ファイト・ファクトリー)
判定0-3 (三宅=アルバレス/ヒューム=アルバレス/小林=アルバレス)

 開始すぐの打ち合いで、サウスポーに構えたハンセンに対し、アルバレスは右フックを当て、ハンセンがマットに倒れる。すぐさまアルバレスは覆い被さるが、ハンセンは下から腕を狙い、それを嫌ったアルバレスは脱出する。
 その後のパンチ戦でハンセンも右ストレートを当てるが、的確さと破壊力ではアルバレスが上。1R中盤にもアルバレスの右フックでハンセンの腰が沈むが、ハンセンはすぐ立ち上がって意地を見せ、場内を沸かせる。アルバレスは打ち合いの後に何度も上に。ハンセンの防御が堅く、その先の攻めになかなか持ち込めないが、1Rは優勢のまま終了する。

 2R はハンセンが挽回。下になった後、足を効かせてリバースすると、腕十字を仕掛ける。脱出を許すが、スタンドではパンチを当て、アームロックのままグラウンドに持ち込んで腕十字。一瞬極まりそうになるが、アルバレスは体を一回転させて脱出。立ち上がったアルバレスは両手を上げ「効いていない」とアピール。アルバレスの驚異的な身体能力に場内は大盛り上がりだ。さらに最後は攻め疲れたハンセンに対し、アルバレスが右ハイを当てるが、ハンセンはぐらつきながらも倒れず。死闘が終わると同時に、両者はマットに膝をついて頭を下げて互いの健闘を讃え、観客もスタンディングオベーションで名勝負誕生の瞬間を喜んだ。
 判定は打撃でハンセンを苦しめたアルバレスに軍配。試合後、ハンセンはマイクを持つと「エディ、今までで戦った選手の中で君が一番強かったよ」とアルバレスを讃え、アルバレスも「ハンセン選手がいたからこんなに素晴らしい試合ができた。この試合は二人とも勝者だ」と答えた。
 閉会式後には、退場するアルバレスに対し、大勢のファンが「エディ!エディ!」と自然発生的に連呼する光景も見られた。ジダ戦に続くこのハンセン戦のわずか2試合で、アルバレスが日本の格闘技界でカリスマの地位を確立したといえよう。

第6試合 ライト級GP 二回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○川尻達也(日本/R-BLOOD)
×ルイス・ブスカペ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
判定3-0 (足立=川尻/小林=川尻/礒野=川尻)

 川尻はブスカペのタックルを潰して上なると、パウンドをヒット。腰を浮かした際に脱出を許すが、スタンドでもパンチを当て優勢。2Rもパウンドとハーフからの顔面への膝蹴りで攻勢を維持する。終盤にブスカペにバックを取られたものの、チョークは落ち着いて防御し、文句無しの判定勝ちをおさめた。

 メインで盟友・石田が宇野に負けた後、閉会式で川尻は「PRIDEとかHERO'Sとか関係ないんですけど、宇野選手、俺と戦って下さい」とアピールした。宇野は「試合が終わったばっかりなので考えられない。これから検討したい」と態度を保留した。興奮した川尻が宇野に歩み寄り、レフェリーが川尻を制止する一幕も見られたが、共同インタビューで川尻は「熱くなって迷惑をかけた。反省している」と話し、「ただ宇野選手と戦わせてもらいたい。いろんな感情がある」と付け加えた。

 宇野のシード枠に対し、石田と川尻が不満を述べたという因縁もあるが、宇野と川尻の因縁はそれだけではない。元修斗王者・宇野は03年12月、UFCから古巣の修斗に戻り、当時王者だったシャオリンとの対戦を希望。それに川尻が不快感をあらわにし、04年3月に対戦が実現。死闘となったが引き分けに終わり、その後、宇野はHERO'S、川尻はPRIDEと戦場を移し、交わる事がなかった。川尻にとって、宇野は一ファイターとして避けて通れない選手。「PRIDEとかHERO'Sとか関係ない」という言葉には、そういった意味も込められている。

 だがトーナメント自体は、二回戦の残り1試合の青木×永田が6/15横浜アリーナに延期となったため、準決勝の組み合わせは未定。準決勝〜決勝は7/21大阪城ホール大会で行われる。主催者側ではファン投票、くじ引き等の方法での組み合わせ決定も検討している。
 勝ち残った選手の一人のアルバレスが「要するに他の3人のうち戦わない選手は1人しかいないわけだから、誰とでも戦ってもいい状態にしておかないといけないことに変わりは無い」とクールに語っていたように、どの組み合わせになろうと、宇野×川尻が実現する可能性は高く、また、優勝への道は険しいことに変わりはない。

第5試合 ウェルター級チャンピオンシップ代表者決定戦 77kg契約 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○ニック・ディアス(米国/シーザー・グレイシー柔術)
×井上克也(日本/和術慧舟會RJW)
1R 6'45" TKO (タオル投入:スタンドパンチ)

 ディアスが直前のオファーだった影響で、76kgのウェルター級から、1kg多い契約体重に変わった。だがそのことを差し引いても、ライト級転向のためにパンクラスのウェルター級王座を返上した井上との体格差ははっきりとしていた。開始すぐからリーチを活かした左右のストレートを何発もヒットさせ主導権。井上は鼻血を出して下がり、パンチを貰い続けるうちに失速。最後はディアスが左ストレートや右アッパーを何発も当て、井上をフラフラにさせたところで、井上のセコンドからタオルが投入された。

第4試合 ライト級 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○中村大介(日本/U-FILE CAMP.com)
×チョン・ブギョン(韓国/チーム・ユン)
2R 1'05" KO (右ストレート)

 両者ともグラウンドで得意の腕十字を仕掛け、さらに中村はU系の選手らしく足関を狙うが、互いに詰めが甘くなり脱出を許す。スタンドでもパンチが交錯するが、的確さでは中村が上。2R、左のガードを下げた状態からジャブを放ちつつ、「作戦通り」という右ストレートをクリーンヒットさせ、見事KO勝ちをおさめた。

第3試合 ミドル級GP リザーブマッチ 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショー・タイム)
×キム・デウォン(韓国/CMA KOREA 正進MMA)
1R 4'08" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

 デウォンはスタンドの差し合いの攻防でマヌーフに力負けせず、パンチの打ち合いでもマヌーフをぐらつかせる等健闘。マヌーフは先月末にオランダでのボンヤスキー戦でKO負けしており、脳が揺れやすくなっている恐れもある。その後もデウォンがサイドポジションを奪いチャンスを得るが、マヌーフはリバースに成功するとサイドからデウォンの頭に膝蹴り。後頭部に当たったような反則気味の攻撃だったが、動きの止まったデウォンに鉄槌を連打し、勝利をもぎ取った。
 試合後マイクを持ったマヌーフは「オランダでの試合の後、『オイ、メルヴィン、2週間後にDREAMの試合があるよ』と言われた。PRIDEと HERO'Sが一つになったDREAMに出ることは夢だった。今回はトレーニングの時間が無かったが、夢をかなえるため、次は強い姿を見せたい」とアピールした。
 さらにマヌーフは共同インタビューで、「ボンヤスキー戦で蹴られて肺の後ろに血液が溜まった。血を抜かないと試合ができないと言われて血を抜く手術をした。肺にはチューブが入っている。傷が広がるのが嫌だったのでアグレッシブに戦えなかった。トレーナーに『夢をつかめ』と言われ勇気づけられた。手術のことは主催者には伝えていない。勝てたのでこう話している。今日は誕生日なので勝ててよかった。次のDREAMまで2週間あるので、万全の状態で臨みたい」と驚きのコメント。マヌーフの闘志は讃えたいが、主催者側には選手の安全管理を徹底してもらいたい。

第2試合 ミドル級GP 一回戦 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○ジェイソン・ミラー(日本/チーム・メイヘム・ミラー)
×柴田勝頼(日本/ARMS)
1R 6'57" TKO (レフェリーストップ:マウントパンチ)

 柴田はパンチ戦の後にギロチンを狙うが、ミラーは難なく防御して上になるとあっさりとマウントに。モンゴリアンチョップを落とす等、完全に実力差を見切った攻めだ。その後はサイドポジションとを再三往復し、頭にパンチと膝蹴りを落とし、最後は右のパウンドの連打で試合を終わらせた。試合後のマイクアピールでは「ワタシハバケモノ」等と日本語で絶叫。観客にキャラクターを印象づけた。

第1試合 67kg契約 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○山崎 剛(日本/GRABAKA)
×昇侍(日本/KIBAマーシャルアーツクラブ/パンクラス・ライト級王者)
判定3-0 (都鳥=山崎/三宅=山崎/小林=山崎)

 昇侍はパンクラスのチャンピオンベルトを肩にかけて入場。セコンドには所英男がつく。山崎陣営には菊田、三崎の姿が見える。昇侍は再三得意の飛び膝を放つが、一発狙いに終始してしまい、その都度山崎のタックルで倒されてしまう。先月末のパンクラスの試合前に膝を負傷しており、その試合の時同様、足の踏ん張りが不十分なようにも見えた。グラウンドになると、山崎は何度もサイドやマウントを奪い、1R終盤には腕十字で勝利寸前のところまで行く。昇侍も再三ピンチを切り抜けるが、チャンスに持ち込めず。新設される模様のフェザー級の前哨戦は、山崎の完勝に終わった。

  • レポート:井原芳徳
  • 写真:井原芳徳

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