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MIKU、リサ・ワードから一本。Barbaro快勝

DEEP TOYAMA IMPACT
2009年6月28日(日) 富山・テクノホール
  レポート:木佐木昭


第8試合 メインイベント DEEP女子ライト級(48kg)タイトルマッチ 5分3R
○MIKU(クラブバーバリアン/王者)
×リサ・ワード(米国/ユナイテッド・ファイトチーム/挑戦者)
3R 2'53" 腕ひしぎ十字固め
※MIKUが2度目の防衛

 48kg以下級においてもはや国内に敵無しとなってしまったMIKUがリベンジすべき相手は、3年前のスマックガールでMIKUが敗戦に追い込まれているリサ・ワード。NFCとFFFの女子フライ級王者となっているそのリサ・ワードは3本目のベルトを奪って世界に敵無しと謳えるか。明らかな実力差のあった前回の闘いから3年の時が経ち、成長著しいMIKUに対してリサ・ワードがどれだけ成長しているのかが勝負の鍵を握る。

 金色に光る2本のベルトを両肩に掛けたリサ・ワードが入場し終えると、入場ゲート周辺に『MIKU』と書かれた数々ののぼりが集結。暗闇の空間、そののぼりに細かくフラッシュする白い光が差し、富山のMIKUファンの大歓声が沸くと、数々ののぼりをかき分けるようにMIKUが姿を現す。ベルトと花束を持ち、黒いパーカーから時折り見えるMIKUの表情は既に戦闘態勢。3本のベルトが日本の一地方である富山のリングに集まった。世界一決定戦という前触れ通りの一戦だ。

 1R、先に攻めるのはMIKU。MIKUが遠い間合いから右ローを空振りさせて、リサがパンチを放って互いに組み合うとそのまま首投げでテイクダウン。投げられながらもMIKUはすぐ下から攻めをうかがい腕十字と三角絞めを狙う。パウンドを打つかパスガードしたいリサだが、MIKUの反応が速く三角絞めの形を作られてしまうと、リサは立ち上がってMIKUを持ち上げて重力を使って振り落としながら技を解くが、リサが座りかけた瞬間にまたMIKUは三角絞めを仕掛ける。三角絞めからリサの腕を伸ばして腕ひしぎ三角固めを極めようとするMIKUだが、リサはMIKUの顔を足でまたいでなんとか危機から回避する。

 三角絞めの形を解かれたMIKUは尻を天井に向け、柔術で言うところのバルボーザエビのガード状態からホレッタ(うつ伏せになって相手の片方の腕を掴んで、自分の股間から手前に持ってくる状態)を仕掛け、再度三角絞めを狙う。だがリサもMIKUの足に乗って潰し、三角絞めを掛けさせずパスを狙う。この一連の動きで、打撃を得意としながらもMIKUが柔術をベースとした選手であることが理解できる。

 パスさせなかったMIKUはすぐガードに戻すと一旦リサに抱き付いてリサの頭を下げさせて、ハイガードから腕十字を狙う。これがまたハマり、リサは腕を伸ばされそうになりながら中腰ぐらいまで立ち上がってMIKUを持ち上げて落とすが、MIKUは腕を取ったまま離さない。リサはバランスを崩し背中をマットに付き、極まったかと思わせたが、素早く自分の足を MIKUの顔に掛けて極めさせない。リサはもう片方の足をMIKUの胴体に絡ませて腕十字を一時的に凌ぐが、お互い寝た状態のまま。残り時間は1分。 MIKUはその寝た状態で腕十字から三角絞めに移行、これも成功しそうに見えたがリサは足を絡ませたまましっかりガードすると同時に立ち上がってMIKU のバックに回り、1Rの残り時間が少ないと判断したのかバックポジション取りには拘らず、チョークの極めを最優先した動きを見せるが、すぐに終了のゴング。

 2Rに入るとMIKUは得意とする走りながらのジャブと同時に組み付いてテイクダウンする。猪木アリの状態からMIKUはリサの太ももを蹴り、それを嫌がったリサが立ち上がると、MIKUは跳び付きクロスガードから引き込んで、1R同様にハイガードで下からの極めを狙う。寝技を警戒するリサがMIKUに抱き付くと、MIKUは抱き付かれたまま踵でリサの背中を蹴りまくるがレフェリーがブレイク。

 再開後、リサの右ストレートがMIKUの顔面を捉えるが、MIKUはお構い無しに距離を詰めて組み付く。リサが首投げを仕掛けると、MIKUは投げられそうになりながらロープに体を乗せて粘ってバックを狙うも、地面に落ちてクロスガードを作るのが精一杯。だがMIKUは下からアームロックを仕掛けて、極めには至らずもそのままスイープして初めて上を取る。ハーフガードで守りたいリサだが、リサのハーフガードが完全ではなかったため、MIKUの容赦無い膝蹴りを脇腹に浴びる。ハーフの状態からの膝蹴りという定石では考えにくいMIKUのその攻撃にリサは成す術がなく、ハーフガードを更に緩めて自分の頭をMIKUの近くに自ら差し出してしまいフロントチョークの餌食となってしまう。MIKUがフロントチョークの形を作るとリサが首を抜こうともがき互いに一回転し、MIKUが首を捕らえたままマウントポジションに。

 2R残り1分。リサはフロントチョークを耐えながらなんとか凌ぐとマウントからも脱出してタックル。しかしMIKUはがぶってタックルを切ると、前に走ってリサの体を押し潰してサイドへ行こうとするがロープに邪魔される。運にも助けられたリサは素早くガードに戻そうとすると、MIKUは一発狙いの膝十字固めを仕掛け、虚を突かれたリサは足を伸ばされそうになるが、そこでゴング。

 14試合中1試合しかない女子の試合が総合格闘技の大会のメインとして1500人の観客を満足させる事ができるのか。一時も止まらない積極的な攻防、互いの戦略性に満ちた闘いを見せ付けられれば、その考えは杞憂だと分かった。

 5分3Rという試合時間も当然の事かのように、3Rに突入して行く。MIKUは前蹴りからまた走りながらのワンツーで組み付いて、リサをコーナーに押し付ける。得意なのかリサはまた首投げを仕掛け、MIKUはロープ際で耐えながら互いにもつれ合ってグラウンドへ。そしてバックを取ったのはMIKU。リサがすぐ反転してマウントになるとMIKUはパウンドで攻めつつ、サイドに移動しリサの脇腹に膝蹴り。次の膝蹴りを打とうとしてMIKUとリサとの体の間にほんの少し空間が出来た瞬間、リサはガードに戻して両足でMIKUの体を蹴り押して逃れる。

 しかし、それがリサの最後の力だったのか。蹴り押されて立ち上がったMIKUは、立てずにグラウンドで座ったままのリサの背後に飛び掛かる。リサが不用意だったと言うより、MIKUのその瞬時の判断・行動が素晴らし過ぎた。バックに回られながらもリサも反応してガードに戻そうとするがMIKUはパスし、片足はリサの顔面を乗り越え、リサの顔と肩の上に座って身動きを取れなくさせて腕ひしぎ。タップしたのか、リサにはもうそんな力も残っていたのか分からないが、レフェリーが両者の間に滑り込むと、観客席から会場が割れんばかりの歓声が上がった。

 試合後、師匠でありセコンドも務めたクラブバーバリアンの福本代表に泣きながらMIKUが抱き付くと、師匠の目にもうっすらと涙らしきものが見える。そして観戦に来ていた藤井惠がリングに上がりマイクを持ってMIKUの勝利を祝うコメントを残した。しかしこの二人の対戦が実現に向かうようなやり取りは行われなかった。これで名実共に世界一の女子となったMIKU。幸せな幕切れに大会終了後もしばらく観客が会場に居残り、MIKUの勝利を祝福し続けていた。

 DEEP女子ライト級王座の二度目の防衛を果たしたMIKUだが、その強さゆえ皮肉にも対戦相手、つまり挑戦者を探すことすら難航する現状。今回のこのリサ戦での完勝劇により、対戦相手がさらに絞られてしまいかねないという絶対王者が抱く孤独。その孤独を癒してくれるような下から突き上げて来る選手が育つのを待つのか、それとも、階級を上げて更なる上の戦場を目指すのか。シュートボクシングに参戦したようにルールの違う競技でまた王者を目指すのか。今後のMIKUの動向・活躍に注目したい。


第7試合 セミファイナル ライト級 5分3R
○Barbaro44(クラブバーバリアン)
×伊藤崇文(パンクラスism) 
2R 4'07" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

 パンクラスismの選手がDEEPに参戦する事は少なく、伊藤の参戦は7年前まで遡ることとなる。伊藤もバルバロも、主戦場とするリングでは共にベルトに今一歩届かない実力者と位置付けられ、団体間のレベルをも計る闘いとして注目できる好カードだ。伊藤のセコンドには、第4試合後にリング上でマイクを持って挨拶したミノワマンの姿もある。

 1R、互いに距離を計りながら先に動いたのは伊藤。伊藤が左ミドルを蹴った瞬間、バルバロはタイミング悪く顔を下げてしまい被弾。バルバロがパンチを出すと伊藤は滑り込むようにタックルでテイクダウンへ。しかし、バルバロはテイクダウンされそうになりながら伊藤に背を向けて流れるように膝十字固めへ。これは極まらなかったがグラウンドで上を取ったバルバロは右膝を伊藤のボディに蹴り込む。伊藤はクロスガードに戻して腕十字を狙い、バルバロはパウンドを打つが空振る。伊藤はその瞬間立ち上がってバックに付かれるがロープにもたれブレイク。

 また伊藤がタックルでテイクダウンしてハーフガードまで抜けるが、バルバロは下から伊藤の左腕にアームロックを狙う。伊藤は空いている右手でパウンドを放つと、バルバロは自らアームロックを解いて、互いに立とうとした際に伊藤がタックル。しかしこれはバルバロが切ってブレイク。遠目からの打撃戦の素振りを見せながら伊藤が片足タックルに行くと、バルバロはがぶって、自分の胸で伊藤の両肩と首の付け根を押さえ付けながらクルっと伊藤のバックに回る。そのあまりの速さと正確さに伊藤は対応できずバックを奪われる。バルバロは四の字フックでチョークをうかがいながら伊藤の顔面にパンチを3発見舞う。伊藤はその腕を掴んで反転してバックから逃れ、バルバロはクロスガードに。残り時間30秒、互いに殴り合いながら過ごす。

 2R、積極的にタックルで攻める伊藤。タックルで組まれてしまってもバルバロは何とか耐えながら立ってバックに回る。しかしこれもロープ際のためブレイク。伊藤は左ミドルをガードされた後、右のジャブをフェイントに片足タックル。足を持たれながらもバルバロは倒されないように耐えて、がぶると伊藤を座るような体勢で下にして押し潰す。その瞬間、バルバロは少し下がって距離を作るとサッカーボールキック。この試合はグラウンドでの頭部への蹴りが認められているDEEP特別ルールだ。その蹴りを浴びて亀ガード気味になる伊藤、バルバルはすかさずサイドバックに付き、ひたすら鉄槌を打ち込む。伊藤はディフェンスもままならないまま耐えると、バルバロが立ち上がって再度サッカーボールキック。しかしその蹴りを放った瞬間バルバロはバランスを崩して空振りし、伊藤は一命を取りとめる。

 伊藤はそれを見逃さず片足タックルでテイクダウンし、ガード内からパウンド連打で反撃。伊藤は中腰で立って更に強烈なパウンドを打ち降ろす。ガードしながらバルバロもダメージを負う。しかしそこから展開が続かずブレイク。伊藤はまたタックルに行くが、それまでのようなキレのあるタックルではなく、バルバロは容易に切ってがぶる。タックルを切られてしまった伊藤はがぶられた状態でマットに座り込む体勢になってしまい、バルバロはがぶった状態から少し立ち上がって距離を空けて、そこにある伊藤の顔面めがけ3度目のサッカーボールキック。これをまともにもらってしまった伊藤は後ろに倒れ込み、バルバロのパウンド連打の追撃を受けるとレフェリーが試合を止めた。

 かなり危険な終わり方だったが、試合後バルバロが勝利を祝われるかたわら、伊藤は満足行かない様子でリング上を歩き回り、時折り首をかしげ、何かしらの言葉を発しながらセコンドになだめられてリングを後にした。一方マイクを持たされたバルバロは恥ずかしそうにし、内容を聴き取れないような小声で挨拶をして喜んだ表情で締めくくった。


第6試合 フェザー級 5分2R
○アライケンジ(パンクラスism)
×渡辺匡宏(U-FILE CAMP 岐阜)
2R 1'13" チョークスリーパー

第5試合 無差別級 5分2R
○誠悟(フリー)
×徳蔵(東亜常真会)
1R 1'04" ネックロック

第4試合 ライト級 5分2R
○五十里祐一(パンクラスP's LAB東京)
×青木隆明(禅道会)
判定3-0

第3試合 60kg契約 5分2R
○青山 忍(和術慧舟會富山支部SPO青山)
×坂元寛史(NASCER DO SOL)
判定3-0

第2試合 ライト級 5分2R
○梶田高裕(GSB)
×大杉ジャカレ優也(TEAM HODA)
1R 3'36" KO

第1試合 インスタントカーマ presents おやじキックルール 64kg契約 2分2R
○滝田TETSU郎大先生(クラブバーバリアン)
×神道雅宏(アレス)
1R 1'43" KO

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