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大月、石川をKO。真弘&元気完勝。廣野が金星

Krush.2
2009年3月14日(土) 東京・後楽園ホール
 全試合K-1ルールを採用したKrushも2回目。メインでは大月晴明が持ち前の爆腕を活かしKO勝ちしたが、谷川Pの評価は辛口。逆に山本真弘・ファイヤー原田が高い評価を得た。70kgでは山内裕太郎がまさかの敗戦を喫した。
  レポート:井原芳徳  写真:久保与志


第9試合 K-1ルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
○大月晴明(AJKF/WPKC世界ムエタイ・ライト級王者)
×石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
3R 2'37" KO (右フック)
※3Rバックブローで石川に1ダウン

 ここ数年怪我に泣かされ、最近10戦で6勝(3KO)4敗と勝ち越しながらも、デビューから18連勝の頃のような輝きが感じられなかった大月。だが今回は戦前、「今回は右がフルスイングで打てる」と話していたとおり、持ち前の爆腕が炸裂することに。
 試合は両者とも慎重な出だし。大月はいつものようにガードを下げ、独特のフェイントで隙をうかがう。石川も公開練習で見せたとおり、大月の動きの対策はバッチリ。大月が獲物をみつけた野獣のようにフックで飛び込むと、石川は長い足を使った前蹴りやミドルで迎撃してみせる。



 全試合K-1ルール採用の今大会だが、オープンスコアリングシステムは採用されず。普段の全日本キックの試合と大差ない雰囲気と緊張感のまま2Rに突入する。中盤、バッティングで石川が頭部をカットしドクターチェックが入る。大月にも注意1が宣告されるが、両者とも冷静さは失っていない様子だ。
 試合は均衡状態が続く。大月はフックで飛び込む前に、右ローで下に意識を散らしたり、構えをスイッチしてみせたりと、いろんな引き出しを開けてみせる。K-1ルール初挑戦の石川は、得意の肘・膝を封じられているためか、逆に引き出しのバリエーションの乏しさに困っているようにも見受けられる。
 試合がようやく動いたのは、集中力が限界に達してくる3R中盤だった。石川がこれまで同様に膝蹴りで飛び込もうとすると、大月はここまで封印していた得意のバックブローを見事ヒットさせてダウンを奪うことに成功する。なんとか立ち上がった石川は、飛び膝を再三放つが、大月の猛攻は止められず。最後は左と右のフックの連打をもらい撃沈。10カウントギリギリで立ち上がろうとするも、足元がおぼつかずそのままマットに倒れ込んだ。




 4年前の小林聡戦の大月の勝利タイムは3R 2分31秒。今回もそれにほぼ近いタイムと勝ちパターンだった。当時は右肘のじん帯を痛めた状態だったが、昨年12月で35歳になった大月は、右拳が完治したといえど体のあらゆる箇所にガタが来ていても不思議ではない。苦しい戦いが続く中で、31歳当時の小林戦で見せた巧さがより熟成され、今回の勝利につながったようにも思える。
 本部席で試合を見届けた谷川貞治K-1イベントプロデューサーは「自分の戦い方に持ってくる迄が凡戦に見えちゃうところが課題。手数が少ないのが歯がゆい」と大月に対してやや辛口の評価だったが、逆にそういったタイプの選手をどう光らせるかも、プロデューサーの腕の見せ所だろう。野球のWBCでは大月と同学年のイチローが、個人成績では苦しみつつもチームの中でリーダーシップを発揮している。大月のカリスマ性・天才性・個性的な技術はイチローに相通じるものがあり、活かし方次第ではK-1ライト級戦線の旨味がより増すようにも思える。


第8試合 K-1ルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
○山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級王者)
×国崇(拳之会/NJKFフェザー級王者)
判定3-0 (野口30-26/和田30-26/豊永30-26)
※2R左フックと左飛び膝蹴りで国崇に2ダウン

 大月とは対照的に、谷川氏の評価が高かったのは真弘だった。サウスポーの構えから、右のフェイントを仕掛けながら左フックを当てると、セコンドの後藤龍治の指示を聞きつつ、パンチに固執せず左のインローを叩き込む。さらにはパンチ連打と左ハイのコンビネーション、国崇のローに合わせての右フック等、多彩な攻めで国崇を圧倒する。テクニックの多彩さでは国崇も定評があるが、真弘を前にすると普通の選手に見えてしまう。劣勢の国崇陣営が「バックブローや」と奇襲の指示を連呼すると、真弘はバックブローに対してパンチの連打で迎撃してみせる。

 リング上を完全に支配した真弘は、2Rも圧巻の攻め。パンチで国崇が距離を詰めると、ワンツーからの左フックで最初のダウンを奪う。国崇は立ち上がるも、真弘のノンストップの左フックの連打に防戦一方。さらには国崇のお株を奪うような飛び膝蹴りで2ダウン目を奪う。国崇はこれで額をカットし、ドクターチェック。再開すると、やや体力回復になったか?国崇は左ボディ、飛び膝、バックブローといった得意な攻めがようやく出るようになる。




 3Rも真弘が多彩な攻めで観客を魅了するが、国崇も粘り強く攻撃を返し、NJKF王者としての意地を見せる。判定は大差で真弘。谷川氏は「ダントツでいいのは真弘選手。今まで60キロの選手を見た中で一番いい。完璧な勝ち方」「国崇もいい選手だった」と両者を讃えた。




第7試合 K-1ルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
○山本元気(DTS GYM/全日本スーパーフェザー級1位)
×梶原龍児(チームドラゴン/WFCA世界ライト級王者)
判定3-0 (朝武30-28/野口30-28/勝本30-28)
※3R左膝蹴りで梶原に1ダウン



 「右の殺し屋」のキャッチフレーズが長年定着している元気だが、前回の桜井洋平戦同様、「左」の破壊力も活かして勝利をもぎ取ることに。パンチを得意とする両者は、1Rから激しくフックを交錯。スリリングな攻防に場内は度々どよめく。互いに被弾するが、額で受ける等して決定打を防ぐ。2Rまでは五分の展開。パンチでは勝負がつかないと考えたか?元気は3R中盤から左ミドルを活用すると、梶原の表情が歪むように。その隙を見逃さなかった元気は、接近戦で左ボディ、左膝を叩き込み、ダウンを奪取。その後はKOしきれなかったものの、元気が今回も破壊力で観客を魅了した。




第6試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R(延長1R)
×山内裕太郎(AJジム/全日本スーパーウェルター級王者)
○廣野 祐(NPO JEFA/J-NETWORKスーパーウェルター級&ミドル級王者)
4R 判定0-3 (和田9-10/野口9-10/朝武9-10)
3R 判定0-0 (和田30-30/野口30-30/朝武30-30)

 全日本キックの中量級のエースとして、K-1ルールでの活躍も期待された山内だったが、過去に無いほどの動きの悪さ。1Rはサウスポーの廣野を中心に回り続け、2Rに入るとようやく左ボディ等のパンチが出るようになるが、威力は不十分。望月を葬った変則の前蹴りも空を切り続ける。3Rに入るとスタミナの消耗が明白に。廣野にも決定的な攻めが無く、延長にもつれ込むが、山内はリング上で動くのがやっとの状態で、右のテンカオは度々空振り。廣野に度々詰められてパンチをもらい、まさかの判定負けを喫した。




第5試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R(延長1R)
○喜入 衆(フォルティス渋谷/元J-NETWORKスーパーライト級王者)
×後藤友宏(青春塾/全日本ウェルター級9位)
判定3-0 (朝武30-27/和田30-27/豊永30-27)
※3R飛び膝蹴りで喜入に1ダウン

 互いに得意とするローの打ち合いとなったが、耐え抜いたのは喜入のほう。2R終盤、左フックから右ローへの連打で後藤をぐらつかせると、3R、二段飛び膝蹴りで豪快にダウンを奪う。後藤も残り時間、山本優弥を彷彿させる左ミドルで少し反撃したが、喜入が逃げ切った。

第4試合 K-1ルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
○岩切博史(月心会/全日本フェザー級2位)
×ファイヤー原田(ファイヤー高田馬場/J-NETWORKライト級4位)
4R 0'45" TKO (ドクターストップ:パンチによる口内のカット)
3R 判定1-0 (和田30-28/芹沢29-29/豊永29-29)



 1R、ファイヤーが蹴り足をつかんでのローや、左フック等で手数多く攻める。だが2R、開始すぐから岩切がファイヤーをコーナーに詰めパンチラッシュ。ファイヤーはコーナーから逃げることなくブロックし続け、左ローの連打で応戦する等して会場を盛り上げるが、ラウンド終盤にはさすがにもらい過ぎてフラフラに。3Rは打ち合いに持ち込み、「来い!」と挑発して観客を楽しませる。3Rも岩切が取ったと思われたが、なぜかジャッジの評価は厳しく延長へ。とはいえファイヤーに余力は無く、岩切のパンチをもらうと出血が激しくなりドクターストップがかかった。
 岩切が勝利したものの、観客と谷川K-1プロデューサーの印象に残ったのはファイヤーのほう。谷川氏は「いいですね。上松君と戦わせよう」と早くもK-1でのマッチメイクに思いを馳せていた。



第3試合 Krush! Rookies Cup決勝戦 60kg契約 K-1ルール 3分3R(延長1R)
×森井洋介(藤原ジム/全日本フェザー級8位)
○白濱卓哉(建武館/全日本ライト級7位)
判定0-3 (野口27-29/勝本27-29/豊永27-29)
※1R右フック、右アッパーで森井に2ダウン

 小林聡と同じ長野出身の森井だが、トランクスと動きは山本真弘に近い雰囲気。だが大月晴明を彷彿とさせる白濱の右フックと右アッパーで1Rに2ダウン。3Rにはパンチと右ハイで反撃したが、あと一歩及ばずプロ9戦目にして初黒星を喫した。白濱はこれで藤原ジム勢相手に3連勝。60kgだと動きがシャープで、Krush戦線での今後の活躍が大いに期待できる。

第2試合 K-1ルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
○卜部功也(西山道場/K-1甲子園2008準優勝)
×石井振一郎(チャモアペットムエタイアカデミー)
2R 1'18" TKO (ドクターストップ:前蹴りによる顔面のカット)

 1Rからパンチの連打にローをつなげる攻撃を積極的に放ち、伸び伸びと試合をしている印象を受ける卜部。中盤に石井のカウンターの右ストレートを被弾するが、中間距離から得意の左フックを勢いよく放っていき、石井にプレッシャーをかけ続ける。終了間際にはハイキックを放ったところで1Rが終了。
 2Rに入ると卜部のローがローブローになってしまい試合が一時中断。だが、その後は右フックで石井の動きを止めると、前蹴り一閃。石井の口の下を切り裂くことに成功し、その後も再び前蹴りをクリーンヒットさせ、ドクターストップによるTKO勝ちを呼び込んだ。


第1試合 K-1ルール 60kg契約 3分3R(延長1R)
○嶋田翔太(島田塾/2008全日本新空手K-2軽量級王者)
×林 将多(日進会館/播州杯グローブ空手軽量級三連覇)
4R 2'29" KO (右ミドルキック)
3R 判定1-0

 嶋田が距離を取りながらロー、ミドルを放ち、距離を詰めてきた林に対し強烈な膝を突き刺す。2Rには林のアッパーを被弾し鼻血が出てしまうも、ワンツー、膝、ミドルとコンビネーションをまとめて反撃。林は嶋田のミドル、膝を受けボディが効いているのか蹴りの距離を嫌ってパンチを振り回す。だが、嶋田は前蹴りで冷静に対処。
 最終ラウンドの嶋田はいきなり飛び膝で奇襲を仕掛け、パンチの連打でプレッシャーをかけるが、林のストレートから右フックを被せた攻撃を受けてしまう。後半には効いているボディにテンカオを有効に使うが、ジャッジの支持は一者しか得られず延長戦に。しかし、最後は序盤から積極的に使っていた右ミドルを林のボディにグサリと突き刺しKOで試合を終わらせた。


オープニングファイト第2試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R(延長1R)
×影日“ポパイ”和徳(ボスジム)
○中島弘貴(バンゲリングベイ)
2R 0'41" KO

オープニングファイト第1試合 K-1ルール 70kg契約 3分3R(延長1R)
×ハイン・ディオ(チャモアペット・ムエタイアカデミー)
○小室武稔(チームドラゴン/2008全日本新空手K-2中量級王者)
判定0-3 (28-29/28-30/27-29)


望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン)引退セレモニー



 第6試合終了後の引退セレモニーでは、望月を高く買っていた小林聡GMが花束を贈呈し、師匠の大江慎氏は、タイで作ったという記念ベルトを贈呈。望月は関係者に礼を述べ、「チャンピオンにはなれませんでしたが、山内選手ど2度タイトルを賭けて戦えて満足です。完全燃焼できました」「これからはキックボクシング界、全日本キック発展のために少しずつ頑張ります」等とメッセージを残し、10カウントゴングを聞いた。




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