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vsタイで日本負け越し。石川TKO負け

SWORD FIGHT 2008 〜日本vsタイ・5対5マッチ
2008年9月19日(金) 後楽園ホール
 元ラジャダムナン王者のペッエークに挑んだ石川直生だったが、得意とする肘で逆に切り裂かれ無念の黒星。だが山本真弘、吉本光志は殊勲の白星を奪い、敗れた山本優弥もムエタイとの戦いで充実感を得ていた。 
第8試合 日本vsタイ・大将戦 59kg契約 3分5R
×石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
○ペッエーク・ソー・スワンパクディー(タイ/元ラジャダムナンSバンタム級王者)
2R 2'59" TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)

 興行当日は、台風が関東に接近中で、メインイベントが始まるころには雨足が増してきていた。そして、石川がペッエークの一瞬の肘で敗れあっさりと試合が終わってしまった時、観客は一斉に家路へと急いだ。会場はあっという間に閑散とし、メインのあっけなさを一層際立たせた。

 石川は得意の肘を逆に喰らい、初のカットによるTKO負け。それは15針も縫うはめになった傷以上に石川自身の心に深いダメージを与えた。「それがキックのおもしろさであり、怖さでもある。それを自分が観客に伝えたかったですが、逆に自分が身を持ってやられてしまいました」。

 1Rからペッエークの、スタンスを細かく変え、肘を振り回し、挑発を繰り返す変則的なリズムに石川はペースを掴めないでいた。そんな試合をじれるように観客からは野次も飛んだ。だが、石川は「試合前からこの攻めで行こうと思っていた」とボディ攻めを多用し、それにローを被せた攻撃で「意外と早く効き始めた」と手応えを感じた様子で、しっかりと次に繋がる1Rを演じてみせた。

 そして2R。石川がローの回転率を上げ、ペースを掴みかけた時、「見えなかった」とペッエークの下から突き上げる一瞬の肘が石川の額をえぐった。切られた石川は、傷の深さを悟ったのか呆けたように天を仰ぐ。対するペッエークは自分の肘を指し、満面の笑みで会場にアピールする。試合展開は石川に期待を抱かせるものだったたけに、ペッエークと会場とのコントラストの違いはあまりにも明確だった。

「自分の得意技でやられて…悔しいですね。うん…悔しいです」。インタビュールームに登場した石川は、落ち込んでいる様子を隠せない。「ロー、ボディが早く効いて、それで組み立てていこうと思っていたのに。焦っているつもりはなかったのですが…もっと組み立てていくべきでした」。相手の肘について問われると「肘の打ち合いを楽しんでしまいました。勝負してやろうという気持ちが出てしまいましたね」と、肘に対する自信が裏目に出たことを悔いた。

 結果は2勝3敗でタイに負け越し。対抗戦はダウンの無い判定試合が続き、いまいち締まらない雰囲気が会場にはあった。そして、勝ち越しが期待されたメインイベントが、あっけない結末での不完全燃焼。
「ハッピーエンドを掴み損ねた感じです」。その石川の最後の言葉に、今回の興行は集約されているように感じた。

◆ペッエーク「自分は200戦以上を経験しているから、自信はありました。(石川選手の印象は?)あまり上手くないと思っていました。長い試合をする選手。長引いたら危なかったです。日本の人は応援してくれるし、優しい人が多いですね」


第7試合 日本vsタイ・副将戦 58kg契約 3分5R
○山本真弘(藤原ジム/全日本フェザー級王者)
×コムパヤック・ウィラサクレック(タイ/M-1 Sバンタム級王者)
判定2-0 (野口50-48/和田49-49/豊永50-48)



 序盤から距離を詰め、パンチの連打からローのコンビネーションでスピーディーな攻めを見せる真弘。コムパヤックも単発でミドルを返すが、真弘の勢いを止める程ではない。2Rからは飛び膝を交え、3Rには右肘でカットにも成功する。
「日本人が相手の時は足を使って戦えるけど、タイ人が相手だとどうしてもペースを合わせてしまう。自分のペースを意識して戦いたい」と試合前に話した真弘。その言葉通りに、回りながらコツコツとローを当て、なおかつパンチの連打も当てるスピード感溢れる攻めに「これぞ真弘!」と感じたファンは多かったはずだ。
 お互い決定打はなかったものの、常に先手で試合を動かした真弘が、昨年5月のモンコントーン戦以来の対タイ人の白星を勝ち取った。


第6試合 日本vsタイ・中堅戦 55kg契約 3分5R
×藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
○チャートピチット・ソー・ポンチャイ(タイ/ラジャダムナン・フライ級8位)
判定0-2 (朝武49-50/野口49-49/梅木48-50)

 1Rからチャートピチットが右ボディストレートを皮切りに、左右のフックにミドルを重ねる連打であらしを圧倒。あらしは相手の圧力に否応なしに下がる展開を強いられる。
 2Rになるとチャートピチットのミドルを含めた蹴りが加速を始め、あらしは完全に後手に回ってしまう。しかし、セコンドの「ジャブから!」の声に反応し、ジャブからローの正攻法で少しずつ試合を組み立てていく。
 だが、やはりチャートピチットのミドルは強烈で、あらしの脇腹はみるみる赤く染まっていく。しかもあらしが距離を詰めパンチで活路を見出そうとすると、カウンターのテンカオを合わせてくる。中盤の打ち合いでパンチをヒットさせたあらしだが、チャートピチットの手数の多さに、後手に回り続ける。
 チャートピチットは1週間前に試合をした影響があるのか、あらしのローに嫌そうな様子を見せていた。あらしの逆転勝ちも感じさせたが、最後まで相手の衰えない手数を前に、自分の攻撃をさせてもらえず判定負けを喫した。

◆チャートピチット「相手はローが上手で、勝つのに苦労しました。蹴ってもすぐに反撃してきたので。これからも伸びてくる選手だと思います」



第5試合 日本vsタイ・次鋒戦 68kg契約 3分5R
×山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
○サムランチャイ・96ピーナン(タイ/元タイ国プロムエタイ協会ライト級王者)
3R 2'25" TKO (ドクターストップ:肘打ちによる頬のカット)

 1R、様子見のサムランチャイに対し、優弥が積極的に左ミドルと左ボディをヒット。2Rに入ると優弥の強打を警戒してか、首相撲で優弥を捕まえる時間が長くなる。石川直生が「体術としての首相撲がうまい」と評していたが、優弥はたびたびサムランチャイにマットに転がされる。それでも優弥は右フックと右アッパーを当て、3Rにはサムランチャイから鼻血を誘う等健闘するが、肘打ちをもらうと頬に穴があき、無念のドクターストップ。唐突な幕切れだったが、それでも優弥はムエタイのトップファイターとの戦いで多くを得た様子だった。

◆優弥「負けたのにこんなことを言うのは良くないかもしれないけど、今までの試合で一番楽しかった。技の駆け引きが楽しくて、10Rぐらいやりたかった。この人をもっと知りたいと思った。一目惚れした感じですね。(試合前は『ハズレのタイ人』と予想していたが?)アタリでしたね。(頬の傷について)水を口に含んだら貫通しました」



第4試合 日本vsタイ・先鋒戦 63kg契約 3分5R
○吉本光志(AJジム/IKMF東洋ライト級王者)
×カノンスック・ウィラサクレック(タイ/M-1フェザー級王者)
判定3-0 (勝本49-48/野口49-47/梅木49-48)

 序盤戦、カノンスックがスピードを活かし、左ミドルと左肘の手数で優勢。2Rには吉本の額を切り裂く。だが大幅な増量の影響か、3Rに入るとスタミナが落ち、吉本の右フックを浴びるように。4R以降は吉本が度々カノンスックをコーナーに追い詰め、サンドバッグ状態でパンチや右膝を何発も当てる。カノンスックはグロッキー状態で何度もダウンしそうになる。吉本も攻め疲れてしまい倒せなかったが、見事逆転判定勝ちに成功した。

◆吉本「勝ててホッとしています。負けたくなかったので。(初のムエタイだったが?)めっちゃしんどかったです。(今後も戦っていく?)もちろん。逃げることはできないですよね。出口はないです。
(小林聡GMから声をかけられていたが?)『もっと強さを出していけ』と言われました。
(1、2Rを相手に取られ、後半自分のペースを取れたが?)諦めないことですね。技術では勝てないので、“勝ちたい”という気持ちが勝ったんだと思います」



第3試合 フェザー級 3分3R(延長1R)
×正巳(勇心館/全日本フェザー級8位)
○ソルデティグレ・ヨースケ(U.W.F.スネークピットジャパン)
2R 2'00" TKO (ドクターストップ:右肘打ちによる額のカット)

 ヨースケが開始早々から右肘を振り回し、1R終盤には右のフックを度々当て攻勢。2Rには右肘で正巳の額を切り裂き快勝。フェザー級ランク入りを確実とした。



第2試合 58kg契約 3分3R(延長1R)
×岩切博史(月心会/全日本フェザー級6位)
○白鳥 剣(モンゴル/新東金ジム)
判定0-2 (勝本29-29/梅木28-30/野口29-30)

 白鳥がサウスポーからの左ストレートを的確にヒット。岩切も3Rには打ち合いで右ストレートを当てるが、終盤は白鳥のパンチで度々ぐらつき、判定負けを喫した。


第1試合 フェザー級 3分3R
×石井振一朗(チャモアペット)
○小山泰明(建武館/2007年度・全日本学生キックフェザー級王者)
判定0-3 (26-30/26-30/25-30)

[オープニングファイト]

第3試合 スーパーフェザー級 3分3R
△中向居尚輝(S.V.G.)
△大前力也(WSK/KSS健生館)
判定0-0 (30-30/30-30/30-30)

第2試合 フェザー級 3分3R
×KOTARO(SOUL GARAGE)
○伊藤将彦(STRUGGLE)
判定0-2 (30-30/29-30/29-30)

第1試合 ライト級 3分3R
×丹藤義則(AJジム)
○原田直樹(青春塾)
判定0-3 (27-30/28-30/27-30)

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