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今成、29秒殺で2階級制覇。MIKUが初防衛

ファイティングロード presents DEEP 37 IMPACT
2008年8月17日(日) 東京・後楽園ホール
 今成正和はMMAでは初めて62kgまで落としタイトル戦。持ち前の足関で梅村寛を秒殺し、DREAM参戦へ弾みをつけた。MIKUは豪快な左ミドルで瀧本美咲を粉砕した。[完全版]
第12試合 DEEPバンタム級(62kg)初代王者決定戦 5分3R
○今成正和(Team-ROKEN/前DEEPフェザー級王者)
×梅村 寛(NEX-SPORTS)
1R 0'29" ヒールホールド
※今成が王者に



 試合が始まると、小刻みなステップを踏み、梅村を見据える今成。ミドルで牽制すると、飛び膝で一気に距離を詰め、そのまま倒れ込んで梅村の足に絡み付く。すると瞬く間にヒールホールドでキャッチすると、梅村は表情を歪めたまらずタップ。今成の必殺コースがガッチリとハマり、MMA 8連勝と好調だった梅村を30秒かからずに料理した。
 今成はマイクを持つと「まあ、なんとか勝てました。(今後は)もう一つ上のところへ行きたいなと思います。応援よろしくお願いしま〜す」と、今成らしいゆるい喋りで、上の舞台であるDREAMへの挑戦を会場のファンに明言した。

 試合後、DEEPの佐伯繁代表は「試合時間って何秒? 29秒? あれはないでしょう〜。梅村も名古屋から応援団がバスで来ているっていうのに…」と苦笑しながらも、「まあ、今成はこの階級では世界トップクラスでしょう」と話し、今回の試合を圧倒的な形で勝利した純DEEP選手を誇らしげに讃えた。
 DREAMへの派遣については「時期とタイミングが合ったら」と具体的な内容は未定としながらも、PRIDEの時の73kgとは違い、DREAMには今成にぴったりの階級がある。登場は時間の問題だろう。
 DREAMフェザー級は中心人物であるKIDが怪我で戦線離脱。ファンの間でにわかに今成待望論が起こっているのは事実だ。DREAMには「視聴者」「視聴率」という、選手にとってまた違った敵が存在しているが、今成には相手を完膚なきまでに破壊する足関節があり、KOとはまた違った視点で視聴者へのアピールが期待できるはず。そんな足関十段が、大舞台で大化けする可能性は大いにある。


第11試合 DEEP女子ライト級(48kg)タイトルマッチ
○MIKU(クラブバーバリアン/王者)
×瀧本美咲(禅道会/挑戦者)
2R 4'40" KO (左ミドルキック)
※MIKUが初防衛


 両者通算4度目の対戦。キャリアで勝る瀧本が最初の2戦は腕十字で制したが、攻守トータルで進化したMIKUは、昨年6月のDEEP新宿大会で腕十字でリベンジ。その後、渡辺久江を下して王座を獲得し、完全に追うものと追われるものの立場が逆転しての試合となったが、MIKUが去年以上の差を見せつけて完勝した。


 柔術がベースで、どちらかといえばグラップリングのイメージの強かったMIKUだが、近年はキックルールにも挑戦しており、昨年2月には名門・OGUNIジムの選手を、首相撲からの膝蹴りでKOしている。今回の瀧本戦ではその打撃技が炸裂。ヴァンダレイ・シウバのようなクリンチで瀧本を捕らえると、左右の膝をボディにめりこませる。離れても鋭い右ストレート、右ローを効かせ、着実に瀧本にダメージを与える。数少ない寝技の場面でも、下から三角を仕掛けたり、すぐさまリバースしたりと、瀧本に反撃の隙を与えない。

 圧巻はそのフィニッシュだ。2R後半、防戦一方となった瀧本に右ローで下を意識させた後、左ハイをヒット。さらに左ミドルを当てると、瀧本はくの字に折れ曲がり苦悶の表情を浮かべる。さらにもう一発MIKUが左ミドルを当てると、瀧本は悲鳴をあげてマットに倒れ込み試合が終了した。
 試合後マイクを持ったMIKUは「絶対に文句が言われないぐらいに勝とうって、打撃を磨きました」とコメント。打投極の全てで隙の無くなったMIKUが、不動の地位を築きそうな気配だ。


第10試合 フェザー級 5分3R
△DJ.taiki(フリー)
△キム・ジョンマン(韓国/CMA KOREA)
判定0-0 (竹村=ドロー/梅木=ドロー/豊永=ドロー)

 パンクラスのトップランカーであるDJが、DEEPのリングに初登場。今年5月に海外での試合を勝利し、今回は約9ヶ月ぶりの日本での試合だ。試合前の会見では、自身のバンド「ファントムズ」の新メンバー紹介に終始するなど、特異なキャラを存分に際立たせ、日本で久々のDJ節を発揮。「試合前にこいつらの熱の入ったパフォーマンスでジョンマンを威嚇して、入場時点で勝ってみせる」と、入場でのファントムズ投入をアピールしたが、当日の観客は呆気に取られている感があり、会場はなんともゆるい空気に包まれてしまう。

 素っ頓狂なパフォーマンスを見せるDJだが、試合に関しては会場のファンが固唾を呑んで見守ってしまう程の緊張感を作り出すことができる選手。試合が始まると、お互い倒すパンチを持っているだけに、慎重な立ち上がり。DJが鋭い右ローを当てるが、逆にジョンマンのフックを度々被弾し、プレッシャーをかけられ先手を許す。クリーンヒットはないものの、ガード越しでも重いジョンマンのパンチに印象は悪い。対するDJは、右ローで活路を見出す。このローが有効で、カットできないジョンマンの足がラウンドを通じて少しずつ流れ始める。

 2R、両者近い距離で試合が進むため、緊張感が途切れない。相手のフックに左フックを被せたDJのカウンターが少しずつ当たり始め、重ねて右ローもコツコツと当て続ける。
 3R、ジョンマンが肩で息をし始めパンチスピードも落ちてきたものの、先手でワンツー、右フックも思い切り振り抜く。また鋭いインローも当て、DJを苦しめる。ラウンド中盤には、両者足を止めて打ち合い、その様は真剣での斬り合いを思わせる緊張感だ。終盤にはDJが左ジャブを数発当て、右ローを連打するなど僅差のまま試合終了。

 判定は3者平行線のドロー。DJは初参戦のDEEPでインパクトを残すことができず、三島の持つタイトル争いでは一歩後退といった感じか。だが、前田吉朗、星野勇二とも引き分けているジョンマン相手にスキルフルな15分間を演じられたことは、一つの好材料を残したと思う。


第9試合 ミドル級 5分2R
○桜井隆多(R-BLOOD)
×瓜田幸造(掣圏会館)
1R 3'22" 腕ひしぎ十字固め

 瓜田を中心に二人は動きながら打撃戦が始まる。桜井の強烈なフックが連打で入ると、ダウンする瓜田にパウンドで追撃。瓜田はサイドからもパンチを浴びながら中腰のままタックルに行き、スタンドに戻る。
 ブレイク後、桜井の左フックを皮切りにまたパンチの交換が始まるが、桜井は瓜田のフォロースルーを見抜き、立ったまま瓜田のバックに回る。転がしてグラウンドで桜井がバックを奪うと、勢いでバックマウントへ。桜井はパンチを打ちながら、中腰で立って桜井を振り落とそうとする瓜田の左腕に腕十字を仕掛ける。その腕十字は瓜田も極めさせないが、今度はマウントに移行し、パウンドを嫌がる瓜田が反転しようとしたところで腕をキャッチし、腕十字で仕留めた。
 勝利後マイクを握った桜井は、「良かったらでいいんで」という言葉を何度も織り交ぜながら、「自分のTシャツをそこ(売店)で売ってますので買って下さい」とお願い。試合での殺気とは一転した腰の低さで観客の笑いを誘った。


第8試合 90kg契約 5分2R
○滑川康仁(Team M.A.D)
×クラウジオ・シウバ(ブラジル/クラブバーバリアン)
1R 2'59" 腕ひしぎ十字固め

 滑川が打撃で最初から一方的に攻め立てる。そして滑川はタックルを切られながらもしぶとく組んでテイクダウンすると、ガードを抜けてサイド、上四方と移る。そこからノースサウスチョークで攻めると、キャッチされながらもクラウジオが意地と馬鹿力で反転して立って逃れる。逃げようとするクラウジオを滑川は組んでコーナーへ追い詰めると片足タックルでテイクダウン。と同時にサイドを奪いアームロックを仕掛けつつ腕十字に切り換えてそのまま鉄槌連打。両腕をクラッチして、防御が出来ずに鉄槌を受け続けて暴れるクラウジオだったが、滑川は冷静に腕を伸ばして180度以上に曲げると試合が決した。


第7試合 ライト級 5分2R
×Barbaro44(クラブバーバリアン)
○菊野克紀(ALLIANCE)
2R 2'34" TKO (レフェリーストップ:左前蹴り→グラウンドパンチ)

 現在のDEEPのリングで赤丸急上昇中の選手が、柔道と極真空手をベースにする菊野克紀だ。中学と高校は柔道に打ち込み、九州大会で66kg級3位に。高卒後は極真の内弟子として5年修行し、九州と関西の大会で優勝している。上京すると高阪剛のAスクエアに入門。2007年後半には膝の怪我で長期欠場するも、2006年から現在までDEEPで連戦連勝を重ね、試合内容もアグレッシブで好評価を得ている。
 今回の相手はDEEPのトップランカーであるBarbaro44。今回の勝者が、ハン・スーファンの保持するライト級のベルトに大きく絡んでくることが予想されるため、両者落とせない一戦でもある。

 試合はBarbaroの得意分野である打撃を菊野が圧力で封じ、逆に左ハイでBarbaroを下がらせるなど、菊野が打撃で主導権を握る。「今までは極真空手が総合で活かせなかったが、今回ようやく総合で出せるようになりました」と、終盤にも左フック、左ハイとヒットを重ね、打撃に手応えを感じている様子の菊野。また、フィニッシュの複線にもなる鋭い膝もボディに突き刺しラウンドを終える。菊野は5分間休まずに動き続けるため、1RでBarbaroを完全に飲み込んでしまう。
 2RにはBarbaroの左フックを被弾するものの、下がらずに前に出続け、最後は1Rに効かせたボディに前蹴りを決め、くの字になった相手にパウンドを連打し完勝した。


第6試合 78kg契約 5分2R
○石川英司(GRABAKA)
×窪田幸生(坂口道場)
2R 0'55" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

 序盤から距離を詰めテイクダウンを狙う石川だが、窪田の腰の重さに苦戦する。また、中盤に初めて上になり得意のパウンドを放つが、窪田にうまく立たれてしまいポジションをキープすることができない。
 だが2R序盤にテイクダウンを奪うと、一旦はフロントチョークに捕まるが、外した後すぐさまパウンドを連打して窪田をパウンドアウトした。勝利のゴングが鳴った瞬間、セコンドの三崎和雄が真っ先に飛び込んでいき、石川の復帰5戦目にしての初勝利を祝う。石川も約4年振りの勝利ということもあってか、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。


第5試合 DEEP 対 和術慧舟會 全面対抗戦 ミドル級 5分2R
○福田 力(GRABAKA)
×尾崎広紀(和術慧舟會東京本部)
判定3-0 (木村=福田/竹村=福田/森山=福田)

 福田が得意のレスリングでグラウンドに持ち込むと、終始福田の時間が続く。福田がパウンドと鉄槌で攻めると尾崎が我慢強く防御し、決定的な場面にまでは至らない。2Rには尾崎が三角絞めで唯一の見せ場を作るがしのがれてしまい、福田が最後までポジショニングで圧倒。対抗戦は2勝1敗1分でDEEPチームの勝利に終わった。


第4試合 DEEP 対 和術慧舟會 全面対抗戦 ライト級 5分2R
○松本晃市郎(今田道場)
×井上誠午(和術慧舟會GODS)
2R 1'32" TKO (レフェリーストップ:右アッパーでダウン後)

 1R、松本はノーガードから低くジャンプして跳び込みパンチで攻める。井上はローで応戦するが自分の距離感が掴めず、松本の跳び込みフックを右、左と喰らいダウン、・・・なのだが松本は一切追い打ちをせず井上に回復の機会を与えて立たせてしまう。立ち上がった井上に対して松本はまた跳び込んで左フックを見舞うと2度目のダウンを奪う。今度はグラウンド戦に応じパウンドを落とす松本だが、井上がガードから松本の腕を捕りアームロックに行くと何とかそれをこらえスタンドへ戻る。そこからはお見合い状態が続き、井上はローとハイキックを打ち分けるが、松本は距離を遠くとってカウンターのジャブを一発当てる以外容易に近付かない。
 2R、松本は独特のノーガードの構えから普通の構えに変えてくる。しかし跳び込んでのパンチは相変わらずで、井上のローとハイを受けつつもアッパーでお返し。動きの悪くなった井上に対し、松本がもう一発強烈なアッパーを当てると井上はリングに倒れた。


第3試合 DEEP 対 和術慧舟會 全面対抗戦 ウェルター級 5分2R
×北崎 鎮(禅道会)
○九十九優作(和術慧舟會TIGER PLACE)
1R 3'04" チョークスリーパー

 九十九がジリジリと動くその周りを北崎が回りながら、北崎が一方的にヒットアンドアウェーで攻める展開が続く。北崎の打撃をかいくぐって九十九がタックルでテイクダウンすると、変わった感じでサイドポジションを取り、そこからチョークスリーパーの形を作る。北崎の顔が苦痛に歪むと九十九はポジションを変えて、しっかりバックを奪ってそのままチョークを極めた。


第2試合 DEEP 対 和術慧舟會 全面対抗戦 ライト級 5分2R
△LUIZ(禅道会)
△三浦 忍(和術慧舟會TIGER PLACE)
判定1-0 (竹村=LUIZ/梅木=ドロー/森山=ドロー)

 『DEEP対和術慧舟會』の先鋒戦だが、『DEEP対修斗』という見方もできる一戦。三浦は修斗では6戦1勝3敗2分と苦戦しており、DEEPで気鋭の若手と評価されるLUIZを相手に浮上のきっかっけを掴みたいところだ。
 1R開始すぐ、LUIZが得意のキックを打ち分け三浦の動きを止めるが、三浦は我慢するとタックルで反撃。LUIZはグラウンドで下から腕十字、三角絞めを仕掛けるが、三浦の防御が強くブレイク。スタンドに戻るとまたLUIZの攻勢となる。「やっぱりLUIZ有利か?」と会場の雰囲気が出来上がりそうになったところ、三浦の出した左のパンチがLUIZの顔面を強打。1R残り時間1分を互いにグラウンドで時間を過ごし、2Rに入るとLUIZの打撃が復活するものの、三浦はLUIZのキックをもらいながらカウンターの右でLUIZをよろけさせる。その後はグラウンドでは三浦がLUIZを苦しめ、スタンドでは互角の打ち合いとなり、三浦が1Rの劣勢をひっくり返してドローの判定で終わった。


第1試合 無差別級 5分2R
○ハマー(ロシア/IMPACTロシア)
×イム・ジュンス(韓国/CMA KOREA)
1R 3'08" アキレス腱固め

 「WFC」と書かれた謎のベルトを誇らしげに掲げながら入場するハマー。元キックボクシングの選手で、戦跡は6戦6勝5KO。総合格闘技に転向すると、2戦2勝2KOというパーフェクトレコードを残しているが、存在は依然謎のまま。この選手に注目したいのは、やはりKOの山を築いた打撃だろう。だが、試合は意外な展開に流れていく。
 試合が始まると、すぐ組み付きにいったハマー。両差しで組むことに成功し、投げを見舞うもジュンスはそれをこらえる。その後、フロントチョーク、アキレス腱固めと技を移行させていくが、フィニッシュに持ち込むことはできない。グラウンドで下になったハマー。パウンドから足関節に切り替えたジュンスの攻めを、逆にアキレス腱固めで返し一本勝ちを奪うことに成功した。
 「なんなんだあいつは」と、ストライカーなのに寝技一辺倒の試合を見せたハマーに佐伯代表も苦笑い。ハマーはマイクで「これからはDREAMに挑戦する」と話したが、次の試合では鋭い打撃を日本のファンに見せてくれるだろうか?


[フューチャーファイト]

第3試合 ライト級 5分2R
○佐藤宗幸(蒼天塾)
×大杉ジャカレイ優也(TEAM HODA)
2R 3'00" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第2試合 78kg契約 5分2R
×マコドラゴン(禅道会)
○高木健太(フリー)
1R 1'22" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第1試合 75kg契約 5分2R
○石井智大(NEX-SPORTS)
×堀 鉄平(トライフォース柔術アカデミー)
1R 3'46" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 レポート:本庄功志(第12,10,7,6,1試合)、木佐木昭(第9,8,5-2試合)、井原芳徳(第11試合)
 写真:井原芳徳

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