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酒井代表、統一ルール移行後も「20年の歴史は21年、22年と続いていく」

 米国のWSOFとの業務提携と、ケージ&統一(ユニファイド)ルールへの移行を27日に発表したパンクラスの酒井正和代表が29日、新宿のパンクラス事務所で記者会見を行った。酒井氏は新団体WSOFの選手契約に対する柔軟性と堅実な経営を高く評価。「選手は1試合1試合が勝負で、勝ち負けが履歴書に残る」と話し、統一ルールの正確な導入に向け努力する姿勢を示しつつ、「20年の歴史は21年、22年と続いていく」とも話し、既存ルールや90年代の掌底ルールでの試合や、ism主催興行再開にも意欲を示した。
――現時点で決定しているWSOFへの参戦選手はいますか?
酒井「今のところまだ無いですね。ただうちのチャンピオンは出して行きたいんで、(ライト級の)ISAO選手とか(バンタム級の)石渡(伸太郎)選手とか(ウェルター級の)佐藤(豪則)選手とかは、世界でどのぐらい実力があるのか見たいですし、向こうさんも思ってると思いますんで、これから具体的に。来年の向こうのスケジュールに合わせてチャンピオンを送り込みたいと思います」

――WSOFと提携に至った経緯を教えてください。
酒井「かなり前からWSOFをマークしてて(パンクラスの代表に就任した)去年6月の会見で『ケージはやっていきます』と話をしてるんですけど、どのタイミングでケージをやるか考えていて、やるんであれば徹底的にやりたい中で、WSOFさんと私の考えが似てて。急速に話をしたのは10月の初旬ですね」

――1か月足らずで急速に?
酒井「そうですね。ある程度先方さんも私の方を調査していたと思いますし、私も1年間見てましたんで、あとは会えば急速に話が進む状態だったかなと思ってます。それまでは人を介して話していましたが、10月入ってから直接やらせていただいた感じですね」

――提携相手としてWSOFがふさわしいと思った理由は?
酒井「私がパンクラスを引き継いで『ゼロからのスタート』という表現をさせてもらってるんですけど、やはり総合格闘技からMMAにシフトしていく流れはとても大切だと思うんですね。他のメジャー団体さんはどうしても柔軟性の部分では、今後新しいことをやってく上では、もう確立されちゃってる部分が非常にあると思うんですよ。その中で(WSOFが)私の考えと近いのは、彼らもリスクを考えながら、スピーディーにいろんな展開を図ってきてますよね。彼らの2012年の設立と、僕の去年6月からのゼロからのスタートは、非常に合ってるというかですね。どうせパートナーで組んでいくならそういう団体さんと一緒にやれたほうがお互いにメリットが出てくるんじゃないかと思いました」

――まだWSOFは1年経たない団体で、いつまでも継続するかわからないことへの不安は無かったでしょうか?
酒井「それは会社を興したら誰でもリスクを持ってるという話だと思うんですよね。一般社会でも何が起こるかわからないですし。ただ、彼らは決して派手なパフォーマンスをやってきているわけでは無いんですよね。地に足をつけてやっていくビジネスモデルを確立しています。今後成長していくでしょうし、来年はWSOFとしても世界戦略を歩んでいくんじゃないですか。その中で私たちもそういったノウハウを共有させていただいて。パンクラスがやっていることも、リスクを回避しながら、いかにギャランティを選手に還元できるか?なおかつ『世界標準』に向けてグローバルな展開を図ってないといけない時期でもあるのかなと私の中では感じているんですね。そういった意味では、WSOFさんは堅いビジネスモデルをされてるんじゃないかとずっと思ってましたんで、その辺は私のほうでは心配はしていません」

――日本法人(WSOF JAPAN)がWSOF本体への窓口になることで、先にWSOFと契約している岡見勇信選手と抵触したりはしないんでしょうか?
酒井「ならないですね。基本的に日本法人の役割というのは、彼ら(WSOF)がやってるナンバーシリーズを日本で開催する窓口だったり、『ロード to WSOF』みたいな人材発掘の機会だったり、あとは日本におけるPR活動が主なんですよね。基本、日本人選手の契約形態がどうなるかというと、WSOF本体と契約になります」

――その場合、パンクラスの選手が向こうに上がる場合は、両方と契約をすることを止めないということですか?
酒井「そうですね。例えば他の(海外の)団体さんだと、日本から行く場合、長い縛りがあったりとか、いろんな環境があると思いますし、それ自体は仕方ないと思うんですよね。で、その中で私共は単発の契約だったり、複数試合の契約だったり、それは話し合いでやらせていただくことになります」

――WSOFで契約している選手がパンクラスに来日することは?
酒井「十分ありますね」

――現在開催中の『ワールドスラム』と今回のWSOFとの提携とはリンクしますか?
酒井「そこは難しい問題もあると思います。ワールドスラムはパンクラスのオリジナリティもあるので、ここは協議しながら進めていきたいと思ってます。ワールドスラムの優勝者がWSOFに参戦できる権利を取得できるというところも入ってますので、そこはパンクラスとWSOFの棲み分けの部分になるかと思います。ただ、ワールドスラムは当初いろんな階級をやろうと思ってたんですけど、緩やかな活動にならざるをえないと思います」

――実際にWSOFを現地で見た感想は?
酒井「まだ大会が6回目じゃないですか。私の中ではこうしたらいいんじゃないかというところも多かったんで、向こうからも『サカイ、どうだった?直すところはあるか?』と逆に聞かれて、いくつかアドバイスをやらせていただきました。大会は非常に盛り上がってて、観客が大会を盛り上げる感じが凄くありましたね」

パンクラス酒井正和代表(左)とWSOFレイ・セフォー代表
――WSOFのレイ・セフォー代表は日本とも馴染みが深い方ですが、話し合いはどうでしたか?
酒井「おっしゃる通りで、彼は日本流の考えもわかってて、WSOFジャパンのライセンスを僕が取得するにあたっては、『日本は日本のやり方がある』というのを(セフォーが)強く訴えかけてて、それをレイも含めて彼らがよくわかってまして、今後も非常にスムーズにやりやすいんじゃないかなと思ってます」

――WSOFの日本大会はいつごろやりたいですか?
酒井「そうですね、僕的には5月ぐらいかな?と思ってるんですよね。向こうの昨日か一昨日のメディアの話だと、早々にやりたいという話も出てるんですね。向こうはテレビ(NBCスポーツネットワーク)が入ってくると思いますんで、ベストのところをチョイスしてやりたいなと思います」

――ルールを変えるにあたって、パンクラスオフィシャルルールの附則に選手会とかと協議しないといけないような文言があったと思うんですけど、そのあたりの手続きはどうなるんでしょうか?全くそのまま(統一ルールを)輸入することになるのでしょうか?(※パンクラスオフィシャルルールの附則には「本ルールの改正は、実行委員会、パンクラス、審判部および選手会の承認を経たのちに公布されなければならない」と書かれている)
酒井「基本は全く輸入なんですよ。ジャッジがいかにユニファイドルールに対応できるか、そこが問題だと思うんで、WSOFとも話してるんですけど、定期的に向こうで実際にジャッジをやってもらって、それを日本で持って帰って、日本でやれればと。ユニファイドルールってそんなに単純じゃないと思うんで。で、パンクラスルールは残りますんで。リングはパンクラスルールで、ケージでやるナンバーシリーズはユニファイドルールになったってだけの話なんで、規則には触れてないんですね。関係各所には事前に案内を出して承諾を得てますんで、そこは問題ないかなと思ってます」

――ランキングやチャンピオンは、ケージもリングもどちらも加味しながらでしょうか?
酒井「基本はケージになると思いますね。ただ、そこは一回みんなで集まって協議して、どうしようか決めたいと思ってます」

――試合場がケージになりますが、ディファ有明を主戦場にすることは変わりませんか?
酒井「変わらないです。さきほどもディファに行って来まして、寸法を測ってきました」

――これからケージを作ることに?
酒井「もうオーダーかけてるんですよ。ケージはデカゴンという10角形のケージになります。サイズから何までWSOFと同じものです」

――パンクラスは20年間リングでやってきて、そこがガラッと変わることで、パンクラスのカラーが薄まるのでは?という部分があるんですが、どういったところでパンクラスらしさを残して行こうと考えていますか?
酒井「20年間は大切なものもあって、それはずっと残していかないといけないんですね。ただ今の若い人が、パンクラスというよりかは、UFCの選手だったりとか、見てる所が昔と変わってきたと思うですね。私はそこの時流に合わせないと先に進めないな、というところがあったんで、今回ケージに決断しているんですけど。とはいいながら、ナンバーシリーズ以外はリングを残したイベントだったり、飛ばしになっちゃうんですけど、東京道場の復活も私は模索しています。パンクラス独特のイズムですね。ism興行的なものはスピンオフで計画もして、完全なMMAと総合格闘技を分けて考えていきたいと、私の中では思ってるんですね。20年の歴史は21年、22年と続いていくと思います。必ずしもケージがベストということでは無いのかもしれません。ただ、今、最良の答えというか、若い人が夢を持って世界に行ける道筋としては、私が今回取った選択は間違ってはいないのかなと思ってます」

――トップ選手の中には、あくまでUFCに行きたいと思ってる選手もいると思うんですけど、その場合はどういう対応に?
酒井「それはもう、気持ちよく(送り出すことで)いいと思います。まあ、WSOFを選んだ理由はそこにもあるんですけども。他の(海外の)団体さんになっちゃうと、どうしても縛りみたのが出てきて、なかなか他所に出れない環境が出てくると思うんですね。WSOFはそういうのは全く無いんですよね。フラットな考え方を持ってるので、私たちも組みやすくて。逆にWSOFに日本人が参戦する場合はパンクラス経由で独占でやらせてもらって。ただし、他の、パンクラス選手も含めてですよ、UFCからオファーがあれば、当然そっちに行ってもらうという形を取らせていただきます。
 あとは(プレスリリースの)コメントでも入れたんですけども、UFCで頑張ったけども日本に戻らないといけなくなった時に、ホームというのをしっかり持って、またラスベガスとか世界に行けるインフラを日本で持ってたら、やはり気持ちよく、UFCに行ってた選手も(日本でも試合が)できるんじゃないかなというのがありますよね。選手が日本に戻ってくる場というか、こんだけ世界に日本人選手が出てますから、そういうインフラを持つことも必要不可欠かなと思ってます」

――日本から参戦する場合の独占契約というのは、向こうが、パンクラスの紹介じゃないともう契約しませんよ、という形ですか?
酒井「いろんな考え方があると思うんですね。パンクラスに参戦することが条件だったり、例えばもうレジェンド級の選手がWSOFに参戦したい場合に、またゼロから(パンクラスで)ってわけにはいかないじゃないですか。そこは話し合いをさせてもらってできればと思ってます。
 ただ、この独占契約の意図というのは、パンクラスにとってピラミッド構造を作り上げるためのとても大切な部分なんですね。誰でもWSOFさんに行ける窓口があったら、ピラミッド構造ってのは作れませんので、アマチュアからプロになってパンクラスのリングで戦って世界に行けるんだという夢を与えることが必要だと思うんですね。言い方を変えると高圧的なイメージで取られやすいんですけど、そういうことじゃなくて、あくまでMMAの道筋というのをしっかりと立てるというのが僕の役目かなという感じですね」

――ナンバーシリーズでケージを使用する場合、パンクラスゲートのような試合もケージで行うのですか?
酒井「はい。まだ発表してませんけど、今後(アマチュア部門の)JMLとか含めて、一つの改革の発表をやらせていただきます」

――先ほどおっしゃられたスピンオフ大会をやるとすれば、来年以降大会が増えますか?
酒井「凄い増えます。正直、失敗してもいいと思ってる部分もあります。それは何でも物事うまく行くということは無いんで、私も勉強させてもらいながら、数は多く打って、多くの方に理解いただける形はとりたいなと思ってます」

――例えばism興行で、リング、踏みつけありの大会を残すとか?
酒井「おっしゃる通りです」

――もっとさかのぼって掌底ルールをそこでやるとか?
酒井「それも考えてます。そういうことが今後可能になっていくということですね。ケージをやるということでMMAが一つ確立できて、あとは総合格闘技だったり掌底ルールだったり、パンクラスならではのシリーズ物が生まれますよね。それによっては後楽園進出も当然ありますよね。パンクラスのいい所は別の形で残していく。そこはパンクラスを私が引き継いだ上でとても重要な所なんで、それを度外視することは無いです」

――向こうに上がる場合にレジェンド級の選手は話し合う、という話が出ましたが、UFCに出てる選手がリリースされた場合、その(次の契約先の)選択肢に(WSOFが)入ってても、そこは話し合いということですか?
酒井「今回の岡見選手のケースはそうじゃないですか。そういうアクションがあっても、最終的には直接やってね、っていう形で。UFCでリリースされて、パンクラスに上がって、ランカーにならないとWSOFに行けないということでは無いですね。ただ契約上、うちが独占になってるんで、あとは話し合いで、そうしようよ、ってところで行けると思います」

――例えば岡見選手のパンクラス再参戦は?
酒井「面白いですね。僕の中でもだし、みんなもそうだと思いますし、実現させたいですよね」

――WSOF日本大会は会場はどれぐらいですか?
酒井「中規模の大会はディファでいいと思います。登竜門的な感じの大会もやりたいんで。大きいイベントはさいたまスーパーアリーナの可能性もあります」

――統一ルールとデカゴンを採用することで、選手の戦い方や活躍する選手もだいぶ変わってきませんか?
酒井「ケージでやるということは、ケージで選手が安心して戦うことが大事であって、最終的にはドクターやジャッジも凄く重要だと思うんですよ。日本でやってる(ケージ)大会の中で、それはマズいな、ってとこがあるんで。実際うちのやったBaysideFIGHT(※統一ルールとケージを採用した大会)も問題はありましたし、ユニファイドルールをもうちょっと理解しないと。選手は1試合1試合が勝負で、勝ち負けが履歴書に残るわけじゃないですか。そこは大きく問題だと思ってる部分で、だからすぐにケージをやるという発表もしなかったんですね。来年3月までは時間をもらって、その間いろいろ教育だったり、ドクターとも話をして、こういうことが多いとか、ああいうことが多いとか、ここ1年間日本でやってきている有り方だったり、そういうのを考えて、5月ぐらいにバン!と行ければいいと思うんですよ。ルールが変わると色々変わってくるんで」

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